トリオで生き抜け! 鬼滅世界   作:緑燕

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そのなな

 コンコンと扉をノックする。

「お邪魔しまーす! 辻宮千里さんいらっしゃいますかー!」

 手を挙げ、ちゃんと届くよう声を張り上げる。インターフォンとかないからやっぱり不便。

「なによぉ。うるさいわねぇ」

 そう欠伸をしながら出てきたのは、豪華なワンピースにアクセサリーをいっぱいつけた女性。お母さんなのかな? 千里のお兄さんが嫌ってた、あの。確かにケバいし金遣い荒そうな雰囲気はある。時代的にも西洋かぶれな感じだし。

「はい! 私は千里の友達で同期の九石雨依って言います! 千里はいますか?」

「千里?」

 頬を人差し指で軽く叩いて、遠い目をする。そうして合点がいったというような返事が返ってきた。

「ああ、三番目ね。んー分からないわ。いるんじゃないかしら、多分」

 それだけいって家の中に入っていく。あれ? 置いてけぼりですか?

 というか、名前を聞いてすぐ自分の息子が思い出せないとかある? ああ、でも私も何回目かの転生でそういう親に当たったことあったわ。最近は親ガチャ成功してたから忘れてた。うん、みんないい人で助かってた。普通に今世の親も好きだったよ。

 

 扉が開く。

「何? ここまで来るの珍しいね」

 そう言った千里は、さっさと扉を閉めて出てきてしまう。これは家に入れたくない時の反応だ。ちょっと家まで来るのは悪手だったかも……。それにスレ民の言ってた辻宮の闇も当たってるのかもしれない。

「ああ、兄さんの墓参り? 墓ならここにはないけど」

 事もなげに言うから、一瞬理解が遅れた。

「えっお兄さん亡くなったの? えっ? いつの間に?」

「あれ、知らなかったっけ? 一か月くらい前だよ。俺が選別出たのは兄さんが死んだからだけど?」

 なぜか歩きだす千里を慌てて追いかけつつ問う。

「えっそうだったの? というかお兄さんの死と選別にどんな関係があるのよ」

「ん? だって俺が隊士にならなきゃ収入が無くなるじゃないか。さっき母親みただろ? 母親も妹もあの調子なのに節約とかできるわけがないからな」

「そ、そんな理由だったの……」

「いや、代々鬼殺の家系だってこともあるよ。じいちゃんとかは凄い誇りに思ってたし、俺も別に扇の呼吸だって嫌いじゃないしな」

「そうなんだ。よかった」

 こちらを見た千里が不思議そうに瞬きする。だって、そんな親が遊ぶ金のために命かけて鬼殺するのはさすがに悲しいじゃないか。

 

 なんとなくついて歩いてきた先は屋敷の裏手の竹林だった。獣道よりは整備された細い道を通る。少し荘厳な気配のするそこにあったのはお墓だった。

「はい。ここが兄さんたちの墓」

 あっどこに向かってるのかと思っていたけど私にお墓詣りさせてくれるのか。2、3度話しただけで、さらに一番目の兄さんなんて会ったこともないのに。割と感じた事をすぐに口に出しちゃうような私だけど、これをそのまま口に出すのはさすがに無粋だからやめた。

「ありがとう」

 手を合わせて祈る。

ちゃんと千里には友達がいます。私がちゃんと引っ張ってあげる。栗原夫妻だって、モブ顔お兄さんだって気に掛けてる。だからきっと大丈夫です。

 そう心の中で伝える。

 隣で千里が立ち上がった気配を感じて言う。

「じゃあ行こっか!」

「えっどこに」

「喫茶店! 甘いもの食べてから帰る!」

 有限実行だ。さっそくグイグイ引っ張らせてもらうよ。このクラゲくんを!

