三玖を愛する転生者の話   作:音速のノッブ

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今回のお話含めて本編終了まで残り3話です


5年前のとある日

総悟side

 

「ふぅ寝不足と見せかけた寝不足。……………はぁ、そんな俺の体に星奈さんのごはんが染み渡りますわ」

 

「ふふっ、それは何よりです」

 

はー、あともう少しで俺も1人暮らしか。苦ではないけど星奈さんとも会う頻度が減るかと思うと寂しいわ。

 

「………………星奈さんって俺が東京行ったらどうするつもりなんですか?」

 

「私は今まで通りこの家で働きますよ。総悟様がいつでも帰ってこられる場所を守りたいので」

 

当初は家の事を色々とやってくれるメイドさんだったのに、いつの間にか優秀な警備員にもなってるんだがまぁ良いか。

 

「でも、星奈さんに会えなくなるのは寂しくなりますね…………(しんみり)」

 

「まぁ、私の力なら東京まで20分程度ですからいつでもお会いできますよ。と言うか、用が無くても最低週一で様子見に行きます。私も総悟様にお会いしたいので」

 

そういや忘れてたわ、星奈さんも神様と同じくらいチートだったの。まぁ、嬉しいのでOKです!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おっす」

 

「うい」

 

登校していると上杉と合流した。

 

「そういや上杉って志望校決めたん?」

 

「まぁ、東京の国立大学を志望校にしている。学部は違うがお前と同じところだな」

 

もうね、学部まで被ってたら流石に武田を池に突き落としてたね(確信)

 

「それは皆にはもう言ったん?」

 

「二乃には決まったら言うように言われてたから個別に昨日言った。そっこーで志望大学を東京のにしてたから、恐らく事前に想定していたのかもな、あと会う機会が少ない一花にもな。残りの3人にはまだ言ってない」

 

「あそ」

 

流石は二乃。これが愛の力か、冴えてるな。受験勉強も愛のニトロブーストが入りそうでなにより。そんな話をしていると5人とばったり。一花は仕事前らしい。

 

「おっはー、2人とも」

 

「おう」

 

「お、今日は一花姉さんがいるんか。金くれ(直球)」

 

「んー、やだ!」

 

「知 っ て た」

 

「あはは、ソウゴ君とのこういう意味のない会話ってほんと飽きないんだよねー。…………あ、私はそろそろ時間だから行くね」

 

一花姉さんに軽く手を振って三玖らの方を向くと、取り合えず酷い表情の五月が気になる。

 

「お前………ひどいな……………」

 

「五月、死んでるかー?」

 

「ぎ、ギリギリ生きてます…………」

 

「五月、また徹夜してた」

 

愛する三玖からの情報なら正しいのだろう。まぁ、徹夜してたのは俺もだけどな(アニメ鑑賞だけど)

 

「あんた少しくらい休みなさいよ」

 

「ここまで来たら最後までやり遂げてみせます!火野君、上杉君、放課後はよろしくお願いします!」

 

「もちのろんだが、マジでぶっ倒れない程度にしてくれよなー」

 

はー、この勢揃いの環境もあとちょっとかぁ………………マジ卍。でもって、一日はあっという間に過ぎていく。授業を受けて、放課後は勉強を教える。四葉は上杉にしごかれ、五月はおやつを食いまくり、二乃とはピコピコハンマーで戦闘描写が入り(何を四天王)、三玖とは風紀に反しない範囲でいい感じにイチャイチャする。楽しい時間ってのは過ぎるのが早いもんで、気づけば帰路についている。

 

「あ、一花からだ。例のオーディション受かったって」

 

「ほんとあの子は私たちの先を歩いているわよね」

 

「私達も一花みたいに頑張ろう!」

 

「ええ、そうですね」

 

ぬ、一花姉さんからメッセージが。

 

『ドラマの主演ゲットだぜ☆ あ、エッチなやつじゃないから安心してね♡』

 

………………。

 

『一花のエロいのが見たかったです。つーか見せてくれ』

 

迷わず送信。あ、既読ついた。まぁ、どうせ暫く赤面してるだろうから返事は少し後だろう。こここ、童貞卒業済みの俺様には効かんのじゃ。

 

「……………なぁ。お前らに言っておきたい事がある」

 

