三玖を愛する転生者の話   作:音速のノッブ

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乙骨憂太のcvは緒方恵美さんに決まりましたね。そしたらTwitterのトレンドにシンジ君が入ってて草。五条先生の中の人も反応してましたね。取り敢えずはイヴが楽しみですねー。

FGOソロモンは見てきましたが、感想としては面白かったけど大勢出てたのにびっくりする程喋らなかったですね、予算の都合とかあるからしょうがないんでしょうけどもー!



さて、本題のウマ娘ですが。実を言うと名前自体はかなり前から知ってました。が、『馬耳とか何か抵抗あるなー』とかでアニメとか長らく見る事なかったんですが、電車で隣に座っていたお姉さんがアプリをやってたり、アニメがめっちゃ泣けるとかTwitterで見掛けたんで『そんない面白いなら見てやろうじゃねぇか(上から目線)』で二期まで一気に見た結果…………………………………………涙が止まりませんでした、特に二期。泣き過ぎて翌日は目が痛くなりました。トウカイテイオーの三度にもわたる挫折からの復活劇、ダブルジェット………………じゃなくて、ツインターボ師匠がかつてテイオーから教わった『諦めない事が大事』と言う意思が巡り巡って再びテイオーに継承された所とか、ライスの『ライスは『ヒール』じゃない……………『ヒーロー』だっ……!!』の所とか……………………もう泣きまくり。マジでもっと早く見ていれば良かった、と逆に後悔しました。何だこの神アニメは、最高かよ。3期はよカモン!見たことない人は今からでも遅くないから、見てみて欲しいなー。

ちなみにウマ娘の中で特に好きなのはライス、テイオー、ゴルシ、セイちゃん、ネイチャ、ターボ師匠、キタちゃんですかねー。皆、魅力的でかわいらしい………………かわいいは罪ってはっきり分かんだね。

さて、長く語り過ぎましたね。次回はFGOの2部第6章の感想でも書きますか。一言だけ言っておくと原作者のシナリオはやはり最高だったよ……………………。

今回は忘れたころにやって来る幕間の物語。普通に本編やろうと思ったけど2か月前から取り掛かってた幕間の物語が仕上がったのがこっちを先にあげます。本編を楽しみにしてた方には申し訳ない。新キャラも登場する三玖の幕間の物語。時系列としては林間学校終了後に上杉が入院していて総悟が1人で家庭教師を奮闘している頃。では、本編をどうぞ!


呪われた一刀(村正) 

日曜日 AM9:00

 

『今日の最下位は牡牛座のあなた!いつもよりも周りを警戒するようにしましょう!不幸は突然やって来るかも!そして怪しいものには触らないように!ラッキーアイテムはプリンです!』

 

「だって、二乃」

 

あんた(三玖)も牡牛座でしょうが」

 

「と言うか、皆もだけどね………」

 

本日は日曜日。学校も家庭教師も休みである。五つ子達は朝食を取りながらテレビの星座占いを見ていた。

 

「コンビニに走って買ってこようかなー…………」

 

「そう言えば、コンビニに新発売のプリンがあったような……………新発売と言えば確か他にもブツブツブツ」

 

「プリンかぁ。そう言えば昨日、撮影の差し入れで貰って食べたなー」

 

そんな他愛もない話をしている内に5人は朝食を食べ終える。すると五月が思い出したかのように、三玖に封筒を差し出す。

 

「三玖、これがお父さんから預かっていた火野君のお給料ですので、お願いしますね」

 

「分かった」

 

給料を渡すのは上杉に対しては五月、総悟に対しては三玖と決まっていた。少し前に上杉に対しては家を知っている五月が給料を渡す役割を引き受けたが、総悟の方はどうするかとなった時に三玖が『ソウゴには私が渡す』と名乗り出た、と言うエピソードがあったりする。

 

「では、私は上杉君に…………いえ、彼は今入院中ですのでらいはちゃんにお給料を渡してきますね(ついでにプリン等々を買ってきましょう!)」

 

「私もソウゴに渡してくる」

 

「行ってらっしゃーい」

 

一花の声を背に2人は各々の家に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昨日、1日中雨が降っていた影響で水溜まりがあちらこちらで出来ている道を歩く三玖。

 

