トリオで生き抜け! 鬼滅世界   作:緑燕

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そのろく

【任務のお供に】謎解き!改変済み鬼滅世界【パート2】

 

1 雨

えーっと、雨です

こちらは改変済み鬼滅世界、救済のついでに誰が改変したのか謎解きするスレです

1個目ラストで急な剪定の危険性とかいう不穏な要素が追加されて不安…

 

2 名無しの転生者

2ゲト

その説明じゃ全然わからんのだが…

 

3 雨

あっ1個目のスレはこれね⤵︎ ⤵︎

【修行の】謎解き!改変済み鬼滅世界【お供に】

 

4 名無しの転生者

<<2 ちょっと待ちな

すぐ我らの優秀なまとめ班ニキが来るから

 

5 名無しの転生者

<<4

スレ主が説明するんじゃないんだ……

 

6 名無しのまとめ班

[このスレの目的]

・既に改変されてるからその謎解き

・救済、現在、選別通過後

 

現在原作開始約5年前 スレ主14歳 (錆兎、義勇と同い年且つ同期)

スレ主は型の威力が下がるかわりに、自前の呼吸で呼吸の切替ができる。使えるのは水、花>霞>風、扇

 

[世界線について]

・特有の派生呼吸は雲、扇(現時点)

→扇発生は130年前(江戸)、主に辻宮家が使用。短刀と刀の二刀流、投擲あり。

・急な剪定事象(同じ世界線に行った人がいる、但しスレ主とは違う時空)が確認されている。注意と要原因究明

 

7 名無しのまとめ班

[謎一覧]

・選別の仕組み変更(死亡者激減)

⇒年齢制限:12歳以上、14歳以上推奨、複数の隊士の試験監督あり、途中棄権・再試験可

 

・謎の隠屋敷(仕事場の集合体、孤児院と呼吸適性を判断するための教師的な人たち)

・隠統括という役職(おそらく中年男性)

・無駄に設備の整った医療屋敷

・柱の条件(鬼を50体倒すor十二鬼月を倒す+階級が甲かor柱か隠統括2名以上の推薦 )

⇒130年前に初代隠統括の記載あり、そこがターニングポイントの可能性大(扇が派生するのにも関わる)

 

・おそらく鬼陣営の改変はなし

 

8 名無しの転生者

さすが!!

 

9 名無しの転生者

毎回仕事が優秀

 

10 名無しのまとめ班

伝わったか?

 

11 名無しの転生者

ああ!

分かったぞ

 

12 名無しのまとめ班

良かった良かった

 

13 名無しの転生者

因みに、なんとなく感じてるかもしれないがスレ主はアホの子だから

 

14 雨

失敬な!!

ここの失礼なスレ民みたいにならないでね

 

15 名無しの転生者

おっおう…

 

16 元錆びたウサギ

まぁまぁ落ち着け

 

17 名無しの転生者

なぁ今どんな状況なの?

育手とこ付いた?

 

18 雨

付いたよ

先生泣き出しちゃった

私が2人目の弟子だからさ……

 

19 名無しの転生者

ああ、姉弟子死んだんだっけ

 

20 名無しの転生者

それも、選別の帰りという最悪のタイミングで

 

21 栗花落のお兄ちゃん

じゃあ帰ってきた最初の弟子になるんだ

 

22 雨

 

 

23 名無しの転生者

お前ら!地雷を土足で踏み荒らすのは辞めろ!

 

24 名無しの転生者

すまん

 

25 名無しの転生者

俺らにとっては情報整理だったんだよ

悪かった…

 

26 栗花落のお兄ちゃん

靴脱いだよ??

 

27 雨

 

 

28 名無しの転生者

おい!そこの栗花落の兄貴!止めるんだ!

 

29 名無しの転生者

やめて差し上げろ!!

 

30 雨

もういい

ブロックするから

 

31 栗花落のお兄ちゃん

スマン!スマン!スマン!

空気を変えようと思ったんだ!

笑ってくれるかと…

 

32 雨

まったく面白くないから

次やったらマジでブロックするから

鬼に食われるか?????

 

33 栗花落のお兄ちゃん

マジですいませんでした!!!

反省してます!