「えぇ」

 ダルそうに弱く抵抗する千里を引っ張っていく。さすがに私は一緒に稽古した年下の友達を放っておくほど非情な人ではないんだな。それに桜姉さんとの約束でもある。

 だから観念してついてきな! なんてね。

 

 

 

 

 

 

「抜いて見せてくださいな」

 刀鍛冶がわくわくしながらそう言う。

 受け取る手が少し震えている。日輪刀だ。せっかく合格したのに、桜姉さんが見れなかった刀だ。約束したというのに、不安で不安でしかたなかった私に一緒に頑張ろうって言ってくれた桜姉さんとの約束なのに、もし色が変わらなかったらどうしよう? こんな中途半端にしか呼吸が使えないんだから変わらないかもしれない。変わらなかったら救済の約束ちゃんと果たせるだろうか。約束さえ守れないっていうなら私に生きる意味なんてない。死んだところで転生するだけだから生きる意味も死ぬ意味もない。緊張してきた。

 ザァァァァ、深く深く呼吸をする。深呼吸じゃなくて全集中の呼吸。

「大丈夫よ。雨依には才能があるもの。安心なさい」

 菊野さんがそう言ってくれる。私はそんな目に見えるほど緊張していたんだろうか。

 大丈夫、大丈夫だと自分に言い聞かせる。たとえ色が変わらなくてもやることは変わらない。

 一思いに鞘から引き抜く。でもやっぱり自信がなくて、色を見る前に目をつむった。

 

「うわぁ綺麗な色ですねぇ。初めて見ました」

「そうね。雨依らしい色だわ」

 二人の声が届く。――色、変わったのか。胸をなで下ろして、目を開く。

 

 目に入ってきたのは、なんとなく見覚えのある白く靄がかったような青色。そうか! ブルームーンストーンだ。

 ――よかった。よかった! ちゃんと適正はあったんだ!

 気が緩んで取り落としそうになったから慌てて手を握り締める。

 

「よかったね。私も見れてとても嬉しいよ」

 口に出してたみたいだ。ちょっと恥ずかしい。

「はい! はい! 本当に良かったです!」

「ええ、頑張るのよ。私はいつでも応援してるからね。疲れたら帰ってきてもいいのよ。私も桜もいつでも待ってるからね」

「そう、ですよね……。はい、頑張り、ます」

 菊野さんは一度頷いてから、再度口を開く。

「何をしようとしているのかは知らないけど、雨依ならできると信じてるわ。刀だってその努力を認めたようなものよ。無理しない程度に頑張りなさい」

 ちょっとだけ目を見開く。

 でも、うん。そうだ。こんなところで立ち止まってはいられない。頑張らなくちゃ!

「はい! ちゃんと頑張ります!」

 

 

 

* * * * *

 

 

 

 

123 雨

刀の色変わった!!

 

124 名無しの転生者

やったじゃん!

 

125 名無しの転生者

オメデトウ! (っ’-‘)╮ =͟͟͞͞ ブォン

 

126 名無しの転生者

何色??

 

127 名無しの転生者

柱になれるな!!

 

128 雨

<<126 一言でいうならブルームーンストーン!白の半透明に中心部分が青っぽくなってる感じ

 

<<127 それは早計

 

129 お嬢様隊員

それは綺麗ね!

私、ブルームーンストーン持ってるわよ

 

130 名無しの転生者

何それ?

 

131 名無しの転生者

日輪刀って透けるんだ?

 

132 お嬢様隊員

<<130

宝石の一種よ

青みの強いムーンストーンのことね

写真は載せられないからググってもらうしかないわね

 

133 名無しの転生者

サンクス

 

134 元錆びたウサギ

日輪刀、たまに透けることもあるぞ まあこれは半透明みたいだが

あとは虹色とか鏡みたいになるやつとかも報告されてるな

原作で出てない派生は、同じ色でも世界線違うと呼吸も違うことがあって結構面倒なんだ

 

135 名無しの転生者

へー

 

136 名無しの転生者

勉強になるわ

 

137 元錆びたウサギ

あれ?

