三玖を愛する転生者の話   作:音速のノッブ

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作者「…………あー疲れたぁ…………」

バン!ババン!バン!(迫真)

作者「!?」

総悟「おい、ゴルァ!!てメェ、1ヶ月も投稿しないで何してやがったァ!!」

作者「い、いや、その………」

三玖「サボりだったら許さない。切腹」

神様「ウマ娘か?妖精円卓領域(FGO)か?」

作者「違うから!つーか、妖精円卓領域は2日前から始まったんだから1ヶ月投稿してないのとは無関係でしょ!?」

神様「まぁ、良い。ウマ娘だろうとキャストリアだろうと、どうでも良い。とにかく、俺が読者に変わって裁きの鉄槌を下してくれるわ」

作者「ちょっ、ちょっと待ってください!助けて!お願いします!ああああああ!!!!!」








神様の凸ピン痛い…………えー………お待たせしました。別にサボりではないです。ウマ娘でもアヴァロン・ル・フェでもないです。単純にリアルでやらなきゃならないことが立て込んでただけです。これからもリアルに支障がないように頑張ります。

それではお久しぶりにどうぞ!


最後の試験 case一花

『なんで好きになっちゃったんだろ─────』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「三玖、まだ起きてたの?」

 

「一花………………起こしてごめん」

 

何か音がしたので見に行ってみると、三玖がチョコを作っていた。その手元には大量の紙が。

 

「チョコ作りの調子はどう?そろそろソウゴ君の好みを把握してきたんじゃない?」

 

「!……………気付づいてたんだ。まぁ、好みは何となく把握してきた。このレビューのお陰で」

 

一花が三玖の手元に置いてあった紙の1つを手に取って見てみると、300字以上でみっちりと感想が描かれていた。 

 

「…………ソウゴ君、よくこんなに長文レビューを書けるね……………語彙力が半端ないと言いますか…………」

 

「それは私も思ってた」

 

三玖もそう同意しながら手を動かしてチョコの材料を作っている。覗き込むと、材料からドクロマークが浮かび上がっているーーーーーーーーーーような錯覚が見えた気がした。 

 

「何か………ドクロマークが出てたような気がするけど…………?」

 

「…………眠いからドクロマークは錯覚だと思ってたけど、やっぱり現実だった……………どうして上手くいかないんだろう。星奈さんにちゃんと技術は教わった筈なんだけど…………」

 

「んー…………もっとシンプルなレシピでいいんじゃないかな?溶かして固めるみたいなのとか」

 

「………………………」

 

無言でも、やっぱり手作りで渡したいのが一花に伝わって来た。どうしたものかと考えていると、彼女の脳裏に料理が得意な人物の姿が思い浮かんだ。

 

「…………そうだ。私の知り合いに料理上手な人がいるから、その人に教えてもらいなよ」

 

「…………え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「(三玖、ファイト!)」

 

私は外からカーテンの隙間を通して二乃と三玖がチョコ作りをしているのを見守っていた。二乃はかなり料理が上手いから何とかしてくれるだろう。これで三玖はソウゴ君にチョコを渡せる。これで良い……………………良い、筈だ。

 

……………………私の中にモヤモヤした何かが霧のように広がって晴れない。原因は明確だ。勉強の出来ない馬鹿な私でも分かる。

 

「…………はぁ………………何で好きになっちゃったんだろう…………」

 

「なにやってんだオメー?」

 

「うわああっ!?『ドンッ!』痛っ!」

 

背後から聞こえてきた声にびっくりして思わず窓の格子に手をぶつけてしまう。

 

「あ、すまん。驚かせるつもりはなかったんだが………………」

 

「そ、ソウゴ君…………!?」

 

まさか……………………

 

「き、聞こえた?」

 

「え?いや、何も聞こえてないけど………?」

 

「そ、そっか!カラスの鳴き声がした気がしたけど私の耳の錯覚かな、うんそうだね!」

 

「それを言うなら幻聴でしょーが」

 

「そ、そうだねー。あはは……………………」

 

