三玖を愛する転生者の話   作:音速のノッブ

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ウマ娘が2.5周年で勢い盛り返したせいで投稿遅れました。すまん。




第10巻
シスターズウォー? その1


「ふぅ、水星たぬき(意味不明)。と、言う訳で特級呪霊こと『全国模試』もオワタので、修学旅行の話に入るか」

 

高校の修学旅行って普通は大学受験勉強の影響を考慮して、2年生の内にあるのが普通だと思うのだが、この高校はどう言う訳か高3で修学旅行がある。それを当初知ったときは『頭おかC(辛辣)』と思ったが、後で調べてみると一応高3で修学旅行をやる所はあるらしい、少数派だけど。

 

まぁ、高2で開催されてたら俺は三玖と行けなかったかもしれないから結果オーライ!やったぜ☆

 

「皆は当日行動する班を決めておいてもろて。定員は5名まで。決まったら代表が先生に各自報告する事っ!以上!終わり!閉廷!おしまい!」

 

……………………まぁ、俺は班に関しては悩む必要はないんやけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中野一花は覚悟を決めていた。総悟を修学旅行の班に誘う覚悟を。

 

彼女の覚悟はどの程度のものかと言うと

 

「『ソウゴ君と同じ班になる』、『ただし三玖を傷つけたり、誰かを利用するような手段は取らない』

 

『両方』やらなくっちゃいけないのが『長女』のつらいところだね。覚悟はいい?私はできてる

 

とまぁ、ブチャ〇ティが憑依してるんじゃないかと思われるレベルで覚悟完了していた。プロ〇ュート兄貴も少しはビビるだろう。

 

世界線が異なれば四葉を利用するような変化球的な手段を取っていたかもしれないが、総悟と出会ったこの一花は違う。変化球ではなく直球での勝負を。誰かを利用するのではなく、自分自身がぶつかっていく女に成長していた。

 

「(昨日色々とシミュレーションしたし、大丈夫大丈夫………………)………………あ、ソウゴ君。今ちょっと良い?」

 

「だが断る」

 

「え」

 

「嘘だよん。どったの?」

 

開幕早々『だが断る』されてからかわれる一花。『もー、ソウゴ君は相変わらずだなぁー』なんて思いつつも一花は本題を切り出す。

 

「修学旅行の班についてなんだけど…………私と一緒の班を組まない?」

 

「!」

 

総悟は少し驚いた表情を見せる。一花はポーカーフェイスで表面上は冷静を保ちつつも、内心は心臓ドキドキで答えを待つ。

 

「あー、一花姉さん。実はなんだが─────」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全国模試が終わって何日か経ったある日の事。

 

「ぐぬぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!ここで第1クールが終わるッ!!何度見ても衝撃の展開すぎィ!」

 

いやぁ……………もう言葉が出ない。そういえばこの作品ガン〇ムだったな……………脚本家繋がりでコード〇アス のトラウマ回(血染めのユ〇ィ)を思い出したわ……………………しかし、グエ……………いや、ボブもかわいそうすぎる。グエ………ボブ虐やん、こんなん。人の心とかないんか?

 

「はぁ、こいつは黒いサ〇ライズや……………そういや今日は星奈さん特性のトマトパスタか………………あー、ダメダメ。トマトと結びつけるのはよそう…………」

 

そんな事を考えていると、誰かから着信が入ってくる。誰や、衝撃展開で心をかき乱されたワイに電話してくるのは……………………三玖や!

 

『もしもし、ソウゴ?』

 

「ほい、全回復(ちょろい)」

 

『……………全回復?』

 

やっべ聞こえてた。

 

「あ、いやこっちの話だから気にしないで。どうした三玖、何かあったの?」

 

『もうすぐ修学旅行でしょ?かなり気が早いけど…………………ソウゴは誰と班を組むかとか、もう決めてたりするの?』

 

「あー…………そういやうちの高校は修学旅行は3年にやる珍しいタイプだったな。班はまだ決めてないよ」

 

と言うか、修学旅行自体すっかり忘れてたわ。全国模試に全集中したからか、その反動か毎日夜までアニメや漫画が止まらなくてね(中毒)。やばいよやばいよ。

 

にしても、修学旅行の班かぁ……………………まぁ、誘いたい人は今電話してる彼女なんだけどね…………こういう時にさっさと誘える根っからの陽キャなら良かったんだが……………………もうちょっと、その…………あと2週間くらい心の準備の期間が欲しいと言うか(ヘタレ)。

 

『じゃあ、ソウゴ。修学旅行で私と一緒の班にならない?』

 

「おっ、そやな。……………………あ、え?い、今なんて?」

 

『修学旅行、私と同じ班にならない?勿論ソウゴが良いな』

 

「よろしくお願いいたしますばいしますばいしますばい!!(食い気味)」

 

と、言う訳でまさかの三玖から誘われると言うウルトラCで通話終了。結果オーライとは言え………………何かこういうのって普通俺の方から誘うべきなのでは?

