総悟がマルオの所から去って5分後。
マルオ「………………………」
上杉「ったく、火野の奴………………結局来なかったじゃ…………………あ」
マルオ「…………………何か用かい、上杉君」
上杉「い、いや、その…………………と、トイレですよ、トイレ!そ、それでは…………………」
マルオ「……………………………」
上杉「…………………(無言でUターン)…………………………あの!」
マルオ「?」
上杉「昨年の事なんですが……………子供の分際で生意気な事を言ってすいませんでしたァ!(土下座)」
マルオ「!?……………取り敢えず顔は上げてくれ」
上杉「あの時、あなたがあいつらの事に無関心なんだと早とちりしてしまって………………………本当に無関心なら家庭教師も雇ったりもしないだろうし、今回みたく旅行にも一緒に来たりもしないのに…………………本当にすみませんでしたァ!!」
マルオ「わ、分かったから取り敢えず顔は上げてくれ、いや本当に(切実)……………………………ゴホン。謝罪は素直に受け取っておこう。だが、1つ断っておくと家庭教師の再雇用は話は別だ。君と火野君は先の試験で娘達を赤点回避させてくれた功績があるとは言え、君達の存在が僕達家族にとって有益かどうかは未だ決めあぐねているのが現状だからね」
上杉「……………………で、ですよねー(まぁ、そりゃそうだよなぁ…………………そんなにすんなりいくとは思ってなかったけど)」
マルオ「さぁ、夜も遅い。早く寝なさい」
上杉「で、では失礼します……………(めっちゃ緊張したぁ…………こんな事は2度とやりたくねぇ………)」
マルオ「(めっちゃビックリしたぁ………………急に土下座なんてするから………………………)」
ちなみに、スクランブルエッグ編は7話構成です。もう既に大方は仕上がってるので後はチェックとか微調整的な事をしたりして投稿します。
1人目
Q.自己紹介してください。
A.「自己紹介ですね!中野五月、5月5日生まれ。17歳のA型です。」
2人目
Q.好きなことを教えてください。
A. 「好きなこと、ですか…………………やはり、美味しいものを食べている時は幸せですね」
3人目
Q. (ピ──────────)を教えてください。
「なっ!?そんなことは答えられません!上杉君!女の子にそんな質問をしてはいけませんよ!」
4人目
「………………………………」
「くそぉ、全然わかんねぇ!」
「わけわかめ………(激寒)」
見分けるために別室で3人の五月と1人ずつ面談したのだが、違いが分からな過ぎた。現在4人目だが、分からなさすぎる状況は特に変わらない。
「はー…………………アニメの感想サイト見るか」
「おい、逃げるな!気持ちは分かるが現実逃避するな!」
「へへへ、昨日の展開は衝撃的だったぜ……………感想サイトも賑やかに違いねぇや…………何せ主人公の」
「わ、わー!それ以上はダメです!まだ見ていないんですからネタバレしないでくださ………………………………………あ!」
失言に気付いたみたいだがもう時既にお寿司、じゃなくて遅し。5人の中でアニメ好きなのは1人しかいねぇ!