 

34 名無しの転生者

本当に姉弟子の事は地雷だからな

みんな覚えておけよ

 

35 名無しの転生者

りょ

 

36 名無しの転生者

把握

 

37 名無しの転生者

理解

 

38 元錆びたウサギ

で、今後の予定とか決まってるか?

 

39 雨

今は鱗滝さんと桑島さんに手紙書いてる

4,5日に隠屋敷に鎹鴉と隊服受取りに行く予定

その実況はいらないよね?

 

40 名無しの転生者

いらなーい

 

41 名無しの転生者

さすがにいらんな

 

42 ロブスターのやつ

大丈夫だよ~

 

43 名無しの転生者

あれ久しぶりのロブスターだ

 

44 雨

おかえり!

 

45 ロブスターのやつ

いつの間にかスレ変わってたから驚いちゃった

 

46 雨

そかそかー

 

47 名無しの転生者

雨はロブスターには甘いよね

 

48 雨

悪い??

 

49 名無しの転生者

いやそんなことないけど

ねぇ隊士になったけど詳しい資料って見れないの?資料室の

 

50 雨

わかんない

聞いてみるね

 

51 名無しの転生者

よろしく

 

 

 

 

 

61 雨

ねぇ隊服返却された

零士さんに

 

62 ロブスターのやつ

えっ何?

 

63 お嬢様隊員

あれね

蜜璃ちゃんを毒牙にかけたゲスメガネのやつね

燃やしなさい

 

64 名無しの転生者

あいつかー

 

65 雨

<<63 えっ恋柱のやつ燃やしたの??

なんか特殊な生地使ってるから再利用するんだって縫製係ちゃんに謝られた

まぁ生地大事なのはわかるけど

 

66 お嬢様隊員

見るに耐えないから燃やしたわ

でも、たしかに生地はもったいないわね

 

67 名無しの転生者

たしかになー

なんか実感ある口調だけどどうなの?

 

68 雨

生地の話?

それなら今の実家が雑貨屋でね、売り物の巾着とか髪飾り作ってたからそれかな

手先器用&裁縫上手ってスキルを持ってる

 

69 名無しの転生者

よかったじゃん

隊士続けられなくなっても縫製係に就職できるよ

 

70 雨

縁起でもないこと言わないでくれる?まだ正式に隊士になってもいないんですけど

あと、隠の経験もあるからわざわざ縫製係にはならない

 

71 名無しの転生者

そういえばそうだったな

 

72 名無しの転生者

確かに

 

73 名無しの転生者

それよりどんな服わたされたん?kwsk

 

74 名無しの転生者

おっまえ…

 

75 雨

ふつーに恋柱と同じやつだよ

上はお返しした

下はキュロットだったからそのまま使う

 

76 お嬢様隊員

そのまま使うの?

 

77 雨

別に平成令和的にみたら普通じゃん?下は

まー胸がら空きは防御的にもセクハラ的にもやばいけど、二次転生繰り返してると感覚麻痺してくるよね

 

78 名無しの転生者

それはわかる

 

79 名無しの転生者

絶対防御できてねぇってやつとかも多いよね

 

80 お嬢様隊員

確かにそれはあるわね

私も貴族なのに学園の制服のスカートだいぶ短いもの

 

81 名無しの転生者

ねー

 

82 名無しの転生者

二次元あるあるだな

 

83 元錆びたウサギ

で、資料室はどうなったんだ?

 

84 雨

あっ忘れてた忘れてた

なんかねー呼吸の資料以外は結構信頼と階級のある隊士しか見れないんだって

呼吸の資料は大分零士さんが頑張ってくれてたみたい

 

85 名無しの転生者

あー残念

 

86 名無しの転生者

その階級ってどのくらいなの?

 

87 雨

よくわかんない

誰が信用に値するかを判断するのかも謎

隠統括なのか資料管理してる人なのか御館様なのか…

 

88 名無しの転生者

こまったな

 

89 名無しの転生者

しょうがない、柱目指せ

 

90 名無しの転生者

あっそれいいな

がんばれがんばれ

 

91 雨

はぁぁぁあ⁉

こちとら刀の色変わらないかもしれないようなやつだぞ

無茶言わないでよ

 

92 名無しの転生者

いやーいけるだろ

 

93 名無しの転生者

そーそー

結構鬼滅のスレ柱になるやつも多いし

雨も目指せよ柱

目指して損はないだろ

 

94 雨

まーそうだけどさー

あんまり期待しないでよ

 

95 名無しの転生者

わかった

 

96 元錆びたウサギ

あんまり気負うなよ

 

97 お嬢様隊員

原作まで5年、柱合会議までは7年もあるんだから大丈夫よ

焦る必要はないわ

 

98 雨

いや、目的は柱になることじゃなくて資料を見ることなんですけど

 

99 お嬢様隊員

あらそうだったわね

 

100 雨

とりあえず刀見てから考えるから!

