以上、前書き終わりです。
「ほんとあなたって優柔不断で最低ね」
一花はドラマの撮影を行っていた。
「ハイカット!」
「ありがとうございまーす」
オンとオフが激しいので相手の俳優も少し戸惑い気味である。
「お疲れ様。携帯にメール来てたよ」
「あ、ありがとうございます。…………………えっ、ソウゴ君から!?何の用だろう……ふふっ……」
「(顔が全然違う……………)」
一花side
「と言う訳で…………仕事も無くなったので急遽来ちゃった♪」
にしても、15時に集まってほしいだなんてどうしたんだろう?何か重大発表でもあるのかな。まぁ、取り敢えずソウゴ君に連絡して……………あ、でも学級委員長だから忙しいかな?
「中野一花いるじゃん」
「!?」
嘘、変装したのにバレた!?
「そうそう女優のな。この学校に通ってるらしいぜ」
「マジか、ワンチャン会えんじゃね?」
…………まだバレてはなかったみたい。けど、ちょっとヒヤッとしたよ……………まぁ、こんなこともあろうかと変装セットを持ってあるんだけどね。今回は二乃。
「(持ってきて正解だったなー。折角だからこのまま行って驚かせようかな)えーと、1組は…………そう言えば2店舗あるんだったけ」
「あ!レッドだ!」
…………………あれ?何か私に注目が集まってる……………?
「かわいー」
「握手してください!」
「何してるんですかー」
思わずダッシュで逃げる。いや、何があった!?私がいない間に何があったの、二乃!?生徒会長にでもなったの!?
「これ被って、どうぞ(迫真)」
そんな聞き覚えのある声とともにフード付きのパーカーを被らされた。
「あれ、二乃先輩は…………」
「何か中庭の方に行ったで(大嘘)」
「ありがとうございます!」
「…………ふいー。二乃に化けたのは少し失敗だったな」
「助かったよ、ソウゴ君…………」
こういう困った時にさらっと助けてくれるのが魅力なんだよね………………。
「ちなみに、二乃に何かあったの?」
「ああ、まぁ完璧で究極のアイドルになったからな(大嘘)」
え。アイドル?
「学園祭のOPを飾ったんだよ。後で動画送っておくよ。勿論、二乃本人にもな……俺は優しいからなぁ……(ゲス顔)」
わー、悪い顔してるー。台詞と顔が真逆すぎる…………。
「それで、何で皆を集めたの?」
「そりゃ、皆だけでワチャワチャしたいからよ。最後の祭りだし、一花姉さんにも思い出残して欲しい……………欲しくない?」
「ソウゴ君…………」
はぁ、ほんとこういう所なんだよなぁ、好きになる理由……………って、あれ?
「あの子、どうしたんだろ?」
「ぬん?(某シカ)」
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急遽、一花と総悟で迷子の子供の親探しをすることに。
「しょー君のお母さんはいませんかねー?」
「迷子の子のお母さんを探してまーす」
「んー、こんだけ人が多いと厄介なものだな」
「うっ、うぐっ………」
「フアッ!?」
総悟の余計な言葉で子供が泣きだしてしまいそうになるのを見て、一花はしゃがんで目線を合わせて話す。
「ショー君はお父さんや兄弟と来てたの?」
「パパは仕事……………妹がもうすぐ生まれる」
「そっか。じゃあ、大変なお母さんや妹のためにショー君は強いお兄ちゃんにならないとね。できる?」
「う、うん!僕強くなる!」
「よし、偉いぞ~」
総悟は子供の扱いに長けている所に感心した。流石は長女であると。
「はえー、さっすが長女」
「ありがと。じゃあ、次はソウゴ君がお兄さんらしいとこ見せてね」
一花が指さすとそこには喧嘩している女メイドが2人いた。
「うーわ…………てか、俺お兄さんじゃないし…………………あ、妹出来たんやったわ……………メイドだけに冥途送りしてやんよ、なんつって」
「「………………」」
