三玖を愛する転生者の話   作:音速のノッブ

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神様「キーアイテムが杏仁豆腐?今回の話で杏仁豆腐で世界を救うんか?」

総悟「食ってこの話は終了だろ」

※実際は杏仁豆腐を食って終了のオチではありません。


キーアイテム=杏仁豆腐

今日は家庭教師の日である。家を出た後、約束の時間よりも早く着きそうなのでコンビニにでも寄って雑誌でも見て時間を潰そうとしていた………………のだが。

 

「新発売の杏仁豆腐かぁ…………何か美味しそうだし買っていくか」

 

「ゼリーどら焼き、だと!?くそぅ…………味が気になる!」

 

「何だこの新種のカップラーメンは…………グラタン味だと?良いだろう、その味を試させて貰おうか!」

 

「このジュース、Twitterでバズってたやつ!乗るしかないですよね、このビックウェーブに」

 

………………こんな感じで次々と買っていった結果、財布にあった野口3枚が綺麗に消えていた。『コンビニに寄ると、ついつい色々と買いすぎる事ってよくあるよね』とはまさにこの事。

 

「何やってんだ俺は………………これなら3000円分課金した方が良かったじゃねぇか……………それに、甘いの多すぎだろ…………」

 

レジ袋の中身は9割が甘いものを占めていた。

 

「はぁ………おやつには暫く困らないって事でよしとしよう。星奈さんにも後で何かあげよ。さて、そろそろ」

 

「ソウゴ?」

 

その声──────姿を見なくても、俺にはもう分かるぜ。

 

「お、三玖。買い物帰り?」

 

「うん。これ」

 

何々……………三玖さん定番の抹茶ソーダ2本に和風系のお菓子ですか。

 

「ちょうど良かった。これ、あげる。鼻水は入ってないよ」

 

なるほど、1本は俺用か。そして、よっぽどその台詞を言いたかったのだろう。言えて誇らしげな表情をしている。

 

「ありがと、三玖………………苦ッ!だが、悪くないだろう」

 

「ふふっ、良かった。じゃあ、行こ?勉強、教えてね」

 

「ああ、勿論」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三玖と一緒にマンションに着くと、何故か上杉が監視カメラに向かって喋っていた。

 

「何やってんだおめー?それ、オートロックだぞ?」

 

「ひ、火野!?………………べ、別に知ってたからな!ハハハハ!」

 

嘘つけ。

 

「じゃあ、どう使うの?」

 

「…………………………」

 

三玖の問いに冷や汗を流しながら視線をあちこち彷徨わせる上杉。見てる側としてはちょっと面白い。

 

「………………ここで私達の部屋番を入れてくれたら繋がるから」

 

「だ、だから知ってるからな、元々」

 

嘘つけ(2回目)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おはようございます!私は準備万端ですよ!」

 

「私も見てようかな」

 

「私はここで自習してるだけなので勘違いしないで下さい」

 

四葉はやる気満々、一花姉さんは観戦、五月は自習……………でもまぁ、前と比べれば部屋に籠ってないだけ良い方だ。やはり最初の頃とはほんの少しだけ変わったのかもしれない。

 

「なーに?また懲りずに来たんだ?」

 

二乃を除いて。

 

「前みたいに途中で寝なきゃ良いけどね?」

 

怒られたのを懲りてなさそうな台詞を聞いた瞬間、無性に少しだけイラッとしたので一芝居する事にした。

 

「久しぶりにキレちまったよ……………星奈さんに1ミリも懲りてないって言ってもう3発雷落として貰うぞコラァ!」

 

「ッ!?……じ、冗談よ!ちょっとしたジョークだっての!それくらい察しなさいよ!」

 

「……なーんだ。それなら良いんだよ。察しが悪くてすまんのー」

 

ブラックジョークとして受け取っておこう。にしても、我ながら迫真の演技だったな(自画自賛)

 

「ど、どうだ二乃も一緒に」

 

「それは死んでもお断り」

 

残念、上杉の誘いは一瞬ではね除けられた。まぁ、前みたいな手段で妨害してこないならまだ良い。

 

「しゃーない。今日は4人でやりますか」

 

「…………そうだな。よし、じゃあやるか」

 

「はーい!」

 

早速始めようとする………………が。

 

「…………そうだ四葉。バスケ部の知り合いが大会の臨時メンバーを探してるんだけど、あんた運動出来るんだし今から行ってあげれば?」

 

「い、今から……!?で、でも………」

 

