ありふれた転生者は世界最高   作:TNKエース

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今回他の作者のありふれ作品ではやらなかった事をします。


イジメと討論

イジメと討論

 

前回の説明会から一週間が経過した。

 

「ガバはバババババ!!」

 

そんなおれは現在、新作の首振りエンジン式自動車を作ったが、成功だ。

クソほど揺れるが、

 

火薬の生産も終わり、ハジメの作成した拳銃ドンナーも完成した。

 

ついでに一丁だけだが、大砲も作っておいた。

といってもフランキだが、

フランキを知らない人の為の講座

大体16世紀に作られた原始的な後装砲である。

単装式だが、弾倉を用意すれば連射も可能な大砲……ではあるが、欠点も有る。

その一、口径の縮小だ。弾倉を装填し、側面に木製の楔を差し込む事により腔圧が大きくなるので、大口径砲には向かないのだ。

そのニ、加工技術の不足による密閉の不完全さによる飛距離と威力の減衰だ。

 

更には火薬の製造法……

此れは教会の戦力を必要以上に上げない為にまだ公開していないどころか、他の面々にも教えていない。

 

試作品として爆弾数品、大砲用数発、ハジメ用の弾丸用六十発分のみ用意して、残りは無い。

 

車を走らせていると、訓練場近くで檜山達がハジメを虐めていた。

 

 

 

 

 

ハジメ達が訓練を始めて二週間が経過した。

と言ってもハジメは訓練はそこそこに殆どはラボで試作品の銃を製作していた。

 

最初は失敗だらけだったが、お陰で派生技能『鉱物鑑定』と『精密錬成』を覚えられ、それからはすぐに出来た。

その間にも悠里は多くの役に立つ物を作り上げた。

着脱式片手剣制式版。保温式調理器具。足踏み式多目的調理器具。火薬に旋盤、首振りエンジン搭載型の自動車

挙げ句の果てには携帯電話まで作ろうとしている。

本人は漫画やネット等で得た知識で作っているから大した事ないと言っているが、ハジメからしたら凄すぎると感じていた。

 

自分も負けてはいられないと考えていたら、

 

「よお、南雲ぉ」

 

ドンっ!と背中を叩かれる。

ハジメはゲホッと蒸せてしまうが、襲撃者達は我関せずに

 

「お前どんだけサボってんだぁ?」

 

ニタニタと笑いながらハジメの肩に気安く組み付き、

 

「サボりにはお仕置きが必要だよなぁ!!」

 

空いた手でハジメの腹を殴った。

 

「ゴホッ!!」

 

腹を殴られたハジメは膝をつきながら咳き込む。

 

「オタクでサボり魔は俺たちが鍛えてやるから感謝しろよぉ!!」

 

檜山達は下卑た笑顔でハジメに魔法をぶつけていく。

 

「ちょ、マジ弱すぎ。南雲さぁ~、マジやる気あんの?」

 

そう言いながらハジメを蹴飛ばしていく檜山達。

 

「お前らぁ〜〜!!!」

 

そこに近づく怒声とガタガタと大きな音が聞こえてくる。

檜山達は何だと顔を向けると、

 

「「「「はぁ!?」」」」

 

板に車輪が付いた何かが、こっちに向かっていた。

 

「減速!!」

 

悠里はそう叫ぶと板の後ろから大量の蒸気が吹き出す。

 

板は徐々に減速していき、檜山達の前よりも少し前で止まる。

 

「お前ら、何をやっている」

 

「いや、遠いだろ」

 

その距離訳8メートル。

カッコつけるには少し遠かった。

 

「っつか何だ?こりゃ?車か?」

 

「すげぇ!俺にも乗らせろよ!」

 

檜山達はハジメの事を忘れ、車に乗ろうとするが、

 

「辞めんかぁ!!」

 

スパァン!

