三玖を愛する転生者の話   作:音速のノッブ

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間違ってフライング投稿してしまった今回のお話。すぐに消したので誰も見てない…………と、信じたい。


中間テストとツンデレの機転

テスト前日

 

『はぁ!?今日も泊まり込みで勉強するの!?この間したばっかりよ!?』

 

『明日が試験なんだ!効率度外視で一夜漬けだ!』

 

『参加しない奴がいたら、二乃が星奈さんから十字固めさせられまーす』

 

『なっ!?そ、そんなの卑怯よ!』

 

『フハハハ、何とでも言えい!今日くらいは二乃にも勉強して貰うぞ!その為にはどんな手段でも用いてやる!』

 

『くっ…………五月、あんたも何か言いなさいよ!』

 

『今日くらい、いいじゃないですか』

 

『『『『『え』』』』』

 

『……勝った……計画通り…!』

 

…………とまぁ、デス○ートの名言をかます俺氏だが、実際はちょっと驚いてたりする。と言うわけで、五月の擁護を得られず二乃にとっては不服ではあるだろうが、2度目のお泊まり勉強会が開かれたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日のテスト当日 AM 7:00

 

五つ子と上杉の6人はリビングで寝ていた。昨日は日付が変わるまで勉強していたからかぐっすり寝ている。しかし、このまま放っておけば遅刻しそうなのでそろそろ起こすとしよう。既に手筈は整っていた。

 

「すいませんねー、星奈さん。荷物運びと組み立てを手伝って貰って」

 

「それは良いのですが……………ただ、何故にこれを?」

 

「目覚ましドッキリにこれほど最適な物はないでしょう。じゃ、行きまーす」

 

「やれやれ…………」

 

星奈さんと俺は耳栓を装着。そして撥(ばち)を軽く振りかぶり────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「グワァァァァァァーン」

 

「「「「「「!?」」」」」」」

 

くっ─────そうるさい銅鑼(どら)の音に6人は一瞬で飛び起きる。しかも、一花、二乃、三玖、四葉、五月の産まれた順に起きると言うミラクルが起こった。

 

「わぁ!?」

 

「誰よ、朝っぱらからうるさいわね!」

 

「………あれ………天守閣でのデートは………?」

 

「な、何事ですか!?」

 

「うぅん…………あれ、大盛りのカレーは………?」

 

「…………うん、100点はないな」

 

中々面白い反応ですな。つーか、三玖はデートって言ってたな?後で誰とデートしてたか聞かないとな。もし夢の中でのデート相手が俺以外ならそいつをぶっこ(以下略)

 

「おはよう、諸君!今日は雲ひとつない快晴で中間テスト日よりだな!」

 

「ちょっと、あんた!なんでうちにそんなの持ってきてるのよ!」

 

「なんでって、そんなの決まってるだろ二乃。お前らを確実に起こす為しかないだろ。高かったんだぞー、これ。送料含めて5万円だったんだからな」

 

「普通に起こしなさいよ!」

 

「でもこれ、俺の家にはいらないから二乃にあげるわ。良かったな」

 

「いらんわ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、朝からお騒がせしたと言う理由で俺が朝飯を全員分作る事に。おかしいな、俺はただ善意(笑)で銅鑼を用意しただけなのにどうしてこうなったのやら。まぁ、別に料理が嫌と言う訳ではないので、中野家に残ってた食材を使っておにぎりと目玉焼きにサラダ、味噌汁を20分足らずで作った。ちなみに、皆の前に出す時に『おあがりよ!』って言ってみたのだが、反応は薄かった。俺的には上杉は中の人繋がりでツッコミをいれて欲しかったのだがなー。

 

「凄く美味しいです!火野君は料理が得意なのですね!」

 

と、五月が目を輝かせながら申しております。

 

「………………意外と美味いわね」

 

二乃もすんなり賞賛の言葉をくれた。『私と比べたら大した事ないわね!』とか言うと思ってたから少し意外。

 

「機会があれば今度はもっと凄いのを作ってやるよ。おそまつ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

AM 8:00

 

身支度を終えて余裕を持って出発。結局銅鑼は俺の家に星奈さんが担いで持って帰って行った。星奈さんには朝から申し訳なかったな。今度埋め合わせをしないと。

 

ついに当日か……………二乃には昨日しか教えることは無かったが、何とか回避すると信じるしかないな。

 

………まぁ、最悪の場合は────

 

「あれ、あの子…………」

 

