どう考えても、俺が三股疑惑かけられるのはまちがっている。   作:サンダーソード

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「先輩の求めた本物は、この程度のことすら相手に言えないものなんですか?」

 水曜日、朝。

 今日も冬の寒風を身に受けながら通学して。

 不本意ながら集まる耳目を黙殺し。

 昇降口で、少し先を行く由比ヶ浜の後ろ姿を見つけて。

 なんとなく足早になって、その背中に追いついたときに。

 

 彼女が下駄箱から一通の手紙を取り出す様を目撃してしまった。

 

 由比ヶ浜は手紙を見ながら眉をハの字にして溜息を吐き、鞄を開こうと視線を巡らせて、そこではじめて石像のように固まった俺の存在に気付いたようだ。

「あっ……や、やっはろー」

 由比ヶ浜に声をかけられて、俺もようやく自分の状態を認識し、ぎこちなく声を返す。

「お、おう……」

「……見てた?」

「まあ……」

 いや見てたからってなんなんだよ俺。別に覗き見してたってわけでもないのになんで視線逸らしてんだ。

「あ、えーっと……。教室、いこ?」

 黙って頷き由比ヶ浜に並んで歩き出す。

 いやいや由比ヶ浜にラブレ……手紙が送られたところで俺が動揺することじゃないしそもそも三股はあくまで演技だから由比ヶ浜のそういう話に首突っ込む権利なんて俺が持ってるわけじゃないしっつーか今時下駄箱に手紙とか時代錯誤にも程があるしなんなら中身目的不明だしなこいつの成績がアレだからって塾のチラシとかあるいは与しやすしと見た詐欺の勧誘とかそういう事だって……

「……ッキー、ヒッキー」

「お、おお? どうした由比ヶ浜」

「え、どうしたって……。ヒッキーずっと難しい顔して黙ってるんだもん。階段無視して歩いてっちゃいそうになるし」

「あ、おう……」

「……気にしてる?」

「は? なんのこと? 別に誰から何書かれたかとかまったく気にも留めてねえけど?」

「……手紙のこと、って、あたし言ってないんだけどなぁ」

「ぐっ、おま……」

 こいつアホの子のくせに似合わん搦め手なんざ使ってきおってからに……! 俺も俺で簡単に引っかかりすぎだろこれ。

「……そっかそっかぁ。ふふっ、そっかあ」

 由比ヶ浜はたっと踊るような足取りで階段を階段を登りながら、嬉しそうに、何かを味わうように何度も頷く。

「……なんだよ。主語述語目的語全部欠けてちゃ三分の一も伝わらないって学校で習わなかったの?」

 それを追いかけながら俺はぼやく。自分で聞いても拗ねたような響きになってしまっているのが我が事ながら実にみっともねえ。

「だいじょぶだよヒッキー。これ四人目だし。まあ、手紙ははじめてだけど……」

 待て今なんつったこいつ。

「え、今までもこんなんあったの?」

「えっと、まあ、うん。今までのはメールとかラインでだったけどさ……あ、着いちゃったね」

 その言葉に前を見れば、いつの間にやら教室の扉。上機嫌にやっはろーと突入していく由比ヶ浜を止めることはできなかった。

 

 

 

×   ×   ×

 

 

 