みんな検証スレとか見てないのか?

 

138 名無しの転生者

いやたまに見るけどそんな詳細に覚えてないって

 

139 名無しの転生者

ソレな

 

140 元錆びたウサギ

そうなのか

 

141 名無しの転生者

でも他の世界線参考にならないなら、いよいよ雨の呼吸なんなのか分からないな

 

142 名無しの転生者

確かに!?

 

143 名無しの転生者

資料室に呼吸と刀の色の関連表となかったのか?

 

144 名無しの転生者

それだ!!

 

145 雨

あったけど、この色はなかった

 

146 名無しの転生者

じゃあやっぱり自前のオリ呼吸なのか……?

 

147 名無しの転生者

その可能性が高いね

威力低いらしいけど首は狩れるの?

 

148 名無しの転生者

選別では切れてたよな

 

149 雨

ザコなら切れると思う

手鬼とか首堅いやつだと難しいんじゃないかな…

 

150 お嬢様隊員

じゃあ自前の呼吸で使える型、一個でいいから作った方がいいんじゃないか?

 

151 名無しの転生者

でも、そのあと他の型も出せなくなるんだろ?

 

152 雨

そうだよ、練習はしてるけど全然できるようにならない……

 

153 名無しの転生者

でも、必殺技として作っておくのは悪くない気がする

 

154 名無しの転生者

カッケーな

 

155 元錆びたウサギ

弱音を吐いてる暇はないぞ!

とにかく練習あるのみだ

 

156 名無しの転生者

熱血

 

157 名無しの転生者

でもそうでもしないと下弦にさえ負けるのが事実だろ

 

158 名無しの転生者

わかる(1敗)

 

159 栗花落のお兄ちゃん

零余子ちゃんつおい(1敗)

 

160 名無しの転生者

上弦はチート無理

 

161 名無しの転生者

わかる

特に123が無理

 

162 お嬢様隊員

おいたわしい兄上で2敗したわ

 

163 名無しの転生者

呼吸メタってくるのやめて頂きたい

 

164 名無しの転生者

それな

サイコパス教祖は早急に退場願いたい

 

165 元錆びたウサギ

アレは持ち越し技能の初見殺しで殺るしかないぞ

 

166 名無しの転生者

(σ゚д゚)σソレダ!!

 

167 雨

<<165 それができない世界線なんですけど

 

168 名無しの転生者

無理じゃん

 

169 名無しの転生者

諦めんなよ

 

170 雨

諦めたの私じゃないし

教祖対策はまた近づいたら考える

 

171 名無しの転生者

りょ

 

172 名無しの転生者

そうだな

 

173 名無しの転生者

がんばれ

 

174 名無しの転生者

なーなー

カラスの名前決まったのか?

 

175 雨

うん、決まったよ

安価の通り雨から取って紅雨と氷雨と時雨にした

 

176 名無しの転生者

おお!

 

177 名無しの転生者

風流な感じに

 

178 お嬢様隊員

いいわねー

 

179 名無しの転生者

人手がいっぱい居るな!

 

180 雨

そんな多くは無くない?

 

181 ロブスターのやつ

ねー今質問していい?

 

182 雨

いいよ、何?

 

183 ロブスターのやつ

今までどんな所に転生したのかなーって

 

184 名無しの転生者

それ聞く?

 

185 雨

んーどんな所ってねぇ…

マイナー所が多いから分かんないと思うよ?

 

有名所は

ワートリで3敗

前回が冬木の第四次で1敗ってかカオスだった

 

他には、

マテマテっていう児童書で2敗して

赤フードの蘇芳舞台っていうのに所属してたりとか、文字書き霊能者?の水無瀬家ってとこにいたこともあるよ。あの家最悪すぎて習得し終えたらリマセラった

 

下開けて

 

186 雨

サンキュ

 

あとは、リゼロとノルンと怪獣のやつと魔法少女ものでは、特に何もしない内に終わってた

 

こんなもんでいい?

