「お疲れさん。終わったみたいだな」
「う、うん……………何やってるの?」
「見たら分かるだろ。ジェンガだよ」
暇なので近くにあったド◯キで買って、星奈さんと対決なうでござる。
「次は俺の番か……………俺は勝つ、勝たなきゃ誰かの養分……………いけっ……………ああっ!ど゛う゛し゛て゛な゛ん゛だ゛よ゛お゛お゛ぉ゛お゛!゛!゛!゛」
「……………一花ちゃんの友達は少し………いや、かなり変わってるね………」
「あはは…………」
仕方ないだろ、俺の中のカ◯ジ(藤◯竜也ver)が暴れだすんだから。それはさておき、星奈さんとジェンガを片付けて一花姉さんに向き合う。
「で、どうだった?」
「うーん、どうなんだろう………」
「どうも何も最高の演技だった。私は問題なく受かったと見ている。まさか一花ちゃんがあんな表情を出せるとは思わなかったよ……………それを引き出したのは恐らく君だ」
「そうか?大したアドバイスはしてないんだけどな」
「どうだかね…………私も個人的に君に興味が湧いてきたよ」
見るな…………俺をそんな目で見るな!いや、ほんとマジでやめて(切実)
「…………用事も終わったようですし、一花さんをお借りして失礼しますよ」
「あ、ちょっと!?」
星奈さんナイスぅ。
「何だあのおっさん……………危うくおホモだちになるとこだった」
「また色っぽい目で見たら総悟様のお父様に頼んで事務所ごと潰す事も考えた方が良いかもしれませんね」
「いや、そうすると私の働く場所がなくなっちゃうんだけど……………」
安心しろ、冗談だ。
「ところで、何処に向かってるの?」
「近くの公園だ。もう皆集まってるぜ」
「…………やっぱり皆怒ってるよね。花火を一緒に見れなかったこと」
「さーな。だけどまぁ、花火を諦めるのはちょいとばかし早いんじゃねーか?」
「!」
一花姉さんの目に花火をする4人の姿が映った瞬間、驚愕の表情を浮かべた。
「迫力では劣りますが、中々風情があって良いですね」
全くもって、星奈さんの言う通りでございますよ。
「あ、一花に火野さんと星奈さん!我慢できずおっ始めちゃいました!」
お、四葉だ。必要性のない花火セットをらいはちゃんに買っていたらしく、そのお陰で5人で花火をする事が出来たので、今回のMVPである。
「勿論、俺達の分は残してるよなぁ?」
「当然です!」
「良かったー。もし無かったら上杉に八つ当たりしてましたよ~」
「何で俺!?」
あれ、上杉いたの?てっきり帰って勉強してるのかと思ってたが。
「あんた!一花に変な事しなかったでしょうね!」
「心外だな、二乃。上杉じゃあるまいし、セクハラ紛いの変なことは一切してないと誓おう」
「あれは事故だろ!」
「……………まっ、それもそうね。あいつじゃあるまいし」
「納得するな!」
上杉もツッコミキャラと化してきたなー。
「とにかく、あんたには一言言わなきゃ気が済まないわ!
お!つ!か!れ!」
「アッハイ」
文句言われると身構えてたのに、紛らわしくて草が生えるぜッ!