『ちょっといいか』

『なんですか? 珍しいですね先輩からラインって』

『ヒッキーもしかしてあれのこと?』

『まあそうだが』

『もしかして12時間目むつかしい顔してたのってずっとそれ考えてたの?』

『気にしなくていいって言ったのに』

『見てんなよ授業聞いてろ』

『これは酷いブーメラン』

『由比ヶ浜さんに何かあったのかしら』

『あー』

『そのだな』

『由比ヶ浜が手紙もらった』

『ほほう? ラブレターですか?』

『知らん』

『うん、まあ……』

『ははぁ、それで先輩がごきげんななめになったと』

『なってねえ』

『なってねえけど、由比ヶ浜これで四回目らしい』

『私も』

『ゆきのん?』

『今朝、靴箱にそんな手紙が入っていたわね』

『は?』

『あ、今ヒッキーが超フキゲンになった』

『なってねえ。こっち見んな』

『目そらしたー。やっぱなってんじゃん』

『なってねえっつの』

『いちゃついてないで話戻しますけど。それで先輩としてはどうしたいんですか?』

『先輩?』

『ヒッキーなんか悩んでるっぽい』

『休み時間が終わってしまうわよ?』

『昼休みに集まって話した方がよくねえか、これ』

『それが言いたかったと。いいんじゃないですか?』

『あたし別にだいじょぶだけどなあ』

『私も別に。とはいえ、由比ヶ浜さんがもう四回目というのは気になるところね。集合に異論はないわ』

『ん。おk』

『ところでぇ』

『実はわたしもラブレターもらってたって言ったら、先輩不機嫌になりますか?』

『ならん』

『今ヒッキーしかめっつらしてたよ』

『してねえ』

『よし』

『してねっつの』

『では、昼休みは部室に集合で。以後の授業はちゃんと受けなさい』

 

 

 

×   ×   ×

 

 

 

「やっはろー」

 結衣先輩を伴って、先輩たちが入ってくる。でも、なんだか結衣先輩の雰囲気が随分と軽い。

「いらっしゃい。……上機嫌ね」

「そっかな?」

「先輩、何したんですか」

「なんで原因俺固定だよ。一緒に部室来ただけでなんもしてねえよ」

 そりゃ結衣先輩が機嫌良くしてたら第一容疑者は先輩で決まりでしょ。

「そっかなー?」

「結衣先輩がこう言ってる時点でなんかしてるの確定じゃないですか。何したんですか先輩」

「……知らねえ」

「心当たりありありって感じですね。ねー、教えてくださいよー、せーんーぱーいー」

「やめろ揺らすなひっつくなうざいあざとい」

 先輩がまとわりつくわたしをハエでも払うみたいに雑に追い払おうとするが、むしろこれが先輩の精神防御削られてる証なんだと思うと腹の底からマウント気持ちいい&その可愛さもっと見せろな意地の悪い笑みが浮かんでくる。我ながら性格悪くない? 大丈夫ですかわたし?

「由比ヶ浜さん、聞いても?」

「……いっかな? ヒッキー」

「知らん。俺はなんもしてねえ」

「何もしてないって言い張るんならいいですよね。結衣先輩、どうなんです?」

「えーっと……。ヒッキーがちょっと強引に引っ張ってきてくれて……あと、こっち見る男子を見返したり、とか……」

「ほ~~~~~?」

 先輩はわたしの舐めるような視線に負けて、そっぽを向く。

「……知らん。覚えてねえ」

「ほっほーう?」

 俺の女に手を出すなアピールじゃないですかそれ。そら結衣先輩もご機嫌麗しくなりますって。

「……仲良くするように見せる必要あるんだろ」

「はいはいそうですねー」

 いやあ、この辺おなクラの結衣先輩が強いところだ。雪乃先輩も羨ましそうにしてる。

 うーむ、わたしらの一発重くして差別化する予定でしたけど、結衣先輩のやつも全力で重くしちゃいましたしねー。あれは会心だった。まあいいか、幸せそうだし。

「そうね……。ところで、先程も言った通り、私もラブレターをもらったのだけれど」

 おっ、先輩一瞬顔しかめましたね? やっぱりお二人がラブレターもらったこと滅茶苦茶気にしてるんだなぁ。帰り雪乃先輩にやったげればいいんじゃないですか俺の女アピ。後でわたしにもお願いします。わたしはラブレターもらってないけど。

