三玖を愛する転生者の話   作:音速のノッブ

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最近はウマ娘より執筆してる方が楽しい希ガス。


いつか来るかもしれないし、来ないかもしれない分岐の時

ある日、総悟のもとに珍しく二乃から電話が。

 

「え?いい感じに上杉を意識させる方法を教えて欲しいだぁ?」

 

『そうよ』

 

「…………………ふむ。手はある。先ずは二乃よ。お前の最大の武器はなんだ?」

 

『私の武器…………………料理上手とか?』

 

「いや、普通に考えてツンデレな所だろうが」

 

『ふざけてんなら切るわよ(微キレ気味)』

 

本人としては9割方真面目に言っているのが猶更たちが悪い。

 

「全く、これだから恋愛初心者は……………いいか、二乃。世の中にはツンデレが魅力に感じる人もおるんや」

 

『ま、まぁ確かにそういう人もそりゃいるだろうけど…………………』

 

「二乃は最近アグレッシブに攻めすぎる!想いを真っすぐに伝えすぎる!そこで、だ。一度原点に立ち返り、最大の武器を使ってアプローチの仕方を変えてみるがいい」

 

『原点……………』

 

「そう!出会って初期の頃はツンデレ女だったのに、今はただの女!そんな状態でツンデレに戻る。まさに、『押してだめなら引いてみる作戦featツンデレ』って事」

 

『…………………何か妙に説得力があるのがムカつくけど……………………やってみる価値はありそうね。あんたに聞いて良かったわ。今日丁度、事故で入院してる店長にフー君とお見舞い行くから試してみるわ。ありがとね』

 

「うーい、がんばー」

 

通話終了。総悟はスマホを机に置いて一息つく。

 

「…………うーむ。何か思いついた事を言ったが…………………ま、何とかなるやろ」

 

ちなみに後日、多少は効果があったとの事でお菓子を貰ったとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ほぼ内容は原作で言う所の93話と同じだからカットするけど二乃が『押してだめなら引いてみる作戦featツンデレ』をして、母親の命日に皆でお墓参りに来た時の事。一花は重大発表をしていた。

 

「私、二学期から学校を休むことにしたんだ」

 

「「「「!?」」」」

 

「いわゆる休学ってやつ。9月から長期ロケを受ける事にしたの。少し離れた撮影地で拘束時間も長いから、出来るだけ家から通うつもりだけど、ちょっと学校は一旦休もうかなって」

 

「ちょ、何でそんな大事な事を私達に相談しないのよ!?」

 

「ごめんごめん。色々と落ち着いてから話そうと思っててさ。……………ほんと、ソウゴ君とフータロー君には頭が上がらないよ」

 

「火野君と上杉君が何か絡んでるんですか?」

 

五月にそう問われて、一花はとある出来事を話し出す────────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一花は頼まれていた通り社長との面会の時間を作った。そして、やってきたのは上杉と何故かスーツ姿の総悟(グラサン付)だった。

 

「ふっふっふ。嬉しいよ。漸くわがプロダクションに入る決意を固めてくれたのだね、2人とも」

 

「(入るつもりは)ないです」

 

「今日来たのはビジネスの話だ。………………俺達は自主映画を撮る事にした!」

 

「「???」」

 

「出演は家庭教師2人と生徒の3人のみ。撮影は週2回、3時間カメラの前でぶっ通しで勉強を教えるというアカデミー賞間違いなしの脚本。監督兼家庭教師役はもちろん俺と上杉。その生徒役を、今をときめく劇中で高確率で死ぬ中野一花さんにお願いしたい」

 

「!!」

 

「勿論、お金はある」

 

上杉は懐から封筒を取り出して見せる。

 

「君達、まさか……………」

 

「社長さんよ。あんた、退学も視野に入れた方が良いと言っていたらしいが、うちの高校には休学という神制度がありまして。出席日数と一定の学力を示せれば復学して卒業できる。なら、休学を選択肢に入れるのも別に悪くないでしょう?」