 

「アウチっ!」

 

悠里のハリセンにより動きを止める檜山。

 

「何をやっているの!?」

 

と、そこにやって来る天之河一行。

 

「白崎、ちょうどいい時に来たな。ハジメの治療を頼む」

 

「えっ?あっ!ハジメくん!?」

 

悠里の言葉に白崎はハジメに気づき、すぐに回復を始める。

 

「何があったの?」

 

「先程、檜山達が南雲に対してリンチをしていたため、止めようとしたら、

此方に絡んで来たのでコイツで叩いた」

 

悠里はハリセンを軽く振るう。

 

「……流石に暴力……なのか?」

 

光輝は、何処ぞのオリ主達のように手痛いレベルなら正義漢を発動させていたが、ハリセンで頭を叩くのは(嫌っていたらともかく)暴力と言えなかった。

 

「しかし、檜山達もいつもサボっている南雲を鍛えようとして「いや、それは無理があるだろ」何っ?」

 

「天之河、お前の頭の中では非戦闘員を数で囲んで、尚且つ誰も見ていない状況でリンチにするのを訓練と言うのか?

もしそうだとしたら、お前……最低だぞ」

 

「だっ…だが、南雲がサボっているの「いやいや、ハジメがサボっているなら俺や畑山先生もサボっている事になるが……」二人は実績を出している!」

 

ハァ、と悠里はため息をつく。

 

「言っとくが、天之河。俺とハジメは仕事を三つ分けている。

一つはリピット(リピーター・ショートボウの略称)や着脱式片手剣等のこの国でもすぐに生産可能な単純な武器、

二つ目は、其れらを簡単に作るための技術の開発

三に、ハジメに任せた地球の兵器の開発だ。

ぶっちゃけた話、地球の兵器とこっちの武器を改修したものじゃ雲泥の差レベルの技術的な格差がある。

そんな物を0から作ろうとすれば時間がかかるのは当たり前だろ」

 

「兵器だって!君はクラスメイトに人殺しの武器を作らせているのか!?」

 

悠里の言葉に光輝は過剰反応する。

自分が言った事を考えずに、

 

「ん?お前は以前この世界の人の為に戦うと言ったよな?

だったら、これが俺達の戦いだぞ」

 

悠里の言葉に光輝は一瞬黙り、

 

「だったら!決闘だ!!俺が勝ったら人殺しの武器を全て捨ててちゃんと訓練に参加するんだ!!」

 

暴力で片をつける事にした。

 

「ちょっと!光「良いだろう」えっ?」

 

雫は光輝を止めようとしたが、悠里は了承したので驚く。

 

「ただし、決闘内容は俺が決めさせてもらう」

 

「えっ?」

 

天之河はよし来たと殴りかかろうとしたが、悠里の言葉に動きを止める。

 

「ん?何言ってんだ?決闘とは可能な限り対等な立場でするもんだろ?

お前は道場に通った体育会系、俺は文化系だ。

肉体関係じゃ逆立ちしたって勝てはしねぇ。

そもそも全てを暴力で解決する事自体がナンセンスだ」

 

「ぐぅ……じゃあ!何で決着をつけると言うんだ!」

 

悠里の正論に光輝はどう決着をつけるか問う。

 

「討論だ」

 

それに悠里は普通に言った。

 

「とーろん?」

 

「坂上くん。討論よ。

ほら、テレビで政治家がよくやってるじゃない」

 

「ああ、あれか?」

 

坂上は訳が分からなかったが、雫に言われ理解する。

 

「………良いだろう!!俺が正しい事を皆の前で証明してやる!!!」

 

そう言って光輝はその場から去っていった。

 

「………さてと」

 

悠里は討論の為に根回しを開始した。

 

 

 

 

 

その夜、

 

夕食を終えると、ラボ所属の面々が机と椅子を用意していく。

悠里VS光輝の討論の為だ。

 

椅子に机、その後ろには黒板とチョークが用意されて両者は椅子に座る。

 

貴賓席……と言うか、悠里は光輝が御都合解釈をするだろうと踏んでいた為、討論にてどちらが正しいか判断してもらう五名が座っていた。

一人はメルド、一人は愛子、一人はリリアーナ王女(何気に初登場)、一人はイシュタル(何で?)、一人は永山(正確にはクラス合議での代表)

 

この五名に判断してもらう。

 

まぁ、

 

「では、俺と天之河の討論を開始する」

 

「皆!聞いてくれ!如月は南雲に危険な兵器を作らせている!