「えっと…………確かこの道を右に曲がったらもうすぐ…………」

 

余談だが、初めて総悟の家に行ったときは事前に父親から聞いておいてくれた五月から場所を教わって行った。でも初回はちょっと迷った。

 

「(2人きりでソウゴに会える機会ってあんまり無いから少し嬉しい……………あ、でもお出掛けに誘えば2人きりになれる!そうだ、機会がないなら作れば良いんだ…………!)」

 

そんな事を楽しげに考えている三玖。しかし、運命のいたずらかそんな楽しい時間は長く続かない。朝食時に立てられたフラグの回収時間がやって来てしまう。

 

三玖の背後から高級そうなスポーツカーがもうスピードで駆けて来たと思えば次の瞬間

 

バッシャーン!

 

道路の右側を歩いていた三玖の側に出来ていた水溜まりをもうスピードで踏み、水しぶきが上がる。不幸にも貯まっていた水の量はかなり多かった為───────

 

「………………………………」

 

三玖の身体(主に右側)が濡れたのは言うまでもない。車は三玖の存在に気付いてるのか気付いてないのかはさておき、スピードを落とさずそのまま走り去って行った。

 

「……占い、当たった……………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「三玖さん!?どうしてそんなにびしょ濡れに!?」

 

庭の草木の手入れをしていた星奈はびしょ濡れの三玖を見つけるとすぐに作業を放り出してすっ飛んでくる。

 

「実は………………さっきここに来る途中で後ろから車が猛スピードで来て……………それで昨日の雨で出来てた水たまりを踏んで水しぶきが………………」

 

「……………それでその車は?」

 

「そのまま去りました……………」

 

「とんでもない輩ですね………………そう言えばここに用事と言うのは……………?」

 

「お給料を総悟に渡しに来て…………幸いなことにこっち(左側)のポケットにいれてたから濡れてなかったのと、もう近くまで来てたので今から引き返すのも、と思って」

 

「ああ、そうでしたか……………総悟様は先程突然『あっ、そうだ(唐突)ちょっと昨日やってたアニメの聖地巡礼して来ます!』と、出掛けてしまって……………………暫く帰ってこないかと。しかもスマホを持って行くのをうっかり忘れいて連絡も取れないんですよね……………」

 

それを聞いて三玖は心の中で溜息をつく。折角ソウゴに会えると思ったのに、と。

 

「(おまけにびしょびしょに濡れるし……………今日は占いの通り、本当に運勢は最下位……………)へっくし!」

 

濡れたのが原因か、小さくくしゃみをする三玖。それを見た星奈は口を開く。

 

「取り敢えず三玖さんは家に入ってここのお風呂を使ってください。そのままだと風邪をひきますから」

 

「え?で、でも」

 

「良いんです、遠慮しないで!ささ、中にどうぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

15分後

 

「さっぱりしたぁ……………」

 

お風呂場を後にして言葉通りさっぱりした表情を浮かべながら火野家の豪邸を歩く三玖。ちなみに、先程着ていた服は洗濯中なので星奈が何処からか調達してきた部屋着を着用中。なお、総悟の部屋着ではない。

 

「最初に来た時も思ったけど、本当に広い豪邸……………フロアマップが無かったら確実に迷ってた……………」

 

この家には至るところにデパートの如くフロアマップが設置されている。過去に来て迷った人がいたので設置された背景がお察しできる。

 

「星奈さんは1階のリビングで紅茶を飲んでるって言ってたから、改めてちゃんとお礼を言っておか『ガチャン』………ガチャン?」

 

リビングに向かおうとした矢先に背後からの音に反応して後ろを振り向くと、床に何か落ちていた。近くに寄ってみると──────

 

「これって………………刀?」

 

─────鞘に収まった刀が落ちていた。

 

「もしかして本物……………?確か刀は登録証があれば所持してても問題ない筈だけど…………ソウゴの家のかな?それにしても、カッコいい…………そう言えば、何処かでこれと似たのを見たような…………気のせいかな?」

 

手にとって色んな角度からじっくりと刀を見る三玖。戦国武将好きの三玖にとって刀は興味の対象だった。

 

「……………ここまで来ると刃の部分も見てみたい………でも、切って怪我でもしたら嫌だし……………」

 

『何じゃ、刀を鞘から抜かぬとは意気地無しじゃな』

 

