明日から期末試験のテスト週間。二乃から貰ったチャンスを無駄にしない為にも、俺も頑張らなければ。無論、本人たちが1番頑張らなければならないのだが───────
「と、と言う訳でして…………」
「……………………」
「あ、あのー…………怒ってますか?」
「顔見れば1発で分かるやろ?」
「で、ですね………」
次の瞬間、 俺は四葉のリボンを掴んでブンブン揺らす。
「四葉ァァァァ!!なぁぜ断らんのだァァァァ!!お前は部活よりも勉強優先だろうがァァァァ!!」
「す、すみませんー!」
何故か四葉がジャージ姿でどこかに行こうとしてたので問い詰めると、陸上部で近い内に駅伝があるらしいが突如として欠員が発生した為に、バスケ部での活躍を聞き付けてか四葉に白羽の矢が立ったらしい。それで今日は練習だとか。
「あのねのね!四葉は部活やってる場合じゃないでしょうが!自覚あるだろうけど、四葉が1番勉強出来ないんだからな!」
「わ、私も勉強を理由に何度も断ったのですが…………『あと1人いないと駅伝に出られないからお願い!』って何度も必死に頼まれて…………」
「それで折れた訳か…………」
「で、でも明日からはテスト週間ですよね?駅伝はテストの後ですから、今日の練習が終われば部活動もテストが終わるまで休みになると思いますので………」
………ほんとかぁ?『駅伝あるからテスト週間でもやるよ、てへぺろ☆』的な事とか普通にあり得そうなんだが。
「…………まぁ良い。だが、もしテスト週間中に練習するような事になったら『どうしても外せない用事があるのですみません!自主練しておきます!』とでも言うんだぞ!絶対だかんな!返事は!!」
「は、はい!!」
「…………つー訳で、四葉はお休みなんだが…………二乃と五月は?」
「……………映画を見に行くらしい」
「「………はぁ」」
────上杉とため息のシンクロ率が
そんなフレーズが唐突に浮かんだ。しかも、あんまり面白くない。くそつまんねー。
「ソウゴ、フータロー、元気だして」
「まぁまぁ2人とも。ため息ついてると幸せが逃げちゃうよ?」
「確かにぃ……それはよろしくないな………」
「………それもそうか。はぁ、仕方な………って、ため息ついちまった。いかんいかん………仕方ない、今日は一花と三玖の2人だけでやるか」
「あ、私は用事があるから帰るね。事務所の社長の娘さんの面倒を見なきゃいけないから」
俺を何かヤバそうな目つきで見てきた社長に子供?……うーむ、何か想像できないな。結婚してそうな雰囲気では無かった気がするけど。
「おい待て。勉強をサボりたいが為に適当な事を言ってるんじゃないのか?あの髭のおっさんに娘がいるとか想像出来ないぞ!」
「ほ、ほんとだってばー!」
上杉も同じことを思ったのか、去ろうとする一花を止めて問い詰める。
「そんな娘がいるんなら連れてきてみやがれ!」
と、上杉が言うので──────
「菊ちゃん、おとなしくしてて偉い」
「マジで連れてきやがった………」
「たまげたなぁ」
────一花姉さんがガチで連れて来ました。
「だからそう言ってたじゃん…………急な出張が入った社長の代わりに面倒を見ることになったんだ」
「へー…………じゃあ、俺は菊ちゃんにお勧めの漫画とかラノベを布教してくるわ」
「布教してないで家庭教師の仕事をしろ!」
……………ちぇ。つーか、よーく考えたらまだ漢字とか読めないだろうから無理があるな。
「ったく…………子供は静かに遊ばせておいて今は勉強す」
「おい。アタシの遊び相手になれ」
何か…………上から目線やな。まぁ、子供だし大目に見よう。
「お遊びって何をするんだ?」
「最近のトレンドはおままごとだ。お前はアタシのパパ役。そこのアホ毛のお前はパパの部下」
「ほーう…………つまり俺は上杉を顎で使えるわけですなぁ…………」
「嫌な上司の予感しかしねぇ…………」
「あ、じゃあ私はママ役をやる!」
「うちにママはいない。ママは浮気相手と家を出て行った」
そこはリアルなのか…………しかし、とんでもねぇ母親だな。ポプ〇ピとか言うクソアニメのキャッチフレーズを借りて言うなら、『どうあがいても、クソ』がお似合いの母親だぜ。
「ほら、早く始めろ」
「はいはい…………菊、幼稚園で友達できたかー?」
「ガキばっかしかいない」
「そうかー。お父さんの部下もクソガキでよ。仕事は出来て優秀なんだが、何か顔を見てるとむしゃくしゃするんで、来月からカンボジアに飛ばす事にした」
「飛ばす理由がとんでもないな…………むしろクソガキはお前の方だろ」
あれ、何か恨み節聞こえたような。気のせいかなぁ(すっとぼけ)
「ガラガラ。へー、ここがパパの会社なんだ」
ああ、会社に来たって事ね。
「そこの2人はパパの事務員」
「え、私たちも?」
「事務員さん?」
「そう。パパに惚れてる」
ほーう…………中々面白い設定じゃないの。
「社長、いつになったら2人きりでご飯に連れていってくれるの?今夜行こうよ、今夜」
「…………コフッ!!」
近い!!めっちゃ近い!!そしてめっちゃ可愛い!!吐血しそう!!
