魔法少女リリカルなのはStrikers~二つの翼を持つもの~   作:ジェナス

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Air Combat

『ライブラリに該当無し、完全にアンノウンですね』

 

「了解した」

 

 雲を突き抜けた後、ノスフェラトに搭載されているレーダーで捕らえた敵機の熱反応を烈風はアーリア社と管理局の両方のサーバーにアクセスして割り出しを行ったが、近付いてくる機体についてアンノウンと判定した。

 

「アンノウンをズームで確認、大型の機体だな。生体反応はどうだ?」

 

 HMDに表示されたウィンドウに映し出された巨大なガナードと細身の胴体が特徴の機体を見た政人は烈風に生体反応があるか確認を急がせた。

 

『生体反応を確認、戦闘機と判定。警告を実施しなければなりませんね』

 

「だな」

 

 烈風から生体反応を確認した事を伝えられると、政人は敵機との衝突コースをはずれ、アンノウンの後に回りこんだ。

 

「こちら時空管理局本局遺失物管理課機動六課だ。貴機は作戦空域に接近中である。逆方位に旋回するか我の誘導に従え」

 

 敵機の後を取った政人は規定通りに一回目の警告を実施するが、アンノウンは方位を変えずにそのまま作戦空域へと飛び続けた。

 

「アンノウン、行動に変化なし。警告射撃を上申する」

 

『警告射撃を実施せよ』

 

「了解」

 

 司令室からの警告射撃を許可された政人は操縦桿のトリガーを軽く押し込み遊びをなくした。すると、HMDには機関銃のレティクルが表示され、さらにはコックピットを挟み込むように配置された機関銃を覆っていたシャッターが開き2門の機関銃がその姿を表した。そして、政人は右のラダーを踏み込み、レティクルとアンノウンが重ならないようにした。

 

「警告する。貴機は作戦空域へと接近している。逆方位に旋回しなければ警告射撃を実施する」

 

 政人は二回目の警告を行うが、アンノウンは依然として作戦空域へと飛行を続けた。旋回する気がないと判断した政人は軽く押し込んでいたトリガーを更に押し込んだ。その直後、機関銃から曳光弾が発射されアンノウンの横を閃光が駆け抜けた。

 

『せっかく撃墜するチャンスを与えてやったのに、やはりお前はまだ甘いな』

 

「な!?」

 

 警告射撃を行った直後に流れてきたアンノウンからと思われる通信に動揺した政人は急旋回を行ったアンノウンの動きに一瞬動きが遅れてしまった。

 

「アンノウンを敵機と判断する」

 

 アンノウンを敵機と判定しながら政人は旋回した敵機を追いかけた。

 

『了解しました。迎撃を許可する』

 

 しかし、政人が見せた一瞬の隙は戦闘機同士のドッグファイトでは致命的な遅れを生み、簡単に敵機に後を取られてしまった。

 

『さぁ、ロックオンしたぞ。どうする?』

 

「クッソがぁ」

 

 挑発してくる通信を無視して政人は逆方向へと鋭く旋回を行った。高いGによって体が座席に締め付けられ、さらには視界が狭まっていくが、それでも政人は操縦桿を緩める事は無かった。

 

{120ノット、110ノット、今だ}

 

 高いGを維持したまま、回避機動を行う事によって速度が失速速度ギリギリまで落ちた事を確認すると機体を水平に戻すのと同時にスロットルをアイドルの位置まで戻し、さらには操縦桿を手前に思いっきり引いた。すると、ノスフェラトの機首が持ち上がり、ノスフェラトの主翼の前縁を包み込むようにヴェイパーが発生した。

 

「グゥ」

 

 HMDに表示された機体角度が90を越えたあたりで機首が下がり始め、ソレにあわせて政人も操縦桿を緩めた。すると、敵機はノスフェラトの直下を追い越し(オーバーシュート)、ノスフェラトは敵機の後上方という絶好の位置へとついた。

 

『ADMMM Lock on』

 

「Volmeteus01 Drive Drive」

 

 オーバーシュートした敵機をロックオンしたことを烈風が報せると、政人はADMMMの発射ボタンを押し込んだ。

 

『ハイGターンでのシザーズで速度を落とし、敵機を引き付けてからのコブラ機動か、良い判断だが』

 

 敵機へと放たれたADMMMが着弾する直前に敵機から魔力弾が見せ付けるかのように放たれ、ミサイルは全て撃墜された。

 

『アクティブ防御を搭載しているこの機体には意味が無い』

 

「なっ!」

 

 ミサイルを迎撃した敵機はノスフェラトの後方に回り込もうと急旋回を行い始めた。それを見た政人はコブラ機動によって著しく落としていた速度を回復するため、操縦桿を左へと倒してスライスバックの機動に入り、降下旋回を行った。

 

『ほう、チキンレースか、面白い』

 

 それを追う様に敵機も降下旋回に入り、互いに急降下を行いながら後を取ろうとバーティカルシザーズに入った。

 

『チッ、どうやら今回はそっちの勝利みたいだな。次は落とさせてもらうぜ、ルーキーFox2』

 

 雲を付き抜け、安全高度ギリギリまでシーザーズを続けていた敵機のパイロットは政人にそう言い残すと、機体を水平へと戻し、置き土産といわんばかりにミサイルを発射すると空域を離脱した。

 

「なっ! 待て! チッ、チャフ、フレア、リリース!」

 

 政人も追いかけようと機体を水平にするが、回避行動を強いられミサイルから逃げ切る頃には敵機は既に視認距離から離脱していた。

 

『マスター、あの敵機からと思われるデータです。ウィルスは無いようですが、開きますか』

 

「ああ、頼む」

 

 追撃を諦め、モノレールへと向かいながら政人は敵機から送られてきたデータの一部をHMDに表示させた。そして、そこには先ほどの敵機の三面図と共に機体名が記されていた。

 

「《GFA-01ヴィルコラク》か、それに、あの機動…まさか」

 

『司令部よりヴォルメテウス01、レリックはスターズFが回収しました。地上本部へと護送するヘリの護衛をお願いします』

 

「了解、ヘリと合流する」

 

 司令室からの指示を受けた政人は一旦敵機の事を頭の隅へと追いやり、任務へと戻っていった。

 

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