三玖を愛する転生者の話   作:音速のノッブ

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眠い。眠い。

どうぞ(適当)。

投稿する時間ミスったけど、まぁ良いや。


ブラザーズ・デスゲーム その4

「兄弟の感動の再会だってのに、物騒なものを弟に向けてくるね?」

 

「当たり前だ、三玖を拐うような奴と丸腰と対峙するわけねぇだろ。答えろ、総司。星奈さんを襲ったのもお前の仕業か?」

 

「ああ、そうだよ。ちなみに、殺してはいない。彼女にはこの結界を張る為の動力源の電池になって貰ってるよ。あと2日くらいは持つんじゃないのかな?」

 

「ッ……………………!!」

 

感動の再会など当然ない。かつての兄弟達の会話には殺気が飛び交っていた。

 

「にしても、兄さんってほんっとに馬鹿だよね~。もう三玖も知っているんだよ、兄さんにとってその女は結局のところ漫画のキャラでしかないって事を。予想通りとは言え、どうして助けに来るのか理解に苦しむよ」

 

「!」

 

総悟は一瞬で自身の最大の秘密が知られている事を悟った。だが、驚いたのはほんの一瞬ですぐに言い返す。

 

「…………確かに俺の前世の世界では彼女は漫画のキャラだった。けど、それはあくまで前世(過去)の話で今は違う。三玖は漫画のキャラなんかじゃない。俺の好………大切な人だ。だから、ここに来た。大切な人を救う為に」

 

「ソウゴ…………!」

 

正直な所、三玖の中に『総悟は自身の事をただの漫画のキャラとしか思っていなかったのではないか」と言う不安は僅かにあった。だが、その不安はもう消えた。総悟の言葉が嘘ではないと心の底から確信したからだ。もう迷わない。惑わされない。

 

「お前は俺を馬鹿だと言ったが、俺からすればお前は憐れだよ、総司。久しぶりに見て確信した、お前は何も変わってない」

 

「変わる必要なんてないんだよ、兄さん。何故なら僕が全て正しいんだからね」

 

「…………なら、女に騙されて借金を背負った挙げ句、高校も退学して地べたを這いずり回っていたお前が正しいと言うことか。良い勉強になったよ、ありがとう」

 

その挑発を受けた総司は一瞬で顔を歪ませ、殺気立った表情で襲い掛かるが総悟の二刀の木刀が拳を受け止める。

 

「嫌な事を思い出させてくれたな、クソが!!アレは俺が悪いんじゃねぇ!!あの女と、助けを求めた俺を見捨てた兄さんのせいだ!!」

 

「相変わらずの責任転嫁か。つーか、散々子供の頃から俺を見下してたのに、都合の良い時だけ弟を持ち出して来ても助けるわけねぇだろうが。んなことも分からねぇのに、天才とは笑わせてくれるな」

 

「黙れェェェェェェェェェ!!」

 

総司の拳を捌きながら総悟は木刀で攻撃を仕掛けるが、激怒しながらも理性はあるのか攻撃を見切られてしまう。

 

『やはりこやつは強いのう…………おい、さっさとわしを使え』

 

「(いや、それよりも先ずは三玖を戦闘から遠ざける。手筈通りに頼む)」

 

『…………ふん、今は貴様に従ってやる。30秒後に実行する』

 

「(了解)」

 

そう返事して総悟は総司の蹴りを木刀をクロスさせて受け止めると足を払って転ばせる。倒れた総司に木刀を振り下ろすが避けられてしまう。

 

「ハッ、そこの出来損ないの剣の力を借りているようだけど僕には勝てない!」

 

「それは俺を倒してから言え!」

 

次の瞬間、音もなく総司の身体を無数の弾丸が貫く。地面に血が垂れながらも、総司は弾丸が飛んできた方向を見ると、そこには宙に浮く無数の火縄銃があった。

 

「へぇ…………そんなのまであるとはね。けど、俺には通じないよ?」

 

そう言うと総司の身体に空いていた無数の穴は閉じていく。

 

『再生か。しかも中々の速度で回復しよる。道理であの女の攻撃を受けても無傷だったわけじゃな』

 

厄介そうな雰囲気で言う村正の言葉には総悟も同意だった。しかし、総悟は同時に別の事も考えていた。

 

「(しかし、攻撃を可能な限りは避けていると言うことは限界はあると考えるべきだ。つまり、勝機はある)」

 

『確かにそうじゃな』

 

村正との会話を知らない総司は再生を終えると、首を鳴らしながら拳に神聖力を込める。

 

「もう切り札は終わり?なら、ここまでだね」

 

「終わり?違うな、間違っているぞ総司。そもそも前提から間違っている。俺の今の目的はお前を倒す事じゃない」

 

「じゃあ、何?」

 

「策を実行する為の時間稼ぎ。村正」

 

『ああ。落ちよ、下郎め』

 

次の瞬間、大きな銃声と伴に総司の立っていた床から弾丸が貫通してくる。が、総司は後ろにジャンプして避ける。

 