「泣いていますがどうかしたのでしょうか?ちょっと話を聞いてきます!」

 

一花姉さんが泣いている子供を発見し、そのまま四葉と駆け寄るのに俺も続く。

 

「ふーむ。俺氏の推測だと迷子ですかね?」

 

「ママとはぐれちゃったのかなー?ボク~、お姉さん達に話を聞かせてくれる?」

 

笑みを浮かべる一花姉さん。だが

 

『I wanna meet my mother……』

 

「「……」」

 

英語に固まる一花姉さんと四葉。ヘルプを求めるように後ろの三玖と五月の方を見るが、揃いも揃って目を逸らす。おいおい…………。

 

「ど、どうしましょう?」

 

「どうするもこうするも、簡単な話だろ四葉。英語でコミュニケーションを図れば良い話だ。よし、丁度良いから2人で自らの英語力を駆使して何とかしてくれ。俺は手を貸さんぞ」

 

「そんな~!」

 

「むむむ………」

 

四葉は嘆くが一花姉さんは既に考え始めてる模様。その様子を一歩離れた場所で俺は見守る。

 

「………ちょっと男子2人。こっちに来なさい」

 

「あ、ああ……?」

 

「へ?」

 

突然、二乃に呼ばれて上杉と俺は三玖と五月から少し離れた場所に誘導される。

 

「あらかじめ言っておくけど、私は真実をそのまま伝えるから。…………あの子達も頑張ってるみたいだけど、果たして結果はどうなのやら」

 

「……………限られた時間で俺達2人でやれる事はやったつもりだ。二乃、お前も頼んだぞ」

 

「俺も上杉と同意見だな」

 

短い会話を済ませ、元いた場所に戻って見守りを続けると、進展があった。

 

「あ!一花、今ホスピタルって言わなかった?ホスピタルって確か…………病院だよね?」

 

「四葉、ナイス!それなら………ゴホン。Did you go to the hospital with your mother?」

 

一花姉さんの英語による問い掛けに子供はコクンと頷く。

 

「私、この子と近くの病院に行ってきます!」

 

四葉が子供と一緒に小走りで病院の方へ去って行った。チラッと後ろを見ると、二乃は少し驚いた表情を浮かべていた。

 

「通じて良かったぁ………」

 

「お疲れー、一花姉さん。これは英語も期待出来たりして」

 

「ど、どうだろうねー」

 

その後、帰ってきた四葉から母親に届けた事を聞かされた後、登校時間の5分前に学校に到着した。

 

「じゃ、努力した自分を信じて頑張れよ」

 

「まっ、赤点とか気にせずインプットした事をアウトプットしてきなさんな。よーし、頑張ろうぜい!」

 

「「「「おー!」」」」

 

「………お、おー……」

 

二乃もマジで頼むよ~。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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社会

 

「(難しい問題ばかり…………でも、歴史なら分かる…………ソウゴより良い点数取ったらどんな反応するかな?)」

 

国語

 

「(うーん……)」

 

『選択問題は正解を探すんじゃなくて、間違ってるものを消して行く戦法もある。え?それでも分からんかったら?……………好きな数字で良いんじゃね?』

 

「(火野さんもそう言ってましたし、4で!)」

 

英語

 

「(討論…………分かんないや、次)」

 

『デバテと覚えるんだ!』

 

『だってよ、二乃』

 

「(……………ふん)」

 

数学

 

「(こんもんかなー。それじゃ、お休みー)」

 

「ンンッ!」

 

隣から聞こえてきた咳払いで一花は言われていた事を思い出す。

 

「(一花姉さんは計算ミスをする時が度々ある。見直しは忘れるなよ。忘れたらハラキーリだから)」

 

「(…………見直そっと)」

 

理科

 

『1人でも赤点を取ったら辞めて貰うと、先日は伝えたんだ』

 

『本当ですか、お父さん………』

 

五月は己の父との会話を思い出しながらシャーペンを走らせる。

 

「(あなた達を辞めさせません!上杉君に辞められるとらいはちゃんが悲しみます!火野君は…………えーっと…………そ、そう!辞められると2度とあの美味しい料理を味わえなくなる可能性があります!念のため!)」

 

──────そして、全てのテストが終了した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1週間後のテスト返却日。

 

「よーし、全員集合っと。悪いね、集まって貰って」

 

「どうしたの?改まっちゃって」

 

「水臭いですよ」

 

「間違えたところ、また教えてね」

 