「(本当に素直になったね、三玖…………けど、演技なら負けないよ)菊ちゃん、新しいママ欲しくなーい?」
「あ、ずるい。私がママになる」
「三玖になれるかなー?」
「………じゃあ、2人ともパパの好きなところを言え」
お!!いいぞ、ドンとカモン!!
「えーっと………少し変わってるけど男らしくて……………あと、ドSな所とか?」
「頭が良い、頼りがいがある、背も高い、カッコいい」
いやぁ、よしてくれよ三玖。お世辞とかだったとしても、照れるゾ。………それと、一花姉さんよ。あなた、ドsな所が好きな所としてあげてたけど、それじゃ姉さんがドМって事に認定されかねないが、それでええんか……?
「菊ちゃんはどっちが良いと思った?」
三玖だろ(断言)
「私は…………ママなんていらない」
あら、まさかの第三の選択肢『どちらも選ばない』ですか。
「どうして?」
「‥‥‥…寂しくないから。ママのせいでパパはとっても大変だった。パパがいなければ寂しくない」
………………。
「……ったく、大人ぶって強がっちゃってやんの。パパはそんな子に育てた覚えはないぞー?」
「な、何をする!」
「お母さんがいなくて寂しくないわけないだろ、お前さんはお母さんに甘えたりしたい年頃だってのに。大人ぶろうとしないで、子供はわがまま言ってる方が可愛いもんなんだよ。………ママが欲しいか?」
「…………………………………欲しい」
「なんだ、素直に言えるじゃん。そうだなぁ‥‥‥…菊ちゃんは通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きか?」
「いや、どんな質問だよ!?子供に意味の分からん質問をしてんじゃねぇ!」
「何だようっさいなー。カンボジアじゃなくて北極に左遷させるぞ、パンツ一丁で」
「殺す気か!」
==================
─────ソウゴのこう言う所だ。目の前の人をちゃんと見て、真っ正面から向き合ってその心に寄り添う─────そんな温かい心をソウゴは持っている。
(ああ、そっか……………ソウゴは私にも優しく寄り添ってくれてた…………だから惹かれたんだ…………もしかして一花も、なのかな?)
『仮にその趣味が人から見て変だとしてもよ。俺から言わせれば、人と変わったものを好きになって何が悪いって話よ』
『三玖は自分が好きになったその趣味に対して自信と誇りだけ持ってれば良いんだよ』
───そして、気がつけば私の思いを口にしていた。
「ソウゴ…………私と付き合おうよ」
「!?」
………………あ。
「(い……………言っちゃった!ど、どうしようどうしよう!?ソウゴも凄く驚いてるのが顔を見て分かる!何かこう、もっと告白するのに良い感じの雰囲気とかあるのに!あーもう、私の馬鹿馬鹿!)」
「(………………あ、そゆことか)なーにを仰ってるのだ三玖」
「え、えっとね…………」
「ここは結婚しようだろ?」
そ、そっか。そうだよね。付き合おうじゃなくて結婚しようって言った方が良いよ……………え?
「け…………………結婚?!えぇ!?」
急展開についていけない!!と言うか、高校生同士で結婚なんて出来るの!?あれ、でも前にどこかで出来るって聞いたことあるような…………え、てことはやっぱり本気なの!?ほんとに私と結こn
「菊、やったぞ!俺は三玖と結婚するからママができたな!通常攻撃がクリティカル攻撃で………三玖だから、3回行動出来るママが出来たぞー!まぁ、おままごとの中だけどね」
「(………え)」
………………あ、そう言えばおままごとの最中だったのを一瞬忘れてた…………ソウゴの中で私の告白はおままごとの中での事として処理されてしまったみたい。状況が状況だったから仕方ないけど………………残念なような安心したような………はぁ。
小さくため息をついていると、他の3人も帰ってきた。
「ただいまー!ってあれ?可愛い女の子だ!」
「何してんの?」
「おままごとだ。先程三玖と結婚してな。そして今から上杉の身ぐるみ剥がしてパンツ一丁にし、コンテナに閉じ込めて北極に送ろうと思ってな」
「上杉君は何をしたんですか………」
「顔がムカつくから北極に送られるらしい」
「んなことより、菊ちゃん。残りの3人にも配役を決めてあげな」
「……………じゃあ、うちのワンちゃん」
「ワンワン!」
「そこの2人はおば……何だ?」
あ、ソウゴが菊ちゃんに何か耳元で囁いてる。何だろう?
「……………じゃあ、そこの星形の方は面倒見の良いおばちゃん。長い髪の方はヒステリックで面倒くさいおばちゃん」
「あんた、余計なことを吹き込んだわね!」
「記憶にございません」
……………………。
「………一花」
「………ん?」
「ソウゴを独り占めしたいはずなのに、こんな風に7人で一緒にいるのも嫌いじゃないんだ…………変かな?」
一花は変じゃない、と言葉には出さずに首を横に振る。
「………………私もそう思うよ。このまま皆で楽しくいられたら良いね」
ちなみに、おままごとはフータローと、ついでに二乃が北極送りにされて幕を閉じた。めでたし、めでたし。
to be continue……………
二乃「いや、ふざけんじゃないわよ!なんで私がついで扱いなのよ!」
上杉「いや、怒るとこそこ!?」
えー、シンエヴァが公開しましたね。作者も来週見に行きます。今週は予定がハイパーつまってるので。投稿もワンチャン出来ない可能性がありますが、ご了承を。
本日も読んでいただきありがとうございました!
さーてこの次も、サービスサービスゥ!