「「お前四葉だろ!」」
上杉とハモった。まさかこんな意外なところから見分けてしまうとは……………………まぁ、今回は見分けたというよりも
「な、なんの事かわかりませーん」
「四葉、ここから誤魔化すのは流石にもう無理があるぞ…………………そう言えば、何で全員五月の格好をしてるんだ?」
「…………えっと、話すと少し長いんですが……………」
上杉の質問に対して五月の変装を諦めた四葉が俺がさっき五月から聞いた事と同内容の事を話した。さっき聞いた内容なので俺は昨日のアニメの事を考えながら聞き流してたのだが────────
「────なので、この旅行が決まってからちゃんと変装できるか不安で不安で……………」
────────この言葉を聞いた俺は目を光らせた。そういや昨日緊張するなー、とか言ってたな。なるほど、四葉の
「さて、一通り話してみて分かったのですか?」
「正直言って、
「実はお前ら研究所産まれのクローンじゃないのか?世界を支配するために将棋星人によって作られた超人クローンの試作1から5号機みたいな。そして幻の6人目が」
「どうした急に」
急に上杉がSF作品とかでよくありがちな事を語り出したその時だった、部屋の扉がノックされる音がしたのは。その音を聞いた総悟は思考するよりも反射的に4人が入っているこたつの中へ滑り込む。同じ事を考えていた上杉は先を越され、焦りながら辺りを見回して近くにあった押し入れに急いで入り込んだ。
彼らが隠れ終えて数秒後、入ってきたのは彼女等のお爺ちゃんであった。
「あ、お爺ちゃん」
「おはよー」
「…………、…………」
「え?なぁに?」
「なんか心配してくれてるみたい」
「安心して!今でも仲良しだから」
「朝ごはん教えに来てくれたの?」
「大広間だよね」
「( あっぶね、あっぶねー…………見つかるところだったぁ……………しかし、隠れた先には可愛い女の子の綺麗な足があると言う状況…………………まるでラブコメ漫画でありそうな状況じゃないか(歓喜) )」
彼女等の会話を聞きながら内心喜々としている総悟。彼も健全な男の子と言うわけである。
「じゃあ大広間に行こうか」
「そうだ、今日は海に行こー」
サービスタイム終了のお知らせである。5人は部屋を出て行ってしまった。それを見計らって総悟はこたつの中から、上杉は押し入れから出てくる。
「危ないところだった……………………父親かと思ったがまさかの爺さんだったな。バレなくてなりよりだったな、火野」
「おっ、そうだな(欲望に忠実に従って正直に言えば、もうちょっと見ていたかったなー……………)」
適当に返事しながら内心でそんな事を考えているのは誰も知らない。そして2人も部屋から出ると待ち構えている人物が。
「ちょっといいですか?」
「…………………………四葉?」
「ブー」
さっそく上杉が外した。
「ヒントです」
そう言うと五月の格好をした五月は首元にいつも掛けている何かを触っているような素振りを見せる。
「二乃!」
「………」
期待を裏切らない(?)
「…………………三玖?」
「!…………………正解」
五月の格好をした三玖は嬉しそうに笑みを浮かべる。
「マジかよ…………何で分かったんだ?」
「今のヒントがヘッドホンを表してると勘づいてな。…………………だが、一目で見分けるのは無理だったわ。はぁ………………」
「そんなに落ち込まないで、ソウゴ。ヒントありで分かっただけでもかなりの進歩だと思う」
「ま、まぁ俺もあと少しあれば分かっ「それは絶対に嘘」うぐっ………………」
三玖にばっさり切り捨てられる上杉。正体も分かった所で三玖に総悟は質問する。
「三玖達もスーパーのペアチケットに当たったから来たのか?」
「うん。フータローと応募した懸賞で間違ってマンションの住所を書いちゃって。当たってたからかお父さんから家族旅行の連絡が来て、それでみんなで行くことになったんだ」
「へー。そう言えば、あれはペアチケットだから2人まででしょ?残りの3人分はお父さん負担なのかな?」
「訊いてはないけど、そうだと思う。それにしても、ソウゴも当たってたんだね」
「俺じゃなくて父さんが、な。予定がツムツムだから譲ってもらったんだ」
「そうだったんだ。…………………ところで…………………」
三玖は後ろを振り向く。総悟も振り返ると上杉が三玖の後ろ姿をがん見していた。