「…………まずは………答案用紙を見せてくれ」

 

「はーい。私は………」

 

上杉の言葉に一花姉さんが喋ろうとする。が、

 

「見せたくありません」

 

五月の拒否の言葉が遮る。俺はこの言葉で全てを察した。

 

「テスト結果なんて他人に教えるものではありません!断固拒否します!」

 

「……………ありがとな。だが、覚悟は俺も火野も出来てる。だから見せてくれ」

 

「っ……………!」

 

五月も観念して自身のテスト結果を見せる。結果として、一花は数学。二乃は英語。三玖は社会。四葉は国語。五月は理科。それが赤点を回避出来た科目だった。それ以外は人によってはギリギリだったり惨敗だったりするが赤点だった。

 

「うーむ…………俺ちゃん的にはかなりやった感じだったのだが………」

 

「改めてこいつらの頭の悪さを実感して、落ち込みそうだわ………」

 

「うるさいわね」

 

上杉の酷評に二乃がムッとした表情で言葉を返す。

 

「……………だがまぁ、俺的には1科目だけでも全員赤点回避出来てるのは褒めても良いか。つーか、合格した教科が全員違うのは5人らしいな。ねー、上杉?」

 

「…………そうだな。最初の頃と比べれば確実に成長できてるな」

 

そう。5人で100点の時よりは大きな進歩だ。このまま行けば次回のテストには全員赤点回避も夢じゃない。ただ、そうする為の手助けをもうしてあげれない─────俺は(・・)

 

「…………三玖。偏ってはいるが、今回の難易度で68点は普通に凄い。姉妹にも教えられる箇所は自信を持って教えてやってくれ」

 

「えっ?」

 

俺の言葉に何かを感じ取ったのか不安そうな表情を浮かべる三玖。その顔を直視出来ずに俺は視線を逸らす。

 

「四葉はイージーミスが目立つぞ。焦らず、慎重にな」

 

「了解です!」

 

上杉の言葉に四葉は笑顔で答える。

 

「一花姉さんは一つの問題に拘らなさ過ぎ。最後まで粘れよ。あと、テスト中に寝ようとしたな?」

 

「あはは………まぁ、結局寝ずに見直したからチャラって事で」

 

「そう言う事にしておこう」

 

次は上杉から二乃への一言である。

 

「二乃…………結局、最後まで俺達の言うことを聞かなかったな。いや、でも前日だけは聞いてくれたか……………」

 

「…………あれ(星奈さん)は不可抗力よ」

 

「そうか………きっと俺らは他のバイトで今までの様に来られなくなる………俺達がいなくても、油断すんなよ」

 

「ふん………」

 

「ま、待って!」

 

ここで三玖が会話に入ってくる。

 

「………他のバイトって、どういうこと?来られなくなるって…………なんでそんなこと言うの?」

 

「………それは………」

 

「…………三玖。今は聞きましょう」

 

どう伝えるべきなのかを悩んでいると、五月が助け舟を出してくれた。

 

「………サンキュー。それでだ、五月」

 

「……………はい」

 

「後で筋肉バスターの刑な?」

 

「はい…………って、ええ!?名前的に痛そうですし嫌ですよ!」

 

ジョーダンです。

 

「1問に時間かけすぎて、最後まで解けてないですやん。これはまずいですよ!」

 

「は、反省点ではあります………」

 

「次から頼むよ~」

 

「………でも、あなた達は………『♪~』………父からです」

 

「来たか………俺に貸せい」

 

上杉が手に取るよりも早く俺は五月のスマホを取って電話に出る。

 

「どーも、火野です」

 

『ああ、五月君と一緒にいたか。個々に聞くよりも君の口から聞こう。嘘は分かるからね』

 

「そのつもりは1ミリもないのでご安心を…………ただ。上杉は(・・・)クビにしないで貰いたい」

 

「なっ!?おい、何を言ってモガァ!」

 

上杉をいつぞやの掴み技でダウンさせて俺は通話を続ける。

 

「(…………まっ、2人クビにされるより1人だけの方が良いだろ?それに、お前には借金の事もあるしな)あいつは優秀です、俺よりもよっぽど。だからまぁ、クビにするなら俺だけにすることをお勧めしますよ」

 

『…………つまり結果は?』

 

「結果はですね、赤点回避は「貸しなさい」………へ?」

 

突然二乃がスマホを奪い取った。突然の事に俺も困惑している中、二乃は電話を変わる。

 

「パパ、二乃だけど。なんであんな条件出したの?」

 

『僕にも娘を預ける親としての責任がある。だから、高校生の彼等が君達の家庭教師に相応しいのか試させて貰っただけさ』

 

「私達の為って事ね。ありがとう、パパ………でも。数字だけじゃ相応しいかなんてわからないわ」

 

『それが1番の判断基準なんだよ』

 

「……………そう。じゃあ、教えてあげるわ。私達全員で5教科全ての赤点を回避したわ」

 

なっ……………!?