この話はここで一旦やめ!!

 

101 名無しの転生者

100ゲト

 

102 名無しの転生者

あっ

 

103 雨

なんかごめん

 

104 名無しの転生者

(´・ω・`)

 

 

 

 

* * * * *

 

 

 

 合格したよーって言いに行ったら、栗原夫妻にダイレクトジャンピングハグアタックされた。ここ本当に明治の日本ですか? コミュニケーションが欧米なんだけど……。なんでも子どもを最終選別に見送ったのも、ちゃんと指導したのも初めてだったらしい。そんな新参教師だったなんて知らなかったよ、私。

 

 なぜか隊服受け取るところまでついてきた零士さんが、恋柱スタイルの隊服を燃やそうとするのを縫製係ちゃんと一緒にどうにかこうにかなだめすかした。生地大事。

「じゃ私、鴉受け取りにいくんで」

「えっ俺も行くよ。場所知らないでしょ」

 あの……、零士さんどこまでついて来る気ですか? まぁ別に構わないですけど、あなたは私の何なんですか? 親戚のおじさんポジは軽く超えてると思うよ。

「いや、覚えてますけど」

「えっ」

 目に見えて落ち込むから、なんだかおかしく思えてきた。効果音、しょぼーんだ。あの絵文字みたいな感じ。

「んーあれ、どっちだっけなー? 右だったかなー? 左だっけー」

 あからさまな棒読みなのに、パっと目を輝かせて喜ぶ零士さん。ニヨニヨし始める。引退したといえ、こんなわかりやすい態度でいいのかな。

「ほら~、真っ直ぐだよ。まずは真っ直ぐ」

「はいはい」

 いや道覚えてますってば。

 

 

「ごめんくださーい! この度最終選別に受かりました、九石雨依です。鎹鴉受け取りに来ました!」

 奥からくぐもった返事が返ってきた。

「んあー? 相分かった。まだ入らないでくれ。糞被ることになるぞー」

「えっうわ、ほんとだ」

 ちょっと目線を上げたら止まり木に止まった、たくさんの鴉が視界に映った。なんかいっぱい居すぎて、まっくろくろすけみたいに見える。視線を下げると確かに新旧問わず大量の糞が落ちてる。

「わー、相変わらずすごいなぁここ」

「なんだお前いたのか」

 鴉をかき分け、にゅーっと鴉調教師のおじさんが出てくる。

「なんかついてきました。気にしないでください」

「えっひどいぞ雨依。俺はお前を心配してだな……」

「なんだお前、面白いやつだな。それは置いておくとして、鎹鴉なんだが昨日辻宮の倅にやったやつで本当に最後でな。もう半人前のやつしかいないんだ」

 ついてこい、その屋根の下なら糞は落ちないからって案内されるので、おとなしくついていく。零士さんだけ扉の前に取り残されて可哀そう。何のためについてきたんだろう?

「だからお前さんさえ良ければ、こいつらまとめて預かってくれねーか?」

「えっ」

 そういって見せられたのは、三羽の若鳥。元気にギャーギャー騒いでる。

「ほら、半人前でも三羽もいれば一人前程度の仕事はできるはずだろ。こいつらは三つ子だしな。嫌だって言われてもしょうがないが、そこをなんとか」

「いいよ! ねー?」

 話を振るように三羽の若鳥に言うと、

「良いワヨ」

「モチロン!」

「よろしく頼ム」

 三者三様の返事が返ってきた。いや鴉だし三羽三様か?