「五月……」
「一花も花火をしましょう。三玖、そこにある花火持ってきてください。星奈さんと………ついでに火野君と上杉君の分も」
あくまで男2人はついでなのか……(悲哀)
「うん……………はい、どうぞ」
「ありがとうございます、三玖さん」
「ありがと、三玖!」
「さ、サンキュー……」
「さぁ、本格的に始めましょう!」
四葉の声掛けで花火を本格的に始める雰囲気になったその時
「みんな!ごめん!私の勝手でこんなことになっちゃって…………本当にごめんね」
そう言って一花姉さんは頭を下げた。
「一花、そんなに謝らなくても」
五月がフォローするが二乃が割って入ってくる。
「全くよ。なんで連絡くれなかったのよ。今回の原因の一端はあんたにあるわ。…………けど、目的地を伝え忘れてた私も悪い」
「私は自分の方向音痴さに嫌気がさしました…」
「私も今回は失敗ばかり」
「よく分かりませんが、私も悪かったということで!」
フッ、何と美しい姉妹愛であることか。ああ、ほんと…………羨ましい。
「みんな…………」
「はい、あんたの分よ」
一花姉さんは二乃から花火を受け取り、5人で花火を始めた。その様子を見ながら五月は口を開く。
「昔、お母さんがよく言ってましたね。誰かの失敗は五人で乗り越えること。誰かの幸せは五人で分かち合うこと。喜びも、悲しみも、怒りも、慈しみも、私たち全員で、『五等分』ですから」
5人の楽しそうな声を聞きながら、少し離れた所で俺と星奈さん、上杉の3人も花火を静かに楽しんでいた。
「ん?待てよ……………あいつらは花火を楽しんでる。らいはは満足して寝てる……………これ、帰って良いんじゃね?漸く自習を再開できるな」
「えぇ………(困惑)」
「ここまで勉強に執着してると恐怖すら感じますね………勉強に親友でも殺されたんですか?」
「人をヤバそうな奴みたいな目で見ないでくれます!?」
その後何だかんだで上杉は残る事となった。そして5人は最後の5本の花火を選んでいる最中のようだ。
「そーいや、俺も日曜日が丸々潰れたな。あーあ、いつもならぐだぐだしながらアニメでも見てたのにねぇ」
「口ではそう言っておりますが、中々楽しそうでしたよ?」
……まっ、星奈さんの指摘通りだ。人混みは相変わらず苦手だったが、確かに楽しかった。また来年行くのも悪くないだろう。
「けど、俺は五つ子探しに奔走してたから打ち上げ花火をゆっくり楽しむ暇もなかったぜ。それだけが少し心残りだったなぁ……………」
「ならばその願い、この花火の
後ろを振り向くと、サングラスを掛け、はっぴを着て祭り用の鉢巻きを巻いた謎の男(棒読み)がいた。何故か肩にはバズーカを背負っている。
「おい、何してんの神さ」
「神様ではない!お祭り男だ!」
さっき花火の神様とか言ってたじゃねぇか!!
「人前で神様とか言うなっての。変な奴に見られるでしょ!」
と、小声で言ってますが………はっぴ姿にサングラス掛けて極めつけにバズーカ持ってれば変な奴にしか見えないのは俺の気のせい?俺の目が曇ってるだけ?
「総悟様、このお方は?」
「えーっと………………」
何て説明すりゃ良いんだよ!馬鹿正直に神様なんて言えないし!
「はじめまして。僕は火野君のお友達の…………お祭りを愛する男、宮野◯守です」
何で宮野◯守の名前を出したんだよ!?確かに高身長なのは共通してるけども!!つーか、お祭り男って言ったら宮◯大輔じゃないのかよ!!
「おい、何する気だっての!?」
「何って、君が花打ち上げ火見たかったなー、って言うからガチのやつを打ち上げに来てやったんだよ。安心しろ………俺ァはただ、この花火バズーカで壊すだけだ────この腐った世界を」
「目的が変わってるじゃねーか!そしてお前は鬼〇隊の晋助君じゃねーだろ!つーか、声真似上手ッ!お前実は本人さんじゃないの!?」
「……………何をヒソヒソ話してるの?」
「!」
いつの間にか三玖が目の前にいたァ!つーか、三玖だけでなくて他の4人もいるし!
「え、えっとねー!こいつは俺の友人の宮野◯守って言ってね!声優のオーディション行ってたら打ち上げ花火見れなかったらしくて、だから自分で花火バズーカで打ち上げに来たらしいよー!ねー?」
「まー、そんな感じかな!」
ふー、危ない危ない。何とか誤魔化せた。
「よーし、早速打ち上げるとしようか。何なら、ユー達も見ていきなよ。まぁ、火野君からは鑑賞料を取るけど」
ふざけんな。
「じゃあ、お言葉に甘えて見させて貰おうかな」
「ま、どでかい花火で締めるのも悪くないんじゃないかしら?」
「動画撮る…………」
「はっぴまで着て気合いが入ってますね!」
「それにしても、お腹がすきました…………」
一部関係のないコメントが流れた気がするが、それはさておき。
「よし、行くぜ!」
そう言うと宮n……………神様は少し距離を取って花火バズーカを空に向けて構える。つーか、ガチの打ち上げ花火をやるときって市とか消防に許可を取んなきゃいけないんじゃなかったっけ?そう言う決まりだった気がする。
─────は?何で神様が人間のルールに従わなあかんの?僕がルールだっつーの。
こいつ、直接脳内に…………!つーか、言ってる内容がAUOじゃねーか。もう神様って言うか暴君じゃね?
「よーし、じゃあ3つ数えたら打ち上げるぞー。いーち」
ドォン!
