三玖を愛する転生者の話   作:音速のノッブ

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もうその6か。早いなー。ここら辺の五等分はマジでお気に入りの回が多くて『FOO↑』ってなりながら書いてます。楽しいなー。そういやもう三月終わりですね。一月は行く、二月は逃げる、三月は去るとじゃこの事じゃな。


7つのさよなら その6

「お邪魔します」

 

「おはやっぷー☆」

 

「…………私にプライバシーはないわけ?」

 

ホテルを変えてもまさかやって来るなんてね。そして三玖の変装でセキュリティも突破されてるし。もっと遠くのホテルにしておけば良かったかしら。

 

「…………言っておくけど、何を言われようと帰らないから」

 

「お茶淹れるけど飲む?」

 

「ここ私の部屋なんだけど!?」

 

図々しい妹ね…………三玖も火野や上杉の悪影響を受けたのかしら。

 

「二乃は何か飲むか?俺は心優しいから三玖の分とついでに淹れてやろうじゃないか」

 

「あっそ。じゃあ、紅茶。砂糖は2つ分入れといて」

 

「へいよー、 かるでらっくす」

 

変な返事ね。まぁ、これがあいつの通常運転かしら。

 

「そんなに砂糖をいれてたら病気になる」

 

「私の勝手でしょ。その日の気分によってカスタマイズできるのが紅茶の強みよ」

 

「よくわかんない。無駄に甘そうだし………」

 

「そんなおばあちゃんが飲むようなお茶が好きなあんたには一生分からないわよ」

 

「あの渋みが分からないなんてお子様」

 

「誰がお子様よ…………って、こんな時にあんたとまで喧嘩してらんないわ」

 

「(二乃も少しは大人になったのか………これはたまげたなぁ)」

 

「……………あんた、何か失礼な事を考えてなかった?」

 

「いや、全然(こやつ、エスパータイプかよ……………)」

 

火野はそう言いながら私と三玖に紅茶と緑茶を出す。

 

「これ飲んだら帰りなさいよ。ていうか、どうやってここを見つけたのよ?」

 

「一昨日に前のホテルに行って、そこで飛び出す二乃を見つけて尾行した」

 

「ガチのストーカーじゃない」

 

「いや、ガチのストーカーは天井裏とか軒下とか電柱の陰に常時いるもんだぞ」

 

「…………………あんた……………ストーカーでもされてた経験でもあるの?やけに詳しいって言うか、言葉に重みがあるって言うか」

 

「漫画の話だけど」

 

「……ああ、そう」

 

…………よくよく考えれば、このドSオタクにストーカーする程好きな物好きな奴はいないか。

 

────いや。もしかしたら三玖とか一花は好きなのかしら?一花は同じクラスで隣らしいから好きになるとかあり得るだろうし、三玖はこいつといると楽しそうに見える気がするし。

 

「………………ま、人の好みはそれぞれだから別に良いんだけど」

 

「「?」」

 

「なんでもない。こっちの話よ」

 

「そう………………二乃。一昨日、フータローと何かあったの?何だか様子がおかしかったからあの時は声をかけられなかったけど………」

 

………………この際だ。全部ぶちまけてしまおうか。

 

「あいつは絶対に許されない事をしたのよ…………聞いて驚きなさい!!あいつ、変装して騙してたのよ!!」

 

「なんだ」

 

「そう……(無関心)」

 

…………………。

 

「いや、反応薄ッ!」

 

「だって俺は一昨日上杉から聞いてたし」

 

「変装なんて私達がいつもやってる事でしょ」

 

「それは……………そうかもしれないけど…………」

 

…………いやいや。私の心を奪ったのが、変装したあいつ(上杉)だったなんて。許せる筈がない。

 

「それだけ?」

 

「それだけよ!……それだけだわ」

 

「ほんとに?」

 

「嘘つけ、絶対にまだ何かあるゾ」

 

………………勘の鋭い2人ね。

 

