魔法少女リリカルなのはStrikers~二つの翼を持つもの~   作:ジェナス

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 前回、次は彼女との本格的な再会と言いましたが、また説明回です。すみません




再会と過去

 ノスフェラトの説明が終わりカーテンを開き、プロジェクタの電源を切った政人ははやて達から彼が渡した端末を受け取った。

 

「ところで、高槻大尉」

 

「なんでしょうか?」

 

 説明を終え、烈風をコンソールから抜き取り自身の首にかけようとしていた政人にはやては声をかけた。

 

「高槻大尉は私達と同い年なんやろ?」

 

「ええ、まぁそうですね」

 

「なら、なるべくで構わへんから敬語はなしにしてくれへんか?」

 

 はやての提案に政人は首を傾げたが少し考えた後、納得がいったようで静かに頷いた。

 

「わかった。だが、公の場では敬語で行かせてもらうぞ」

 

 ノスフェラトの説明をした時とは違い一気にフランクな態度になった政人ははやて達、3人に向かい合うように座った。

 

「ありがとな。やっぱ同部隊の同い年の人間から敬語なのはちょっと気恥ずかしくてな。フェイトちゃんもそうやろ?」

 

「うん、最近は慣れてきたけど、やっぱ公の場以外では同い年の人には階級を意識しないで話しかけてほしいな」

 

「一人の軍人としてはそんなんじゃ駄目だと思うが、俺もまったくの同感だからな。それに何より堅苦しいのは嫌いだ」

 

 自身も若いうちから大尉として同い年から敬語を使われるむず痒さを知っている政人は苦笑いではやてとフェイトの言葉を受け流した。

 

「さて、約一名ほど俺がどうしてアーリアセキュリティ社にいるのか知りたい人がいるみたいだからそこを説明しましょうか」

 

 そんな中、ノスフェラトの説明中からずっと俯いていたなのはに目を向けて政人は静かに自身の過去を話し始めた。

 

「さて、改めて自己紹介をさせてもらうとしますか。俺は高槻政人。地球出身でそこで俺と目を合わそうともしてくれない高町なのはの幼馴染だ。っていい加減顔を上げてくれないか? なのは」

 

「だ、だっていきなりの再会でどんな顔していいのか分からないんだもん」

 

 政人に声をかけられたなのはは顔を少し紅くしながら叫んだ。その際、隣に座っているフェイトとはやてが目を点にしている事に気がつき、顔を真っ赤にして再び顔を俯かせてしまった。

 

「まぁ、俺となのはの出会いは小学校に上がる前だ。まぁその時の事はまた今度なのはにでも直接聞きな」

 

「ええ、教えてくれてもええやん。フェイトちゃんも知りたいやろ?」

 

「う、うん」

 

 テンションがあがりまくっているはやてに少し引きながらも、いつもと違う様子のなのはを目の当たりにしたフェイトは政人となのはの過去に興味津々の様子だった。

 

「やだ。恥ずかしいからな」

 

「い、一体どんな出会いだったやろうか。それならこの場で直接なのはちゃんに聞こうか?」

 

「わ、私も恥ずかしいよ」

 

「まぁ、まぁ、その話はまた今度にして、俺がなのはと別れたのは小学校2年の2月だったかな」

 

 顔を真っ赤にして再び俯いてしまったなのはを微笑ましく思いながらもコレでは話が進まないと判断し、政人は少しだけなのはとの出会いの事を打ち明ける事にした。

 

「って事はなのはちゃんが魔法に出会う直前?」

 

「ああ、ちょうどテスタロッサとは入れ違いになったわけだな。まぁその時にコッチに来たんだけどな」

 

 政人の説明になのは達3人は首を傾けた。

 

「でもなんで?」

 

「なのはは知っていただろうけど、俺の親父は航空自衛隊の戦闘機パイロットだったんだ」

 

「うん、確かすごく腕の良いパイロットだったんだっけ」

 

「ああ、それでもちょっと健康面で航空自衛隊の戦闘機パイロットの規定に引っかかってな。自衛隊を辞めて民間の航空会社に就職しようかと考えていたらしいんだけど。俺の母さんがまさかの元管理局の魔導師だったらしくてな」

 

「「「ええ!」」」

 

 政人から伝えられた事実になのはだけではなくフェイトやはやても驚いた。

 

「ああ、なんか初代《管理局の白い悪魔》って呼ばれていたらしい」

 

「初代」

 

「管理局の白い悪魔」

 

「はやてちゃん、フェイトちゃん。何でこっちを向くのかな? かな?」

 

 政人の言葉にフェイトとはやての2人がそろってなのはの顔を見た事に気がついたなのはがレイジングハートを起動させて笑顔で詰め寄った。

 

「なのは、O.....デバイスをしまってくれるか」

 

「うう~だって~」

 