「君はさっきから三玖の後ろ姿を汚らわしい目でみつめて何をしてるのかなぁ、変態終末期君?」
「誤解される呼び名はやめろ!汚らわしい目でなんか見てないわ!俺はただ色々と考えてただけだ!」
「えぇー、ほんとにござるかぁ?」
と、そこへ。
「…………、…………」
「あ、お爺ちゃん」
「何て言ってるんだ?」
「あー、近くに寄らないと聞こえんぞ」
総悟に言われて上杉はお爺ちゃんの近くによって耳を立てる。
「見たぞ、貴様………………いや、変態終末期とやら。孫を汚らわしい目で見ていたな?………………殺すぞ?」
「(怖っ!火野みたいな事をマジトーンで言いやがる!つーか、俺の名前が変態終末期になってるじゃねーか!)いや、見てませんって!それと俺の名は変態終末期じゃなくて上杉風太郎ですから!見てないよな、三玖!なっ、なっ!?(必死)」
「三玖よ、何もされておらんか?」
「………………う、うん」
上杉の必死そうな表情もあってなのかはさておき、お爺ちゃんの問いに三玖は肯定する。まぁ、実際に何かされてはいないから嘘ではないが。それを聞いたお爺ちゃんは何かブツブツ言いながら去っていく。
「お、おっかねぇ……………………あんな怖い爺さんの為に変装してお前ら偉いな」
「怖い?普通に凄く優しいよ。私は好き」
「怖いのはお前が変態終末期と言う人類悪だからだ…………………あれ?そういやさっき…………………」
『俺は変態終末期でも人類悪でもねぇ!』と言う上杉の声を耳から耳へと受け流しながら総悟はある事に気が付いた。
「悪い三玖、先に行っててくれ!行くぞ、上杉ィ!」
「えっ?ソウゴ?」
「お、おい!?」
突然総悟は上杉を連れてお爺ちゃんが去って行った方へ小走りで向かう。
「ど、どうしたんだよ急に」
「まだ気づいてないのか?あの爺さん、五月の格好をしていても三玖ってちゃんと分かってたんだぞ」
「!」
漸く上杉も総悟の言いたいことを理解した。そして2人はお爺ちゃんに追いつく。
「お爺さん………いや、お師匠様!」
「?」
「お願いがあります!俺と火野に教えてください!あいつらの見分け方を!」
「………………………………………」
二乃から誘いがあった時点で何となく要件は分かった気がした。これが俗に言う女の勘と言う奴だろうか。
「はぁ~……………相変わらず気持ちいわね、この温泉。昔と変わらないわね」
「………………そうだね」
二乃と2人きり、と思っていたのだが既に入浴している知り合いがいた。
「それにしても、意外だったわ。てっきり2人だけかと思っていたら星奈さんまでいるなんてね」
そう、私達の住んでいるアパートのご近所さんである星奈さんだった。
「実は朝風呂とか結構好きなタイプでして。2人もそうですか?」
「特に好きとか嫌いとかでは無いんですけど、ちょっと2人きりで一花話が聞きたくなって」
「なるほど。それでここを選んだ、と言う訳ですか。では、私はおいとました方が良さそうですね」
「あ、でも折角だから星奈さんにもちょっと聞いて欲しいんです。一花は告白の経験とか多そうだし、人生経験豊富な大人の女の人の視点からの意見も聞きたくて」
「………経験豊富な大人の女と言う訳でもないですが…………………まぁ、構いませんよ。それで聞いて欲しい事と言うのは?」
「──────好きな人が出来たんです」
ああ、やっぱり。今その話はやめて欲しかった。だって、否応なく
「出会いは最悪だったんです。でも、気付いちゃいました。あいつが好きなんだって」
「ふむふむ」
「相手は……………………こればっかりは言えないわ!秘密!」
「(私はもう知ってるけどね…………………)」
「(出会いは最悪、と聞くと何となく分かる気が……………)」
そのまま二乃の話は続く。
「それでつい先日そいつに告白しちゃったんです」
「そうですか……………………えっ、告白したんですか!?………………今更言ってもしょうがないですが、何か色々と飛ばしてません?告白までにはデートとかあるのが一般的な気がしますけども………………」
「まぁ、それが正解だったのかは私も分からないですけど……………………そこで2人に聞きたいのが、告白されたら多少は意識したりするものなのかどうかって事で」
───────もし仮に。私がフータロー君の事を好きになってたらどう答えるのだろうか?もしくは二乃がソウゴ君を好きになってたら?