「誰だって怪我したくないのは当たりま…………………え?今の声は………………?」

 

周りに人影はなし。しかもその声色は聞いたこともない、自分の知らない声。その声の出所は──────

 

『ふむ……………貴様が初めてここに来た時にも見掛けたが…………改めて見てもお主、どうも気になるのう』

 

──────自分が手に持っている刀だった。

 

「………か、か、か、刀が……………喋った……………!?」

 

『いい反応じゃ。驚かれるのは久しぶりじゃから中々に新鮮じゃのう…………さて、小娘よ。悪いが少し付き合って貰うぞ』

 

そして次の瞬間、三玖の意識はプツンと途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………え?」

 

目が覚めるとそこには見知らぬ風景が広がっていた。自分のマンションと比べると小さすぎる畳の部屋、そしてつぼやおけ、囲炉裏など今の時代では到底使われない物が置いてある。

 

「何処ここ………………これ、もしかして………………過去にタイムスリップしたとか…………?」

 

「たいむすりっぷ?何を訳の分からぬ事を言っている、小娘」

 

三玖は声のした後ろを振り向く。そこにいたのは腰の辺りまで赤い髪を伸ばし、アホ毛をピョンと生やしている見た目が中学生位の女がいた。

 

「だ……………………誰?」

 

「人に名前を尋ねる時は先ず自分から名乗るのが礼儀であろうが。あと、年上は敬えと教わなかったのか」

 

「(え…………年上なの?どうみても中学生くらいにしか見えないけど…………取り敢えず話を合わせておこう。そうしないと何か面倒な事になりそうだし…………)……………す、すいません…………私の名前は中野三玖です。それで、あなたは誰…………でしょうか…………?」

 

「…………………ま、及第点と言った所かのう」

 

「(凄く上から目線…………)」

 

三玖が内心そう思っているのをいざ知らず、少女は名乗りをあげる。

 

「…………わしの名は千子(せんじ)村正。お主が先程見ていた刀に宿っている魂みたいなものじゃな。しかとこの名を脳裏に焼き付けておけ」

 

「(村正……………村正……………そうだ、思い出した。さっきの刀、確かに『村正』だ。中学生の時に戦国時代の展示をしている博物館に行った時に似たのを見た事がある…………………)」

 

刀を見た時の既視感に納得しつつ、三玖は質問する。

 

「あ、あの。ここはどこですか?タイムスリップ………いや、時間を遡って昔に来たとかですか……………?」

 

「ふむ、昔に時を遡る事をたいむすりっぷと言うのか。なるほどのう………………お主の言うたいむすりっぷではないぞ。ここは心象結界。お主の意識をここに招いた。体の方は床に転がってるが心配するな」

 

「は、はぁ……………あの、心象結界って……………?」

 

「ようはわしの心の中じゃな。心の中だと安直でつまらぬから心象結界とわしが名付けた」

 

「……………じゃあ、もしかしてここは……………………あなたの家?」

 

三玖の問いに村正は然り、と肯定する。

 

「正確には家と工房も兼ねているがのう。心象結界は恐らくわしが生前1番記憶に残っている場所が反映されているのじゃろう。それが自分の家と工房、と言う訳じゃな」

 

「なるほど……………」

 

取り敢えず納得する三玖。すると今度は村正の方から質問する。

 

「ところでお主、わしの事はどれくらい知っておるのじゃ?」

 

「え?えっと……………………室町時代中期に活躍した刀工流派村正の生みの親で、後は……………いや、でもこれは……………」

 

「何じゃ、さっさと話さんか」

 

「いや、その………………もしかしたら怒ったりするかも…………」

 

「良いから早く話せ。でないとおぬしの意識をここから出さんぞ」

 

さらっと監禁の脅しをかける村正。仕方ないので三玖は話す。

 

「その……………村正の銘は『妖刀』と呼ばれてて………」

 

「…………………」

 

「徳川家に災いや不幸をもたらした事から呪われている妖刀って呼ばれてて…………た、たぶん偶然ですけど…………」

 

かなり気を遣う三玖。だが、自分の作った刀が妖刀呼ばわりされても村正は特に怒った様子は見せなかった。

 