「よかった、よかった。じゃあよろしく頼むな。元気に任務に励むんだぞ。ああ、それからそいつらの名前は自由につけてやってくれ」

「いいの⁉ やった」

 三羽を両肩と頭にのせ、どうしようかな?と考えながら扉をあとにした。

 

 

 あっスレに報告しなくちゃ。

 えっなになに? 三羽いたら、救済対象見張ってもらえるし便利? 確かに! やったね。お得じゃん。

 

 

「じゃあもうそろそろ帰るねー」

「えっ帰るのか? 泊まっていけばいいのに」

「いやいや、孤児院来たばっかの子だっているんでしょ? 悪いよ」

「えー」

 零士さんがまだぶつぶつ言ってるけど、正直ちょっとうざい……。別に嫌いな訳じゃないんだけど何の反動なのか、はなびさんに対するバカップルテンションで私に話かけるのやめてほしい。「うるさいゾ」「男らしくナイワ」「ガンバレー」そんなことを喋りながら、私の気持ちを汲んだのか否か、三羽の鴉が零士さんの周りをバタバタと飛び回る。いや、それはやめてあげなよ。

 とにかく、もう私は帰るからな!

「帰りますってば。さようなら!」

「……うーん、じゃあまた遊びに来いよ! できたら千里もつれてな。あいつ誰かが引っ張らないときっと来ないからさ」

「了解です! 初任給でみんなにお土産でも買って遊びに来ますよ!」

「ああ、任務も頑張れ!」

「はい!」

 うん! 頑張るぞ!

 そう思い隠屋敷をあとにする雨依と三羽の鴉には、零士さんの「死ぬなよ」という呟きは届かなかった。本人にも届かせる気はなかったかもしれないが。

 

 

 零士さんがうざかったからさっさと出てきちゃったけど、よくよく考えたらまだ帰るには早い時間だ。どうしようかな。

「ねぇまだ帰るまで時間あるけどどうしたらいいと思う?」

 鴉ちゃんたちに聞いてみる。何もいい案出なかったら安価とろうかな。この子達の名前もつけなきゃ。

「そうなのカ」

「ジャア残レバよかったジャナイ」

「それはそうなんだけど、ちょっとうざかったじゃん?」

「ソレは分かるワ」

 やっぱりいい案出ないかー。スレ開かないと……。

「ネーネー、千里ッテダレ?」

「ん? 同期の子だよ。年下の、アホ毛がみょんみょんした」

 そう言いながら頭の上で立てた指をピコピコさせてアホ毛を表現する。

 そうだ! 千里の家、場所は知ってるけど行ったことなかったし突撃しに行こう!

「じゃあ千里のとこ遊びに行こう!」

「ワーイ」

「エッ良いのカ?」

「平気平気!」

 そうして辻宮家に一人と三羽がわちゃわちゃと向かい始めたのである。

 

 

 

* * * * *

 

 

 

 どこから持って来たのか幾つもの鍵をかけて、お仕置きが終わってから三日くらい放置された。何にも痛いことは起こってない筈なのに、何だか痛くて痛くてしょうがなかった。

 いつの間にか涙が一滴もでなくなっていた。

 

 

 幾日ぶりかの食事と服と共にご主人様が女の子を連れてきた。パッと見8歳くらいの子。寝てるのか、気絶してるのか、とにかく意識のないその子を部屋の中に放り込むと、

「ソイツ20、あぁ…5、25番と一緒だ。やる事仕込んどけ」

 とだけ行って出ていこうとした。

 ゆっくり意識が追い付いて、慌てて質問した。

「はい……、分かりました。えっと掃除と、荷物の受け取りですね。あのっ荷物を受け取る場所は玄関先でしょうか?」

「あぁ。それから鍵の管理はオレ、開けるのはソイツとオレだ。お前はもうそっから出んじゃねぇ。訓練もそこでやれ。鬼狩りのヤツが来た時しか出んな」

「えっあっごめんなさい!ごめんなさい!分かりました!この26番ご主人様の意志に背いて出ることは金輪際致しません!!」

 えっ!? この血腥い部屋から出れないの?

