魔法少女リリカルなのはStrikers~二つの翼を持つもの~   作:ジェナス

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 今回もプロローグ的な話です。


出向命令

 朝日が顔を出し、1日が始まろうとしているころ、次元管理世界第一世界ミッドチルダの首都、グラナガンの郊外に建つとあるマンションの寝室で10代後半と思われる少年があくびをしながら目を覚ました。

 

『おはようございます。マスター』

 

「ああ、おはよう。烈風」

 

 その少年の名前は高槻政人。彼は管理外世界に区分けされる地球出身だった。

 

『マスター、先日の任務はご苦労様でした』

 

「あの程度の任務で下手をするような腕前ではないさ」

 

 政人はベッドから起き上がると自身のデスクの上においてあったブラックパールのような黒色の宝石がついたネックレスという待機状態の彼の相棒を首にかけると寝室を後にした。そして焼魚と味噌汁、そしてごはんという完全な和食の朝食を作り3分ほどで食べ終えると、先日彼が参加していた任務についての報告書を作成するためにパソコンを立ち上げた。

 

 

 報告書に先日の任務で使用した武器、燃料、破壊若しくは撃墜した敵の兵器の数を書き終え報告書作りも終盤に差し掛かろうとしたとき、烈風に自分が所属する会社(・・)から通信が入った。

 

『マスター、本社から通信です』

 

「わかった。つなげてくれ」

 

 政人は烈風から通信が入ったことを伝えられるといったん報告書作りを中断させ、通信を開始した。

 

「おはようございます。オルセン司令」

 

『ああ、おはよう。高槻大尉』

 

 政人が通信をつなげると彼が所属する部隊の司令官のヴィルヘルム・オルセン大佐の顔がディスプレイに映し出された。政人は敬礼をして挨拶をするとオルセンは同じく敬礼を返し、机の上に肘をつきその腕の上に顔を乗せた。

 

『報告書は何処まで出来た?』

 

「進行状況は9割強ですね。ですが報告書の提出期限は本日の2000時では無かったですか?」

 

『ああ、報告書のほうは特に問題ない。指定した時間より早く終われば問題が無い』

 

「そうですか。それなら何故通信を? 基本うちは作戦が終了してから1週間は自由行動が許可されているはずですが」

 

 政人から疑問を受けたオルセンは、申し訳なさそうに頭に手をやりながら用件を伝えた。

 

『長期の捜査依頼が入ったんだ。君を指名している依頼がな』

 

 オルセンの言葉に政人は少し苦い表情を浮かべた。何故ならば彼は管理局の中でも花形の仕事である執務官の資格は持って入るが基本的には管理局の局員ではなく、管理局に協力しているPMC(民間軍事会社)の1つであるアーリアセキュリティ社に所属する1人の兵士だからだ。

 

『君が長期任務を毛嫌いしているのは分かっている。だが今回管理局から送られてきた依頼に関する資料の中にこんなものがあった』

 

 そういってオルセンは手元のコンソールを操作し、資料を政人のパソコンに送った。そして送られてきた資料の中に入っていた画像を見て政人は目を見開いた。

 

「こ、こいつは」

 

 その画像には三角形の両端を下方にカーブさせ尚且つ先端方向に幾つもの半球上のレンズを並べた航空機やただの楕円状の物体にレンズを並べたボンベのような物だった。

 

『そいつの名前はガジェットと局は名付けたようだ。そいつの特徴はある特定の魔力周波数をだすロストロギア、つまり滅んだ世界の負の遺産を嗅ぎ付けてそのロストロギアの回収に来る事らしい。すでにお前の幼馴染を含めた数名の魔道士たちと交戦を行ったと言う記録も残っている。そして今回の依頼はこいつ等が収集しているロストロギア、レリックの回収とこの玩具を作っている組織の解明、殲滅を目的とした試験部隊へ出向の依頼だ』

 

 オルセンの説明を半ば放心状態で聞いていた政人は寝るときも離さなかった首にかけたドッグタグを握り締めて静かにつぶやいた。

 

「司令、すぐに資料を送ってください。この依頼、俺が引き受けます」

 

『そうか、では高槻政人大尉、半年後より本格稼動する試験部隊、時空管理局遺失物管理課機動六課に出向を命ずる』

 

 ここから1人の傷つき過ぎた青年と優しき魔道士たちの物語が始まった。




 次回から彼女たちが登場します。
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