あ、危ない……………セーフだったぁ……………。

 

「そ、ソウゴ君は何をしに?」

 

「俺が昨日の勉強会で持って来た参考書を持って帰るのを忘れてな。間違えて捨てられたりする前に回収しに来たって感じ」

 

「(や、やばっ!今中に入られたら…………!)そ、それ!私が間違って捨てちゃったかも!」

 

「時すでに遅しだった………」

 

「だ、だから今から買いに行こうと思ってて!あ、丁度いいからソウゴ君もついてきて!」

 

「あ、ああ………?」

 

我ながら早口でまくしたてた後、ソウゴ君の背中を押して家から離れて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えーっと……………………あー、これだね」

 

「(…………って、2500円!?)」

 

最近の参考書ってこんなに高いの!?

 

「……………財政的に厳しいようなら俺が」

 

「だ、大丈夫!お姉さんに任せなさい!じゃあ支払いしてくるから適当にブラブラしてて!」

 

顔に『ヤバイ』って出てたのかな……………………こういう時、咄嗟に冷静を装えれば良いのに。私も女優としてはまだまだって事かなぁ……………………。

 

「(お姉さんぶって見栄を張った結果、痛い出費をする羽目になったけど……………………まぁ、これでソウゴ君が喜んでくれるなら………………って!)」

 

ストップストップ!こんな関係は間違ってるよ!もし私たちが付き合ったら私が貢いでソウゴ君がダメ男になっちゃうのが目に見えてるよ!そんな彼は見たくないし、諦めるのが1番だよね、うん。それが正解……………………正解に決まってる……………………。

 

自分に言い聞かせるように心の中で呟いている間にお会計が終わり、袋を持ってソウゴ君を探すとすぐに見つかった。意外にも彼は心理学の本を立ち読みしていた。

 

「お待たせ、ソウゴ君」

 

「お、買い終わったか」

 

「うん。……それにしても、ラノベとか漫画以外の本も読むんだね。てっきり『ラノベとか漫画以外は本じゃねぇ!』って感じで読まないのかと」

 

「俺に対してそんなイメージを抱いてたのか……………………………俺はラノベや漫画を読むのが特に(・・)好きなだけで、ジャンルを問わず本を読むこと自体好きだからな。試し読みして気が向いたら買ったりもしてる」

 

「へー、そうなんだ……………あ、そろそろ行こうか」

 

「おっ、そうだな…………あ、手が…………」

 

「え?………ああ、さっきぶつけた所が腫れちゃってさ。まぁ、そんなに痛くないから気にしないで」

 

「(………俺が驚かしたのが原因だしなぁ…………)ちょっと待っててなー」

 

「へ?あ、ちょ……………走って行っちゃった………」

 

よく分からないけど取り敢えず待とうと思って近くのベンチに座る。何気なく頭をからっぽにしてボーっとしていると

 

「な、中野さん!」

 

「へ?………あ、水澤君に谷田部君」

 

誰かと思えば、同じクラスの同級生だった。

 

「プライベート中野さんだ…………」

 

「こんな所で会えるなんて!しかも名前まで覚えてくださってるなんて感激です!」

 

「ま、まぁ私ってクラスの皆んなのお誘いをほとんど断っちゃってるし。そう思われても仕方ないのかな」

 

「とんでもないむしろアリです!」

 

「お二人は俺達みたいな下界の人間と別次元のお方ですから!今日は何しに」

 

「バカ、本買いに来たに決まってんだろ」

 

……………これだけ慕われてる(?)のに女優をやってるのがバレてないのは小さい映画とかモブ役だからなのかなぁ………………喜んでいいのか複雑なところだろうけど。

 

「…………って、中野さんのゴッドハンドが!」

 

「たたたたたたたたた大変だ!」

 

「今すぐ救急車をお呼びします!」

 

「この店にお医者様はいませんかー!」

 

「も、もー!大袈裟だって!」

 

あー、もう心配してくれるのは嬉しいけども一々反応が大袈裟と言うか…………………。

 

