三玖を愛する転生者の話   作:音速のノッブ

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すみません、ミスって一回消しちゃったので再投稿しました。


結びの伝説 Day3

あの後、一花姉さんと三玖と五月に『事故で閉じ込められただけで何もふしだらな事はしてません!』と軽く説明はした……………半信半疑だったが。そして先生にも説明してからの大目玉のコンボを喰らい、散々な目に遭って解放された後、自分の部屋に戻ってすぐ寝た。

 

え?上杉に教える約束?んなもん、頭から抜け落ちたわ(上杉すまん)

 

(……………三玖と五月への詳しい弁明は明日の俺に丸投げしよ……………zzz)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つー訳で翌日。起きて早々若干憂鬱な気分になってしまうのは無理もないだろう。

 

「あーあ…………どうしてこうなった…………」

 

昨日は先生に怒られるし、三玖と五月からの信頼度は絶対下がったし、不幸の2コンボ…………ほんと、マジでどうしてこうなった………………いや、落ち込んでる場合じゃねぇ!!どうにかして信頼回復に努めなければ!!

 

「そうと決まれば行くしかねぇ!!……………って、三玖や五月がどれを選んでるか分からねぇ!!」

 

気合いを入れた矢先に詰む綺麗なオチ……………とか言ってる場合か!!今日は自由選択で『川釣り』、『山登り』、『スキー』の3つに分かれているのだが、一体2人はどれを選ぶのやら………………。着替え終えて頭を悩ませながら取り敢えず自分の部屋を出てロビーに行くと、スキーウェアの四葉と上杉に遭遇。

 

「おはようございます、火野さん!」

 

「…………四葉と上杉はスキーか?」

 

「はい!二乃と三玖もスキーですよ!残念ながら一花は体調を崩して休んでいて、五月はその看病をしていますが」

 

……そーいや、四葉はキャンプファイヤー係でしたねぇ。よし、四葉だけ今度の宿題4倍だな(ゲス顔)

 

閑話休題(それはさておき)

 

取り敢えずスキーを選べば三玖には弁明できそうだな。五月は一花姉さんの看病に付きっきりだろうし、後にしておこう。

 

「俺もスキーにしようかな。滑ったことないけど」

 

「大丈夫です、私が教えますから!」

 

「そりゃありがてぇ。スキーグッズ一式借りてくるわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、言うわけで俺もスキーウェアと棒とか板(名前が分からん)をレンタルしてスキー場にやって来ました。一般客もいるから意外と人が多いな。

 

「さぁ、滑り倒しますよー!」

 

「さ、寒っ……………滑れんし、ふつーに寝かして欲しいんだが…………」

 

「……………ははーん。さては、夜中に勉強してたから寝不足って訳か?まったくー!」

 

「もー、林間学校の時くらい勉強の事なんて忘れましょうよ!どうしても滑れない時はご安心を。私が手を引いて滑ります!」

 

「何かやる気出てきたぞー!」

 

上杉のやる気が強制着火させられたが…………二乃と三玖はどこに?四葉に聞いてみると────

 

「二乃はもう滑っていて、三玖は…………あ、来ました!」

 

お、スキーウェア姿の三玖でございますよ。可愛いな、おい。よし、ここは先ずは軽く『そのスキーウェア似合ってるね』って言っておきますか。

 

「……………」

 

「……………」

 

‥……………ダメだ、話そうと思ってはいるんだが何か気まずくて話せん!完全にコミュ障になってるじゃねか!!

 

「さぁ、びしばし教えますよー!」

 

「………おー……………」

 

「(何か急にテンション低くなったな、あいつ……)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

20分後

 

「スキーはかなり上手くなったな‥…大本命の方は全然上手く行かないが」

 

三玖の方は全然話せんかった。こう言う時にガンガン話しかけられる性格なら良かったのになぁ……………30年近く生きててもヘタレ成分は少なからず残るものらしい…………。溜息をついていると、ぎこちない滑りで上杉がやって来る。

 

「どうした火野。いつもよりテンションが低いな。何かあったのか?」

 

「どうもこうも、昨日から散々な目にあってよ。実は昨日」

 

「お、フータロー君にソウゴ君だ」

 

やって来たのは…………フード被ってるし、ゴーグル付けててマスクのせいで声がくぐもってるから分からんが、この呼び方的に………。

 

「……一花姉さん?」

 

「当ったりー」

 

あれ、休んでたんじゃ……?