 でも、私は逃げ出したんだ。ご主人様に逆らったんだ。だから殺されないだけマシなのかもしれない。それに、護衛の為の訓練する為とはいえ広い部屋だし、はめ殺しで、ご主人様の為に光を遮っているとはいえ窓もある。十二分の温情なのかもしれない。

 

 ご主人様が出ていって服を着てから、のろのろと置いていかれたおにぎりに手を伸ばした。お腹は空いていたから食べようとして、だけど、最後に食べたあの気持ち悪いものがせり上がってくるようだった。それでも同じ目には会いたく無かったから、必死に必死に呑み込んだ。

 ただ食事をしただけなのに呼吸が乱れてしょうがなかった。

 

 

「起きて。ねぇ起きて」

 なるべく優しくこれから私が27番にする子を起こした。酷く悪いことをしているようで罪悪感がチクリチクリと刺さった。それでもやらなきゃいけなかった。

「うう〜ん……えっだっだれ!? ひぃ!!」

 何に怯えているのだろうか。もう服は替えたから血なんてついていない筈なのに。あぁ、視線の先は私じゃない、血濡れの壁だった。そうだよね、普通に考えたら血濡れの壁が見えたら怖い。

 

「ごめんね。ごめんなさい。向こうを見ようね。それでも怖ければ私の顔を見ていて」

 訓練用のスペースなのか余り血のついていない方向に移動して、顔も壁から逸らさせた。

「落ち着いて落ち着いてね。ゆっくり深呼吸してみて」

 姉様たちは私を守ってくれたんだもの。今度は私が27番ちゃんを守らなくちゃ。

 

「そう、そうだよ。上手。うん、ちょっとは落ち着いた?」

 コクリと頷くのを見て、今どれだけ状況を知ってるかの確認に入った。

「うんうん。良かった。じゃあ確認ね。どうしてここにいるのか分かる?」

「うん、あの、鬼さんのところに行かなきゃいけないって言われて、なんかひとじち?なんだって言われて、それで、気がついたらここにいたの」

 

 じゃあ殆ど全て教えないといけないのか。こんな小さな子にもう家族には会えないとか残酷な事ばかり言わなきゃいけないの……。

「うん。ありがとう。じゃあここでの暮らしを伝えるね。よく聞いてね。そうしないと怖くて痛い目に会っちゃうから」

「うっうん。わかった」

「鬼さんが誰だかはわかってるのよね。その人のことはご主人様って呼ぶの。そう呼ばないと怒られてしまうから気をつけてね。繰り返して言ってみて、ごしゅじんさま」

「ご、ごしゅじんさま」

「そうそう、上手だね。それから私のことは26番……は難しいから姉様って呼んでね」

「あねさま、でいいの?」

「そう、よく出来ました。ご主人様が26番って言ってたら私の事ね。それから貴方の呼び名はここでは27番なの。覚えてね」

「にじゅうななばん? なんで?わたしの名前はしおりだよ!」

 胸がズキズキと痛んだ。この子は名前を知ってるんだ。そりゃあそうだ。私がいたからこの子は親が大事に大事につけたであろう名前を失うんだ。

 

「うっうん。そうだよね。いい名前だね。でも名前を言ったらご主人様が怒るから、だからここのお家の中のあだ名だと思って。ねっ27番ちゃん」

 あだ名なんて欺瞞だった。私が名前を奪ったって思いたくないだけだった。

 

「うぅなんで! なんでぇ!!」

「ごめんねごめんね。お願い! 受け入れて!」

 手をギュウっと握って懇願した。

「なんで……嫌だよぉ」

「お願い……。お願いだから、ここでだけだから受け入れて! ご主人様は人喰い鬼なの。それを受け入れなきゃ食べられちゃうのよ!」

「えっ、わたし食べられちゃうの!? 嫌だよいやぁ」

 わんわん泣きだしてしまった。どうしよう、どうしたらいいの?

「だっ大丈夫よ。ここでは27番だと思えばいいの。それでここの掃除をして、あとは貴方の家族からご飯とかを受け取ればいいのよ。それだけでいいの。そうすればご主人様は貴方を食べたりしないわ」

 

 25番の姉様だって食べられてはいなかったんだから、きっと私しか食べられないわ。ご主人様の好みは明るい茶髪に緑か青色の目だからグレーアッシュのこの子には当てはまらないし。

「ほんと? わたし、食べられない?」

「本当よ。本当。これから私が言うことをしっかり覚えて、仕事をちゃんとすれば食べられないわ。痛い思いはしないように私が頑張るから大丈夫」

 

 そう、きっとたくさん怖い思いも寂しい思いもしてしまうけど、痛い思いはさせないように頑張るよ。

 

 

 そうして、ご主人様と私としおりちゃんの3人での生活が始まったのだ。

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