 

総悟は一花の方を見てニヤリと笑う。対して上杉は何故か仏頂面だった。

 

「一花。俺は火野から話を聞いた時、正直イラっとしたぜ。一度俺が家庭教師を辞めた時、引き戻してくれたのはお前らだろ?それなのに勝手に降りるなんて冗談じゃないぜ。5人揃って笑顔で卒業!それができなかったら俺は納得できねぇ!」

 

「この勉強馬鹿の言葉を訳すと、『感謝してる。あの時こいつを雇いなおせたのは一花が仕事していて、あのアパートを借りれたから。だから、その恩返しがしたい』と言っています。まぁ、俺もそうなんだけどね」

 

「ちょ、言わないって約束しただろうが!」

 

「知らね(記憶喪失)」

 

「…………………なるほど。君達の言いたい事は理解した。けどその前に、ちよっと失礼」

 

社長は封筒を貰うと中身をチェック。

 

「いや、全然足りないけど…………」

 

上杉はソファーから転げ落ちた。

 

「嘘だろ!?結構多めに入れたのに!?」

 

途中までカッコ良かったのに、最後の最後で大ゴケ…………………かと思いきや。

 

「……………ま、こうなる可能性は考えていたけどね」

 

そう言うと総悟は手を2回鳴らす。すると、近くの窓が開いて星奈が入って来る。

 

「失礼します」

 

持参したスリッパを履いて星奈は床に着地。総悟を除く全員が『何故窓から………』と思ったが気にしない。星奈はケースを2つ机の上に置く。

 

「総悟様、お持ちしました」

 

「ありがとうございます、星奈さん。こんくらいありゃ足りるやろ?」

 

星奈はケースの中身を見せる。それを見たその他全員は驚愕。そこには敷き詰められた諭吉の束が沢山。

 

「た、確かにこれなら足りると言うかむしろ多すぎるくらいだ………………」

 

「火野、お前こんだけのお金を一体どこで…………!?」

 

「ココココ。金持ちの家の総悟ちゃんを舐めちゃいかんよ。いざと言う時の為に貯めていた幼少期からのお年玉や貯蓄に回してたお小遣い等々─────俺にとっちゃいざと言う時ってのはまさに今って訳よ」

 

嘘偽りのない総悟の本心。一花は驚きが醒めない中、総悟に尋ねる。

 

「ソウゴ君……………何でそこまでして…………確かに一緒に卒業したいとは言ったけど………」

 

「青春をエンジョイしたい」

 

「!」

 

「前に一花姉さんが言ってた言葉だ。高校生は1度きり。今しかできない事を楽しみたいんだよ。無論、一花姉さんとも一緒にな」

 

「……………けど、良いのかな…………私のわがままで、2人にこれ以上迷惑を掛けてまで学校に通って…………」

 

一花の震える声を受けて総悟は少し考えてから口を開く。

 

「そんなに言うなら、『取引』しようじゃないか」

 

「取引…………?」

 

「俺には将来の夢がある。俺は将来、アニメ会社を立ち上げて社長になる!!」

 

唐突な起業宣言。一花姉さんだけでなく、他の面々も総悟の意図がまだ分からない。

 

「で、だ。俺が今回足りない分をポケットマネーから出して、一花の皆と一緒に卒業したいと言うその願いと言うか、わがままを叶えてやる。その代わりに一花姉さんは─────いつか、俺の会社が作るアニメに出てくれ。あと、死ぬまで俺の友達でいてくれ」

 

「…………!!」

 

「どうする?結ぶか?この契約」

 

一花の目からは涙が零れる。嬉し涙なのは言うまでもない。

 

「……うんっ………よろしく………………お願いしますっ…………」

 

総悟が差し出した手を一花はしっかりと握った。

 

「…………分かった。お金の面も問題なくなったし、私から特に何か言う事は無い。今、契約書を持ってくるから待っていてくれ。ただし、絶対に仕事に支障はきたさないようにする事。これだけは守ってくれよ」

