ウマ娘ー!ジェンティルー!好きー!
以上です。どうぞ。
夏休み。
もはや人生2週目かつ幼少期から大学受験も見据えて勉強していた彼にとって受験は楽勝も同然である。なので、夏休み中の家庭教師も8割方は総悟が1人で見るようになっていた。総悟が『自分が主体で皆の面倒見るから自分の勉強に集中しろ(要約)』と提案したのだ。上杉には死ぬほど感謝されたのは言うまでもない。当然ながら上杉も全部を総悟に任せている訳ではなく、週に2~3回は家庭教師の仕事をこなしている。
「なにぃ!?あのアパートぶち壊されんの!?マ!?」
『うん、マみたい。まぁ、古いからねー』
今日はクラスの面々から海のお誘いがあったが、インドア派の総悟は辞退して漫喫でキンキンに冷えた部屋でゴロゴロしていた。一花からお知らせを貰った総悟は素っ頓狂な声をあげてしまう。周りからは若干注目されるがこの男は気にもしない(気にしろ)
「ま、取り壊しならたぶん敷金帰って来るしええか…………で、また家探しすっか?不動産行くか?引っ越し手配する?電気ガス水道の連絡した?大家になる?地主になる?」
『(気が)早い早い!と言うか、最後らへんは何か違うし……………まぁ、皆とも話すけど元のマンションに戻ろうかなとは思う。2人も再雇用されたし、正直もう家出の必要もないしね』
「確かに。じゃあ、星奈さんにマンションのキーを返しておくように伝えておくわ」
『あ、星奈さん捨ててなかったんだね』
「流石に、な。じゃ、またな」
『あ、待ってソウゴ君!』
「…………………どうした?」
何かシリアス味を感じた総悟は真面目なトーンで問いかける。
『……………もう1つ相談したい事があるんだけど、今から会えない?』
「なるほど、仕事が本格的に忙しくなって学校が行けなくなりそうと…………………」
「うん…………社長は退学も視野に入れるべきだって………」
「ふーん…………コロッス!(発作)」
「ちょ、怖い怖い……」
一花を漫喫に呼び寄せた総悟は個室(3人用)を取って話を聞いていた。
「……………ふむ。ちょいと待ってな」
そう言うと総悟はスマホで調べ物を始める。一花も横から覗いて見ると、どうやら学校のポータルサイトを漁っているようだった。
「学校のポータル?ソウゴ君、何を「キーター!!」うわっ!?」
いきなり大声上げて立ち上がるものだからびっくりするのは当然である。
「天才総悟君はいい方法を思いついちまったよ………………で、一花姉さんよ。1個確認したいんだけど………………皆と一緒に卒業したいか?」
「!………………うん。私も皆と一緒に卒業したい」
それを聞いた総悟は満足げにニヤリと笑う。
「よし、後は俺と上杉に全部任せておけ。一花姉さんはあのホモにどっか空いてる日に面談の約束を取り付けといてくれ。日程が決まったら教えてクレメンス」
「う、うん分かった。でも、一体何を………………?」
「それは後のお楽しみに。……………あ、そだ」
唐突に思い出した何かを思い出した総悟はポケットからしわだらけの紙を取り出す。
「これ、うちの父さんから貰ったからあげるわ」
「えーっと………………プールの無料の入場券?」
「そ。ちな、俺も持ってる。上杉にも今度渡すつもりやけん、皆で受験勉強の息抜きにプール行く………行かない?」
「え、行く(即答)」
鬼〇のあの人「判断が早い」
「と言うか、今日は海に行かなかった癖にプールは良いんだ……………」
「だって熱いし(意味不明)」
「いや、プールでも熱いと思うけど…………」
「だって、海にいい思い出あまりないし」
「それは……………まぁ、確かに」
一花は春休みに総悟が海に落ちたり(一花のせいだけど)、釣りしてクソな結果に激怒していたのを思い出した。まぁ、海に行く気が失せるのも分からなくもない。