ここで上杉が動いた。言うのか、ここで。

 

「俺が受けるが大学なんだが……………一花と二乃以外には初めて明かすんだが……………と、東京なんだ!」

 

「「「「……………」」」」

 

「卒業したら俺は上京する……………だから、もう今までのようには……………」

 

「……………あー、フー君ごめん。私、もう皆に言っちゃったわ」

 

俺と上杉は盛大にズッこけた。

 

「いや二乃が言ったんかい!そこは本人に言わせろよ、お笑い的には百点だけどさぁ!」

 

「取り合えず二乃は今から吉〇の面接受けに行けば」

 

「バカップルは黙ってイチャイチャしてなさい。………………だって、特に何も言われてなかったもの」

 

「ま……………まぁ俺としては知ってるなら別に良いんだけどよ………………」

 

何か色々と複雑だが取り合えず報告は済んだ上杉。………………にしても。

 

「まぁ、分かってはいたけどよ……………皆バラバラになるな」

 

「…………そうですね。火野君も東京の大学志望で、三玖や二乃も受かれば一緒に上京ですからね。皆、バラバラになりますね」

 

「寂しくなりますね………」

 

「…………そうね」

 

「……………だな」

 

上杉も寂しい模様。そりゃそうだよな。俺もそう。

 

「俺も寂しいけどさ…………バラバラになるって事は、皆ちゃんと将来を見据えてそれぞれの道へと進もうとしているって事だ。こういうのを、大人になるって言うのかもな」

 

「大人、ね……………私達、将来どんな大人になってるのかしらね」

 

「さーな…………ま、俺は皆が楽しい人生を送れていれば何でも良いさ」

 

前の人生では大人になるというのがよく分かってなかった。今も分かったわけではないけど、きっと大人になるっていう事も悪い事ではない。それが分ったような気がしたのは、三玖に一花、五月、二乃と四葉。そして、上杉に会えたからなんだろう。

 

「……………俺、皆に会えて良かったわ」

 

「うん。皆もソウゴと同じ事を思ってるよ」

 

……………そっか、それなら良かった。改めて、この素晴らしい出会いに感謝を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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数ヶ月後

 

「はー、卒業しちまったんだなぁ…………」

 

無事に卒業式を終えた総悟はしみじみとしていた。自分の教室に別れを告げ、例年よりもかなり早く咲いた校庭の桜を眺めながら高校の思い出に浸っていた。

 

「あ、ここにいたんだソウゴ」

 

「三玖、それに皆も卒業おめっとさん………………うぅ、しかし一花だけ留年とは……………」

 

「いやいやいや、ちゃんと私も卒業してるよ!?」

 

「あら、そうだっけ」

 

勝手に留年にされていた一花は卒業証書を持った筒を手に持ちながらツッコミを入れる。そう、一花も卒業できていた。総悟も口には出していないが内心ホッとしていた。

 

「もー、ちゃんと報告したのに聞いてた?」

 

「勿論総悟様は聞いてましたよ。卒業できる事を聞いた後、喜びのあまり跳びあがって天井に刺さってましたね」

 

「ちょ、星奈さん言わんでいいですから!」

 

「これは失礼、口が滑りました」

 

「お前、ほんとに人間かよ……………」

 

「俺の息子丈夫過ぎん…………?」

 

「1ミリも怪我がないのがホントに凄いわよね………」

 

後からやってきた星奈に暴露されて慌てる総悟。星奈と一緒にやってきた風太郎と総悟の父母にもドン引きされる始末である。

 

「ふーん、天井に刺さる程嬉しかったんだ~。そっかそっか~」

 

「ぐぬぬ、ニヤニヤしおって………………そりゃ皆で卒業したかったけん、天井にも刺さるやろ普通」

 

「あんたの普通と私たちの普通を一緒にするんじゃないわよ!嬉しくても天井に刺さるのはあんたくらいよ!」

 

二乃からの高校時代最後であろうツッコミが入った。総悟も満足げである。

 

「まぁ、それ以外にも皆さんが志望大学に合格する度に壁に吹っ飛んで叩きつけられてましたね」

 

「まぁ、多少はね(意味不明)」

 

「まさか全員が第一志望に合格するとは驚きだったわね……………」

 

