三玖を愛する転生者の話   作:音速のノッブ

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いやー………………キングヘイローとライスシャワーの育成が超絶むずかった。勘弁してくれよ…………。

あと、テイオーの春シニアとか三冠とかも。マックイーンは楽だったのになー。

そういや、次回のガチャのピックアップキャラがカフェと言う噂があるらしいですね。自分もその可能性が高いと思ってます。

………………で、シービーはいつ来るんや?天上分までのストックは貯まっとるんだが。はよ実装カモン。

では、どうぞ。


スクランブルエッグ Ⅵ

翌日の朝

 

星奈には大事な用事があるとだけ断って、総悟は指定されていた大広間へ。指定された時間よりも前なので、中にはまだ誰もいなかった。

 

「………………ふーっ………………………」

 

リラックスする為に深呼吸する総悟。扉に背を向けて畳に座り込む。

 

「(『愛』、か…………………………少なくとも、俺は皆と友()があると思ってる。その友愛をもってして見抜けるかどうか……………………いや、『どうか』とかじゃなくて絶対見抜いてみせる。それが俺の覚悟だからな)」

 

静かに総悟は少女を待つ──────────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「…………………………………」

 

何の変哲もないただの扉。だが、今はありもしない重圧を感じる。

 

「(さっき星奈さんが1人で廊下を歩いているのを見た…………………………だから多分、ソウゴ君はもう中にいる…………………………)」

 

──────────逃げたいなぁ。

 

この場に及んで、おもわずそんな考えが過ってしまう。自分で種を蒔いておいたくせに。

 

「(…………………でも)」

 

でも、だ。私には選択肢は無い。

 

五月ちゃんも言っていた。このまま逃げ続けてもいられない。そしてケジメをつけろ、と。その通りだ。これで拒絶されたとしても、それは私のせいだ。受け入れるほかない…………………………………………………ない、のだが…………………………………。

 

「…………………っ!」

 

拒絶されたら、なんて考えると悪寒が走る。胸が締め付けられる。

 

……………拒絶を受け入れられる気がしない。いや、そもそも拒絶されたくない。絶対に嫌だ。だって、私は──────

 

ブーッ、ブーッ!

 

『うおっ!?………………スマホのアラームを切り忘れてたか。ビックリさせやがって………………………』

 

中からしたスマホの振動音と声で現実に引き戻された。スマホで時刻を見ると、丁度約束の時間になっていた。

 

「(拒絶されるとかされないとか…………もうどうでもいいや……………)」

 

もうこれ以上何も考えたくなかった。だから私は考えるのをやめて、自棄になった私は扉を開けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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扉が開く音がして総悟は立ち上がり、そして目の前にいる五月の姿をした誰かと向き合う。

 

「えー……………ユーは初日の夜、俺と話した五月ってことでいいんだよね」

 

「はい。……………………私は」

 

正体を明かそうとする偽五月――――――いや、一花。だが、それを総悟は手で制して止める。

 

「五つ子ゲームを結局俺は正解できなかった。だだ、生憎俺は負けず嫌いでね……………………だから、色々と話を聞く前に先ずは正体を暴く。リベンジだ」

 

「……!」

 

思いもよらぬ宣言に内心驚く一花の事などいざ知らず、総悟は続ける。

 

「先ず…………四葉は君らのお爺ちゃんの前で上手く変装できるかどうかで悩んでいた。その悩みはこの旅行が終われば無事に解消する…………………だから正体は四葉ではない。そうだろ?」

 

「………………正解です」

 

そして次に―――――――――

 

「…………………レ〇の英雄は?」

 

「………え?れ、レ〇の英雄…………?」

 

困惑した反応を見て総悟はホッとする。

 

「………………反応的にもやっぱり本物の五月でもないな。まぁ昨日、本人も言ってたから今のは蛇足だったかもしれないが」

 

「………えぇ、私が本物の五月である可能性はないです。それで残りは3人に絞られた訳ですが………………」

 

「…………………………」

 

一花は3人と言うが、実際は総悟の中では既に2択だった。三玖が偽五月であると言う可能性は昨日の中庭での会話の中でほぼゼロに近いと確信していたので候補から外していた。

 

目の前の少女は一花か、二乃か。

 

「(一花って言われれば一花に見えるし、二乃って言われれば二乃に見える…………くそっ…………)」

 

二択に詰まる総悟。それは一花にも伝わっていた。

 

「(………………………私は何を期待してるんだろう…………昨日の五つ子ゲームでも見分けられてなかったのに…………………………)」

 

一花は詰まる総悟を見て心の中でそう呟く。

 

「(どうする………………何か話せばその内ボロが出て見抜けるかもしれな…………………………って、そんなやり方じゃ見抜いたなんて言えないだろうがッ…………!)」

 

目の前の少女を真剣な目で見つめる総悟。だが、非情にも答えが浮かぶ事は無かった。

 

「………………分からないんですね」

 

「っ…………………!」

 

