三玖を愛する転生者の話   作:音速のノッブ

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春ならではとか言ってたけど、その要素はさほど無かったな………………………。そういや今月、オグリンとドーベル来ました。やったぜ。

………………………………最近ウマ娘の話ばかりですみません。今やってるゲームがウマ娘しかなくてね。他に面白いゲームがあれば教えて欲しいくらいです。出来ればサービスが長く続きそうな良いやつを。

それじゃ、どーぞ。


クルーズの夜旅

春休みも残り僅かになったある日の夜。五つ子達はとある場所に来ていた。

 

「……………何か、この辺暗いね」

 

「ほんとだね。人気も少ないし……………」

 

「まさか、人気のない所に私たちを連れ出して………………?」

 

「最低です!」

 

「まったく、あいつはどういうつもりなのかしら」

 

三玖、四葉、一花、五月、二乃の順に喋りながら歩く。事の発端は昨日の夜までに時間を遡って台本形式で説明しよう。  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昨日の夜、総悟から電話が掛かってきた。

 

総悟『明日の夜って皆は何も予定はない?』

 

三玖『私は無いよ。皆は?』

 

一花『私も無いよー』

 

二乃『同じく私もよ』

 

四葉『ありませんっ!』

 

五月『明日の夜は特に予定は入っていません。ですが、何故急にそんな事を………………?』

 

総悟『そうかそうか………………………よし、明日の夜の7時に後で送る地図の所に来てねー』

 

二乃『はぁ?何でよ』

 

総悟『それは当日までのお楽しみに~。じゃ、サラダバーブツッ』

 

5人『??』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

よく分からないが結局5人揃ってやって来た訳である。

 

「さて、と。お姉さんのナビによればここが地図の場所だけど………………」

 

「ソウゴはいないね………」

 

「まさかたちの悪いいたずら…………………………いや、あいつは弁える所は弁えるから、それはないか」

 

二乃も何だかんだで総悟の事を信頼してるんだなー、と他の4人が心の中で思っているとそこへ新たな来訪者が。

 

「…………お前らも来てたのか。まぁ、何となくいる気はしていたが」

 

「こんばんはー!」

 

「わー!上杉さんにらいはちゃん!」

 

新たに現れたのは上杉兄妹だった。

 

「フー君も火野に呼び出された感じなの?」

 

「その通りだ。らいはと一緒に地図の場所に来てくれってな。ただ、一体何の用でここに呼び出されたのかはさっぱりだが……………………」

 

「火野さんの事だから何かサプライズでもあるんだよ、きっと!何だろう、楽しみ~!」

 

らいはが期待に胸を膨らませていると、遂に彼をここに呼びだした張本人が姿を見せる。

 

「おっ、時間通りですねぇ。関心関心」

 

「あ、ソウゴ……………………何で浴衣を着てるの?」

 

「それはすぐ分かるよ。それじゃこっちに来てちょーだい」

 

総悟の後を7人は付いて行く。そして歩くこと3分。目的地に到着した。

 

「こ↑こ↓(迫真)」

 

そこは船の待合室だった。

 

「あっ、あそこに船が停まってるよ!」

 

「ソウゴ、もしかしてあの船に乗るって事?」

 

「その通り!『屋形船で夜旅を楽しみましょう!』って感じ。うちの親が何か知り合いから屋形船の団体チケットを貰ってな。ただ、うちの親は揃って『花より団子』気味なんで俺にくれたわ」

 

「それで私達も誘ってくれたんだ。気が利くね~、ソウゴ君!」

 

「まーね。船が出るまでまだ時間はあるし、あっちで俺みたいに浴衣を借りれるから見てきたら?」

 

「そうさせてもら…………………あれ、ちょっと待って」

 

二乃はある事に気が付いた。

 

「今日は星奈さんはいないの?」

 

「確かに今日は姿を見ていませんね………………」

 

「あぁ、星奈さんなら…………」

 

「私はここですよ」

 

総悟が言うよりも前に、奥の部屋から浴衣をまとった星奈がやって来る。髪飾りなどの装飾品も付けており、その場の誰もを魅了する程にとても美しかった。

 

「「「「「「尊い………!」」」」」

 

いつもバラバラな5人もこればかりは満場一致であった。

 

「星奈さん、浴衣がすごい似合ってますね!」

 

「らいはちゃんの言う通り過ぎるわぁ………………似合い過ぎて上杉にドロップキックして川に落としたくなってきますねぇ!」

 

