三玖を愛する転生者の話   作:音速のノッブ

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超遅れた理由。

その1 病気に倒れて1ヶ月近く苦しんだ。
その2 その間の諸々のしわ寄せが一気に来た。
その3 時間が無くなった。

以上です。活動報告で言えばよかったんですけど、最近まで存在自体を忘れてました。

これからも無理なく進めていくのでよろしくお願いします。

では、久しぶりにどうぞ。


7人での戦い

「モキュモキュ……………………」

 

おら総悟。さっきまで図書館で皆でお勉強してたんだけど、一旦休憩って事で今はモグモグタイムでありまする。食ってるのはアンパン。今日の朝、漫画を買いに行くついでに寄ったコンビニで安売りしてたので買った。

 

「あー………………………糖分補給ですわ…………………………あー……………………」

 

武田に圧勝する為にはトップ5くらいには入らなければならないと俺は予想している。その為にはガチで勉強せにゃあかんのだが、自分の事だけではなく三玖らの面倒も見ながらなので、疲れを感じてないと言えば嘘になる。

 

が。それでも頑張って両立させるのだ。それでも僕はやるマゲドン…………………………………あんま面白くないな。

 

「あ~、迷ってたら遅れちゃった」

 

あ、二乃だ。こいつめ、どこに行ってやがったァ………………………ん?何だその荷物は?

 

「このツンデレ野郎、何だそれ?」

 

「誰がツンデレよ!……………………これは疲労回復効果のアロマよ。もうすぐあいつの誕生日だし」

 

「………………………ん?上杉の誕プレって模試の妨げになるから模試が終わったらするんじゃなかったっけ?」

 

「あぁ、そう言えば一花がそんなメッセージ送ってたわね。でも、あげたいものはあげたいもの。………………………あれ?てことは、私だけって事よね……………………………ふふっ、効果絶大ね

 

こ、こいつ…………………………………抜け駆けする気満々じゃねーか!

 

「おま…………………………汚い大人やな!(ヒ〇ル)人間の屑が、この野郎(大袈裟)」

 

「いや、そこまで言う!?」

 

「まぁ、大袈裟と言えば大袈裟だが。渡したい気持ちも分からんでもないが、ここで抜け駆けすれば渡すのを模試後まで我慢した正直者が馬鹿を見る羽目になるのはどうかと思うんですけど(正論)」

 

「うっ…………………そ、それは………………………」

 

完膚なきまでのワイの正論に二乃は押し黙ってしまう。ここでもう一押し。

 

「それともアレか?抜け駆けしないと喜んでもらえないと?上杉に好きになってもらえないと?全員一斉に渡したら1番になれないんだー。ふーん……………………(煽り)」

 

「んなわけないでしょうが!……………………ふん、良いわ。あんたの口車に乗ってあげ…………………………………ん?あんた、今なんて言った?」

 

「ふーん……………………(煽り)」

 

「それより前よ!」

 

「全員一斉に渡したら1番になれないんだー」

 

「その1個前よ!」

 

「上杉に好きになってもらえないと?………………………やっべ」

 

ここで漸く口を滑らせた事に気が付いた。これではまるで、二乃が上杉が好きな事を知っているかのようだ。いや、『ようだ』と言うのは正しくない。もうほぼ確信してはいたのだが。

 

「な、何で私がフー君を好きって知って……………あっ!」

 

トドメを指すかのように二乃は自爆してて草。これでほぼ確信ではなく、100%の完全なる確信に至ってしまったじゃないかー(棒読み)

 

「まぁ………………何かふつーに好きなんかなー、って。引っ越したあたりから何か二乃の上杉を見る目が違って見えたし、何かあだなで呼び始めるし、バイト先も同じところにするし、今日だって抜け駆けしようとするし…………………………ねぇ?」

 

「……………そう言えば、あんたは妙に鋭いのをすっかり忘れてたわ…………………………………」

 

ここまで来たら誤魔化しようがなく、二乃はあっさりと認めるよな言動を口にする。

 

「まぁ、取り敢えず本人は勿論、誰にも言うつもりはないから安心しろ。まぁ、取り敢えず頑張れー」

 

「……………言われなくてもそのつもりよ。あんたが好きそうな言い方すれば、『欲しいものは全部手に入れる』ってところかしら」

 

「いいねぇ、その言い回し。最高だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「わっ!…………………ビックリしたー、上杉さんかと思ったよ~」

 

二乃と図書館に戻ると、四葉が折り紙で鶴を作っていた。

 

「何をしとるん?」

 

「上杉さんの誕生日プレゼントの千羽鶴の作成です!あと495個作れば完成です!上杉さんがずっと元気でいられるようにって願いを込めて作ってます!」

 

マジか。1人でもう500個近く作ったのかよ、凄いな…………………。

 

「こりゃ上杉もビックリするな」

 

「はい!模試の後に渡すのが楽しみです!」

 

「そうだな。『模試後』に渡すのが楽しみだよねー、二乃?」

 

「……………………そーね」

 

その反応を見て、一花は二乃が抜け駆けで渡そうとしていたのを察して、二乃らしいと心の中で苦笑するのだった。

 

「とは言え、当日は何もないのも少し寂しい気もする…………………」

 

「………………………ふむ。まぁ、確かにねぇ…………………………………あぁ、そうだ名案を思いついたで」

 

「何よ、名案って」

 

「こいつさ」

 

俺は四葉が折った鶴を指さして、名案の概要を説明するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4月15日 pm18:00

 

ワイは帰宅して勉強していたが、少し疲労を感じたので気分転換がてらひとっ走りしてコンビニにやって来ていた。何となくラスト1個のピザまん買ってコンビニを出るとーーーーーーーーー