数分の沈黙が続いた後に、ついに目の前の偽五月(一花)に内心を代弁されてしまう。総悟は悔しそうに歯がゆい表情を浮かべる。否定したい。そんなことない、違うと言いたい。

 

だが、言えなかった。理由は至極簡単、その通りだったからだ。

 

「仕方ないですよ。たった半年で私たちを見抜こうなんて誰であろうと無理がありますから…………(クラスも一緒で隣だったから、私がソウゴ君と1番距離が縮まってると思ってた。だからもしかしたら見抜いてくれるんじゃないかって………………けど、それは妄言だ。私が勝手に期待を押し付けてただけだった…………………もう全部話して、拒絶でも何でもされてしまおう……………………)」

 

「!」

 

悔しそうにする総悟を気遣ってか、もしくは内心の暗い感情を総悟に見せまいと思ってか、微笑を無理やり浮かべながら偽五月(一花)はそう言った。

 

そして、自分の正体を明かそうとする。私は、と切り出そうと改めて口を開く────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「(……そうか……………………………)」

 

……………知っている。俺は知っている、この笑みを。見え透いた、俺が嫌いな自分の本心を誤魔化す作り笑い(・・・・)を。

 

どこで見たんだっけ……………あぁ、そうだ。去年の秋祭りでだったな。彼女(・・)が俺を先生として認めてくれた日。

 

「(まったく、俺って奴は………悲しませちゃったのかな………)」

 

少しばかり、悔しさと申し訳なさが浮かぶ。あの誤魔化し笑いをさせてしまった事に、そしてその笑みが決めてになってしまった事が不甲斐ない。

 

だが、いつまでも悔しさやらに浸っているつもりもない。答えは得た。なら、答え合わせだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

====================

 

「…………笑って自分の本心を押し殺す─────俺は現実でもアニメとかでもそう言う奴を見てると少しイラッとするぜ、ってあの時(花火大会)に言ったんだっけ」

 

…………………え?

 

その言葉に心臓がドキっとする。無意識の内に俯いていた顔を上げる。私の目に申し訳なさそうに見える表情を浮かべたソウゴ君が映った。

 

「……………すまなかったな。俺のせいで誤魔化し笑いをさせて。まったく、俺も目が衰えたのかねぇ。1年間同じクラスでずっと隣だったのに、すぐに分かんないなんてさ」

 

あぁ……………あぁっ……………………………。

 

「ふーっ…………………………………お前の正体は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一花だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……当たり……………………!」

 

「タ゛ッ゛ク゛ル゛⁉」

 

ウイッグが落ちる。

 

涙が零れるよりも先に彼に抱きついていた。そのままソウゴ君を畳に押し倒してしまう。

 

「あ…………アメフト選手かっ!急にタックルしやがってぇ………………」

 

「…ぐすっ………うっ………うぅぅ……………」

 

「…………おいおい、泣くなって。女の子は笑顔が1番似合うって、それ1番言われてるから。よすよす」

 

そう言いながらソウゴ君の胸で声を押し殺しながら泣く私の頭を撫でてくれる。何とも言えない心地よさを感じた。

 

「………ぐすっ……………………どうして、分かったの?」

 

「…………………情けないんだが、一花姉さんが仕方ないですよって言いながら笑ってただろ?その笑みが秋祭りの時の誤魔化し笑いと重なってな。…………悪い、がっかりした?」

 

私はソウゴ君の胸から離れて座り込むと首を横に振る。

 

「ううん。切っ掛けとかは正直どうでも良い。ただ、私だって見抜いてくれた…………………それだけで充分」

 

「そう………………つーか、見抜いてもらえたら嬉しいものなん?」

 

それは─────

 

「勿論、嬉しいよ」

 

『愛』があれば見分けられる、だからね……………………まぁ、もしかしたらソウゴ君のそれは『友愛』かもしれないけど────────それでも良い。少なくとも、今は(・・)

 

「………………そうだ、それよりも……………ソウゴ君、本当にごめんね。旅行中に変なことに気を遣わせちゃって。………………………怒ってる?」

 

「……………そもそもの話、何で俺をクビにしようと思ったん?つーか、今もクビになって欲しいんか?」

 

「ううん、今はそう思ってないよ。それで……………理由は「おk、分かった」………………まだ何も言ってないけど…………………訊かないの?」

 

恐る恐る聞いてみた。

 

「…………………………………何か言いづらそうな感じがしたし、無理に聞こうとは思わんだけ。興味ないね(ク〇ウド)…………………逆に訊いて欲しいんか?」

 

…………………………私の事を気遣ってくれたんだ。あぁ、ほんとに……………………こう言う所もなんだろうなぁ。

 

「…………………ううん。じゃあ、今はお預けって事でお願い。いつか話すよ」

 

「まぁ、話そうが話さまいがどっちでも良いけど、そう言う事にしといてやっか。しょうがねぇな(寛大)…………………………あぁ、ちなみに安心しろ。別に怒ってないよ………………少なくともこの件ではね(・・・・・・・・・・・)