 

「おいおい、しっかりしろ俺氏。奥手にも程があんだろ。もうちょっと積極的に行かにゃ………………このままじゃいつまで経っても告れないぞっ!むん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「─────とまぁ、そう言う訳で既に決まっていまして。悪いな、誘ってもらったのに」

 

「うんん、先約があるなら大丈夫だよ(……………三玖、本当に積極的になったね。姉としては喜ぶべきなんだろうけど、恋のライバルとしては先を越されて悔しいような………………まぁ、しょうがないか。それに、同じ班になれなくても、チャンスはあるかもしれないからそこまで悲観する必要もないよね)」

 

一花の恋の炎はこの程度では止まらない。それを総悟は知る由もない。またしても何も知らない火野 総悟さん(17)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、今日は三玖がいるのか」

 

「この後バイトだけど少しだけ参加する」

 

今日の勉強会は全国模試以来の全員集合だった。

 

「ふんふんふふーん。ところで、皆は修学旅行の班は決まった?」

 

「いえ、私はまだです」

 

「私も同じくです」

 

「私もー」

 

総悟が修学旅行の班について尋ねてみると、五月、四葉、一花はまだ未定の模様。

 

「二乃は決まったん?(そういや上杉の事好きらしいが、もう声掛けたのか?)」

 

「……………えぇ、私の中(・・・)では既に決まっているわ。私はフー君と二人っきりの班を組むわ」

 

「………………へぇ(堂々と宣言するその心意気はマジで尊敬するぜ、ほんと)」

 

「(何か隠し事をしているようだったので、少し前に問い詰めた際に上杉君はモテ期が来たと言っていましたが…………嘘ではなかったんですね……………)」

 

総悟は心の中で感心し、五月は上杉にモテ期が本当に来ていた事に驚いていた。

 

「…………誰も言いたいことはなさそうだし、決まりね」

 

「決めんな。俺の話を聞け」

 

「もう、何よ!いい?あんたは私と一緒にデートできる事を感謝してれば良いの!」

 

「俺はもうクラスの男子と班を組んだぞ」

 

「…………………」

 

「……………何かすまん」

 

衝撃の事実に固まる二乃。そんな二乃を憐れむような眼で見る総悟。何とも言えない微妙な空気にただ黙る残りの面々。

 

「スーッ…………二乃、勉強始めるか?」

 

「………………そうね」

 

この後、全員普通に勉強した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と言う訳で、修学旅行の班はこうなった。

 

『武田、前田、上杉班』

 

「班長は誰がやんだコラ」

 

「お前も一組だったんだな(今更発言)」

 

「この僕を差し置いているまい!」

 

 

『総悟、三玖班』

 

「(『同じ班にならない?』とは言っていたけど、まさかの2人きりだったとは……………………や っ た ぜ(歓喜) )」

 

「(先手必勝。こういうのは早い者勝ち。……………やった)」

 

 

 

 

『一花、二乃、四葉、五月班』

 

「……はは、結局ほぼいつメンになったね」

 

「………何でこうなるのよ………」

 

「(………何故か微妙に気まずい!)」

 

「(八つ橋が食べたいですぅ……)」

 

修学旅行を前に、火花散る恋のダービーはまだ始まったばかりである─────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……………ナイル川(?)」

 

総悟は自分の家に帰還すると荷物を置いて自室の椅子に座る。

 

「スマホで遊んでるゲームも飽きてきたなぁ………………運営が何と言うか、目先の利益ばかり追求して悪手ばかりと言うか。何だかなぁ………………神様にでも愚痴りたいけど、最近来ないしなぁ………………俺の交友関係の中でも結構腹を割って何でも話せるし、偶には来ないかねぇ…………」

 

そんな彼の願いを聞き届けたのだろうか。突如として、大轟音とともに天井の一部が崩れ落ちた。

 

「……………………」

 

突然の出来事にびっくりしすぎて総悟は何も発せない。そのまま固まっている内に視界が晴れてくると、人の影が2つ見えてきた。

 

「いやぁ、来ちゃった来ちゃった!ここが第1位様がよく話してくれる総悟君の部屋かぁ~」

 

「はぁ、本当に天井を突き破るとは……………………第1位様は冗談交じりで言っているだけだと思うのだけれど」

 

「大丈夫ですよリリィ様。まぁ、どちらにせよ彼が学校から帰ってくる前に直しておけば良い話ですよ。このカノンでもそれくらいの修復はお手の物ですから。直してしまえば、私たちが天井を突き破って入ってきた証拠もなくな…………………あ」

 

カノンは漸く気付いたようだ。頭に埃を被って不機嫌そうな表情を浮かべている総悟の存在に。

 

「あ、え?確か今日帰ってくるのはもう少し後の時間の筈じゃ…………確か今日の授業の時間割とかこのメモ帳にメモって…………あ、これ昨年のだ」

 

あ、オワタとでも言いたげな表情を浮かべるカノン。リリィは呆れたようにこめかみを抑える。

 

「スーッ……………なんだろう、天井ぶち破って入ってくるのやめてもらっていいですか(ひ〇ゆき)」

 

「……………ハイ」

 

このあと天井を丁寧に直したのは言うまでもなく。これが総悟が第1位以外に出会う2、3人目の神界人のカノンとリリィとの出会いだった。

 

to be continued……………




この小説を休止している間に水星の魔女が始まって、そして終わっていたのでここで水星の魔女ネタ。そしていつものジョジョ。あとはひ〇ゆき。

しかし、去年の秋アニメは豊作でしたね。私はつい最近になってから、ぼざろ、ポプテピ、ジョジョ6部、水星の魔女などを見ました。他にも色々と見たんですけど、特に面白かったのがこの4つかな。

今年に入ってから放送してたのだと、おにまい、鬼滅、【推しの子】、呪術くらいですかね。他にも面白いのあったら教えてちょんまげ。

総悟は前世でも恋愛経験はないので、恋愛が絡むとヘタレになります。三玖の方がよっぽど勇気がある。それでも主人公なんですかねぇ………………。

一花姉さんは三玖に先を越されて失敗。まぁ、これで諦める訳はないのですが。一花姉さんがもうちょっと早く誘ってればねぇ………………。

そして二乃は……………………どんまい!

遂に神界の第2位のリリィとヤベー秘書官ことカノンが登場。ネタバレになるけど、さっそく次回でカノンはやらかします。流石、この小説でヤベー奴ランキングで上位に入る奴です。面構えが違う()そして、第1位を秘かに狙うリリィは総悟と何を話すのやら。

お楽しみにー。

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