「何でそうなる!?」

 

この後、上杉はドロップキックで川に落ちた(大嘘)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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15分後、着替え終わった女子の6人が戻ってきた。

 

「おー、皆ええやん!」

 

特に三玖はさいかわや……………………何で三玖はこんなに可愛いんですかねぇ(哲学)

 

「お前ら浴衣を選ぶのに時間掛けすぎだろ。船が出る時刻の5分前だぞ」

 

「上杉、お前は逆に時間掛けなさすぎ」

 

上杉は5分で戻ってきやがったんだよなぁ。曰く、『何か良い感じのを適当に選んだ』とか。そんで皆が来るまで単語帳を眺めていやがる。よくそんなに勉強出来るな……………………。

 

「まったくよ。フー君はもっとおしゃれに気を使いなさいよ(自分のを決めた後に私がフー君の浴衣を選んであげようと思っていたのにぃ…………あんなに早く決めるなんて想定外だったわ……)」

 

何か二乃が残念そうに見えるのは気のせいか?まぁ良いや。じゃけん、船に乗りましょうねー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わ………………結構大きいね、ソウゴ」

 

「そうだな。これを9人で貸切れるのは最高やな~」

 

「屋形船の中ってこんな感じになってるんですね!」

 

三玖に総悟、四葉が口々に感想を語る。そして屋形船は静かに動き出した。

 

「あ、動き出しましたよ。風が気持ちいですね~」

 

「風も船の揺れも気持ち良いね……………………何か眠くなってきちゃった……………………」

 

「えぇ……………(困惑)」

 

はやくも寝落ちしようとしている一花にワイは呆れ気味である。

 

「ねぇ、ここって屋上デッキもあるんですって!行ってみましょうよ」

 

「デッキ…………二乃さん、デッキで面白い事を教えてあげますよ。総悟様曰く、船に乗ると全人類がついやりたくなるポーズだそうで」

 

「面白そうだから私も行くー!」

 

二乃にタイ〇ニックポーズを広めようとする星奈さん。そして四葉も興味を示した模様。

 

「んー……………じゃあ、30分後の夕食の時間までは自由行動ってこ「夕食っ!火野君、どんな料理が出てくるのかはご存じですかっ!?」……………海の幸とかじゃね(適当)」

 

「となると……………………刺身とかでしょうか。もしくは活け造りブツブツ」

 

「はい、つーわけで一旦解散でーす」

 

1人夕食の考察に盛り上がっている五月を取り敢えずスルーする俺ちゃんであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……………………よーし。三玖を誘って船の中を見て回ったりしますかね。旅行から帰ってから数日後、三玖を遊びと言うかデートと言うか……………………兎に角誘おうと思ったんだが、ここ最近はずっと雨が降ったりで遊びにはとてもじゃないが誘えなかった。運命、もしくは神のいたずらなのかなー。

 

……………………さて、無駄話はこれくらいにしよう。こんな事もあろうかと、IQ300の俺は誘い方を3通り考えておいたので完璧やな。

 

「(ふー………………よし)三『ソウゴ、良かったら一緒に船を見て回らない?』………………いいよ!」

 

三玖に先を越されたんですが、それは……………(困惑)IQ300とは一体……………。

 

……………………そう言えば、前にも勤労感謝の時も三玖から誘われたな。あの時は日頃の感謝として誘われた……………………が、今回のはどうなんだろう。ただの男友達としてなのか……………………もしかしたら、それ以上の─────────

 

「………………ソウゴ?どうかした?」

 

「……………………いや、何でもないよ。行こうか」

 

「うん(緊張したけど、何事もなく誘えて良かったぁ………ソウゴと一緒に船の散策、楽しみ……………!)」

 

……………………うん、取り合えず今は三玖と一緒に船を見て回れる事を楽しもう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、見てソウゴ。ここで釣りが出来るみたいだよ」

 

「あー、そう言えば釣りができるとかホームページに書いてあったな。釣った魚は調理してくれて食べ『食べれるんですよね!!』うおっ、びっくりした!?」

 

いつの間にか2人の背後に五月が来ていた。

 

「船員さんにここの事を聞いて急いでやって来ましたが、お2人もそうですか?」

 

「まー、ぶらぶら歩いてたらって感じ。折角だし釣りしよっか。俺はこの前(・・・)のリベンジを果たしたいし、ねぇ……………思い出しただけで神経が苛立つなー…………」

 