「後は……………クラスの皆で騒ぐのも楽しいんだろうけど、7人で遊ぶ方がもっと楽しいと思ったからってのもある」
「!…………………そっか」
「で、一花姉さんはどーする?俺はもう少しぐーたらしてくけど」
「んー……………もう少しいても良い?涼しいしー………………ソウゴ君ともう少し一緒にいたいなー、って」
「………………料金3割負担で」
「やった♪……………あ、三玖には許可取ってるから大丈夫。公認ってやつね」
「いや律儀ィ!」
三玖『ソウゴなら大丈夫って信頼しかない。だって、私の彼氏だから(ドヤ顔)』
と、言う訳で2人は黙って漫画を読み進めていく。途中でつぼった総悟が大笑いしたり、感動して大号泣したりと情緒不安定だったが、ほどなくして2人は店を出るのだった。ちなみに、個室で2人きりでもナニも無かった。無論、一花もその気はない。ただ、大好きな人と一緒の時間を過ごしたかっただけである(純愛)
総悟「ここで令和こそこそ話。一花姉さんは純愛派だからNTRとか絶対しないよ。NTRしそうとか少しでも思った奴は56すからね!」
一花「ちょっ、急に笑顔で何を言い出してるのソウゴ君!?」
翌日
「と言うわけでプール」
「着きましたね」
総悟と星奈は5人と一緒にプールに到着。上杉は遅れてくるとのこと。
「ところで二乃。入れ墨タトゥーはダメらしいからお前は留守番な」
「じゃあね、二乃」
「
「あはは、でも二乃はおしゃれだからやってそうだよね」
「若気の至りで彼氏の名前とか入れたりして」
「ほい留守番」
「だからやってないっつーの!………ま、相手との絆を刻み込むってのもロマンチックかもね」
「かなり痛いらしいですね。注射の比ではないとか」
「………………やっぱやらないわ」
「当たり前です!そんな事したら不良です!」
相変わらず五月は真面目である。それが彼女の魅力なのだが。
「(それにしても、修学旅行が終わってから皆どこか…………ですが、思いのほか平和で安心しました。火野さんと三玖がお付き合いを始めましたが、一花は吹っ切れているみたいなので問題なさそうです…………………が)」
火種はまだ消えたわけではない。
「(問題は上杉君の方です。彼には二乃と四葉からハートの矢印が飛んでいます!もし三玖と一花からも飛んでいたらもっと大変だったのでしょうが……………しかし、それでも十分トラブルの火種にはなり得ます!)」
五月は決心した。姉妹の秩序を自分が保つのだと。
総悟side
五月の様子がおかしい。何やってんだあいつは。何か…………5人前の焼きそば持って上杉と一緒に隠れてるんだが?
「おい、四葉に二乃よ。お前らの妹が暑さでバグってるぞ」
「あはは……………」
「ほんとなにをやってるのよ……………」
と言う訳で、3人で凸。
「何やってんだおまん達」
「あ……………ははは……………上杉君が到着したみたいです……………(終わった……………よりにもよって二乃と四葉が………………火野君は何て事を……………!)」
何故か責められるような視線を感じたのは気のせいだろうか。
「お久しぶりです上杉さん!さあ、立ってください!皆で遊びましょう!」
「……………………」
「(あれ………………何かあっさりと………………四葉はもう過去の事は気にしてないのでしょうか……二乃も意外と反応が薄い………私の早とち)フー君!会いたかった」
「どぬお!?」
いきなり軽くタックルをかます二乃。おおぅ、責めますねぇ!!
「って言うか聞いて。コンタクトが流されてよく見えないの」
絶対嘘やろ。
「本当にフー君なのかしら。よく見せて、むしろ見て!どう、似合ってる?」
「あ、ああ………」
「何でまだプールに入ってないのにコンタクトが流されムゴォ!?」
今のは余計だった、ごめんて!分かった、黙るから口を抑えるな二乃!