「お待たせ―………………え、何この状況は(困惑)」

 

「ちょっと色々と大袈裟過ぎて………………」

 

「はぁ………………」

 

その後、ソウゴ君の説得(物理)によって2人は何とか静かになって、ソウゴ君から『他の客の迷惑になるから大声はやめんか!あと、お前らが一々大袈裟すぎて困ってるでしょーが!』と軽く説教を受けた後に2人は私に『すいませんでしたァ!』とビシッと頭を下げて謝って帰って行った。

 

「なんか凄く疲れたよ……………」

 

「救急車まで呼ぼうとするとか馬鹿じゃねぇの(直球)」

 

「あはは………ところで、ソウゴ君は何処に行ってたの?」

 

「あ、そうだった。これを買ってきたんだよね」

 

ソウゴ君が差し出したのは湿布だった。

 

「………………もしかして、私に?」

 

「まーね。俺がびっくりさせたのが原因だから、これ位はしないと」

 

………きっと、こういう優しい所なんだろうなぁ………………。

 

「はい、つー訳で貼りまーす」

 

「あ、うん…………ん?いやいや、これ位は自分で出来るって!」

 

「一花姉さんだと雑に貼りそうなんで俺がやりまーす………………はい、綺麗に貼れた」

 

「………あ、ありがとう………」

 

早業で貼られちゃったよ……………湿布の効果なのか、ソウゴ君が貼ってくれたからなのか痛みが引いた気がした。………………………………これ以上好きになったらいけないのに………。

 

「よーし、帰るか。にしてもテストまであと1ヶ月か。まぁ、一花姉さんは仕事と両立出来てる辺り器用だし、そして飲み込みも早いから油断しなければ行ける気がするネ!今後こそ合格すんぞー!」

 

「………………」

 

「………………あのー、お姉さん?聞いてます?」

 

「!……う、うん。やれるだけやってみるよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私、この期末試験で赤点回避する。その上でこれまでの試験と同じく5人の中で1番の成績を取って自分に自信を持てるようになったら……………今度こそ好きって伝える」

 

「!………………い、いいんじゃないかな。三玖がそう決めたのなら………………」

 

その告白に胸が締め付けられた気がした。……………ちゃんと笑みを浮かべられてるだろうか、今の私は。

 

「………………林間学校の時、私は1度キャンプファイヤーのダンスを一花に譲った………………『平等』を理由に。でも、今回は全員『公平』………………早い者勝ちだから。私は一花を待たない」

 

「……………………。ま、まぁ私も手加減出来る余裕はないから……………………頑張ってね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後

 

「(頑張れって、本当に何様のつもりなんだろう私……………三玖、本当に変わったね……………いや、今も進行形でどんどん変わっている、が正しいか…………)」

 

数日前の事を思い出しながら心の中でそう呟く。仕事から帰った後、他の姉妹は皆寝ていたので、起こさないように最小限の明るさで電球をつけて勉強をしていた。

 

……………三玖にあの宣言をされてから私は確実に焦っていた。このままでは─────、と。

 

宣言前よりも私は確実に勉強に身が入っていた。その理由は勿論、三玖の告白を阻止したいが為に

 

「(って、違う違う!これは赤点回避する為…………私は仕事もやってるんだから夜に少しでも勉強するのは当然だからね、うん……………………)」

 

今月に入って自分に言い聞かせるのは何度目だろう……………………って、ヤバい。仕事の疲れで眠くなってきた……………………今日はやめて明日に

 

『後悔しないようにね。今がいつまでも続く訳じゃないから』

 

脳裏に過ったのは──────────林間学校の肝試しの時に三玖に対して言った言葉。

 

「……………もう少しだけ…………頑張ろう…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テスト当日

 

「……………………ふぅ」

 

私は自分の机で数学のテストの最終確認をしていた。確認がひと段落済んだ所で時計を見ると、予鈴のチャイムが鳴るまで1分を切っていた。

 

「それにしても、ソウゴ君遅いなぁ……時間かかり過ぎじゃない?」

 