 

「体調は良くなったのか?」

 

「まだ万全じゃないけど大丈夫。あと、五月ちゃんは顔を合わせづらいから1人で滑ってるってさ」

 

「顔を合わせづらい?火野、五月と喧嘩でもしたのか?」

 

「…………まぁね………」

 

……取り敢えずこのスキー場内にはいるのか。見つけ次第、ちゃんと弁明しなければな。

 

「一花ー!この二人、全然言ったとおりに覚えてくれないー!」

 

四葉さんよ、それが普段我々が思ってることなんだよなぁ…………(しみじみ)

 

「じゃあ、楽しく覚えようよ。そうだなぁ……おいかけっこしよう!四葉が鬼ねー」

 

「はーい!いーち……」

 

そう提案すると一花姉さんは滑って行き、四葉は数を数え始めた。

 

「(……………これ、誘ったりすれば三玖と一緒に滑れるし、弁明するチャンスなんだが……………上手く話せる自信がなぁ………………)」

 

───────何事もチャレンジ精神がインポータント、ってね!

 

「(…………………いや。一花姉さんにそう言った本人がチャレンジ精神を怠ってどうするって話だよな……………よし!覚悟を決めろ、火野 総悟!お前も男ならな!)………三玖、一緒に滑らな…………って、もういねぇ!!つーか、誰もいねぇ!!」

 

折角覚悟を決めたってのに!クソ、このままいても捕まるだけだし、取り合えず俺も滑り出すしかねぇ!!俺も慌てて勢いよく滑り始める。

 

「……………おお!風と一体化したようで気持ちええええええええええええ!!」

 

懸念事項は色々とあるが、純粋に滑りを楽しんでいる俺氏に近づく人物が1人。一瞬、四葉がもう追いついてきたのかと思ったが、その人物は一花姉さんだった。

 

「確認したいんだけど…………昨日の事は誰にも言ってないよね?」

 

昨日の事……………ああ、学校辞めるかもの事か。

 

「言うわけないだろ。つーか、周りにペラペラ話すような案件じゃないでしょうが。完全に取り扱い注意レベルの案件ですやん」

 

「!!それって…………「…………そういやこれってどうやって止まるんだ…………?」……………え」

 

「…………………ちゃんと教えろや四葉ァァァァァァァァァァ!!」

 

「ひ、火野君───────⁉」

 

総悟君、大加速。一花姉さんからどんどん距離が離れていく。『もう誰にも止められない』とはまさにこの事か。そういや、ワン〇ースのイン〇ルダウン編の523話のタイトルも『もう誰にも止められない』だったような────────

 

「……………って、んなことはどうでも良いわ!!」

 

今この状況で世界、いや宇宙一どうでも良い事だわ!!どうやって止まるかを考えねぇと!!それと、ちゃんと教えなかった四葉は宿題8倍だ!!

 

「おいおい、どうすりゃ良いんだ!?このままじゃあの小屋に激突するぞ!…………そうだ!俺が今まで見た漫画やアニメとかにスキー回のとかあった筈!それを参考にすれば……………!」

 

思い出せ、火野 総悟!お前は今まで幾多の漫画・アニメを見てきた!その蓄積されたデータを今こそ解き放ち、魔王にトドメを刺すのだ(?)

 

「………………………………あ、そうだ!銀〇にスキー回あったじゃん!将ちゃん回の!」

 

──────そう、確かあの回も今の俺みたいに止まれなくなっていた。その時に天パ侍が考案したブレーキ方法があった筈だ──────確かその名は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「前(自主規制)ブレーキだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………いや、ダメだ!!そういやあの回はスキーじゃなくてスノボだったから参考にならねぇ!そもそも前(見せられないよ)ブレーキなんてしたら公然わいせつ罪で逮捕されて信頼を取り戻す所じゃないし、事故ったらワンチャン、オ(ピー)とかセ(×××)出来なくなるじゃん!!」

 

放送コードに余裕で引っ掛かりまくる発言をかましているが、もう小屋は目の前に迫ってきていた。

 

「あー、もうアカン!最終手段や!神様ー!止まり方を教えてくれー!!」

 

人頼み、いや神頼み!もうこれしかねぇ!