「…………5人でいてほしいって言われた。試験とかどうでも良いって」

 

「!………………勉強大好き男の上杉が『試験なんて』とはね。…………あいつもお前らと出会って変わったらしい」

 

「……私の都合を聞いた上で勝手な事を言ってくれるわよ、ほんと」

 

「二乃は帰りたくないの?」

 

「なんで帰らなきゃいけないのよ。 …………私達はもう一緒じゃない。好き嫌いも変わって、すれ違いも増えたわ。だからストレスも溜まる。そんなバラバラの私達が一緒にいる意味なんて」

 

「家族だから。………それだけじゃダメ?」

 

「それだけで充分やろ(断言)」

 

「…………。そうね」

 

火野の言う通り、それだけで充分過ぎるわね。

 

「まったく、そんなことも分からんとは…………あんたバカァ?」

 

「うっさいわね!」

 

この男は私に対してはいつも一言余計だっての!ストレートに言ってくれるわよ、ほんと。…………まぁ、バカなのは全否定出来ないかもしれないけど。

 

「それに、私からすれば二乃も十分変わってるよ」

 

「…………何がよ」

 

「昔は紅茶を飲まなかった。以上」

 

「…………いや、それだけ!?」

 

「冗談。………料理やお洒落が出来るようになって、社交的になって頼れるお姉ちゃんになった」

 

「……………そ、それはどーも」

 

面と向かって言われると何か照れるわね…………。

 

「私たちは1人20点の5分の1人前。……………あの問題集の問3。正解は長篠の戦い」

 

「……………な、何よ急に。自慢のつもり?」

 

「ううん。元々好きだから…………戦国武将」

 

「!」

 

三玖の言葉を聞いて何故か火野は驚いた表情を浮かべた。そして微笑を浮かべながら口を開く。

 

「……………少し前まで姉妹には言えないって言ってたのに、今は笑顔すら浮かべて誇らしげに言うとは…………三玖、変わったな。勿論、良い方向へ」

 

「うん。これも全部ソウゴのお陰。屋上と公園で言ってくれたから、今の私がある」

 

………………良く分からないけど、私の知らない所で色々とあったみたいね。

 

「これが私の持つ20点。そして」

 

「あっ…………」

 

三玖が私の紅茶を飲んだ。

 

「…あ、甘過ぎる…………」

 

「何やってんのよ…………」

 

「………でも、この味は二乃がいなければ知れなかった」

 

「!」

 

「確かに昔は5人そっくりで、諍いもなくて平穏だった。でもそれじゃあ、皆んな同じ20点のままだよ。笑ったり、怒ったり、悲しんだり─────5人各々が違う経験をして、足りない(80点)ところを補いあって私達は1人前(100点)になろう」

 

「……………」

 

「だから、違ってていいんだよ」

 

「……………」

 

………………違ってていい、か。

 

「二乃。前に自分は昔から変われてない的な事を言っていたな。でも、さっき三玖が言っていたように、昔の二乃にはなかったもの、要は『個性』がある──────実際は変わっていたって訳だ。本当は気づいていたんじゃないのか?」

 

──────火野の言う通りだ。私は昔の頃とはもうとっくに違っていた。変わっていた。『個性』と言う名の羽は得ていたが巣から飛べずにいた。それは居心地の良かった昔に執着するあまり、自分も含めて姉妹(みんな)が変化していく=違っていく事を受け入れる事が出来なくて。あるいは受け入れる事を恐れて。

 

けど、この子(三玖)は私が『変わっている』、そして『違ってていい』と言ってくれた。単純な話、私は誰かにそう言って欲しかっただけなのかもしれない。飛び立つための最後の一押し(勇気)が欲しかった。ただ、それだけだったのかもしれない。

 

妹に最後の一押しをされるとは………………本当に大きくなったわね、三玖。心の中でそう呟きながら私は三玖の緑茶を飲む。これは三玖の20点だ。

 