「なーんだ、何かあるのかと期待してたけど、この程度か。やっぱり兄さんは頭が悪いね。やはり、僕には及ば」

 

その言葉の続きが言われることはなかった。次の瞬間、地面に亀裂が入って崩落した。その崩落にまんまと巻き込まれた総司は落下していく。三玖が立っていた部分も崩落して落下しそうになるが、それよりも前に総悟が抱き抱えるとジャンプして隣のビルに移り、そこからビルからビルへと跳び移っていく。

 

『馬鹿め、わしらがちんけな策しかないと本気で思ったか!お前と話している時から、用意していた火縄銃を数千個、密かにこのビルの全ての階に配備させていたのじゃ!ただの火縄銃ならまだしも、わしの力で作った火縄銃が数千もあればこの建物の柱を破壊して崩落させるには充分だ!いかにお前が再生能力を有していても、崩落したビルから抜け出すのはお前でも少しは時間が掛かるじゃろうな!』

 

「その少しの時間があればいかに結界で覆われていて逃げ場か限られていようと、少しは時間を稼げる!俺を頭が悪いと思っていたお前の方が頭が悪かったな!フハハハハ!!」

 

「(よく分かんないけど何か誰かと意気投合してる………………)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暫くして総悟は三玖を担いだままビルから地面へと着地して近くの建物に入る。

 

「ここら辺で良いか。そろそろ奴も復活して俺らを探してるだろうし」

 

総悟は三玖をゆっくりと地面に降ろす。

 

「ありがとう、ソウゴ」

 

「どういたしまして、と言いたいんだけど………………礼を言うにはまだ早いんだよなぁ」

 

そう、状況は何も解決していない。総司を倒さなければ外に出るのを阻む結界を解除する事も叶わない。

 

『しかし、これで余計な足手まといはいない。漸く本気を出せると言うものじゃな』

 

「言いたい事は分かんだけど言い方考えてく……………ゴホッ、ゴホッ!」

 

「ソウゴ!?」

 

突如、ソウゴは口元を抑えて苦しそうに咳をすると足元がふら付いてしまう。三玖は慌ててソウゴの身体を支える。すぐに咳は収まるが、口元を抑えた手を見た三玖は血の気が引いた。

 

「……………ソウゴ…………血が…………………」

 

「チッ……………何て貧弱な体だ…………………」

 

『火縄銃を1000近く創り出したのでかなり持ってかれたようじゃな。…………これ以上全力で戦闘を続ければ、戦いが終わる頃には』

 

その言葉の先はソウゴ、そして三玖もすぐに分かった。ショックのあまり、三玖は床にへたり込んでしまう。

 

「…………私のせいだ。私が…………私が捕まったから…………私のせいでソウゴが………」

 

涙を浮かべながらそう言う三玖の頭をソウゴは優しく撫でる。

 

「違うぞ、三玖。こうなったのは全部俺のせいだ。俺が過去の因縁にケリを付けなかったからこうなった。三玖は何も悪くない」

 

「何で、そんな…………………ソウゴは何も悪くないのに…………………何も悪い事してないのに…………………」

 

「…………………。いや、悪い事はしたさ。俺はあいつの性格が歪んでいたのを知っていて放置した。関わるのが面倒だったからだ。その結果、あいつは何もかも失った。それでも、藁にも縋るような気持ちで俺に助けを求めて来たのに、俺はそれを拒絶したのさ。面倒だから、こいつには底辺で這いつくばっていた方が愉悦だから、何て理由でさ。………………どんなに性格に難がある奴でも、たった1人の弟なのにな」

 

ソウゴは木刀を杖代わりにして立ち上がる。

 

「その結果がこのざまだ。過去からは逃れられないなんて漫画とかでたまに聞くけど、マジでその通りだったな…………………俺は三玖を巻き込んだ責任を取らなきゃなならねぇ。三玖だけは(・・・・・)絶対にここから生きて返す。それが、三玖に出来る最低限の償いだ」

 

「…………………」

 

そして、総悟は建物の入り口に向けて歩き出す。

 

「三玖は暫くここに隠れていてくれ。全部終わったら、携帯の電波も回復するだろうから警察とかに助けを呼べば良い」

 

「………………やめて」

 

「じゃ、俺はもう行くよ。あいつも流石に復活してるだろうしな。三玖の隠れ場所を特定されちゃ不味い」

 

「やめて!」

 

聞いた事もない三玖の大きな声に思わず総悟は思わず足を止めて振り返ってしまう。三玖は怒っていた。総悟に対して本気で怒っていた。早く出て行かなければならないと頭では分かっているのに、それを見た総悟の身体は動かなかった。

 

「……やめてよ………………そんな、死にに行くような事を言わないでよ……………ソウゴっ………………!」

 

「…………………」

 

総悟は何も返せない。実際、三玖の言う通りだった。もう、総悟はこの戦いがどうなろうと自分が生き残れる気はしなかった。そして、それでも構わないとも思っていた。

 

三玖を守れるなら。

 