5分程前に『ちょっとお茶でも買って来るかな~』と言って行ったきり帰ってこないけど。どうしたんだろう……………?そして遂に予鈴のチャイムが鳴る。すると

 

「あっぶねあっぶねー」

 

滑り込みでソウゴ君が戻って来た。

 

「ギリギリで滑り込んでたけど、どうかしたの?」

 

「三玖に分からない所を教えてたからなー」

 

「!…………そ、そっか。じゃあ、お互い頑張ろうね」

 

「勿論だ」

 

先生が教室に入って来たのもあって、手短にエールを送って会話を終わらせる。

 

「(余計な事は考えちゃダメ………………今は赤点を回避する事だけに集中しよう……………………)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから月日は経ってテスト返却日。私は最後の科目の答案を先生から受け取って席に戻る。

 

「どうだったよ?」

 

「…………………」

 

「…………………」

 

「…………………」

 

「…………………」

 

 

「…………………」

 

「………………………え?」

 

無言+無表情を浮かべていると『まさか………?』と言いたげな不安な表情を浮かべるソウゴ君。そして次の瞬間、答案を見せながら私は笑みを浮かべてる。

 

「じゃーん!全科目赤点回避成功したよ!合計は、えーっと……………………240点かな、たぶん」

 

中野一花 全科目赤点回避 合計240点

 

「よ………良かったぁ……………黙ってるから失敗したのかと思ったぞ……………驚かせやがって…………」

 

「あはは、ソウゴ君見たこともないような不安気な表情を浮かべてたね」

 

「そりゃ無表情で黙ってりゃ不安にもなりますわ。ここまでは赤点回避出来たのに最後の最後でしくったのかと思ったわ………この小悪魔姉さんェ……」

 

我ながら演技が上手かったみたい。ドッキリ大成功、かな?

 

「とにかく、赤点回避出来てて良かったわ………………さて。今日まで秘密にしてたが、俺から提案がありましてね」

 

「提案?」

 

「俺ちゃんと上杉は今回のテストで全員赤点回避出来てると予想してまして。なので、皆で『赤点回避おめでとうばんざーい』のスイーツパーティーを上杉のバイト先の店でやろうと計画してたんスよ。パーティーやりませんか?やりましょうよ~」

 

「良いね、それ!じゃあ、放課後になったら私が先にお店に行って席を取っておくから、ソウゴ君は他の皆の結果を聞くのとパーティーの事を伝えてきなよ」

 

「あ、そーね。メールで送って見忘れたとかあったら困るし、結果聞くついでにパーティーの事も言っておこっと。にしても姉さん、気が利きますねぇ!」

 

「やっと気付いた~?私は元から気が利くいい女だよ?」

 

そう軽くボケてみる。『ハッ!』とか鼻で笑ってくるかなー。

 

「そーねぇ。確かに一花姉さんは気が利くいい女ってはっきり分かんだね」

 

ほらね、やっぱ………………え?

 

「いや、その………………え?」

 

「何だよその困惑気味の反応はー?」

 

「いや、てっきり『ハッ!自分でいい女って言うけどお前部屋が汚い時点でアウトだから!もっと女磨いてから出直してこいや、このアホンダラがぁー!』とでも言うのかと……………」

 

「…………一花姉さんってM属性?そんなに罵倒して欲しかった?」

 

「いや、違うから!Mじゃないから!」

 

………まぁ、ソウゴ君にだけなら別にMでも……………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………いや、やっぱ良くないね、うん(冷静)」

 

「?」

 

《悲報》一花姉さん、ドM化を回避………

 

to be continue……………




後日談

神様「ちなみに、もし誰か赤点回避出来てなかったらどうしてたの?」

総悟「神様に頼んで点数改竄して貰おうかなーって(笑)」

神様「アハハッ!お主も悪やのー」


まぁ、神様は根は真面目なので仮に頼まれてたとしてもやらないですけどね。

読んでいただきありがとうございました。閃光のハサウェイと新バージョンのシン・エヴァは見なければ………(使命感)

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