「さぁ、皆揃ったのであそこに行きましょー!」
「あそことは」
「あれです!」
おー、ウォータースライダーか。ええやん、楽しそうで。
「ちな、2人1組で滑るらしいので…………………くじでペアを決めね?」
「おや、てっきり『俺は三玖と組む』と言うかと思ったのですが」
「まぁまぁ、星奈さん。それでも良いんですがぁ……………俺と三玖は相思相愛ですからね。運命の赤い糸で結ばれてるから、んな事しなくても余裕でペアになれるから問題ないですよ」
「うんうん(ドヤ顔)」
「ほんとにこのバカップルは……………ま、何でもいいからさっさと決めましょ(ま、私もフー君とは赤い糸で結ばれてるだろうし…………)」
結果
総悟&五月
上杉&二乃
四葉&三玖
一花&星奈
総悟「(虚無顔)」
三玖「(虚無顔)」
二乃「(っし!勝った!)」
……………外れました。くそ………これは赤い糸どうこうじゃなくて確率の問題なんだ…………クソ神が…………(八つ当たり)
「最初から三玖と組んでおけば良かった……………こうなったらくじで三玖と組めるまで全員ウォータースライダーから帰れま10スタートじゃあ!」
「後で2人でもう1回並べば良いのでは……………」
※この後、五月の言う通り結局そうしました。三玖と2回滑りました。楽しかったです。
「…………………」
何か五月が黙り込んでらぁ………………怖いんかね?さっきも一花姉さんに手を握ってくれだの言ってた気がするし。
「やめとくか?」
「や、やめるなんて!意識してるみたいじゃないですか!この高さに躊躇してるだけです…………………日焼け止めを塗り終わるまで少々お待ちを」
「もうすぐ順番だから、あくしろよー。………………ふっ」
「?」
「いや……………
「え、ええ。それは勿論楽しんでいます」
「そりゃ何より。受験勉強ばかりだとモチベも低下するからな。こういう感じに適度に息抜きしないと……………」
「…………しないと?」
「二乃を無性に弄りたくなる」
「いや、いつも息を吸うようにしてるじゃないですか………………」
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五月と総悟が談笑してる間に彼らの順番が回って来る。
「次のお二人どうぞー。こちらに座っていただいて、後ろの人の足の間に、前の人を挟む形で」
「え」
「五月はどーする?決めていいぞ」
「え、私がですか!?え、ええっと…………………ま、前………………いえ、やっぱ後ろで!ですがもう少し心の準備と日焼け止めの時間を………………」
「さっき死ぬほどやってたやろうがい!ほれ、後ろがつっかえるから行くぞ!」
「あ…………」
五月の手を取って総悟はエスコートする。五月は手を握られてドキッとする。
「ほい、失礼」
「は、はい!」
総悟の頭が五月のお腹の上に乗る。そして、係員はさっさと放流した。
「(な、何故…………火野君の頭が私のお腹に乗っているだけなのに…………こんなにもドキドキするのでしょう…………!?)」
「(観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時)」
何故かドキドキが止まらない五月と煩悩退散の為に心の中でお経を唱え出す総悟。異色のカップルはそのまま流されていくのだった────。
「ふー、死ぬ程遊んだ。三玖とウォータースライダーも満喫できたし良かったですばい」
「うんうん」
「あ、四葉。水着の跡がついてる」
「わっ、ほんとだー!」
「あれ、五月ちゃんその手の痕は?」
「え?」
一花に言われてみて見ると、五月の手には謎の日焼けの痕が。
「(………………ハッ!)」
五月は思い出した。そう言えばスライダーに座っている最中ずっと総悟の手を握っていた事を。ちなみに、総悟はもう忘れている。
「あんだけ日焼け止め塗ってたのにそこだけ塗り忘れてたのかよ。頭隠して尻隠さず的なやつか?」
「か、からかわないで下さい上杉君!」
「何だ、五月も可愛いとこあんじゃん」
「かわっ…………!?」
総悟からしたら特に深い意味のない言葉だったのかもしれないが、五月からすればドキッとしたのは言うまでもなく。心臓のドキドキが再発する。
「ま、三玖の方が可愛いけどな!!」
「ふふん(満更でもない顔)」
「何か、三玖が火野さんに似てきたような………」
「四葉の言う通り完全に影響を受けてるわね……」
二乃と四葉がそう話すなか、五月は手の痕を擦る。
「(何故こんなにドキドキするのでしょうか………まさか私は火野君の事が……………いえ、あり得ません!既に火野君は三玖と言う恋人がいるんですから、好きになる訳がありません!そう、これは偶々!手を握られたからです!)」
夏も、そして恋もまだ続いていく。
to be continued………
次回は村正の幕間の話です。2話連続です。
執筆の方は文化祭編を書き始めてます。あのハゲをどうしてやろうか考えている所です。お楽しみに。