 

「勿論です。よろしくお願いいたします」

 

「うん、こちらこそよろしく頼むよ」

 

「…………すまんな火野。またお前に負担を背負わせちまった。借りが出来たな」

 

上杉が頭を下げるが、総悟は強制的に上げさせる。

 

「気にすんな、俺が勝手にやった事だし。ま、そんなに気にすんなら無理強いはしないが将来俺の会社に入ってくれや。ボロ雑巾のように使ってやるよ」

 

「はっ……………別の形で借りを返すつもりだが、一応候補には入れておく」

 

「そうかい。ま、ほんの少しだけ期待しておくよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………とまぁ、そんな感じかな」

 

「あいつ…………………」

 

「流石、ソウゴ。私の彼氏」

 

「上杉さん、火野さん…………………私、感動しました!」

 

「…………後でお礼を言っておかなくてはいけませんね」

 

全てを聞き終えた4人はそれぞれ反応を見せた。

 

「そっか、それでフータローがパン屋のバイトに入ってたんだ」

 

「上杉さん、パン屋でバイトを始めたんですね!(…………今度買いに行ってみようかなぁ……………)」

 

「(フー君が!?…………求人募集してるか見てみよ)…………ま、少し寂しいけど退学とかじゃなくて良かったわ。体調管理だけは気を付けなさいよ」

 

「私も陰ながら応援しています」

 

「うん、ありがとね。頑張るよ」

 

そんな訳で5人はお墓参りを無事に終わらせて帰路につくのだった。ちなみに、とある幽霊が暖かい表情で5人を見守っていたのは神のみぞ知る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日。一花はロケ終了後に総悟による自主映画の撮影を行っていた。

 

「寝るな―、なー!このままじゃ授業に追いつけんダルォ!?」

 

「ひー、もう勘弁してぇ…………日中のロケでくたくたなんだよぉ…………」

 

「ほーん(適当)よし、やるんだYO!」

 

「ぐぬぬ…………鬼、悪魔、アニオタ…………!」

 

最後のは奴にとっては誉め言葉である。

 

「ホラホラホラ!姉妹全員で卒業するんダルォ?」

 

「…………卒業したいのは妹達とだけじゃないよ」

 

「へー、そうなんや」

 

「ねぇ、誰だか分かる?」

 

何故かニヤニヤしながら一花は問いかけてくる。ここで『俺?』とか言ったらからかおうと企んでいたのだが、残念ながら総悟はお見通し。

 

「のこたん?」

 

「……………いや、誰!?」

 

「鹿」

 

「鹿!?」

 

「で、正解は誰なん?(カウンター)」

 

「え……………それは、その………ソウゴ君……………」

 

総悟、完全勝利である。

 

「あー、もう一回言ってくれ(追撃)」

 

「もー、聞こえてた癖に………意地悪」

 

「Sなんで(ドヤ顔)…………ま、俺も一花姉さんと卒業したいから頑張ろーぜ」

 

「!…………うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、夏休みも終了。総悟は学校が始まる事に心の底から絶望してサボろうか迷っている事をいざ知らず、一花は学校に行く皆の見送りをしていた。

 

「行ってきまーす」

 

「いってらっしゃい。……………さて、私も準備して行きますか」

 

ついでにポストを確認すると、とあるチラシが入っているのを見つけた。

 

「………あ、そっか。もうすぐだったね」

 

日の出祭り。学校の文化祭が迫っていた。

 

to be continued………




総悟が普通にただのいい奴と言う不思議な話でした。そりゃ一花も三玖も惚れますわ。作者も途中まで書いてて『うほっ、いい男(ホモガキ)』となりかけました(大嘘)

ひー、この小説も間もなく終わっちまうな。次作書こうか迷い中。ウマ娘とか良いかなと思ってるけど、レース描写が書けるか分からん。まぁ、とりま五等分を終わらせてから考えます。

では、また次の話で。
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