「……苦い。これでハッキリしたわ。紅茶の方が美味しいわね」

 

「紅茶だって元は苦い」

 

「こっちは気品な苦味よ。きっと高級な葉から抽出されてるに違いないわ」

 

「緑茶は深みのある苦味。こっちの方が良い葉を使ってる」

 

「………ふっ」

 

私達の会話を聞いていた火野が笑い声を漏らす。

 

「何よ、急に。今の会話に何か面白い所なんてなかったと思うんだけど」

 

「いいや、バッチリあったぞ」

 

「………………分かった。二乃が言ってたことが間違ってたからだ」

 

「どうだか。実際は緑茶がそこら辺の雑草を使ってて、あんたの方が間違ってるんじゃないかしら?」

 

だけど、実際はと言うと――――

 

「紅茶も緑茶も『カメリアシネンシス』って言う同じ樹からできてるんだよなぁ」

 

「「…………」」

 

「違うのは発酵度合いとかよー」

 

───────どっちも不正解だった。三玖と同じく私も思わず笑ってしまう。

 

「ふふっ」

 

「ハハハハハ、何よそれ!こんな面白い話、皆んなにも、教えてあげ………あ」

 

……………我ながら、姉妹への想いは誰よりも強いらしい。これは一昨日に火野が言ってた『変わらなくてもいい』事。そして『変わらなければならないこと』は───────もう見えている。変わる覚悟も三玖のお陰で出来た。私は荷物から鋏を取り出す。

 

「え?………ちょ、二乃さん?」

 

「な、何を…………?」

 

「三玖、火野。あんたらも覚悟しなさい」

 

「「!?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

====================

場面は変わって四葉解放チーム。突然、一花のスマホに総悟から着信が。

 

「もしもし?どうかしたの総悟君?」

 

『ヤバい!二乃が遂に頭がイカれたァァァァ!今、風呂場に三玖と籠ってる!『誰の頭がイカれたよ!ちょっと、早く出てきなさい!』……一花、お願いだから早く来て何とかして……もうダメかも…………』

 

「!そうだ、丁度良い。一花、三玖を連れてきてくれ!」

 

「!…………そう言うことね、分かった!2人とも、今から急いでそっちに向かうね!あ、それと五月ちゃん!念のため、変装用のリボンの予備を1つを預けておくね!」

 

「は、はい!」

 

『マジで殺される前に早めに頼むわ!『いや、違うわよ!私はただ』ブツッ』

 

二乃が何か言おうとしていたが途中で通話は切れた。今一状況は把握できてないが、一花はホテルに向けて駆け出す。

 

「上杉君、もしかして」

 

「そうだ。四葉が断れないならお前達が断れば良い…………入れ替わり作戦だ」

 

「やはりですか…………私は入れ替わりは少し苦手でして…………前に一花の真似をした時も心臓バクバクで」

 

「そうには見えなかったが…………まぁ、良い。だから変装の名人の三玖を呼んだんだ。一花が連れてきたらお前のジャージを着て貰う。そして俺が……………って、もう陸上部の奴ら出発してやがる!駅に着く前になんとかしないと………やりたくもない部活で貴重な土日を潰されてたまるか!」

 

取り敢えず上杉と五月は距離を取って尾行。ただ、このまま尾行してるだけでは意味がない。

 

「…………やむを得ん。五月、三玖が来るまでお前が四葉の代わりをやるんだ」

 

「え!?」

 

「早くリボンを付けろ!駅に着いちまう!」

 

「………わ、分かりました!」

 

半ば上杉に強引に押される形で五月はリボンを付けて星形のアクセサリーは外す。

 

「え、えっと……………嫌です!こんな役目もう辞めたいですー!……………みたいな感じで良いですか?」

 

「そうだ、そのアホっぽさのある喋り方はまさに四葉だ!見た目も完璧だし、これで行けるぞ」

 

「そんなにうまくいくでしょうか………」

 