「…………お主の言う通り、その徳川家とやらにもたらした災いや不幸をもたらしたのは恐らく偶々じゃろ。村正は呪われてなどおらぬ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────この一刀(・・・・)を除いてな

 

その一言は三玖にとって聞き逃せるものではなかった。

 

「この一刀って………………私がさっきまで眺めていた村正さんが宿っている刀の事……………?」

 

「それ以外になにがあると言うのじゃ。わしが宿っている刀に触れるとその者の意識を乗っ取ったり、生気を吸い取って刀に炎を纏わせる事も出来る。これは呪いと言ってもあながち間違いでもなかろう。本来なら外部から人の意識をここに招くときは莫大な生気を使うのじゃが、今回はお主の生気は吸い取っておらん。元々蓄えていた力を使った。要は自己負担じゃ……………無意識に吸いとってなければ良いが

 

「(何か不穏な声が聞こえたような……………)」

 

「わしと言う呪いについて説明するにはわしの生涯を話さねばならぬ。正直、思い出すだけで殺意が湧くが……………………まぁ、昔話も偶には良かろう」

 

村正は憂鬱そうな表情を浮かべながらも昔話を始めた。

 

「5歳の頃からわしは師匠と住んでいた。何でも、川に流されていたわしを師匠が拾ったらしくてのう。自分の名前以外の記憶を失っている状態だったが、恐らくわしは親に捨てられたのだろうよ」

 

「(リアル桃太郎………………)えっと、そのお師匠さんも鍛冶屋さん…………?」

 

「勿論じゃ。そこでわしは鍛冶に興味を持ち、師匠から鍛冶の技術を学んだ。元々素質があったのか、ぐんぐん上達していった。本来なら1人前の鍛冶屋になるには5年は掛かるのじゃが、わしは2年で1人前の領域に到達した。わしは師匠の助けをしながら楽しく日々を送っていた……………………じゃが、そんな日々は長く続かなかった」

 

村正が一瞬悲しげな表情を見せた──────ように三玖には見えた。

 

「師匠が突然病に倒れたのじゃ。看病の甲斐もなく、師匠数日後にあの世に逝ってしまった……………………わしを自分の鍛冶屋の後継人として託してのう」

 

「……………………」

 

三玖も大切な母親を亡くしている為、当時村正の胸中は容易に想像できた。

 

「こうしてわしは師匠の鍛冶屋を継いで鍛冶屋として生活していった。わしの打った刀──────『村正』はかなりの人気でのう。打った刀は飛ぶように売れて行った。そして師匠の後を継いで2年後の事じゃ。わしに弟子入りを申し込んできた男がおったわ。当初はどうするか迷ったが、奴の熱意に押されて弟子を取る事にしたのじゃ……………………これがわしの人生最大の過ちじゃった」

 

「え…………?」

 

「5年後、奴がわしから技術を完璧に学び終わると……………………わしに刃を向けた」

 

「………………え!?」

 

村正は歯をギリッと鳴らしながら続ける。

 

「奴はわしの技術を盗み、そしてわしを殺すことでこれまで培ってきたわしの名声や村正の名を全て自分のものにしようとしておったのじゃ。どうやら初めからそのつもりだったみたいじゃな」

 

「そんな…………!」

 

「刀で一刺し、さらに工房に火がつけられてわしは死んだ……………………筈じゃったのだがのう。気が付くと何故か工房にあった刀にわしの意識が宿っておったわ。原因は分からず最初は戸惑っていたが、たまたまわしの意識が宿った刀を拾う者がいてのう。結論から言うと、その者の意識を乗っ取って思うがままに操れたのじゃ。新たな肉体を手に入れたわしは誓った。全てを奪った奴にも同じ目に合わせてやる、とな」

 

そう言ってニヤリと獰猛な笑みを浮かべる村正。三玖は少し怯えた表情を浮かべるが、村正は気にも留めない。

 

「数年掛けて修練を行い、そして奴の家を襲撃した。そして奴の家族含め皆殺しにしてやった─────と、思っていたのじゃがな。わしは1人だけその家の童を殺し損ねていた」

 

そこまで話すと村正は一旦ため息をつく。

 

「数年後、その童はわしを倒しにやって来た。そしてわしは敗北を期した。わしを倒すのを目的に色々と修行していたらしいのう」

 

「………………」

 