そんな事は許されるはずがない!!

皆も如月に兵器作りをやめさせて共に戦う様に説得してくれ!」

 

天之河はクラスメイトに悠里を説得する様に頼み込むが、趣旨を間違えている。

これは討論だ。

 

ガタリっ、

 

悠里はゆっくりと立ち上がり、黒板にサザ◯さんのエンディングの様な家と、下に炎の絵を書く。

 

「さて、先ずは『なぜこの様な“意見の違い”が発生するのか』

という事を説明しよう」

 

急に悠里の語りに僅かに驚く視聴者達。

 

「意見が違う時には二つの可能性がある。

一つは『目的の違い』もう一つは『前提認識の違い」

 

悠里は黒板に棒人間AとB、家の絵の窓の中にCを描く。

そしてAの隣に吹き出し“Cを殺す為に放置しよう”

Bの隣に吹き出し“Cを助ける為に消防車を呼ぼう”

と書く。

 

「目的の違いとは、とどのつまり『価値観の違い』だ。

これが明確である場合『議論』『討論』は発生しねぇ。

行われるのは『戦争』『隔絶』『交渉』『説得』『許容』だけだ」

 

悠里は吹き出しの中身を消して新しい文字を紡ぐ。

 

“『鎮火をする為』にガソリンをかけよう”

 

“『鎮火をする為』に水をかけよう”

 

「次に前提情報の違い。

この二人の目的は同じだが、前提として持っている情報に違いがある。

ならば火を消せるのがどちらか情報を共有すりゃ良い」

 

「すると、Aの目的は『鎮火』であるから『鎮火をする為に水をかける』で二人は同意に至れる。

このように、同じ目的を持つ者同時が情報を共有し、より正確に意思決定する為の共同作業が『議論』だ。

会社の会議などで行われるあれだな」

 

「では、討論とは……

それはAがガソリンがよく燃える事を『知っても』なお、

『いや、鎮火のためにガソリンをかけろ』と主張すると発生する。

目的は鎮火なのにAは火を消せないことを主張している。

この場合Aは『嘘つき』だ。

本当に目的は『鎮火』ではなく『別のなにか』だ。

つまり討論が発生する時、必ずそこには『嘘つき』がいる。

目的は同じと言いながら違う事を目的にしている『嘘つき』が居る。

『討論』とは、それを見ている第三者が嘘つきを見出して排除する為に行われる公開決闘だ。

良いか、討論が発生したその時点で『正解』を述べている者以外は嘘つきだ」

 

誰かがゴクリと鳴らした

 

「では、先の前提を踏まえて言わせてもらうが、

ラボで作った武器は、可能な限り早く流通させる為にシカの考えで作った」

 

悠里の言葉に殆どの人間がシカの言葉に困惑する。

 

「シカ……それってシンプルで加工しやすいって事の?」

 

家が洋食屋をやっている園部優花は知っていた。

 

「そうだ。シンプルで加工しやすい。身近なところならアンパンとかメロンパンとかな……アレだって特定の技術がなくたって作れるのに人気あるだろ……」

 

俺の言葉にイシュタル達トータスの人間以外は納得する。

 

「で、だ。この考えで作られた武器は加工のしやすさから魔人族にコピーされる可能性が少なからず有る」

 

悠里の言葉にイシュタルは眉を顰めるが、

 

「確かにな、無反動矢等は国の錬成師が僅かに手直しした程度で市井の錬成師や鍛冶屋に量産させている。

更には輸送中や戦闘で武器を回収されれば、それを研究され同じ物を作られてしまうだろうな」

 

メルドの語りで勝手に納得した。

 

「しかし、地球の兵器類は極めて精密な加工技術が必要だ。

精密錬成を使えるなら兎も角、一般的な鍛治師や錬成師では不可能だ。無論、根拠のない話ではなく、ラボメンに確認している」

 

「話を逸らすな!お前が南雲に危険物を作らせているのは分かっているんだぞ!!」

 