五月の中に一抹の不安が残るなか、上杉は作戦を説明する。

 

「俺が四葉を何とか陸上部から引き剥がす。そして何気なくお前が四葉のフリをして戻って退部を申し込んでくれ。頼んだぞ」

 

どうやって四葉を引き剥がすのかと言う疑問が浮かんだ五月は尋ねようとするが、それよりも早く上杉は息を大きく吸い込み───────

 

「痴漢だー!痴漢が出たぞー!」

 

陸上部の面子にも聞こえるくらいの大声で叫んだ後、近くの階段を駆け上がる。

 

「そこの人、止まりなさーい!」

 

そして声に釣られた四葉も上杉を追って階段を駆けていく。なんともまぁ捨て身な作戦である。

 

「(信じますよ………私は四葉、私は四葉…………)」

 

五月は内心でそう呟きながら陸上部の元へ─────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「捕まえましたー!」

 

「グエッ!」

 

誰の目からも分かりきっていた結末ではあるが、上杉はあっさりと四葉に捕まった。

 

「あれ、この匂い…………う、上杉さん!?ど、どうして…………痴漢なんて………」

 

「嘘!痴漢なんて嘘!……これはお前を誘き寄せるための作戦だ」

 

「誘き寄せる………?」

 

「今、五月がお前の代わりに退部を申し込んでる」

 

「!……………わ、私はへっちゃらですから!」

 

「いい加減にしろ!へっちゃらな訳があるか!昨日、お前も辞めたいって言ってただろ!四葉、お前が本当に大切にしたい物は何だ!?」

 

「!…………そ、それは…………」

 

「…………隠れろ!」

 

四葉の口を押さえて柱の陰に隠れる。様子がおかしいことに気が付いたからだ。

 

「わ、私は四葉ですよー。ほら、リボン」

 

「うん。似てるけど違うよ。髪の長さが違うし」

 

「くっ、何て鋭い観察眼なんだ…………!」

 

早速バレた。

 

「上杉さんはもっと他人に興味を持ってください………私のためにすみません……………でも!」

 

「ま、待て!」

 

四葉は陸上部の元へ走り出してしまう。このまま戻られてはもう万事休す─────。

 

「お待たせしましたー!ご迷惑おかけしました、皆さん!」

 

「よ、四葉の奴…………もう陸上部に戻って……………ない?」

 

上杉の目の前にちゃんと四葉の姿はあった。当の四葉は陸上部の元にいる自分自身を見て固まっている。

 

「中野さん!」

 

「今度は本物ですよね………?」

 

「あはは。ちょっとしたドッキリでした。五つ子ジョーク!」

 

「なんだ、冗談だったんだね。でも笑えないからやめてよ。中野さんの才能を放っておくなんてできない。私と一緒に高校陸上の頂点を目指そうよ!」

 

「……………まぁ、辞めたいのは冗談じゃなくて本当なんですけどね」

 

部長の言葉を笑顔で切り捨てる四葉(?)。四葉(?)の発言に部長と五月は驚いていた。

 

「な、中野さん?なんで………」

 

「なんでって、そんなことも分からないんですか。とあるドS野郎の言葉を借りて言えば『あんたバカァ?』ですね。………………調子のいいこと言って私の事は何も考えてくれないし、前日に合宿を決めるなんてありえません」

 

トドメとばかりに四葉(?)は部長に一歩近づいて普段の四葉なら絶対出さないようなナイフのように鋭いかつ冷たい声で一言叩きつける。

 

─────マジありえないから

 

「ヒッ……………………ご………ごめんなさい………………」

 

そのまま力が抜けたのか部長は地面に崩れ落ちてしまう。用は済んだとばかりに四葉(?)は去っていき、五月も慌てて付いて行く。

 

「で、出た……………ドッペルゲンガー!うわーん、死ぬ前に皆とみかん狩りに行きたかったですー!」

 

「ふっー………………何とか間に合ったか」

 