『私の経験では、だけど…………………ごめん、そういうことは無かったかな』
───────そんな答えが浮かんだ。二乃の足を引っ張る、セーブするような答えが。真っ先にそんな答えが浮かぶ辺り、自分に嫌気が差した。
「それはまぁ………………告白なんてされたら多くの人が個人差はあれど意識せざるを得なくなると思いますよ」
「一花はどう思う?」
「……………………ちょっと良く分からないや、ごめん」
私は上の空でそう返した。
「それにしても、出会いは最悪だったんでしたっけ?よくそこから告白してしまうほど好きになりましたね。あ、別に嫌味とかではないですよ」
「…………………
二乃はそう言って少し恥ずかしそうに笑う。
「……………………一つ思った事があるのですが。すこし辛口になりますが宜しいですか?」
「えぇ、全然」
「彼が好きと言うのは否定しませんが……………少しばかり都合が良い、とは思いました」
…………………口には出さなかったけど、それは私も思っていた。
「…………………そうですよねー。こればかりは自分でも引いてるけれども……………………ま、諦めるつもりもなんて更々無いですけどね」
「えっ…………………な、何で?」
思わず二乃にそう尋ねてしまう。
「何でって…………だってこれは私の恋だもの。私が幸せにならなくちゃ意味ないわ」
「!」
「ふふっ………………そうですね。いかに都合が良かろうと諦める理由にはならない。それが恋愛というものでしょう」
「ですよね!」
同意を得た二乃は嬉しそうだ。そして星奈さんは私が少し気になっていた事を代わりに質問する。
「ちなみに、その同じ人の事を好きな人がいたら二乃さんはどうします?」
「そりゃ蹴落としてでも叶えますよ、勿論」
「ふふっ、強気な二乃さんらしい。そう言うと思っていました」
「(と、止まらない!愛の暴走機関車だ!!)」
この子ってこんなに積極的ではなかった筈。そう言えば、恋は人を狂わせるってネットか何かの記事で見たきがするけど、こんなに変わるものなのだろうか…………………。
「よし…………………私、決めたわ。たぶんあいつは告白された事で少なくとも多少は意識してる筈。そこからさらに追い打ちを掛けて、もっと意識させてやるわ」
「な、何をするつもりなの………………?」
「手を………ううん、抱きしめて………………………いや……………キスするわ」
えっ!?
「き、キスとは大きく出ましたね……………」
「前にどこかで恋愛は大胆にグイグイ攻めたものが勝つって読んだことがあ…………………でも、冷静に考えるといきなりして下手くそだったら嫌われるかもしれないわね」
いや、問題はたぶんそこじゃな………………って、何で二乃はこっちを見て…………………
……………………まさか。
「あんた、キスシーンとかもうしたでしょ!」
「ち、ちょっと何をするつもりなの!?」
「決まってるでしょ、練習よ練習!姉妹同士だし減るもんじゃないから問題ないわね!」
「問題大ありだよ!姉妹同士だからダメなのー!」
「ふむ、これは百合好きが見たら喜びそうな光景ですね。そう言えば総悟様も『女の子同士の禁断の愛、即ち百合ってのも嫌いじゃない』とか前に言っていたような…………………」
「星奈さんものほほんと見てないで二乃を止めてぇー!」
この後、星奈さんにも止めてもらって何とか二乃にファーストキスを捧げる事態は免れた。
「一花、気が変わったらいつでも言いなさいよ」
「(うん、絶対言わないよ………)……………すみません、星奈さん。ご迷惑をお掛けしました」
「いえ、ご迷惑と言うほどでもないですので気にしなくて良いですよ…………………さて、私もそろそろ上がりますか」
「二乃、私たちもこの後海に行くからそろそろ上がろうか」
「そうね。………………どうやってアタックして行こうかしら」
……………………二乃、そして三玖は本気でフータロー君やソウゴ君に恋をしている。私みたいに人の恋路の邪魔をするような卑怯な奴とは違う。
ああ、二乃と話さなければ良かった。だって、自分がいかに卑怯で嫌な奴なのかを再めて認識させられちゃったから───────。
「ひゃっ!やめてくださいよぉ」
「ししし」
「まだ冷たい…………」
一花と二乃を除く3人は海に来ていた。
「あ、一花と二乃も来たよ」
「お爺ちゃんは?」
「あそこでフータローとソウゴと釣りしてる」
「いつの間に仲良く………………………あ、火野君がふて寝しはじめました」
「ソウゴは何があったの………」
「ふーん、
一方、総悟と上杉はと言うと
「今来たのが一花と二乃」
「えっ」
「あれが三玖」
「えっ」
「その隣が四葉」
「(全然わからん…………!)」