 

『…………それは本当かい?』

 

「嘘じゃないわ」

 

『………二乃君がそう言うのなら間違いないだろう。これからも上杉君と火野君と励むといい』

 

そうして通話は終わった。

 

「………二乃、お前…………」

 

驚いたように呟く上杉だけではなく、俺も素直に驚いていた。我々のアンチ的存在の二乃が嘘をついてまでグヒを回避させてくれたのだから。

 

「私は英語で、一花は数学、三玖は社会、四葉は国語、五月は理科。5人で5科目クリアよ。嘘はついてないわ」

 

「…………まぁ、屁理屈な気もするが、嘘でもないのか…………?つーかお前のお父さん、ほんとは勘づいてたんじゃね?」

 

「かも知れないわね。多分2度と通用しないわ。だから、次こそ実現させなさい」

 

「…………言われなくてもそのつもりだっての。やれやれ………よりにもよってツンデレ姉様にデカい借りを作っちまうとはな」

 

誰がツンデレ姉様よ、って声はスルー。

 

「………ねぇ、ソウゴ。これからも勉強、教えてくれるよね………?」

 

「…………さっき来られなくなると上杉が言っていたな。あれは嘘だ」

 

それを聞くと三玖は不安そうな表情から一転、嬉しそうな表情を浮かべる。俺も三玖と同じく嬉しいですよ~!

 

「じゃあ、このまま復習しちゃいましょー!」

 

「良いねー!…………と、言いたい所だが」

 

頑張った奴には頑張った分だけ報酬がないと我慢ならないって、とある原作エロゲーのヒロインも言ってた事ですし────

 

「喜べ、少女達。復習の前に今から俺の奢りで駅前のファミレスでパフェを食いに行くぞ」

 

「おー!ソウゴ君も太っ腹だねー」

 

「仕方ないわね、奢られてあげるわ」

 

「抹茶パフェ、楽しみ………!」

 

「良いんですか!?やったー!」

 

「では、私は特盛で!」

 

「特盛でもてんこ盛りでもなんでも頼め。臨時収入が入ったからな。上杉はどうする?」

 

「そんなの決まってるだろ。人の金で食うものほど美味いものはないからな!ハッハッハ!!」

 

懐が痛まないからかキャラ崩壊寸前のレベルでテンションが高い上杉氏。何かムカつくので激辛料理でも食べさせてやる事にしよう…………。

 

………………今回は運良く救われたが、次こそ二乃が言っていた通り全員赤点回避を実現させてやらぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そう言えば、上杉さんと火野さんは何点だったんですか?」

 

「うわっ、やめろ!見るな!」

 

「えーっと、上杉さんは………ひゃ、100点!?」

 

「あー、めっちゃ恥ずかしい!」

 

「その流れ、気に入ってるのですか………?」

 

「しょーもねー………奢るのやめようかなー」

 

「えっ……」

 

いや、そんな世界の終わりみたいな表情されると逆に困るんですが…………分かった分かった、意地悪言った俺が悪かった。と、言うわけで8000円の出費となりました。

 

それと、俺もオール100点ですよ?当然です、プロですから(ドヤ顔)

 

to be continue……




五月「ちなみに、火野君が言っていた臨時収入と言うのは?」

総悟「例の銅鑼をめっちゃ綺麗に磨いてオークションに出したら6万円で売れてね。1万円の儲けがあったって訳よ」

五月「…………と言うか、いるんですね。銅鑼を6万円も出して買う人が」

総悟「まぁ、人の趣味は様々ですからね。…………ちなみに、残額は全部ゲームのガチャに溶かして爆死したんだよね…………あはは………」

五月「………そ、そうですか………………すみません、こう言う時に何と言えば良いのか思い付かなくて………」

総悟「……………笑えば良いと思うよ」

ここまで読んでいただきありがとうございました!

シン・エヴァ、見たい!!早く公開してくれェェェェ!!

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