「……ああ、そうだな。その話しねえと昼休み終わっちまう」

「ですね。食べながら話しましょう」

「そうね。……はい、比企谷くん。気が向いたから、作ってきたわ」

「……ああ、ありがとう。毎度悪いな」

 何度も作ってきてもらってるからか、先輩たちの応酬もスムーズになってきてますね。でも毎回ちゃんと本気で感謝してるっぽいのがびんびんに伝わってくるから雪乃先輩も作りがいあるんだろう。

「なあ、いくら片手間だとか余り物だとか言ってもただで作れるわけじゃねえんだから、こう何度も作ってもらってる手前、せめて実費くらいは払わせてくんないか?」

「気にしなくていいわよ別に。でも、そうね……。それなら何か別の形でお返ししてもらおうかしら。……期待、してるわね」

「お、おう……考えとく」

「せんぱーい、わたしたちも! わたしたちもそれでお願いしまーす!」

「い、いろはちゃん……。あたしは別に……」

「や、その……。一色は臆面もなくお返し十倍でとか請求してきそうだし、由比ヶ浜のことだ、弁当作るのに廃棄出しまくったりしてそうだからな。実費になると結構かかってそうだし、それでお願いするわ」

「ちょっ、どういう意味だ!」

 捻デレてますねえ。もっと素直に言ってあげれば……素直な先輩とか逆に気持ち悪いか。わたしの台本も本来の先輩がアレだからこそってところありますし。

「さて、じゃあ一段落したところで話戻しますけど。結衣先輩、ラブレターは?」

「え、あ、うん。ここにあるけど……。でも、ラブレターを人に見せるのは……」

「だいじょーぶですって。わたしたち誰も言いふらす相手なんていませんし」

「悲しいこと言ってる!?」

 よく考えたらここって結衣先輩以外交友範囲が片手で収まりそうな人間の集まりなんですね……。

「でも、そういう事じゃないっていうか……。ヒッキーもそういうの嫌いでしょ?」

「ん、まぁ……」

 んー? 先輩絡みでなんかあったんですかね? 告白したらクラス中に広まってたとかそういうトラウマ的な。まあ今はいいか。

「んでもこれは面白半分で聞こうとしてるわけじゃないですし。そもそも、今の結衣先輩や雪乃先輩にラブレター出すってことは、どうひいき目に見たって先輩からの略奪狙いってことですよね? なら一番礼儀を知らないのはラブレター送ってきた誰かでしょうこの場合」

「それは……そうかもだけど」

 おや、結衣先輩が顔をしかめた。でもわたしの発言に怒ってるわけじゃなさそう? なんだろう。礼儀を知らない、って辺りに反応したっぽかったけど。

「まさか先輩のこと知らずに送ってきてるわけもないですし、先輩に伝わるのは織り込み済みでしょう。ならここだけってことで公開しちゃいましょうよ」

 わたしの言葉を受けて、雪乃先輩は自分がもらったラブレターを机に置く。

「そうね。私はそれでいいわ。一色さんも提示するのよね?」

「え? あ、あー。わたしは別にもらってませんよ。休み時間のあれですよね? あれは仮定です仮定。もしの話ですよ」

 何言ってるんだこの人って思ったけど、ラインで先輩にかまかけたときのあれだろう。全く、お二人にだけ届いててわたしには来てないのってなんでですかね男子に見る目がないんですかね。届いてたらわたしも先輩曇らせられたのに。……だいじょぶですよね? ちゃんと曇ってくれますよね?