「気持ちは分かるが今は話を進めなきゃいかんだろ? O......その件についてはまた後でやっとけ」

 

「はぁ~い」

 

「な、なんや。このザ・ワールド的な2人の世界は」

 

「ま、まるで仲の良い兄妹だよね」

 

 なのはと政人のやり取りを見て、はやてとフェイトの2人は冷や汗を流していることを誤魔化すように言葉を漏らした。

 

「さて、再び話を戻すと。先代のA-01の司令が母さんをスカウトに来てな、丁度戦闘機パイロットと魔導師を探していたらしくてそのスカウトを受けたんだ。こっちの医療技術なら健康面もクリア出来たみたいだし、そんな2人に俺も付いて行ったってわけ」

 

「でも、何でまたエリスさんを?」

 

「先代の司令が母さんの局員時代の上司だったみたいでな、その伝を頼ってスカウトに来たらしい」

 

「ちょっとまって、エリスさんって」

 

 なのはから出た、政人の母親の名前《エリス》を聞いてはやてが話を止めた。

 

「もしかして、エリス・ホームズ一等空佐の事か?」

 

「ああ、八神の言うとおりだ。まぁ、今は高槻・H・エリスだけどな。母さんも局員時代にはいろいろと伝説残しているらしい。まぁ、なのはは気づいていると思ったんだが、違ったみたいだな」

 

「まさか、エリスさんが伝説の航空魔導師だったなんて。しかも私の大先輩だよ。同じ名前だなって思ったけど偶然だと思ってたよ」

 

 政人の母親が局の歴史に残る魔導師だと知り、3人はため息をついた。なのはに至っては自分が所属する航空武装隊の大先輩であることを知り、3人の中で一番深くため息を付いた。

 

「まぁ、母さんのことは置いておいて。コッチに来てから直ぐ、俺にも高ランクの魔力があるのが分かってな。それで俺も空戦魔導師学校を卒業して捜査官志望だったから一時期は局の陸戦部隊にもいたんだ」

 

「でも、なんでそれからアーリア社に?」

 

「......地球に住んでいた頃からの夢でな。やっぱ戦闘機パイロットになりたくてアーリア社に入ったんだ。丁度戦闘機パイロット候補生を募集してたからな」

 

「そうなんや」

 

「やっぱ男性って戦闘機とかに憧れるのかな?」

 

{政人君、もしかしてごまかした?}

 

 政人の説明にはやてとフェイトは納得した様子だったがなのはだけが何処か違和感を感じていた。

 

「そういえば、この部隊にはナカジマ三佐の娘さんがいるんだったな」

 

 すると政人はこれ以上はなしたくないといわんばかりに急激に話を変えた。

 

「そやで。ナカジマ三佐とは知り合いなん?」

 

「ああ、俺が所属していた部隊にナカジマ三佐の奥さんがいてな。娘さんたちとも年齢が近かったから何回か食事に誘われたことがあったんだよ。まぁ、最近は仕事でですらあまり顔を合わせてないけどな」

 

「あはは、本当にこの部隊って身内と言うか互いに知り合いが多いね」

 

「まぁ、そうなるように努力したんやけど、まさかこうなるとは」

 

「確かにね。ちょっと怖いかも」

 

 改めて六課がどれだけ自分の身内で固められているかを認識した3人は冷や汗を流すと同時に今日何度目か分からない苦笑いを浮かべた。

 

「さて、説明も一段落したし着替えたいんだけど良いか?」

 

「ええで、更衣室の場所は分かるか?」

 

「ああ、ハンガーから来る途中で見つけたから大丈夫だ」

 

「そか、それならこれが高槻君の隊舎の部屋の鍵や。明日は0800時から朝礼やで遅れずに出てや」

 

「了解。それじゃ失礼する」

 

 政人は鍵をはやてから受け取ると敬礼をして待機室の出口に向かった。だが出口の直前で3人に振り返った。

 

「あ、八神もテスタロッサも生き残れよ」

 

「「へ?」」

 

 政人の言葉をいまいち理解できなかった2人は首を傾けるが、隣からもれてきた殺気を感じ漸く政人の言葉を理解して大量の冷や汗を流し始めた。

 

「なのは、明日に響かない程度にほどほどにな」

 

「は~い☆」

 

 待機室から出て行く政人をなのはは笑顔で手を振りながら政人の注意に返事をすると。はやて達に向き直った。

 

「な、なのはちゃん? す、少し落ち着こうな?」

 

「ぼ、暴力では何も解決しないよ?」

 

「うん、分かってるし、十分に落ち着いてるよ。だからさ? 2人とも、少し、O☆HA☆NA☆SHIしようか?」

 

「ちょ、それまだはy」

 

「な、なのはそれはおh」

 

 その後、待機室からしばらくの間、悲鳴が地下格納庫から途絶えることは無かった。




 次回は模擬戦かな?
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