「では、仮に俺達が兵器開発をやめた場合。どうなるか分かっているのか?」

 

「兵器を開発しなければ、誰も人殺しの武器を持たずに済む!!」

 

光輝の言葉にイシュタルはメルドを睨み、メルドは頭を抱える。

 

「ハァ。メルド団長……これからの訓練は精神面も考慮した方が良いですよ」

 

「あぁ……俺が担当できたらそうする…」

 

「じゃあ、天之河。最初に兵器開発をやめた場合。この国の兵士の死傷者が増えるぞ」

 

「嘘をつくな!!」

 

「嘘…ね。

現時点で人間族の軍事力は魔人族に圧倒されている。これは初日にイシュタルさんが言った事だ」

 

イシュタルは頷く。

 

「無反動矢やリピットで多少は好転するだろうが、決定打には足りえない。

そんな中で兵器類による兵力の底上げが無ければ死傷者は兵器投入する場合よりも倍以上は出るだろう。

勇者として死者を出すのは正しいのか……」

 

その言葉に天之河はうぐぐと唸る。

本人の心の中では悠里の指摘と心の防衛本能が(御都合的)解釈を探していた。

 

「言っておくが、今まで作った武器がコピー出来ないとかの言い訳は無しな。

魔人族も人間だしな……」

 

そこに悠里は爆弾を投下した。

 

「どどど、どう言う事だ!?」

 

「そりゃ、そうだろ。魔人族は魔王と呼ばれる王を頂点とした国家を運営して、尚且つ人類とそう変わらない見た目をしていたら、生物学的に人間だろ」

 

「まぁ、宗教や政治的な面で人間とは認められないだろうがな…」

 

悠里の言葉に再び眉を顰めるイシュタルだが、その次の言葉で表情を戻す。

 

しかし、

 

「えっ?それじゃあ…私たち人殺しをさせられるの?」

 

「いやぁ。いやあぁ!」

 

「嘘だろ!」

 

魔人族が人間と言うことも有り、学生達は驚愕し拒絶する。

 

「皆!!」

 

光輝は皆を纏めようと声を張り上げる。

 

「大丈夫だ!如月の言う通り魔人族は人間だとしても、捕虜にすれば良い!俺達にはそれだけの力がある!!」

 

光輝が殺さずに捕まえようと言うが、

 

「それは無理だろ……」

 

悠里の言葉に遮れる。

 

「どう言う事だ!如月!」

 

「捕虜にした後、どうするつもりだ?

精々、男なら嬲られてから殺害され、女なら凌辱されてから殺害される未来しか見えないが……」

 

「そ…そんな事は俺はしないし、させもしない!」

 

「いや、お前はしなくても、させないは無理だろ。

エヒト神教では魔人族は種族毎滅ぼせと言われている程だ。

お前が捕虜にしたとしても、後にギロチンかけられて殺されるのが関の山だ」

 

悠里の現実的な話に、光輝は、

 

「何で、お前は人の善性を信じないんだ!?」

 

キレた。

天之河光輝は根っからの悪人はいないという性善説を信じていた。

 

「善性は信じているぞ。

まぁ、俺は人間は悪性も善にて行う悪もな……」

 

「善にて行う悪だと……そんな物有るはずがない!!」

 

「有るぞ。

そうだな。とあるところにA君という少年が居た」

 

一体何をと光輝は思ったが、悠里は続けていく。

 

「A君は大変正義感の強い少年でしたが、思い込みが強すぎました。

惚れた幼馴染が、別の男と仲良くしていると、小さな事でネチネチと小言を言い、有りもしない事を吹聴していた。

ある日、その男と幼馴染が付き合った事を知ると、A君は幼馴染が脅されていると思い込み、A君は彼に詰め寄り有りもしない事を言い放ち侮辱して、最後に決闘して、自分が勝ったら幼馴染に二度と近寄るなと言い放ち、相手の了承も無く殴りかかった。此れは正義か?」

 

悠里の言葉に雫は心の中で、『まるで、光輝ね』

と呟く。

 

「せ……正義だ!!」

 

「何を根拠に?もしや自分を投影したからとかは言わないよな?」

 