「5人しかいない部員の一人が骨折しちゃったらしくて、このままだと大会に出られないらしいのよ。頑張って練習してきたのに、かわいそう」

 

「……………お二人ともすみません!困ってる人を放ってはおけません!」

 

「嘘だろ…………」

 

上杉は呆然としているが、二乃が言い出した時点で俺はこうなる予感がしていた。四葉はお人好しだからなぁ……………これで3人に減っ

 

「そうだ、一花。あんた、2時からバイトじゃなかった?」

 

「あー、忘れてた」

 

……………2人に減っ

 

「五月も、こんなうるさいとこより図書館とかに行ったほうがいいんじゃない?」

 

「………それもそうですね」

 

……あれ?このままだと三玖だけになるんじゃね…?それはそれで三玖と話せる機会が増えるし、個人的には好都合なんじゃ……………。

 

(………いやいやいや!俺は家庭教師をしに来てるんだぞ!個人的な事は二の次だ!五月がいなくなるのを阻止するには………………!)

 

俺はコンビニ袋からあるものを取り出すと、五月の目の前にドンと置く。それを見た瞬間、五月の目の色が変わる。

 

「こ、これは…………!新発売の特製杏仁豆腐!」

 

「取引しようじゃないか、五月。別に俺らの授業を受けろとは言わん。ただ、ここで勉強してれば良い。そしたら、こいつはユーのもの。杏仁豆腐と引き換えのギブアンドテイクだ…………!」

 

だが断るな!断らないでくれっ……………!

 

「くっ…………良いでしょう、取引成立です」

 

や っ た ぜ

 

「ちょ、待ちなさい!五月、そんなの私が明日にでも買ってあげ」

 

「明日まで待てません!今日食べたいんですッ!」

 

これはどんなに説得してもこれは揺るぎそうにありませんな(勝ち確)

 

「くっ……………そうだ、三玖。あんた、間違えて飲んだアタシのジュース、買ってきなさいよ」

 

「もう買ってきた」

 

「え……………って、何これ!?」

 

抹茶ソーダですね。

 

「悪い、火野……」

 

「心配するな、杏仁豆腐(324円)は大した出費じゃない。とりま、2人残っただけでも良しとしよう」

 

それに………杏仁豆腐と引き換えに残留させた五月は上杉よりは好感度が高い(多分)俺が何とか出来る作戦がある。

 

「そうだな………よし、切り替えて行くとしよう」

 

「うん」

 

三玖もやる気充分そうですし、やりますかねー。

 

「俺ちゃん、今日の授業の為に日本史を最初から一通り勉強してきたんだよねー」

 

「そうなんだ。流石はソウゴ。フータローとは大違いだね」

 

「お、俺だって勉強したわ!」

 

「えー?ほんとにござるかぁ?」

 

「その煽りうざ過ぎる!」

 

そんな会話をしていると、またも二乃が口を開く。

 

「へー…………三玖。いつの間に仲良くなってたんだ。特にあんたと」

 

ん?あんたって俺の事か。

 

「こう言う冴えない顔の男が好みだったんだ。ま、こいつ(上杉)よりは良い方だとは思うけど」

 

「…………ソウゴは冴えない顔じゃない。冴えないのはフータローの方。二乃は相変わらずのメンクイだね」

 

「………お前ら、俺に酷い事言ってる自覚ある?」

 

上杉…………強く生きろよ!

 

「メンクイで何が悪いかしら?イケメンに越した事はないでしょ?なーるほど、外見を気にしないからそんなダサい服で出掛けられるんだ」

 

「この尖った爪がおしゃれなの?」

 

「あんたには一生分からないかなー」

 

「一生分かりたくもない」

 

「これが第5次姉妹戦争(シスターズウォー)と言うやつか……………いいぞ、もっとやれ」

 

「いや、煽ってないで止めろよ!」

 

しゃーないのー。

 

「もー、姉妹なんだから仲良くしろよ。外見とか中身とか今は良いでしょーが」

 

「……………そうだね。もう邪魔しないで」

 

やれやれ………………これで漸く始められ

 

「キミら、お昼食べた?」

 

突然二乃がそんな事を訊いてきた。

 

「俺は食ったが」

 

「そういや俺はまだ食ってない…………グゥ」

 

タイミング良く上杉の腹から空腹の音が鳴る。

 

「じゃあ三玖の言う通り中身で勝負しようじゃない。どっちが家庭的か料理で勝負よ!私が勝ったら今日は勉強なし!」

 

えぇ………そこまでやるぅ?