「(そう言えば、旅行の時にソウゴはゴミしか釣れなくてふて寝してたっけ…………………)」

 

「(まぁ、あれは怒って当然ですよね……………)」

 

三玖と五月が少し前の旅行の事を思い出したのはさておき、3人は釣り針に餌をつけてリリースする。

 

「釣りをするのは初めてだけど、大丈夫かな?」

 

「その点は大丈夫だって三玖。上杉も釣りは初めてだったらしいけど、あいつは1匹だけとは言え一応釣れてたからな……………………ほんと、なんで俺だけ釣れなかっ」

 

「さ、さぁ楽しい釣り大会始めましょう!」

 

ソウゴがまた暗くなりそうなのを察した五月が慌ててフォロー。三玖もうんうん、と首を縦に振る。

 

かくして、3人による釣り大会がスタート。開始から3分、最初に掛かったのは五月だった。

 

「あっ、釣り竿が急に重くなりました!これって何かが掛かったんですよね!?そうですよね!?」

 

「とりま落ち着け」

 

「い、意外と重いですね……!これは確実に大物です!夕食が豪華になることは確実ですね……………!」

 

五月はそう呟きながら竿引いていく。が、魚の方も抵抗しているらしく、五月も中々苦戦していた。

 

「くっ、凄い力です……………!」

 

「ソウゴ、五月を手伝ってあげて。このままじゃ糸が切れたりして逃げられちゃいそう」

 

「おk(快諾)」

 

三玖の頼みであることもあって一瞬で快諾したソウゴは五月と一緒に竿を持つ。

 

「五月、せーので一気に釣り上げるぞ」

 

「は、はい!」

 

「せーのっ!」

 

総悟の合図と共に両者は力を合わせる。そして見事に釣り上げた。

 

「や、やりました!あれだけ力があったんです、とてつもない大物で……………………す?」

 

釣れたのはただの小魚であった。

 

「小さい……………」

 

「ちっさ……………」

 

「そ、そんな…………私の夕飯が……………………」

 

五月はがっくりと肩を落とす。そんな五月を慰める暇を与えないかのように、今度はソウゴの竿が反応する。

 

「来たー!っと、意外と重いな!……………………だがしかし、この総悟君の前では余裕のよっちゃんじゃぁ!」

 

フルパワーで一気に釣り上げる。川から姿を現した魚は勢い余って針から外れ、ソウゴの頭上を飛び越えて後ろの方の船のデッキに落ちた。

 

「おめでとう、ソウゴ。これでリベンジ達成だね」

 

「サンキュー、三玖。いやー、すかっとしたわ~。さてさて、何が釣れ…………………………………」

 

突然総悟が押し黙る。その目は総悟が釣ったものの方へ向いている。

 

「……………ソウゴ?」

 

「どうしたんですか、急に押し黙っ………‥‥‥‥‥‥‥‥あ」

 

三玖と五月は総悟の視線の先を追う。その先にあったのは魚──────────ではなかった。

 

それは『かつおのだしが効いた味噌汁』と書いてある空き缶だった。要はただのゴミ。

 

「……………ふふっ。ふふふ。ふふふふふふふふふふふふふふふふ…………………………………ごみを川に捨てるクソカスどもがァァ!!」

 

突然笑い出したかと思えば次の瞬間、ブチキレた総悟は綺麗に立っていた空き缶の上に踵落とし。見事に踵落としを決められた空き缶君は綺麗に潰されるのだった──────────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

20分後

 

「…………とまぁ、そんな事がありまして…………………………」

 

「‥‥…あいつも災難だな」

 

「まぁ、そりゃキレるわね……………」

 

「しかも2回目だしね………………」

 

食事中、五月から釣りでの出来事を聞いた上杉、二乃、一花は星奈と話している総悟に対して同情の意を示す。まぁ、三玖が大きな魚を釣り上げた事もあってか、機嫌は何とかV字回復したが。

 

「そう言えば五月ちゃんはどうだったの?釣れた?」

 

「釣れはしたのですが…………………その、引きが強かった割にはとても小さくてがっくりしたと言いますか……………………」

 

「釣れただけ良いじゃない。釣れただけ、ね」

 

「(何か憐れまれたような‥‥‥‥…‥‥)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで皆は景色を楽しみつつ食事を終えると、夜桜クルーズも遂に終盤である。

 

「もうすぐこの船旅も終わりだと思うと惜しいですね」

 

「楽しい時間って過ぎるのが早いですよね~……………………さて、そろそろかな。よーし、そんじゃ諸君。上のデッキに上がるぞー」

 