てかこれ以上は覚えてないけど

 

187 ロブスターのやつ

ありがとう

後半全く分からないけど…

 

188 名無しの転生者

ワートリはアレだね

あの四肢を囮にできる戦闘経験は鬼滅じゃ足引っ張るよ

 

189 名無しの転生者

タイトルすらわからんのが多すぎる!

 

190 名無しの転生者

何がなんなんだコレ

 

191 名無しの転生者

ループは世界ごと死ぬから無理よ

実質強制リマセラ

 

192 雨

リゼロのこと?

 

193 名無しの転生者

 

194 ロブスターのやつ

へー

 

195 元錆びたウサギ

気になってるんだがカオスって何だ?

 

196 名無しの転生者

それ!

 

197 雨

えっとねー

速やかにシリアルキラーを仕留めてマスターになったはいいものの、サーヴァントが何故かドラえもんで、ノリでもしもボックス起動したら、世界ごと大爆死

 

198 名無しの転生者

はぁ?

 

199 元錆びたウサギ

何事だよ

 

200 名無しの転生者

ドwラwえwもwんwww

 

201 名無しの転生者

ちょーウケるんだが

200ゲト

 

202 名無しの転生者

なんのクラスだよwあいつwww

<<201 どんまいww

 

203 雨

ごめん

そういやクラス確認してない

 

204 名無しの転生者

ノリでもしもボックスなんか使うな!アレで転生終了願ったら即剪定じゃろがい!絶対ダメって色んなスレでで警告してるでしょ!

 

205 雨

あの時疲れてて悪ノリの安価に従っただけだもん

私はやっちゃダメって聞いたことなかったし

 

206 お嬢様隊員

だからって……

 

207 名無しの転生者

そのスレの奴らも警告しろや

 

208 名無しの転生者

安価でそれを言うやつがバカ

 

209 名無しの転生者

もしかしてお前のびのび子ちゃん?

 

210 雨

ご明察!スレ見てた?

 

211 名無しの転生者

ああ

あの時の悪ノリは最悪だったな すまない

 

212 雨

別にいいよ、この世界線来れたから後悔してないし

雑談も楽しかったけど、明日初任務だからそろそろ寝るねー

 

213 名無しの転生者

おー

 

214 ロブスターのやつ

おやすみ(´O`)

 

215 雨

おやすみー

 

216 名無しの転生者

もう寝たっぽいな

 

 

あいつって今の世界好きなんだな羨ましい

 

217 ロブスターのやつ

嫌いなの?

 

218 名無しの転生者

ああ

 

219 お嬢様隊員

リマセラをおすすめするわ

 

220 名無しの転生者

えー

 

 

――――以降、雑談が続く。

 

 

 

* * * * *

 

 

 

 

 その日はいつも通りの日だと思っていたのだ。でも夕食が終わった辺りで急にご主人様が怒鳴った。ヤバい! 何か怒らせたんだろうか⁉  1度お仕置きしてタガが外れたのか、あの日以降暴力が増えていた。

「自分の部屋に行ってなさい。出てきちゃ駄目だよ。ほら早く」

 怒鳴り声は濁っていて何て言ってるのか分からないけど、とりあえずしおりちゃんを避難させた。

 

 ガチャリ。

 何もしたつもりはないけど、きっと八つ当たりか何かだろう。身を硬くして衝撃に備えた。

「オイ! さっさと出てこい26番!! 仕事だ仕事!」

 えっ!? 出てこいって言った? 出る? 出ていいの? この部屋を⁇

 ご主人様はしびれを切らしたように「早くしろ!!」と私を引きずりだした。

「えっと、あのっ出て、いいんですか?」

「ハァア? 出なきゃ鬼殺隊の野郎を殺せないだろうが!!」

 違かった。勘違いだった。どうしよう? 怒らせた!