そこへ息を切らした一花と総悟が戻ってきた。

 

「つ、疲れたぁ…………」

 

「陰から見てたけど、すげぇスカッとしたなー」

 

「一花に総悟………三玖を連れてきてくれてありが」

 

「あれは私じゃない」

 

「………………え?」

 

総悟の後ろから三玖がひょっこり姿を見せ、上杉は間の抜けた声をあげてしまう。そこへ五月と四葉(?)が5人の元へ戻って来る。

 

「三玖、間一髪でした。ありが………………あれ!?」

 

「一、三、四、五…………まさか…………」

 

上杉の頭の中に浮かんだ答えを肯定するように総悟はニヤリと笑みを浮かべながら笑う。

 

「そう言う事だ、上杉。喜べ諸君、第2の姉さまのお帰りだ」

 

四葉(?)はリボンを取って蝶の髪飾りを付ける。長かった髪はバッサリ切られてもうない。だがそこにいたのは紛れもなく─────二乃だった。

 

「私もホテルに着いて二乃の部屋に入った時は驚いたよ。そんなバッサリいくなんて、もしかして失恋ですかー?」

 

「……………ま、そんなところね」

 

「いやー、にしても最初に二乃が鋏を持って迫ってきた時はぶっ〇されるかと思いましたよー。すぐに誤解が解けたから良かったけどさぁ」

 

「ほんと、こっちもあんたらが急に風呂場に籠って一花に電話して騒ぎだした時は驚いたわよ」

 

「にしても、『あんたバカァ?』を勝手に使いやがったな?」

 

「ふん。どうせあんたが作り出した台詞じゃないんだろうし、好きに使おうがあんたにとやかく言われる筋合いはないでしょ」

 

「確かにぃ………(正論を言い返されちまった………これも〇ーレのシナリオ通りか………………)」

 

次に二乃は四葉の方を向く。

 

「四葉。私は言われた通りやったけれど、本音で話し合えばあの子達もわかってくれるわ。あんたも変わりなさい。辛いかもしれないけど、きっと良いこともきっとあるわ」

 

「……………。うん、行ってくる」

 

「1人で大丈夫?ついてこうか?」

 

「ありがとう、一花。でも、1人で大丈夫だよ」

 

一花の気遣いに感謝をしつつ、四葉は1人で陸上部へと戻って行った。さて、残る課題はこの2人(二乃と五月)についてだ。

 

「「………………」」

 

「…………お、おい2人と」

 

「はいはい、邪魔者は退散するぞ。…………あの2人はもう大丈夫だ」

 

「火野…………そうだな」

 

「腹減ったし、コンビニで何か買うかなー」

 

「私も抹茶ソーダ買う」

 

「あ、私はフラペチーノにしよっと」

 

4人が去ってその場は二乃と五月の2人きりに。先に話を切り出したのは五月からだった。

 

「二乃、その…………先日は」

 

「待って、謝らないで。あんたは間違ってない。今回は全部私が悪かったわ。……………強いて言うならビンタが強すぎた事くらいよ」

 

「二乃ぉ……!」

 

五月の瞳にはたっぷりの涙が浮かぶ。仲直り出来たのが相当嬉しかったのだろう。二乃も涙は浮かべなかったものの、内心は嬉しかった。

 

「そ、そうです。お詫びをかねてこれを─────この前二乃が見たがってた映画の前売り券を渡そうと思ってたんです」

 

そう言って五月は『恋のサマーバケーション』のチケットを取り出す。それを見た二乃は一瞬目を丸くしたが、すぐに口元に笑みを浮かべる。

 

「全く…………思い通りにいかないわね」

 

二乃は差し出そうとしていた映画の前売り券─────『生命の起源〜知られざる神秘〜』の前売り券を後ろに隠す。

 

同じではなくとも/変わってしまっても─────やっぱり彼女等は姉妹と言う事である。

 

to be continued…………




今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

三月に去られると忙しい4月がやって来るよー。やだー。

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