「お前……」

「それより! 結衣先輩、それでいいですか?」

「あ、うん……。いい……かな?」

 結衣先輩はちらっと先輩を窺う。先輩はむくれたまま何も言わない。それを賛同と取ったのか、結衣先輩はおずおずとラブレターを机に置く。

「じゃー失礼しますねー」

 わたしはさっと開封済みのレターを手に取り、躊躇なく開く。先輩が自分から手を出すの待ってたら多分日が暮れるし。

 案の定、先輩は黙ってわたしの背後に陣取り食い入るように手紙を読み始めた。なんでこれで自分から動くことができないのか……。

 雪乃先輩も先輩に並んで読み進め、結衣先輩はわたしたちの反応を気にしてるのかそわそわしてお団子をいじくっている。さて、何が書いてあるのやら。

「はー……ほー……なる、ほど……。……ああこれラブレターに見せかけた果たし状だったんですね? あー、いみじくも一番無礼なのはこの野郎だって言ったの、まさにだったわけですか」

 その手紙には先輩を徹底的にこきおろす内容が延々書かれていて、そんな三股屑野郎とは別れて自分と付き合えという主旨で締めるという、有り体に言って筆者の正気を疑うような一品だった。放課後校舎裏で返事を待つとかどんだけ自信過剰なんですか。

「私に来た方のラブレターも似たり寄ったりな代物ね。真っ当な想いが綴られているようだったら開示するのにも躊躇いの一つも覚えようものでしょうけれど、これではね……」

「まあ……こんなもんなんじゃねえの? 実際お前らの同意もらってるとはいえ、敢えて三股屑野郎の真似事してるわけだし、俺」

 いや先輩がどうこうですらなく、仮にも付き合ってる相手を悪し様に言うようなクソ野郎と付き合いたいなんて奇特な人そうそういないと思うんですがそれは。

「あ……」

「由比ヶ浜?」

 いつの間にか雪乃先輩のラブレターを流し見ていた結衣先輩が漏らした声に、先輩が鋭く反応する。

「あ、えっと……。ゆきのんにラブレター送った人、こないだあたしにメールで言い寄ってきた人みたい……I組の……」

「掛け値なしにクソ野郎じゃないですか」

 えー……。結衣先輩がダメだったから同じ三股相手の雪乃先輩に行こうって? じゃあ雪乃先輩の次はこっち来るんですか? なんでこっち来ないのかっつってもさすがにこんなのは願い下げですよ。

「あ、っていうか結衣先輩の四回って全部がこんな感じなんですか? っていうかどこの馬鹿がそんな真似を?」

「ん……程度の違いはあるけど、まあ……。ラインとかでもなんか急にヒッキーのことを悪く言い始めて、ヒッキーは三股してるから別れて自分と付き合わないか、みたいなことを冗談っぽく言う感じ。……C組の霜村くんと七瀬くん、I組の早間くん……あ、これ隼人くんとは別の人ね、それと今回のE組の矢島くんかな」

 これ、実際のとこ結衣先輩が大分マイルドに置き換えてるんだろうなぁ……。下半身思考が集ってくる誘蛾灯みたいな人だ。土下座で攻めたらおっぱい触らせてくれそうな女の子ランキングとかあったら余裕で優勝してそう。

「今まではどうしてたんです?」

「そのまま笑い話っぽくしてナイナイって言ったり、ヒッキーは悪い人じゃないよって言ったり、話逸らしてうやむやにしたりとかかなぁ」

 指折り数えながらサラッと言ってるけど、そうそう真似できることじゃないですよねこれって。なるほど、やんわり断られてダメージ負わなかったからトップオブ馬鹿が勘違いしたまま雪乃先輩に突っ込んでしまったと。言葉もないわ。

 ってゆーか先輩? そこであからさまにほっとするのはちょっと露骨すぎますよ? そもそも結衣先輩が余所に靡くかもって思ってたのが失礼すぎる。自分に自信がないのも度が過ぎてますね。

「んで、先輩はどーするんです? これ」

「どうするって……。俺が介入していい話じゃねえだろこれ」

「は? 結衣先輩の対応聞いてから露骨にほっとしといて何寝言ほざいてんですか。彼氏としてきっぱり断るのが筋ってもんでしょう」

「別にほっとなんて……じゃなくてだな、演技だろそれ。彼氏っての。どの面下げて告白の場所に乱入しろってんだよ」

 ここ来るまでに俺の女に手を出すなアピールしといて何を今更。と思ったけど、なるほどそうか。先輩は彼氏の立場を確定する発言をしてしまったら犯人見つけた後に実は演技でした言質一切与えてませんのキャンセルができないって気にしてるのか。……いえ確かに最初にそう言って焚き付けたのはわたしですが。既に火葬後の心臓マッサージ級の手遅れだと思うんですけどね、それ。