「ごめんなさい!ごめんなさい!酷い思い上がりでした。ごめんなさい!」

「ホンッとお前バカだよなぁ。従順なくせによく分からんトコで反抗しやがるし」

「ごめんなさい!」

「ンなこといいからさっさと行け。西だ西。殺して来い」

 そう言ってナイフ三本を投げ渡して、急かすように背中を蹴られた。剥き出しでないにしろ刃物を投げられたんだ。硬直するもの当然だろう。だからといってそれを許すご主人様ではないから、蹴られるのもまた当たり前だったが。

 

 

 蹴られた反動で転がるように走りだした。西、西だと思いながらナイフを握り直した。やけに冷たくて手が震えた。

 誰かいる。見覚えのある黒い詰襟の服。腰には刀がある、ように見える。あの人が鬼殺隊か。

 

 訓練通り、訓練通りと言い聞かせて木の上からナイフを投げた。

 手元が狂って目指した心臓の方には飛ばなかった。脚だ。脚に刺さった。隊士が慌ててあたりを見渡した。息を潜めて極力気配を殺す。お願い気づかないで! 隊士は何かをぶつぶつと呟いていたが、やがて警戒を緩めてナイフの対処を始めた。

 やった! 正面から戦って勝てるとは思えなかったから助かった。タイミングを見て、木から飛び降りる。目指すは隊士の腹だ。

 よし! 上手い具合に馬乗りになれた。「えっ」と間抜けな声を上げた隊士が刀を抜こうとするから、慌ててしまって、気がついた時には隊士の右手をナイフが縫い止めていた。

 

 ――グチョリ。

 

 ワンテンポ遅れて肉を貫いた感覚が手に伝わる。

 骨を削り、手のひらを貫通し、地面にまで突き刺さる。

 じわじわと赤が滲む。

 脚の方がよっぽど大怪我なのに、ようやっと人を害したという実感が湧いて空恐ろしい心地がした。息が、詰まった。

 

「お、おい君! 君鬼じゃないのか?」

 こっ、殺さ、殺さないと。殺せってご主人様が言ったんだもの。殺さなきゃ!

 震えた両手で別のナイフを持ち上げる。心臓、心臓を刺せばいい。まだガタガタと震えたままの手を振り上げて、

「なぁ、大丈夫か君」

 右腕を掴まれた。

 ネイビーの瞳と目が合った。息が止まった。人。人だ。本当に人間だ。そう認識した。してしまったら、もう殺せなかった。そもそも、手を刺しただけで身が凍えるような心地だったのだ。

 

 無理だ。出来ない。殺せない。

 ナイフを下ろした。何かに邪魔されるように時間がかかった。

「……逃げて」

「えっ」

「いいから逃げてよ!! あの大きな木より先に私はいけないから早く行ってよ! 嫌だよ……殺せない! 殺せないもの、無理だよ。出来ない」

「な、なぁ大丈夫か? 鬼に脅されてるのか? 俺らなら助けられるかも…」

「無理だよ!嫌だよ!!鬼殺隊が来たらまた私が殺さないといけないんだよ!!出来ないよ!早く逃げてよ!! ……お願いだからもうここに鬼殺隊を連れて来ないで!!!」

 もう思考も何もなかった。ただ坂を転がり落ちるように、拒絶だけが口から転がり落ちていた。

「きっ君がどいてくれなきゃ動けないよ」

 確かに馬乗りのままでは動けない。気が動転していて気が付かなかった。慌てて隊士の上から下りて、立たせて、背中を押した。

「ほら!下りたよ!!早く行って!もう来ないでよ!!早く!」

 何を渋ってか遅遅として進まないから、壁の所まで押していった。

「早く行って!お願いだからもう来ないで!!」

 怒鳴って言い捨てて走って逃げた。渋々ながらも山を下って行く気配がした。

 どうしよう、どうやってご主人様に説明しようって纏まらない頭で考えながら、家に向かって走って帰った。

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