「デッキに?何でよ」

 

「この船旅の終わりを最高の景色で飾ろうじゃないの、って事!」

 

そう言い残すと総悟はダッシュで上のデッキへと駆けて行く。その後ろ姿を残りの皆も急いで追う。そして、デッキに上がった彼らの視界に広がっ─────────

 

「わぁ…………………!」

 

「すごい………………!」

 

満開の夜桜だった。この光景には一花と三玖も感嘆してしまう。

 

「すごいね、お兄ちゃん!どこを見回しても満開の桜だよ!」

 

「確かにこれは凄い景色だな………………折角だから写真に収めておくか」

 

上杉も自分のガラケーで写真を撮る。

 

「夜の桜も良いね、ソウゴ」

 

「そうだな。昼とは違った風情が味わえて良いもんだな。ちょうどいい時期に来れて良かったよ。同じ料理を食べて、同じ景色を見て、思い出を共有する……………………最高やな!(確信)」

 

「うん、そうだね。この景色を皆と見れて良かった。…………………次は2人きりで見たいな

 

「何か言った?」

 

「ううん。何でもないよ」

 

「そっか………………よし、上杉。桜も満開だから何か一句読んでみ(唐突)」

 

「は!?」

 

「少し考えればパパっと浮かぶやろ。ほらほら、早く早く~」

 

総悟にせかされるままに上杉が考える事30秒。頭をフル回転させて上杉が作り出した一句がこちら。

 

「……………ああ桜 桜咲いたら 満開だ」

 

「「「「「「「「…………………」」」」」」」」

 

何の捻りもない一句に反応に困った8人は押し黙る。言ってから上杉も空気が白けている事に気づいたが、一度出た言葉のクーリングオフは不可能である。

 

「…………………………頼む、火野!俺をドロップキックして川に落とせ!そうすればこの空気も少しは良くなる筈だ!さぁ、来い!」

 

「自分からドロップキックを志願するのか………(困惑)」

 

この後、上杉はドロップキックで川に落ちた(大嘘&2度目)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「楽しかったねー、お兄ちゃん!忘れられない思い出が出来たよ~」

 

「…………………そうだな。確かに『忘れられない思い出』は出来たな」

 

良くも悪くも皆にとって忘れられない思い出になりましたとさ。めでたしめでたし。




この後、上杉は俳句の勉強をしたとかしてないとか。

にしても、もうちょいでこの小説を書き始めてから1年経つんですね。早いなー。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。次回から3年生編開始なのですが、丁度いい区切りなのでこれからの予定を告知するのも兼ねてちょっとした超短編予告的なのを3つ書きました。

























「あぁ、全く以て不愉快だよ。だがこうも思わないかい?────────この評価を一気に手のひら返しにさせてやるのは最高に面白い、と」

「なので、選択肢は1つ──────────『逃げ』しかないですね!」

「そもそも、俺は間違っていない!!間違っているのはお前らの方だ!!俺達の方が人間よりも格上だ!!人間を格下に見て何が悪い!!」

『Past of God』。それは第1位の始まりとプロローグに至るまでの話。




















「…………………被験体AGW-111。それが私の名前」

「…………………やっぱり、あなたは人間だよ。私にはそうにしか捉えられない」

所有物(モルモット)ごときが俺に楯突くのかァ!!この恩知らずの売女がァァァァァァァ!!!!」

「人間は無駄に数だけはある。だから、実験材料としては最適だろう?」

「もう分かるでしょ?………………お姉ちゃんは生きてちゃいけない存在だって事。だから、死んじゃいなよ」

『星の誕生』。これは、彼女が人になる物語。

「変わりたいと心の底から願っているなら、人は絶対変われるよ。何故なら人間は己の弱さを受け入れて、それと戦える生き物だからね」


















「これは運命だ。僕達兄弟が世界を超えて再び相まみえるのも。そして、この京都の地で兄さんが死ぬのもね」

「生憎だが、ここでは死んではやらねぇよ」

「あー………………僕の神生(じんせい)もここまでかぁ」

「……もう……これ以上大切な人を失いたくない………………」

「……………私達は……………ソウゴから見たらただの漫画のキャラクターだったの………?」

「あいつを殺す。その為ならこの妖刀村正が手を貸してやろう」

本編、オリジナル長編決定。全てを懸けて。だって、絶対に守りたいから─────。

詳細は後に発表します。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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