 

「すぐ終わらせるから座って待ってて」

 

「お前が座ってろ!」

 

上杉の叫びも虚しく、2人の料理対決はスタートした。

 

「……どうしてこうなった…………」

 

「これは上手く乗せられちゃったな。しょうがないから勉強でもしてな」

 

「そうさせて貰うぜ…………はぁ………」

 

ため息をつきながら上杉は参考書を取り出して自分の勉強を始めた。

 

「………………ん?」

 

ふと、後ろを向くと五月が何やらワクワクした表情でキッチンの方を見ていた。

 

(ああ…………食う気満々なのね…………)

 

「………………!」

 

俺の呆れの視線に気付いたのか、五月は前を向いて再び勉強を再開した。俺はスッと立ち上がってさりげなく後ろを通り過ぎつつ、勉強してる内容を確認する。

 

(今やってるのは化学の問題集ね…………次辺りの応用問題でつまづきそうだな……よーし!)

 

俺は持参していたノートとシャーペンとボールペンを取り出すと、超高速で問題の解き方とヒントを示した解説を作った。そして解説を書いたノートの1ページを切り取り、その紙を折って紙飛行機を作る。

 

「えっと………………この問題は……………」

 

予想通りその問題で悩んでいたので、紙飛行機をスッと投げる。投げた紙飛行機は五月の目の前に静かに落ちた。

 

「!?………これは……………」

 

五月がこちらをジーッと見つめてきてるのを背中で感じるが、『ナンノコトカサッパリダナー』と言った雰囲気を出しながら俺は口笛を吹いて誤魔化す。俺は今日教えない設定だからね、しょうがないね。数十秒後にチラッと見ると、五月の視線は俺ではなく紙の方へと向けられていた。

 

「…………………な、なるほど………この問題文が重要なヒントだったのですね。そしてこの法則を使うのですね。そう言えば前に教科書で見た気が……………なら答えは…………あ、出来ました!」

 

おー、良かったじゃん。その後、料理が出来上がるまでの時間に俺は紙飛行機をあと4つ程飛ばすのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃーん!旬の野菜と生ハムのダッチベィビ~」

 

「お………………オムライス…………」

 

うん……………見た目だけだと二乃の圧勝になる。いかに推しと言えど、見た目は三玖の方が良いと言うのには流石に無理があるな。

 

「や、やっぱり自分で食べる…………」

 

「折角作ったんだから食べて貰いなさいよ~」

 

ニヤニヤ笑みを浮かべやがって、こん畜生め……………女であることと三玖の姉妹であることに感謝するんだな、二乃。そうじゃなかったらお前の髪にタバスコをぶっかけてたぜ。

 

「じゃー、審査員の上杉氏。食って、どうぞ」

 

「い、いただきます」

 

上杉は一口ずつ双方の料理を口にする。さて、その感想は………………

 

「うん、どっちも美味いな」

 

そう言うと思ったわ。貧乏舌な奴ですからな。

 

「はぁ!?そんなわけ……………あんた!一口で良いから食べなさい!」

 

おやおや、指名がきましたか。どれどれ……………

 

「………………………」

 

「さぁ!どっちが美味しかったのか正直に言いなさい!」

 

「良いだろう…………俺はベーコン派なので、生ハムを入れてやがった二乃は強制失格。つー訳で、三玖の勝利」

 

「ぶん殴るわよ!!」

 

こわいこわい、そんなに睨むなっての。それに、女の子がぶん殴るとか物騒な言葉を使っちゃ駄目だぞ?取り敢えず落ち着けって。ほらお手!

 

「犬みたいな扱いをするんじゃないわよ!!」

 

おっと、心の内で留めておくつもりが何故か出ちゃったかー(棒読み)

あれー、幻覚かな?二乃が唸って威嚇してる犬に見えなくもないぞー?