「(………………やっぱ、俺は漫画やアニメみたいなヒーローなんて柄じゃなかったな)」

 

好きな人を泣かせて。危険な目に遭わせて。ラノベや漫画に登場するヒーローと称する者には自分は遠く及ばない。だからこそ、アニメや漫画などで活躍する『ヒーロー』に人は憧れるのだろうと、総悟は思う。

 

「(だが……………ヒーローでなくとも、男なら大切な人は守らねぇとな)」

 

総悟の目に決意が。悲壮めいた決意が宿る。総悟は踵を返すと、未だに座り込む三玖の手を両手で握る。その手は総悟からすれば暖く感じた。

 

「もう記憶は消されてるけど、たぶんずっと前(前世)から君と言う存在に今まで俺は君に救われてた。だから…………………ありがとう、三玖」

 

「……行かないでよ、ソウゴ……………私は、ソウゴがいなきゃ…………………」

 

「…………こんな事になって本当に申し訳なく思ってる。だから、例えこれが偽善だとしても………………大切な人(・・・・)の君の幸せを。未来を守る」

 

「…………………無理だよぉ……………お母さんだけじゃなくて、ソウゴまでいなくなったら、私は幸せになんてなれないよぉ………………」

 

総悟は三玖に泣きながらそんな事を言わせてしまってるのに申し訳ないと思うのと同時に、そこまで想われていた事に少し嬉しく感じた。

 

「………………喜びも、悲しみも、怒りも、慈しみも、全員で『五等分』」

 

「!」

 

「いつだか五月が言っていたな。だから、皆は母親が亡くなっても乗り越えられたんだろ?なら、大丈夫だな。………………皆にもよろしく伝えておいてくれ」

 

総悟は三玖の手を離すと立ち上がる。そして、その場から逃げ出すように一瞬で三玖の目の前から消え去った。後に残されたのは三玖、ただ1人。

 

「……………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『良かったのか?』

 

「あ?」

 

『お主、あの娘が好きなんじゃろ?なのに、『大切な人』だなんて言葉を濁しおって…………もうほぼ確実に2度と会えないかもしれぬのに、想いを伝えなくてよいのか?』

 

村正がそう問いかけると、総悟は少し考えてから答える。

 

「…………言ったら覚悟が揺らぎそうだからな。言葉に出さなくても、俺は彼女を想っている。それだけで十分………………って事にしておくよ(・・・・・・・)

 

『はっ…………男と言う生き物はほんとに不器用じゃな。わしの師匠もそうじゃったな』

 

「……………つーか、村正は良いのか?俺を殺したいんじゃないのか?このままだと、村正が殺す前に俺が死にそうだけど」

 

『安心しろ、貴様が死ぬよりも前にあの男を始末してから貴様は殺す。貴様と戦って殺す方が良かったが、最悪虫の息になっていてもとどめをわしが刺せればそれで良いからな』

 

「ハッ、ほんと良い性格してやがるぜ。……………なぁ、村正って封印されたんだよな、破壊じゃなくて。何で俺の祖先はお前を破壊しなかったんだろうな」

 

『………………さてな。そんな事をわしが知る訳がなかろう。貴様はどう思ってるのじゃ?』

 

「…………託したのかもな」

 

総悟は足を止める。

 

「未来でこの力が必要になる時が来るかもしれないからな。だから、村正が今まで敷地外から突破できなかったのに俺が携帯してたらすんなりと突破できただろ?あと、今まで鞘から抜けなかったのに、京都に向かう途中で俺が試してみたらすんなり抜けたしな。ま、あの時は何かヤバそうだったからすぐ戻したけど」

 

『………………なるほどのう。だとしたら、その読みは大正解じゃったな』

 

視線の先は信号機の上に佇んでいる総司がいた。その手には村正への対抗か、西洋剣が握られていた。

 

「よぉ、待たせたな」

 

「いや、構わないよ兄さん。別れの言葉は済んだ?」

 

「ああ、お陰様でな。これで…………………心置きなく、お前を殺せる」

 

総悟は背中に装備していた、鞘に納められた村正の刀を両手に持つ。

 

「さぁ、使わせてもらうぞ………………村正の真の力を………………!」

 

そして、鞘から勢いよく村正の刀を引き抜いた。抜刀され、封印が解かれた妖刀村正はその本来の力を瞬時に発揮する。刀には炎が宿る────────総悟の命を源に燃やす炎が。

 

「ッア!!…………………はっ………………これは、中々にキツイな…………………しかし、ここが踏ん張り所…………………!」

 

全身を貫く激痛を我慢しながら、総悟は妖刀村正を構える。

 

「さぁ、始めようか兄さん。兄弟による殺し合いのゲーム─────ブラザーズ・デスゲームを」

 

「だっせぇネーミングだな……………まぁ良いや。終わりにしようぜ」

 

兄弟による殺し合いゲーム──────ブラザーズ・デスゲームが幕を開けた。

 

to be continued……………




おぎゃあ(唐突)

暫く前書きも後書きも真面目に書く気がせんわー。
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