 

「誰かと思えば火野君でしたか」

 

「おー、五月か。例のアレ(折り鶴)は渡してきたのか?」

 

「えぇ、ちゃんと渡してきましたよ」

 

「おk」

 

それなら良かった。本命のプレゼントはもう少し先だが、まぁちょっとした誕生日プレゼントにはなっただろう。

 

「ところで、火野君が持っているのはピザまんですか?」

 

「まぁ、そうだけど……………………まさか、金欠だから俺から奪おうと」

 

「そんな事はしません!金欠なのは少し否定できませんが………………………私も食べたくなってきたので買ってきますね!」

 

「あー…………………これでラスト1個だったんだよなぁ…………………………………」

 

そう告げるとこの世の終わりみたいな表情を浮かべる五月氏。そんなに食いたかったんか………………………。

 

「……………………しゃーないな。半分だったらあげてもいいけど」

 

「えっ、良いんですか!?火野君、あなたは神様ですか!?」

 

「大袈裟すぎる…………………すぎない?」

 

と、言う訳で近くの公園のベンチに座ってモグモグタイムである。

 

「うん、美味しかったわ」

 

「ふぅ…………………ごちそうまでした。この御恩は必ずお返ししますね」

 

「…………………じゃあ、お返しは模試で良い点数を取ってくれれば良いよ」

 

「!………………………えぇ、任せてください」

 

「ふむ、頼もしい限りだ。感動的だな。だが無意味だ…………………………は?意味が分からんわ。何言ってんだ、こいつ(キレ気味)」

 

「何故自分にキレてるんですか…………………………………そう言えば、先日塾講師をされてる下田さんという方の元へ出向いてまいりました」

 

「ほー。バイト先が見つかったんか」

 

「バイトと言えるのか分かりませんが、下田さんのお手伝いをしながら更なる学力向上を目指そうと思っています」

 

「へー…………良いんじゃない?将来教師になりたいなら、確実にいい経験になるだろうし」

 

「えぇ、私もそう思っています。……………………ところで、火野君の方はどうですか?上杉君と武田君に勝てそうですか?」

 

「……………………それは見てのお楽しみ、ってね」

 

はぐらかされて五月の不満そうな表情を見ながら俺はニヤッと笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────そして2週間後の模試当日。少し早めに家を出ていると仕事前の星奈さんと遭遇した。

 

「ここ最近の頑張りは知っていたので、激励をと思いまして待っていました。模試、頑張ってくださいね」

 

「いやー、星奈さんに頑張れと言われちゃ頑張るしかないっすねー」

 

「どうですか、調子は?」

 

「んー……………………昨日見た深夜アニメの最終回がマジで最高でした」

 

「つまり準備万全と言う事ですね」

 

流石星奈さん、分かってらっしゃる。

 

「やることはやった、気合は十分、調子は絶好調…………………………誰にも負ける気がしないですね」

 

「えぇ、私は既に総悟様の勝利を確信を第六感がそう告げています。…………………ですが、もしそれを阻むとすれば」

 

星奈さんが視線を向けた先には三玖ら5人、そして上杉の姿が。

 

「ちょ、揃いも揃って目の隈が凄いな」

 

「昨日も最後の追い込みしてたから少し眠い……………………ソウゴはどう?」

 

「アニメの最終回見て普通に寝た」

 

「要は絶好調って訳ね」

 

流石は二乃、分かってらっしゃ「はははは!上杉君に火野君!ひとまずここまで逃げずに来たことを褒めておこう!」……………………この朝からくっそうるさい声の主は1人しかいねぇ!

 

「総悟様、階段の上で立っている彼が総悟様が言っていた方ですか?」 

 

「えぇ、そうです。今回上杉と対決する斉藤祐輔です」

 

「だから僕は武田祐輔だッ!火野君、君わざとやっているだろう」

 

「うん(素直)」 

 

「清々しい程あっさり認めるね!?……………………兎に角、君達は後悔することになるだろう!あの時逃げておけば良かったと!」

 

「ほんと朝から元気ね……………………」

 

「むぅ………………………ソウゴとフータローはあなたに負けない」

 

「君達には話していない!」

 

…………………………………ピキッ。

 

「ここが僕と君との最終決戦場!いよいよ「Fuck You…………ぶち〇すぞ……………!」ヒッ!?」

 

三玖に対しての態度が気に入らなくてどこぞの中間管理職の人が出掛けたが何とか抑える。ステイクールよ、総悟!

 

「………………………失敬、俺の中の利〇川が出掛けてね………………悪いが武田、既にこの時点で勝敗は決してるんだよ。こっちは7人で戦ってるんだ。スーパーラッキーセブンの時点で勝ち確みたいなもんだからな」

 

「……………………………ふふっ、どうかな。それは君たちの弱さだ(火野君、怖ッ!本当に同い年なのか………………?)」

 

「さぁ、そいつはどうだかね。まぁ、全ては模試で明らかになるさ…………………………………じゃけん、さっさと教室行って最後の追い込みしましょうねー」

 

「お、おう(…………………………あれ、これって一応俺と武田の対決だよな?当事者である筈の俺の影が薄いのは気のせいか…………………?)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして遂に。

 

「試験、始め!」

 

全国模試と言う名のシン・川中島の戦いが始まった。

 

to be continued…………………




あらかじめ言っておきますが、次回はもう結果発表から始めるのでそのつもりで。トイレでの下りも書いてたんですけど、大して新鮮味がなかったのでカットしました。

それでは、また次回でお会いしましょう。……………………………皆もマジで体調には気を付けてな。

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