「うっ……」

 

「まぁ良いが……此れによりA君は侮辱罪、名誉毀損、暴行罪、決闘罪によって逮捕される。

本人は正しい事をしたかも知れないが実際には犯罪行為だ。

こう言った自分の考えを絶対のものとして考え人の考えを否定する者も少なからずいる。

『俺は正しい!正しいから、間違っているのはお前らだ!』とな、又は『俺は正しい事を言っているのに…誰かが皆を洗脳しているんだな!』とかな……」

 

原作の天之河光輝である。

 

「それに悪虐非道な事を人はするぞ……」

 

誰だ?と思う落ち着いた学生達。

 

「織田信長」

 

何人かはあっ、と気づく。

 

「オダノブナガ?」

 

トータス組は分からない顔をするが、

 

「俺達の故郷に実在した武将です。

簡単に言えば、実の弟を殺害し、義理の弟も殺してその髑髏を肴に部下と共に宴をしたとか、比叡山……敵対する教会の総本山だったか?

まぁ、そこを焼き討ちしたりと……」

 

悠里の説明にトータス組は差はあれど、うわぁと引いていた。

 

光輝もまた、学校で習った事(髑髏を肴には知らなかったが……)だったので何も言えなかった。

 

「人は聡明で有り、愚かだ。

二度と同じ失敗をしないと言いながら何度でもしてしまう。

身近な例えなら酒とか……」

 

酒と言われてメルドの表情が強張る。

 

「二日酔いになって、二度と飲まないと言いながら又二日酔いになっては何度でも……」

 

メルドは目を逸らす。

 

「さてと、間話はこれで終わりだ。

そろそろ、この話を終わらせよう」

 

その言葉に光輝は自信満々な顔だ。

 

言い争い自体には負けたかも知れないが、己は何も間違った事を言ったつもりはない。

クラスメイトや他の人達も自分の言い分を信じてくれるに違いないと、

 

しかし………

 

メルド「私(イシュタルの前な為一人称を私にしている)は悠里の意見に賛同します」

 

「なっ!?」

 

信頼しているメルドが悠里に付いた為に驚く光輝。

 

イシュタル「同じく、私もユーリ殿に賛成しましょう」

 

「そんなっ!」

 

リリアーナ「私も悠里さんを支持します」

 

愛子「私もです」

 

重吾「同じく」

 

「馬鹿なっ!!」

 

まさか全員が悠里に賛同するとは思ってもいなかった。

 

「はいっ。じゃあ、これからも俺達は地球産の兵器を作り出してこの国の兵士を生かそう。

そうすれば戦争を終えても復興が早くなるし、未亡人や孤児が減る」

 

悠里の言葉に光輝はこう解釈した。

 

『例え、人殺しと呼ばれようと人を救う為なら俺はこの手を汚す覚悟が有る』と

 

光輝は彼に人殺しの武器を作らせるのを辞めさせようとした。

自分が全て救うから……彼に無理をさせたくないから

絶対に無理だが……

 

「では、続いて、本日の午後にあった檜山達一同の南雲ハジメ集団暴行事件に対する処遇を決めようか」

 

悠里の言葉に討論が終わり、後は寝るだけだった檜山達は驚愕する。

 

「集団暴行だって?その話は既に「終わっていると思っているのはお前だけだ。

言っとくが、檜山達がハジメをリンチしていたのは事実。何故、事実から目を逸ら………

ああ、そうか、天之河……」

 

悠里は光輝を冷めた目で見る。

 

「お前、ハジメが嫌いだろ」

 

確信をついた言葉が光輝を貫く。

 

「な…….何を言っているんだ?俺が南雲を嫌ってる?」

 

「白崎から聞いたが、ハジメの不真面目な態度に何度も注意したって聞いているぞ。

まぁ、授業中の居眠りは頂けねーよな」

 

「そ、そうだ!俺は南雲の事を思って「ハジメの両親のこと聞いたか?」はっ?何でそこで南雲の両親が……」

 

「ハジメの父親は中堅所のゲーム会社の社長だ。

ハジメも戦力として十二分に働いている。

要は親の仕事を継ぐ為に学業をしながら働いているんだ」

 