 

…………………………あぁ、やっぱり。

 

改めて思った。私、ソウゴ君が好きなんだ。恋をしていた。前からずっと。だから拒絶されたくなかった。そりゃそうだ、当然だ。

 

……………………ずっと今が続けば良いと思ってた。この一番心地良い空間が変わって欲しくなかった。

 

けど、本当は。

 

……………………誰にも取られたくなかったんだ

 

「?」

 

………………今思えば、初めからそんな事分かってたんだと思う。けど、お姉さんとしての立場や彼に恋する三玖の姿が本心をさらけ出す事を躊躇していた。

 

けど、それもついさっきまでの事。

 

『ま、諦めるつもりもなんて更々無いですけどね』

 

『これは私の恋だもの。私が幸せにならなくちゃ意味ないわ』

 

………今なら二乃が言っていた事が分かる気がする。確かにその通りだ。

 

『ちなみに、その同じ人の事を好きな人がいたら二乃さんはどうします?』

 

『そりゃ蹴落としてでも叶えますよ、勿論』

 

…………………………うん。三玖に応援すると言っておいて悪いって気持ちはある。けど、それでも私は三玖にとっての恋のライバル(・・・・・・)になる。

 

「いま何か言った?」

 

「ううん、何でもないよ。ただの独り言」

 

「なら良いけどさ………………………まぁ、一花姉さんに限った事じゃないけど、言いたい事があるならガツンと真正面(・・・)から言ってきて良いんだからね。…………………ぶつからなきゃ伝わらないことだってあるよ。例えば、自分がどれくらい真剣なのか、とかね

 

「!」

 

………………うん、そうだよね。言いたいことは真正面からぶつからないと駄目だ。こそこそと誰かの足を引っ張ったりするんじゃなくて。それに多分、そんなことをしても無意味な気がする。

 

今の私のままでは駄目だ。少しずつでも良いから、変わっていこう────────彼の隣に立ちたいなら。振り向かせたいなら。

 

「……………………ソウゴ君、とっても良い事言うね。今の名言っぽかったよ」

 

「ぽいとかじゃなくて名言だよ。まぁ、俺の言葉じゃないんだけどねー。………………………さて、一段落付いたら腹減ったな。ほら、食堂行こうぜ」

 

「……………うん!」

 

差し出された手を取って立ち上がると部屋を後にするのだった。入る前と違って晴れやかな気持ちで。

 

「ねぇ、ソウゴ君」

 

「?」

 

「私を見つけてくれて、ありがとう」

 

「…………………ん」

 

to be continued……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまK

 

 

「…………………あっ、そうだ(唐突)結局、昨日俺を海から落としたのって一花姉さんだったん?」

 

「え?あー…………うん。2人きりなのを見られたくなくて、咄嗟に…………………ごめんね?」

 

「…………………………………」

 

……………………あれ?

 

「あのー………………もしかして怒ってる?」

 

「ん?いやいやー、全然怒ってないから安心しろって。ヘーキヘーキ。それよりも一花姉さん!」

 

何だろう………………………無性に嫌な予感がするのは気のせいだろうか……………………。

 

「近いうちに、一花姉さん宛に段ボール2箱分の追加の春休みの宿題が着払いで届くと思うけどよろしくねー(暗黒微笑)」

 

やっぱり!

 

「ま、待って!今月の家計的に着払いだけは………………………いや、そうじゃなくて!春休みも仕事が入ってるから追加自体も頼むから勘弁してよ~!」

 

「仕事とかそんなの知らん!(無慈悲)一花姉さんが突き落としたお陰でイルカに乗れるとか言う貴重な体験をさせてもらったとは言え、俺にゴミしか釣れさせないと言うとんでもない大罪を犯したんだから、これくらいの罰は当たり前ダルルォ!?(八つ当たり)」

 

「いや、ゴミしか釣れなかったのは絶対私のせいじゃないよね!?」

 

この後、説得して何とか着払いと段ボール一箱分の追加は免れた

 

※追加が無いとは言っていない




はい、つーわけで恋のスマ○ラに一花姉さん参戦!
もしくは三玖に挑戦者が現れましたとでも言えば良いのだろうか。

次でスクランブルエッグ編は終了。そしたら二乃の幕間の物語やって、その後は1話か2話オリジナルの話をやって3年生編に突入じゃい!!

このスクランブルエッグ編の実質ヒロインだった一花姉さん。自分への嫌悪感と総悟が好き過ぎるあまりにやらかしますが、それでも最後はちゃんと謝ってクビも撤回してケジメをつけたに加えて、『愛』を以て総悟に見抜かれて嬉しかったのは言うまでもないです。ここからの一花姉さんは原作のとは大きく異なります。総悟が引用したSAOのユウキの名言も実は大きな役割を果たします。

どんな方向へ舵を取っていくのかは、今後のお楽しみで。

本日も読んでいただきサンキューベリーマッチョです。

…………………で、シービー実装はまだ?
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