「まだ1しか数えてねぇじゃねぇか!」
「うっさいなー。男は『1』と『0』。これさえ覚えておけば生きていけるんだよ」
「おお!何か名言な気がします!」
「僕が作り出した名言だぜ!」
嘘つけ!騙されるな、四葉!それ銀◯のだから!
「それよりも、もうそろそろだな。ほら、たーまやーって。せーの!」
「「「「「「たーまやー!」」」」」」
そして次の瞬間、パーンと言う音と伴に夜空に1発の綺麗な花火が咲いた───────。
「んじゃ、バズーカの処分は君が頼むわ。ダンボールのゴミの日に出しておいて」
「何で俺!?お前が処分しろや!え、てかこれダンボール!?花火バズーカ、ダンボールだったの!?…………って、もういねぇ!逃げやがった!」
くそっ、人にバズーカの処分を頼むとかとんでもねぇ野郎だ!つーか、このまま出したら通報されかねないな。『ごみ捨て場にバズーカが置いてあります!』みたいに。それも面倒だし、帰ったら解体しないとなぁ……………。
「ソウゴ君」
声を掛けてきたのは一花姉さんだった。
「私は先に失礼してますね」
空気を読んでか星奈さんは公園から退散して行った。
「どうした?他の皆は?」
「先に帰ってて貰ったよ。まだお礼を言ってなかったからさ。応援してくれた分、私も頑張らなきゃね。女優も……………勉強も」
「!」
それってつまり………!
「これからよろしくね、せんせー?私は一筋縄ではいかないよ?」
「………… 勿論だっつーの」
これで3人。信頼を勝ち取れた、かな。良かった良かった。だが、ここで終わればノーマルエンド。真のトゥルーエンディングに辿り着く為には──────
「…………一筋縄では行かないと言えば…………あの
「あー………確かにそうだね………」
ベンチに腕を組んで俯きながら座っている上杉はラスボスに見える…………見えない?
「取り敢えず、成績下がるからヤメレとか言うだろうから…………勉強と仕事を絶対両立させるから、とか授業受けるからー、とかそんな感じの事を言えば良いんじゃね?俺もサポートするけど」
「うん、分かった」
と言うわけでラスボスの討伐もとい説得に向かう俺と一花姉さん。目の前に立っても上杉は何も言わない。
「えっと…………フータロー君。知っての通り、私駆け出しの女優やっててさ」
「………………………」
「寄り道とかじゃなくて、これが私の目指してる道なの。これからは授業も受けるし勉強も頑張るから、両立を認めて欲しいなー、って思うんだけど…………」
「そう言う訳だ、上杉。授業を受けてくれる気にもなったし、本人も頑張って両立させるって言ってるから俺からも頼むわ」
…………てか、これアレだな。これ、『お父さん、娘さんを僕に下さい!』って、実家のお父さんを訪ねて結婚を認めて貰うような感じだな。いつかガチで三玖のお父さんに『三玖を僕に下さい!』って言う日が来るのだろうか………………。
「…………つーか、静か過ぎね?」
「うん、私もそう思ってた…………もしかして」
2人同時に上杉の顔を覗き込むと─────
「zzzzz………」
「「…………」」
目を開けながら寝てやがりました、こん畜生。つーか、目を開けながら寝てるの怖すぎだろ。そもそも、こんな芸当出来るの初めて知ったんだけど。
「……………どうする?」
「……説明は明日にしようかな。空振っちゃったし」
「そーね……………けどさぁ」
このままじゃ何か締まらないんで………。
「ねぇ、一花姉さん。さっきジェンガと一緒に家で使う油性ペンを買ったのよ。そして、目の前には無防備に寝てる上杉が…………もう分かるよなぁ?」
「………ははーん、そう言うことかぁ………」
俺が言いたいことを察したのか、一花姉さんも小悪魔のような笑みを浮かべる。
「折角だ。花火大会での思い出をもう1つ作るとしようかねぇ………!」
「何だこりゃ────────!?」
その夜、上杉家から落書きされた自身の顔を鏡で見た上杉の怒りの叫びが聞こえたとか聞こえなかったとか。
ちなみに、お風呂でしっかり洗って落としたらしい。
to be continue…………
感想
一花姉さん「途中で起きないかのスリルとの隣り合わせを味わいながら落書きするのはとっても楽しかったー!」
総悟「まさに愉☆悦!」
※子供とかいい子は真似しないで下さい。
今日も読んでいただき、ありがとうございました!