壁に叩きつけられる部分はスルーしつつ二乃はしみじみと呟く。総悟や上杉、そして一花を除く4人は全員志望大学に受かった。合格の報告を聞くたびに総悟は吹っ飛んで家の壁に叩きつけられていた。このクソ馬鹿世界は……

 

「これも全部上杉さんや火野さんのお陰です!」

 

「そうですね。火野君と上杉君には本当に感謝しています」

 

「そうね。フー君には感謝してるわ。………ついでに火野もね」

 

「私達を第一志望に受からせるだけじゃなくて、ソウゴとフータローも第一志望に受かるなんて本当に凄い」

 

「いやぁ、本当にお姉さんもビックリだね」

 

べた褒めされて上杉と総悟も満更ではない様子。当然のごとくさらっと流されてるが、総悟と上杉も無事に志望大学にストレート合格した。

 

「コココ、これくらい朝飯前よ。それに、この功績で俺と上杉もマルオさんからボーナスでたのはマジでありがてぇ」

 

「だな。1人暮らしの家具を揃えるのに有効活用させて貰うとしよう」

 

「そうだな。俺もパチンコか競馬で倍に「あのお金は家具などを揃える頭金にと渡したのだがね、火野君」ファッ!?」

 

慌てて振り返るとマルオと上杉父がいた。

 

「じ、冗談ですよ冗談!そう、これは高校最後のアメリカンジョーク!勿論、いただいたお金は家具やらを揃えるのに使わせてもらいますよ、ハハハハ!(震え声)」

 

「………………それなら良い。あのお金は上杉君と二乃、火野君と三玖君が一緒に住むにあたって役立てて貰うために渡したのだからね」

 

カップル2組は東京では一緒に同棲する事になっている。これはイチャイチャするだけが目的ではなく、2人で住むレベルの物件ならセキュリティがしっかりしている所が多い点と、家賃やらを折半できるメリットもあるからだ。

 

「言っておくが、私は君たちの誠実さを信じて同棲を許可したんだ。もし、問題を起こせば強制的に退去させるつもりだからね。くれぐれも良識ある誠実な行動を心掛けてくれる事を願っているよ(威圧)」

 

「も、勿論です!」

 

「んもー、分かってますよ。前にも言いましたけど、三玖に何か危害を加えようとする輩は逮捕されない範囲でしかるべき対処をしますから」

 

「(上杉君はともかく、火野君はその内テレビとかネットのニュースで取り上げられそうな事をしでかしそうでちょっと不安なんだよなぁ…………今のも流石にジョークだと思いたいけど、ジョークを言っているようにも聞こえないんだよなぁ………………)」

 

マルオが不安を感じている間に上杉父は自前の一眼レフのセッティグを済ませていた。

 

「よし、折角だから写真でも撮ろうぜ!俺のカメラで撮ってやるよ!」

 

「あ^~いいっすね^~。星奈さんも一緒に入りましょうよ~」

 

「では、僭越ながら」

 

と、言うわけで全員並ぶ。無論、総悟の隣は三玖なのは言うまでもない。

 

「ねぇ、ソウゴ」

 

「ん?」

 

「聞くまでもないだろうけど……………高校生活は楽しかった?」

 

三玖は言葉にはしていないが、『2度目の高校生活』と言う意味で聞いてきているのが総悟には分かった。その答えは言うまでもない。

 

「ああ。すっごく楽しかった!」

 

「……………そっか。うん、それなら良かった」

 

三玖は総悟の手をそっと握る。

 

「ソウゴ。大学生になっても楽しい思い出を沢山作ろうね」

 

「勿論。2人一緒に、な」

 

そう言ってお互いに笑いあう。それを聞いていた一花と五月も思わず笑みが零れる。

 

「ふふっ、あの2人は本当にお似合いですね」

 

「ねー……………でも、それがちょーっと悔しいんだよね」

 

「ええ、同感です」

 

そう話している内に、上杉父がタイマーをセットし終えて並ぶ。

 

「よーし、撮るぞー!」

 

数秒後にフラッシュが焚かれる。この日、五つ子とその教師2人は全員揃って無事に高校を卒業した――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――そして、5年が経った。

 

to be continued……………




明日、明後日も投稿します。準備万端です。お楽しみに。
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