「わしは封印され、意識は途切れた。そして再び目を覚ましたのがつい最近でのう。恐らく長い年月が経って封印の力が弱まったのじゃろう。………………まぁ、わしの過去はこんな所じゃ」

 

「……………その、何と言うか………………大変でしたね、色々と」

 

三玖の言葉にまったくじゃ、と村正は答える。

 

「…………さて、そろそろお前には帰ってもらうか。力を使い過ぎた。これ以上力を使い過ぎるとわしの目的の達成がさらに遠のくからのう」

 

「………………目的?何かやりたいことがあるんですか?」

 

「勿論あるぞ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この(火野)家の奴らを全員殺す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………………え?」

 

村正から飛び出た言葉に対して思わず三玖は間の抜けた声をあげてしまう。

 

「殺すって……………………な、なんで………?」

 

「簡単な話じゃ。わしの復讐はまだ終わっておらぬからじゃ」

 

「終わってないって………………けど、あなたを殺した人は」

 

「そうじゃ、奴はもういない。わしが殺したからのう」

 

「…………じゃあ」

 

「それでもう終わり、とでも言いたいのか?……………言った筈じゃ、わしは奴から全て(・・)奪うと誓ったと。奴の血を継ぐ者が生きている時点でわしの復讐はまだ終わっておらぬ。奴等を滅ぼした後に、わしの復讐は漸く終わる。確かに奴等には直接的な恨みはないが、あいつの子孫が生きていると言うのはわしにとっては許しがたい────────だから殺す。……………ああ、言い忘れていたな。わしを殺した男の名は火野 政宗じゃ」

 

「っ!」

 

総悟らの先祖が村正を殺した男である事にもはや疑いの余地はなかった。そして村正の標的に自分が愛する男(総悟)が入っている事も。

 

「………………そんなこと、させない。絶対に殺させたりなんか」

 

「身の程をわきまえよ小娘」

 

三玖の喉元にいつの間にか刀が突き付けられていた。三玖には押し黙る以外に選択の余地はなかった。

 

「殺させないとは大きく出たが、貴様に何ができる?わしを上回る力がなければ止める事など出来ぬが?見るからに大した力を持たない貴様がどのようにしてわしを止めると?」

 

「それ、は……………」

 

良い考えなど思い浮かぶわけもなく、三玖は何も言えない。それを見た村正はつまらなさそうに刀を降ろす。

 

「前に偶々貴様がこの家に来ていた所を見た時、どうも気になったからわざわざここに招いたのじゃが……………………もう良い。貴様は用済みじゃ」

 

村正がそう呟くと同時に三玖の視界が揺らぎ始める。どうやら元いた場所に戻されようとしているようだ。

 

「(このままじゃソウゴとソウゴの家族が………………帰ったら星奈さんやソウゴに話さないと…………!)」

 

三玖はそう決めた。そして三玖の意識が心象結界から退去する直前になって村正がそうじゃ、と何かを思い出したかのように呟く。

 

「言い忘れていたが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここでの記憶はお主の頭の中から全て消させてもらうからのう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………ううん……………………あれ?私、何で廊下で倒れてるんだろう………?」

 

三玖は何故か自分が廊下の床に寝ているのに気付いて身体を起こす。

 

「………確かお風呂を出て星奈さんのいるリビングに行こうとして……………どうしたんだっけ?それに、何か大切な事を忘れているような気がする……………………」

 

頭の中には先程まで無かった違和感。スマホで時計を見るとお風呂を出てから5分程しか経っていない。この5分で何かあったのだろうか?考えてみるが答えは出ない。

 

「おや、三玖さん。さっぱりしましたか?」

 

そこに星奈がやって来る。

 

「え?あ、はい……………その、ありがとうございました」

 

「いえいえ。今日は日差しも出てるので3時間もあれば乾くと思いますよ。それまではゆっくりしていただいて結構ですよ」

 

「……………………」

 

「……………どうかしましたか?」

 

三玖が固い表情を浮かべているのを見て星奈が問い掛ける。

 

「その……………何か大切な事を忘れてるような気がして………もやもやしてるんです」

 

「ふむ……………………あ、もしかしてこれじゃないですか」

 

星奈はポケットからお金の入った封筒を三玖に渡す。

 