 

ちなみに、三玖の料理は正直に言うと不味い訳でもないけど超絶美味しい訳でもなかった。もし時間があれば練習して上達して欲しいな。やっぱ料理の出来る女の子は魅力的だしね!何なら、二乃が大好きな(笑)星奈さんを呼ぼうかな。三玖にその気があるなら、料理めっちゃ得意な星奈さんに教わるのもアリかもね。

 

「二乃、どこに行くの?」

 

「誰かのせいでストレス溜まったから自分の部屋でウサギの可愛い動画でも見て発散してくるのよ!」

 

一体誰のせいなんですかねぇ…(すっとぼけ)

 

「あの……………その料理、一口しかまだ手をつけてないですし私にもくれますか?」

 

そしてこいつ(五月)はぶれない!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、双方の料理の8割は五月が食べ、残りの2割ずつは上杉が昼飯として食べた。そして後片付けをしてるとすっかり時間が経っていた。

 

「うーむ、結果的に二乃の目論み通りになっちまったな。今回は出直しとするか」

 

「ごめん…………」

 

「三玖は悪くないから謝んなっての」

 

俺でも三玖の立場だったら勝負に乗ってるだろうし。

 

「にしても、あいつとは分かり合える日が来るとは思えん」

 

うーん、でもまぁその内分かり合えると思うけどね。大方、原作ではクリスマスか大晦日のビックイベントにでも何とかなったんでしょ(適当)

ただ、ここに原作にはいなかった俺と言う存在がある。この存在によって二乃の件は来年に持ち越しとか、最悪のケースとして和解無し√とか出てこなきゃ良いんだけどなぁ……………。

 

「2人がちゃんと誠実に向き合えば分かってくれるよ」

 

「誠実って……………どうやって?」

 

「それを考えるのがフータロー達の仕事でしょ?と言うか、私も分からない」

 

分かんないんかーい!………………でもまぁ、確かにどうするのかを考えるのが俺達の仕事か。

 

「そうさな……………それは今後の俺達の課題だ。漫画を読む合間にでも考えとこっと」

 

「あくまで最優先は趣味の方なんだな…………」

 

そりゃ当たり前だよなぁ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しまった、財布を忘れてきた……」

 

「おいおい」

 

エントランスを出ていざ帰ろうとした時、上杉が忘れ物に気付いた。

 

「悪い、先帰ってて良いぞ」

 

「あー………暇だしここで待ってるから早く取ってきな」

 

「すまん、すぐ取ってくる」

 

そう言うと上杉は今日覚えたてのオートロックを使って入って行った。取り敢えず俺は壁に寄り掛かって座る。………………にしても、二乃はどうしてあそこまで俺らに悪意を持っているのやら。

 

「むむむむ…………これはどんなに考えても直ぐには答えは出んな…………」

 

「そんなに難しい問題なのですか?総悟様でも分からないような」

 

「正直『年頃の乙女心?これもう分かんねぇな』的な感じで…………………って、うぉ!?いつの間にいたんですか!!忍ですか!?」

 

「残念ながら忍ではありませんね」

 

そこにいたのは星奈さんだった。

 

「コンビニからの帰りに通り掛かったのですが、何故か総悟様が座り込んでていたのが見えたので、あの五つ子達からいじめにでもあったのかと心配になって来た次第ですが……………その様子ではそんな事はなさそうなので安心しました。もし本当にいじめにあったら絶対に相談して下さいね。私が物理的に天誅を下します!」

 

そしたら家庭教師のバイトも物理的に消滅しそうな気もするけど………………まぁ、俺の事を思ってくれてるのはありがたい。

 

「もしほんとにそうなったら相談しますよ……………つーか、今相談しても良いですか?いじめじゃないですけど」

 

「勿論です。私に答えれる事ならば何でもお答えしましょう」

 

そう言うと星奈さんは俺の隣に座る。ふむ………………付き合いもかなり長いが、めっちゃ美人さんである星奈さんが隣に来ると相変わらず緊張するな……………。前から思ってたが、星奈さんってほんとに年取ってるのかね?出会った頃から全然美しい美貌が変わってない気がするが。

 

「それで、何をお悩みなのですか?」

 

「星奈さんもかーなーり知ってる人物の事なんですが………………あ、ちょっと失礼」

 

話そうとした矢先にメールの通知音が横槍を入れる。サイレントモードにしようと電源をつけると、そのメールの差出人の名前が見えた。その名は上杉。気になったので中身を見てみると───────

 

『助けてくれ』

 

この1文だけ記されていた。

 

「……………………はい?」

 

to be continue………




神様「えー、ここいらでお知らせです。次回は2巻のお話に行くかと思って人、残念でした。次はFGOで言う幕間の物語でーす」

上杉「何の話をするんだ?」

神様「上杉君がストーカーになる話でーす」

上杉「いや、そんな話やらないからな!?」

神様「え、ガチでやるらしいけど」

上杉「え?」

神様「え?」

早くて明日、遅くても2日以内に多分投稿します。ストーカーになるのかならないのか、お楽しみに!

この駄文を読んでいただき、誠に陳謝!
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