「……………。(馬鹿メイドが2)人だね。〇します(マジトーン)」
「はーい、子供の前だからそういう言葉は自重しようねー」
何だかんだでトラブルを収めつつ、母親探しを再開。
「……………そう言えば、お姉ちゃん見た事ある」
「キッズにも知られてるとはやりますn「この前キスしてた人だ」やってんねぇ!」
「あのドラマ遅い時間帯なのによく知ってるねー」
「お母さんが見てるんだ」
「何を見せてんだお母さん。終わりやろこの国(大袈裟)」
総悟はブツブツ国に文句言いながら歩いていると、一花が耳元に口を近づける。
「私がキスしてたの、気になる?」
「ウッ!?耳元で囁くな、ゾクッとしたわ!……………いや、別に良いんすけど、仕事なんだろうし。それに、俺ほぼ毎日してるしな!(ノルマ)」
誰としてるのかはもう言うまでもないが、果たして公衆の面前で大声で宣言できる事なのだろうか。この鋼のメンタルを見習いたいような見習いたくないような感じである。
「お兄ちゃんもしかしてモテモテ?そう言うのは良くないって前にドラマでやってた」
「失礼だな、純愛だよ(乙骨〇太)…………つーか、ドラマ好きすぎやろ。ちな、どんなドラマなん?」
「僕が見たのは姉妹で同じ人を好きになるやつ」
「「………………」」
何故だが2人は黙り込んでしまう。
「その男の人をめぐって険悪になって、修羅場になっちゃうんだ」
「はー、それ誰かの選択が1つでも間違えてたらガチであり得そうな話だったなー」
「……………ソウダネ(心当たりしかない…………良かったぁ、あの時闇落ち的なのしないでほんとに)」
一花は少し気まずそうな様子だったが幸いにも誰にも気づかれなかった。
「最後は片方と結ばれて片方とはそれっきり」
「うわぁ……………何か後味悪いね」
「……………誰かと付き合うと言う事は、誰かと付き合わない事だからね、しょうがないね」
ふざけているようだが、総悟の言葉には真剣さが籠っているように一花は聞こえた。一花が総悟を好きになってくれた事を。そんな一花を振った事をしっかりと受け止めてくれている。一花にはそう感じた。
「ショー!」
「あ、ママ!」
「おー、良かった良かった」
「お兄ちゃんたちありがとう!」
「ありがとうございます…………………えっ、うそっ一花ちゃん!?」
「え?」
「マジ?」
驚いたお母さんの声に周囲にいた人が反応してしまう。
「あーあ……………先に行ってな。この場は俺が何とかする」
「うん、後は頼むね」
「じゃ、また15時に」
「うん」
一花はそそくさと去って行く。野次馬の声と『暴れんなよ…………暴れんなよ(迫真)』とか言う声を聞きながら。
1日目終了後、総悟は一花を見送りに来ていた。
「明日も撮影だっけか?大変すねー」
「まぁでも、今日は久々に皆と過ごせて楽しかったよ」
「そりゃなりよりで。ま、時間があればまた来てくれよなー。文化祭は3日あるんだし、頼むよー」
「うん、明日は難しいけど3日目はオフだからまた来るね」
「うい。…………ちなみに、今はどんなシーンやってるんだ?」
一花は少し考えるが、まぁネタバレにはならないし良いかと話すことにした。
「何て言うかな……………優柔不断な主人公に私が罵倒と言うか、喝を入れるシーン的な?」
「ふーん、つまりドMが喜ぶシーンと」
「そんな事は……………いや、あるかぁ……………まぁ、監督はもっとインパクトあるシーンが撮りたいって言ってたけどね。折角だから、何かいいアイデアある?」
それを聞いた総悟は一瞬で何かを思いついた顔をする。しかも、中々に悪い顔だ。
「その様子だと、何か悪い事でも考えついちゃった?」
「ああ。ヘタレた野郎は『修正』するのが鉄板だからな」
「修正…………?」
「まぁ、つまりだな………」
「いつまでも甘い事言ってんじゃねーよ!歯を食いしばりな!あんたみたいなヘタレ、修正してやる!」
バチンッ!