「先ほど着ていた服を洗う前にポケットから取り出して預かっていました。これの事じゃないですか?」

 

「(………あ、確かに忘れてた………)多分それですね。すっかり忘れてました。お風呂でさっぱり流されていたのかも」

 

「ふふっ、上手い事を言いますね」

 

給料の事を忘れてたのだろう、と三玖は自分で自分を納得させた。

 

その後の顛末としては、三玖は星奈からお昼をご馳走になったりして乾くまでくつろいでいると総悟が帰宅。三玖がいる事情を聞いてドライバーに対してキレて『そいつをぶっ〇す(ガチトーン)』と捜しに行こうとするソウゴを宥めて止めた後、三玖は給料を渡して帰って行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………………ふぅむ。少しばかり力を使い過ぎたか」

 

刀の中、心象結界にて村正はあぐらをかきながらそう呟く。

 

「相変わらず外部から人間の意識を心象結界内に引き入れるのは力の消耗が激しいのう。あと半年で力を完全に取り戻す予定じゃったがこれで2か月程先延ばしになってしまったか。……………………それにしても、何故わしは三玖とか言う女が気になったのかのう……………………?」

 

村正は自問自答するが答えは出てこない。

 

「……………………まぁ良い。これ以上考えても答えは出ぬし、時間の無駄じゃな。……………わしが力を取り戻すまで八()月と言った所か。それまでの猶予を精々楽しめ、火野の血を継ぐ者達よ」

 

そう呟くと村正は結界内の床に寝転がり、目を瞑るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………………と、まぁこんな事が裏で起こっていた訳だ」

 

手に持っていた本を閉じて立ち上がるのは神様だ。

 

「あ、ちなみに僕は少し先の未来から語り掛けてるよ。え、何でそんな事が出来るのかって?答えは簡単、神様だからね☆だから僕はもうこの後何が起こるのかは全部知ってる。まぁ、君達にはまだ教えられないけど……………………そうだな。場所といつかだけは教えてあげようか。何のとは分かるだろうから言わないけど、第6部の新情報が解禁された記念にね」

 

そう言う彼の背後にとある街並みが浮かび上がり、見つめながら神様は呟く。

 

「時は6月。舞台はかつて日本の首都とされていた『千年の都』──────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────京都だ」

 

to be continued……………




はい、と言う訳で三玖の幕間の物語でした。そして新キャラのロリババア村正ちゃんの登場回でもありました。ちなみに、三玖に水を掛けた糞野郎(辛辣)のドライバーはハンドル操作をミスって電柱に激突。高級スポーツカーはスクラップになりました。描写する価値もないから書かんけど、まさに天罰。ざまぁwwww

なお、車による水はね・泥はね行為は、道路交通法の「泥はね運転違反」にあたります。ドライバーの方は雨上がりなどではスピードの出し過ぎにご注意ください。………………誰にも頼まれてないけど、何となくノリで注意喚起してみました。

読んで『これ、原作は一応ラブコメなんだよな……………?』って思った方は大正解。作者も書いてる間同じこと思ってたから。今回に限ってはラブコメのラの字もない物騒&ダークファンタジーな展開でした。

新キャラは現時点ではあと2人来る予定ですが場合によってはもっと来るかも?村正ちゃんの詳しいプロフィールはまた後日明かします。まだ設定が完全に固まっていないのでね。彼女の幕間の物語で明かすのも良いかな?まぁ、取り敢えず暫くお待ちください。

ちなみに、容姿は灼眼のシャナのシャナみたいな感じなのをイメージしていてくれれば良いです。まぁ、性格は全然かけ離れていますが。元から赤髪キャラをイメージして書くのは決めていたので赤髪キャラで可愛い女の子いないかなー、って考えてたらシャナが思い浮かんだ感じです。ついでに刀使いだし。

村正ちゃんが本格的に動くのは皆さんお察しであろう、6月の京都……………………原作で言うなら修学旅行(シスターズウォー)編ですね。総悟らは無事に修学旅行を終えれれるのかが作者も今から心配。まだ執筆してませんが取り敢えず言えるのは大波乱は間違いないです。マジで総悟は逃げた方が良い。

今回も駄文を読んでいただきありがとうございました。……………FGOのメリュジーヌがが可愛すぎて尊い、好き(唐突な告白)
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