悠里の説明に光輝は、

 

「そんなの嘘っぱちだ!!南雲がそんな事をしている筈がない!!」

 

「何が嘘だ?根拠が無ければ、それは単なる誹謗中傷だぞ」

 

「根拠?オタクな南雲がそんな事出来る筈が無い!!」

 

光輝は悠里の言葉を否定していく。それが悠里の言葉を肯定していると知らずに、

 

「それこそ、根拠が無いな。

そもそも、この話はハジメからでは無く、白崎から聞いた話だ。

お前は幼馴染の言葉も信じられない様だな」

 

「はっ?何でそこで香織の名が出てくるんだ!?」

 

「それは簡単だ。白崎が、毎日ラボに来てたからな」

 

悠里の言葉に異世界組ははぁ!?となる。

 

「!!……そうか、香織は優しいからな……南雲の様子を「嫌、此処まで来たら分かるだろうが、白崎はハジメに好意を持っているんだよ」」

 

「はは、ありえない。ありえない。香織が南雲を好きだって?俺は香織の事をよく知っている「じゃあ、本人に聞けよ」」

 

悠里は指先を香織に向ける。

 

「香織。如月の嘘なんだろ。香織が南雲なんかを好きになる訳が無い」

 

光輝の戸惑いながらの問いに香織は、

 

「光輝くん。私は……南雲くんが好き!」

 

その言葉に異世界組の男子は何で?と思った。

 

「そんな、馬鹿な?南雲は香織に何かしたのか!?」

 

「いい加減にしなさい!光輝!」

 

光輝が戯言を吠えようとすると雫が声を上げる。

 

「南雲くんがそういう事するわけないでしょ!」

 

「そうだぞ。現時点ではハジメは白崎にそういった感情を見せてはいない」

 

「いや、香織が南雲を好きになる理由が見当たらない!だったら、南雲が香織に何かしたに決まっている!」

 

悠里の言葉は無視して、光輝は暴走する。

他の男子達も南雲が何かしたんだ!南雲を許すな!と騒ぎ立てる。

檜山に至ってはSATUGAIせよ!と言わんばかりにハジメを殺せと叫ぶ。

 

ねぇ、皆

 

そんな中で静かに……しっかりと香織の声が響き渡る。

 

何で…私が南雲くんを好きになっちゃダメなのかな?かな?

 

香織の眼を見た悠里を含む男子達は金玉が縮み上がった。

 

香織の眼が虚ろに見えた。

 

所謂ハニワ香織である。

更に香織の背後に刀を構えた夜叉のスタンドが見えた。

 

パンパン!

 

悠里は手を叩き、

 

「南雲関連はこれにて閉廷!!以上!異論は認めない!!」

 

悠里の有無を言わさぬ発言に皆は一斉に座り黙る。

 

男子達が黙った事により香織もまた、夜叉を引っ込めて、普通の目に戻った。

 

「そもそも、幼馴染と言うのは極論古くからの友人だ。

そんなに白崎の事が好きなら告白しろ!」

 

悠里の言葉は光輝にとって目から鱗だった。

 

「そうだ!香織!俺と「ごめんなさい。光輝くんはお友達としか見えないから」……」

「だったら俺と「私、無意味に暴力振るう人嫌いなの」……」

 

光輝と檜山は香織に告白するも、香織に拒否られてしまい。椅子へとへたり込む。

 

近藤達は檜山を慰める。

 

まぁ、閑話はこれで終わりだ。

 

「んじゃ、メルド団長。檜山達は今回の一件で問題を起こした。

これがこの国の新兵が暴力沙汰を起こしたらどうしてる?」

 

「あっ?ああっ!そうだな……一晩反省室で過ごさせると言ったところか……」

 

「では、今回の一件はそれで手打ちにしよう」

 

その後、放心した檜山や近藤達を兵士が引き連れて行き、今回の一件はこれで終わった。

 

尚、この一件で白崎に惚れていた男の数は激減していた。

 




皆を巻き込んでの討論はどうでしたか?

天之河を完全論破してみました。
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