勢いよく修正ビンタを喰らったクワ○ロ大尉………………じゃなくて、赤い彗………でもなく、どっかの俳優は床に倒れ込む。
「オッケー!いいじゃん、これで決まり!」
監督はご満悦。一花はビンタした俳優に駆け寄る。
「だ、大丈夫ですか…………?」
「ま、まぁ一応…………これ提案した君の友達って僕に恨みでもあるのかな…………………?」
「いや、たぶん面白そうだから提案しただけです………(正解)」
まぁ、そんな訳で撮影も無事終了である。
「ふー、疲れた。ホテルに戻って寝よっと……………」
「一花ちゃん、大変だ!」
そこへ一花の事務所の社長がやって来る。
「さっき総悟君から電話があって………学園祭で妹さんが倒れたって…………」
「!」
「元気そうで良かった。しっかり休んでなよ」
一花は居ても立っても居られず、病院に来ていた。幸い病気ではなかったので一安心だったが。
「ぬ、来てたか」
「ソウゴ君。それに、二乃とフータロー君も……………」
「一花も来てたのね。まぁ、私達は別件でここに来てたんだけど、火野が教えてくれたのよ」
「そゆこった。ま、取り敢えず大丈夫そうだし、二乃と上杉は学校戻んな。荷物おきっぱだろうし」
「ああ、そうさせてもらう」
「私は後片付けもあるしね。またフー君に送って貰うわ。火野は?」
「俺は一花姉さん送ってから学校戻るわ」
と、言う訳で二乃とフータローは先に病院を後にした。残ったのは一花と総悟の2人。
「ホテルまでで良いか?」
「あ、今日は家かな。明日はオフだからね。……………ソウゴ君はもう仕事は終わったの?」
「まぁ………終わったと言うか、元々ほぼ無かったって言うか」
「じゃあ、少し寄り道しても良い?」
一花はソウゴのバイクの後ろに乗って、とある場所へ向かっていた。
「にしても、ソウゴ君いつの間にかバイクの免許持ってたんだ」
「前から欲しいとは考えててんだよ。で、空き時間にこつこつ教習所通って今月漸く免許取得ってわけ。バイクは親父が買ってくれた。サインを代打で貰ってくれたお礼で何でもして貰う約束だったからな」
「サイン?」
「タマコちゃんの作品に出てた女優のな。『ここのケーキ屋さん一度来てみたかったのです〜』」
「こら、定期的に弄ってくるの禁止!」
そんなことを話してる間に目的地に到着した。
「意外と広いんだね、ここ。覚えてる?」
「もち。花火大会の会場だろ」
かつて一花と色々とあった懐かしい場所である。総悟も少し懐かしげな様子で辺りを見回していた。
「で、ここが我々が抱き着いた場所って訳。……………何かいるし。イチャイチャしやがって。ムカつくな(殺意)」
「いや、君も公衆の面前で結構イチャイチャしてるでしょ…………あ、誰かまた花火してるみたい」
「うちの生徒だろ。全く、どいつもこいつも浮かれやがって。……………ま、俺も浮かれてるんですけどね」
「前に聞いたんだけど、文化祭ってカップル成立が多いみたい。特に凄いのが3日目の後夜祭らしいよ」
「ふーん(興味ゼロ)」
「まぁ、ソウゴ君にはもう関係ない話だったね」
そんな事を話しながら辺りをブラブラ歩いていると、いつぞやに花火をした公園に着いた。
「花火したな、ここで。四葉様様だったな」
「うん……………あの日があったから、私は今でも活躍させて貰ってるんだよね」
あの日は間違いなく一花にとって転機だった。仕事も、そして恋も。総悟に惚れたのはあの日からだった。
「…………ねぇ、ソウゴ君。覚えてる?あの日の台本」
「あん?…………………あー、はいはい。俺がダメ出ししたやつね。まぁ、何となく覚えてるが」
「あれ、今もう1回やってみても良い?」
突然の申し出に総悟は一花の方をチラリと見る。いつも通りに見えるが、その目は女優の目になっていた。
「何でまた急に?」
「大した理由じゃないけど、可愛い生徒がどれだけ成長したか見せてあげたくて、って感じ」
「ふーん……………じゃ、やりますか」
1分にも満たない2人きりの演技。あの日のリテイクが始まった。
「卒業おめでとう」
「先生、今までありがとう」