 

『………ガッ………ザザッ…………』

 

無線の雑音みたいなのが頭の中に聞こえてきた!来てくれたって事で良いんだよな!やっぱ神様は頼りにな

 

『…………おかけになった電話をお呼びしましたが、お出になりません。現在、神様はシン・エ〇ァンゲリオンと銀〇 THE FINALとヴァ〇オレットエヴァー〇ーデンを見に行っていますので、5時間後位にもう一度おかけ下さい』

 

「何か留守電サービスに繋がったんですけどおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?って、ぶつかるぅ!?ンアーッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3分後

 

「ふぅ……………何とか逃げきったかな…………?」

 

三玖はボーゲンのハの字の角度を広げて止まる。こちらはちゃんと止まりかたを教わっていた。上杉と総悟は四葉が教えるのを忘れていた為、犠牲となったのだ(死んでないけど)

 

「……………そう言えば、さっきソウゴがもうスピードで叫びながら抜かして行ったような…………」

 

本人は抜かしている事にすら気付きもしなかったが(つーか、それ所じゃなかった)、三玖は気付いていた。何処かにいるのかなと考えていると、同じくスキーをしていた子供が何人か集まって話しているのに気付いた。

 

「この人、雪の上で寝てるー」

 

「何やってるんだろー?」

 

「変な人ー」

 

三玖も気になって見てみると─────倒れてる人物は知り合いだった。

 

「そ、ソウゴ!?」

 

まさか頭でも打ったんじゃ、と三玖が駆け寄るとソウゴは意識があった。そして無言で指を指す。指した方向を向くと、人がぶつかった跡が刻まれている巨大雪だるまがあった。

 

「『そのときふしぎな事が起こった』って感じで……………まぁ、無我夢中でよく覚えてないが曲がったんでしょうな…………そんで、壁じゃなくて雪だるまにぶつかって事なきを得たって感じ…………」

 

「そ、そうなんだ………災難だったね」

 

「全くだ。四葉め………ちゃんと教えないから………今頃上杉も衝突して雪に埋まってるんじゃね?」

 

書くのがめんどいから省くけどソウゴの予想は大正解である。

 

「ねーねー」

 

「んあ?どうした子供達よ」

 

「お兄さんとお姉さんって恋人?」

 

「ファッ!?」

 

「え!?」

 

予想外の子供の質問に2人は動揺する。

 

「そそそそそそそそそそそ、そんな事ないですよ!!!ねねねねねねぇ、三玖さん!?」

 

「え、あ…………う、うん!こ、恋人とかじゃなくて………と、友達だから!」

 

「あー、やっぱり恋人なんだー!お母さんが、恋人って訊かれて焦りながら友達って答えたら大体カップル成立してるって言ってたー!」

 

「何を余計なことを言ってんだ、お母さん!!つーか、見世物じゃないんだし、さっさと散れい!」

 

「わー、雪だま投げてきたー!」

 

「逃げろー!」

 

「お幸せにー!」

 

「はいはい、どうもー!………じゃねーよ!」

 

走って逃げていく子供達。総悟は肩で息をしていたが、子供の姿が見えなくなるとやれやれ、と言いたげにため息をつく。

 

「ったく、最近の子供ってのは案外侮れねぇと言うかなんと言うか。俺と三玖が恋人とか……………ねぇ?まだ出会って1年すら経ってないのに……………ねぇ?」

 

「う、うん………」

 

三玖の顔は未だに少し紅かった。その顔を見られないように三玖は少し俯く。まぁ、顔が紅かったのは三玖だけではないのだが。

 

「………おっと、あそこにかまくらがあるな。…………ちょっと寄っていかない?四葉から隠れて休むには最適だろ」

 

「………そ、そうだね。隠れるには最適だと思うし………」

 

to be continue……




次もぜってぇ見てくれよな!

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