 うーん。急募:先輩を言いくるめる方法。

「雪乃先輩、結衣先輩、こんなこと言ってますけどなんかないんですか?」

「私は……別に……」

 雪乃先輩は不満げにそっぽを向くけど、その不満を直にぶつけてやれば話も変わってくると思うんですがねえ。

「……ヒッキーは、どう思うの? あたしたちが……その、告白されるの」

「……だから俺がどうこう言える立場じゃ」

「結衣先輩立場の話してないですよね? 先輩が先輩としてどう思うかだけを聞いてるんですよね? いつも自慢げにひけらかしてる国語の成績は飾りですか?」

 よし、ナイス結衣先輩。これ突破口にしてねじ込んでみよう。

「俺は……お前らがいいなら別に……」

 ああもうこの要介護者め。いい加減にしてください。

「そんな苦虫噛み潰したような顔で大嘘ぶっこいてんじゃないですよ。こんなクソ野郎どもとお二人が付き合っても構わないってそれ、本気で思ってるんですか? 先輩、先輩の返答次第でお二人がこいつらと付き合う可能性が生まれると考えて、その上で答えてください。どうなんですか?」

 じっと真っ正面から見つめ続けると、先輩は気圧されたようにたじろいで目を逸らした。

「…………そりゃあ、お前らの内面をまるで見てないこんな手紙を出すような奴ら、いいと思うわけねえよ。でも……」

「でもじゃないです。先輩の求めた本物は、この程度のことすら相手に言えないものなんですか? お二人との関係はそこまで軽いものなんですか?」

 先輩はわたしの言葉にばっと振り向き、一瞬だけ睨むように見返して、すぐに羞恥に身を縮めた。

「別に彼氏としての立場じゃなくったって、先輩たちの関係性は皆無じゃないんですから。あからさまに人生踏み外しかねないってときに自分の思うところを述べるくらいしたってバチは当たんないでしょう。っていうかほら、女の子を放課後校舎裏に呼び出しですよ? 何があるか分かんないのにほっとく方が問題でしょう。というわけで先輩がちゃんと一緒に行って、俺の女に手を出すなって断ること。いいですね?」

「よくねえよ彼氏の立場じゃねえかそれ」

「ちっ勢いで誤魔化されてくれればいいのに……」

「いろはちゃんすごいなあ……」

「凄いと言えば凄いけれど……方向性にやや問題があるのではないかしら」

 なんですか褒めるんなら素直に褒めてくださいよ。結構がんばってマジ説得したんですからね。気軽に使いたい単語じゃないんですから、アレ。

「まあ明言せずそれっぽいこと言ったりやったりすればいいんじゃないですか? これに関しては相手がいることなので台本用意もできませんし。お三方でがんばってください」

 そう話を打ち切ってわたしは昼食に戻る。ここまで補助輪つけたんだから、本番ではきっと素敵な舞台を見せてくれるでしょう。先輩がかっこよく断るのかな? それとも結衣先輩が角が立たないように収めるのかな? あるいは雪乃先輩が一刀両断滅多切りにするのかな? こっそり告白覗きに行っちゃおうか。

 そんなことを考えながら、先輩たちの話を敢えて聞かないようにわたしはスマホを弄っている。そうして最終的に出された結論は、

「別にわざわざ告白断りに行かなくてよくね?」

「不完全燃焼!」

 レールを据えた側としては実に憤懣やるかたないものだった。ちくしょうもっといちゃついてくださいよ! 能動的に!

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