そうして、一花は総悟の方を見て笑顔を浮かべる。
「先生。あなたが先生で良かった。あなたの生徒で良かった」
「…………………!」
それはあの時の作り笑いとは違った。最高な、100点満点中200点の笑顔だった。
「こちらこそ、一花が生徒で良かった。一花の先生で良かった……………おっと、ついアドリブが」
「!」
あの日の台本にも無かったアドリブが自然と総悟の口から零れた。と言うか、ただの本心である。
「……………っ……………」
「ウェッ!?」
一花は泣いていた。慌てる総悟。取り敢えず土下座するかとパ二くり掛けていたが、すぐに一花は涙を拭う。
「ごめん、ついジーンと来ちゃった………………」
「あー、びっくりしたわ……………けど、今のはマジで本心な。将来の大女優、中野一花の先生になれた事を光栄に思う」
「大袈裟だなぁ。まだ大女優になれるかなんて「いや、なれる」……………どうしてそう思うの?」
「決まってんだろ。一花は俺と上杉の自慢の生徒で
最高の親友だからな」
そう言って総悟も笑った。一花にも引けを取らない、最高の笑顔で。
「…………………ソウゴ君」
「うん?」
「もう答えは知ってるから返事はいいんだけど」
そう前置きして、一花は言った。
「やっぱり、君の事が大好き」
「…………照れますねぇ」
目をそらしながら頭をボリボリ掻く総悟。可愛い反応を見れて一花は満足げである。
「…………ちなみになんだけど、ドラマでキスしたのは同じ女優の子なんだ。男の人とキスなんて私はNGかなぁ」
「ほーん(!!……………つまり百合……………ってコト!?録画しよ!!)」
何かテンション上がる総悟。こいつはそう言うのも興味あるらしい。
「まぁ、尺の都合でカットされるらしいけどね」
「へー(チッ、使えない監督だな。誰が録画するか)」
ポーカーフェイスで興味なさげに振舞う総悟。一花は知る由もないだろう、死ぬほどガッカリしてるのは。
「つーか、何で急にそんな事を俺に?」
「まぁ……………私は好きな人としかキスはしたくないって言うのを知って欲しい的な?…………………ふふっ、何かキモイね」
「……一花姉さんさぁ……………俺の事好きすぎやろ…………」
「知らなかった?私、ソウゴ君が思っている以上に大好きだよ」
「さらっとそう言う事平気で言いやがって……………(照れ)」
「ふふっ、ソウゴ君以上に誰かを好きになる事は金輪際ない気がするね」
「(照れ)」
本日2度目、3度目の照れである。
「さて、そろそろ帰ろっか」
「何か一花姉さんに色々としてやられたぜ……………これはもう次の撮影と言う名の勉強を厳しくしてやるしかねぇなぁ!(逆襲のシャ……ドS)」
「えー」
そうは言いつつも、悪い気はしない一花だった。あの撮影も特別な時間だから。
「(センサーは継続中…………この気持ちはまだ暫く静まりそうにないや)」
総悟はきっと、一生で何度あるかわからない運命の人。そんな運命の人に出会えた幸せを噛み締めながら、一花は静かに笑みを浮かべるのだった─────。
「…………………ん?」
突然、総悟は足を止める。
「どうかした?」
「いや、電話が……………上杉か…………何すかー」
『今、良いか?少し話があるんだが』
「あー、今から一花姉さん送るんだが『なら丁度いい一花も聞いて欲しい』…………ああ、そうなの?」
一体何の話だろうと、一花と総悟は顔を見合わせて考えていると、次の上杉の言葉を聞いて驚愕に染まるのだった。
『五月が実父に接触した可能性がある』
to be continued……………
個人的には花火大会のシーンのセルフオマージュを思いついた自分に拍手したい、そんな話でした。
一花とは親友エンド。クラスが2年も一緒なので、過ごした時間だけで見れば三玖よりも長いからね。
次は二乃です。あらかじめ言っておきますが、別にそこまで原作と変わらないです。まぁ、お楽しみに。
ところで、もうすぐガンダムの新作が映画館でやるみたいですね。初のIMAXみたいで楽しみ。ほい、17日は映画館へ。
では、また次のお話で~。