上杉は内心そう嘆く。ふて寝している総悟も無反応だが内心では『なるほど、分からん(キッパリ)』状態である。三玖を見抜いたとは言えヒントありでの話だったので、やはり彼でも一目で見抜くにはまだ無理がある。今更だが、星奈は勇也とらいはと共に別行動中である。
と、そこへ五つ子達もやって来る。
「わぁ、沢山釣れてますね!」
「殆どは爺さんが釣って、俺が釣ったのはこの中の2匹位だ」
「…………………ところで、さっきから何故火野君は地面にふて寝してるんですか?」
五月の疑問に上杉はただ一言、『火野の隣にある釣れた物を見てみろ』とだけ言う。5人は隣を見てみると、一瞬で察した。
何故なら隣には長靴やサバの缶詰、ジュースの空き缶などが山積みになっていたからだ。
「何故かこいつはゴミしか釣れなくてな」
「そりゃ確かにふて寝もするわね………………」
珍しく二乃にも同情される始末。すると、総悟が口を開く。
「俺、決めたよ。今度海にゴミを捨ててるクソどもがいたら逆にそいつらを海の
「物騒な事を言わないでください、火野君!」
総悟が藻屑にしない事を祈りつつ、
「これは何て魚ですか?」
「クロダイ」
「これは?」
「アイナメ」
「これは?」
「メバル」
物知りなお爺ちゃんである。これには総悟も『はえー、すっごい物知り………(感心)』と呟く。ちなみに、彼は放課後て〇ぼう日誌とかで釣り系アニメをかじっているので魚の事も少しは分かったり分からなかったりする。
「じゃあ、これは?」
「こいつは、キスだな」
「!」
二乃が反応。上杉に向かって歩き出すのを見て『こんな所で仕掛けるの!?』と一花は驚く───────が。
「……………………今じゃないわね。五月の姿じゃ効果が見込めないかも」
二乃らしく感じて思わず一花は苦笑い。
「(はぁ…………………同じ姉妹なのにどうしてこうも違うんだろう…………………痛っ!)」
足の痛みを感じて思わずバランスを崩してしまう。転びそうになる私を誰かの手が支える。
「よっ、と……………………でぇじょうぶか?」
「(そ、ソウゴ君……………!)」
支えたのは何故か某サ〇ヤ人みたいな事を言う総悟だった。
「ご、ごめん。ちょっとよろけちゃって。昨日足を痛めちゃっ」
言い終わるよりも先に目をギラリと光らせた総悟が旅館のバスの陰に彼女を連れ込み、そして壁ドン。
「足を痛めたと言ったな?つー事は昨日のはユーだろ?」
「え、っと………………」
『あれ、ソウゴはどこに行ったんだろう………………?』
だがその時、消えた総悟を探しに三玖が近くにやって来た。咄嗟に一花はさらに奥の方へ総悟を引っ張って座り込む。偶然の成り行きか総悟は胸にうずくまっている状態で抱きしめられている。
「ご、ごめん!静かにしてて!」
「な、何を…………!?マジで誰………?」
「(……………そっか。今の私が誰か分かってないんだ………………)」
『手を………ううん、抱きしめて………………………いや。キスするわ』
ふと、唐突に一花の脳裏に温泉での二乃の言葉が過った。
「(…………………キスしたら、私の事も意識してくれるのかな…………キスしたら、変装していても一花だって気付いてくれるのかな…………いや、もう面倒な事を考えなくて良いか………………)」
思考を止めた彼女の頭は目の前にいる好きな人物に対しての愛おしさや自分だけのものにしたいと言う所有欲が支配していた。一花は総悟の顔をそっと上げてじっと見つめる。
「え?え?」
いまいち状況を呑み込めてない総悟。そんな彼に顔を近づけようとしたその時。
「そこに誰かいるの?」
さらに足音が近づき、一花はハッと我に返ったかと思えば次の瞬間、反射的に手が動き───────
「……………………は?(困惑)」
───────バシャ―ン、と総悟は海に投げ出されていた。突然抱きしめられたかと思えば見つめられ、そして海へポイされた総悟からしたら『わけがわからないよ(キュゥ〇え)』となったのは言うまでもない。
「あれ、一花?そんな所で何してるの?」
「あはは、何でもないよー。ささっ、お爺ちゃんのところに戻ろ~(あー、もう私は何やってるの!ソウゴ君、ほんっとにごめん!)」
心の中で謝りながら一花は三玖の背中を押して離れて行った…………。
to be continued…………………
※本作の二乃は足にペディキュアをしてない設定になっていますのでご了承下さい。
saoがIMAX、だと!?行くしかねぇ!!
最近YouTubeで連邦に反省を促すダンスを1日1回は必ず見てます。何だろうね、あの中毒性は。いつかこの小説でも踊る日が来るのかどうかは……………知らん(未定)
本日も読んでいただきありがとうございました。今年はガキ使ないのかぁ……………ぴえん。