戦姫予測シンフォギア 〜未来へのREAL×EYEZ〜 作:絆蛙
圧倒的サブタイトルの下手くそさ。ネーミングセンスない人間が上手いタイトルを思いつくわけないだろ!
えー、ハーメルンで好きな仮面ライダーの小説の人に触発されたのか、モチベが上がってリバイス(新ライダー)始まるまでには一期を終了近くまでいきたい! ということで書けたので投稿します。
最初から見直して思ったのですけど、最初はお気に入りしてくれた人50人とかでクソ喜んでたなぁって。今でも一人でも増えたら嬉しいのですが。ただここまで増えちゃうと減っては増えてはしちゃうんですよねぇ。
さて、長々話してもあれなんで、本編どうぞ。もっとお気に入り登録や感想や高評価(8以上)してくれてもええんやでというかお願いしまああぁす!ランキング入りたいゾ・・・高評価+評価の数で決まるらしい(?)←投稿歴一年半なのにまだ分かってない蛙
どことも知れない場所にある屋敷。屋敷の主であるフィーネは何処かに電話で会話をしていた。
そこに吹き飛ばす勢いで扉が開かれ、クリスと後ろの方に迅が居た。
「アタシらが用済みってなんだよ!? もう要らないってことかよッ! あんたも物のように扱うのかよッ!?」
否定して欲しいという想いを込められた叫び。
そんなクリスを心配を含んだ表情で見ながら、迅も聞きたいのかフィーネに視線を送っていた。
フィーネは鬱陶しそうにため息を吐いて電話を切ると椅子から立ち上がる。
「どうして誰も私の思い通りに動いてくれないのかしら」
言うと同時に、フィーネが手にした杖のようなものから緑色の光が発射される。
それが床に着弾すると、ノイズとなりクリスたちの前に現れた。
その行動がフィーネの意思---つまり捨てられたのだと理解する。
クリスは目の前に召喚されたノイズを見てペンダントに触れるが、聖詠を紡がない。
しかし迅がクリスを後ろにし、プログライズキーを取り出していつでも使えるようにする。
「フィーネ、どういうことだ!? 僕たちはずっとあんたの言うことに従ってきたはずだ!」
「・・・流石に潮時ね」
「なんだって・・・!?」
フィーネの言葉を聞いた迅は、怒りを抑えるように拳を握りながら、フィーネを睨みつける。
「あなた達のやり方じゃ、争いを無くすことなんて出来やしないわ。せいぜい一つ潰して、新たな火種を二つ三つばら撒くことぐらいかしら?」
「ッ・・・あんたが言ったんじゃないか!? 痛みもギアもあんたがアタシにくれたものだけが・・・!」
「与えられた力と私が与えたシンフォギアを纏いながらも毛ほども役に立たないなんて・・・そろそろ幕を引きましょう」
クリスの言葉を遮るように、フィーネの手のひらに青い光が集まっていく。それが徐々に形になっていった。
「私もこの鎧も不滅。未来は無限に続いていくのよ」
「・・・! ネフシュタンの鎧・・・!?」
「クリスが纏っていたものと同じ!? でも、色が違う・・・?」
フィーネが纏っていたものは、クリスの身につけていた完全聖遺物の『ネフシュタンの鎧』だ。
しかし迅の言う通りクリスが白銀だったのに対し、フィーネのそれは黄金に輝いている。
「『カ・ディンギル』は完成しているも同然・・・。もうあなたたちは必要ないわ」
「カ・ディンギル・・・?」
「あなたたちは知りすぎたわ」
クリスが知らない単語に疑問を浮かべる中、フィーネが杖を向けた。
同時に迅はプログライズキーを起動と同時にすぐさまレバーを引いた。
『フライングファルコン!』
『Break Down・・・』
「させるかッ! クリス、一旦退こう!」
翼を広げた迅が羽を発射し、周囲のノイズを消し飛ばす。
しかし次々とフィーネがノイズを召喚するせいか、処理しきれず、フィーネの元に向かって妨害することすら許されない。
クリスは迅とフィーネを見て逡巡とするが、歯を噛み締めると迅の言葉に従うように迅が倒し切れず、襲ってきたノイズを躱して屋敷のバルコニーへと転がり出る。
その時振り向いたクリスが見たのは、まるで邪魔な虫けらでも潰すかのような嗜虐的な笑みを浮かべるフィーネだった。
「っ・・・ちくしょう! 迅!」
「分かってるよ! こんの!」
既にだだっ広い部屋全体を埋めるかのように存在するノイズを自身の道だけ開けると、翼を広げてクリスを抱えて空に飛び出す。
フィーネは無言でノイズに追うように指示をし、鳥型のノイズに至っては他のノイズよりも先に追うように空を飛んで行った。
それを見届けたフィーネはふと気配を感じ取り、ネフシュタンの鞭を二つ背後に放つ。
凄まじい速度で向かったはずの二つの鞭は、左右で責めたにも関わらず両手ではなく
「無意味だ」
「・・・貴様か」
現れたのは、アークゼロ。
フィーネは面倒な相手を見たような視線でアークゼロを見つめる。
「カ・ディンギル・・・月を穿つため、か。おすすめはしない」
「・・・何処でそれを知った?」
アークゼロに対し、カ・ディンギルのことは一切教えてなかったはず。それなのに当てて見せたアークゼロにフィーネは警戒しながら怪訝そうに見つめる。
「貴様の思考など、読むことは容易い。警告はした---それでもするなら、好きにすればいい」
「・・・ふん。私の目的は変わらない」
「そうか。だったら---さっきの二人に何をしようが、構わないだろう」
「処分したければ、勝手にしたらいいだろう。ただし、私の邪魔をしなければな」
無機質な視線からは何も感じ取れないが、アークゼロは言質を取ると二人が逃げていった先を見つめる。
「邪魔をするつもりはない。ただ人間を舐めない方がいいと警告はしておこう」
「人間風情に私が負けるはずがない。誰であろうが、何人たりとも私の邪魔はさせるものかッ!」
フィーネの言葉に一切興味が無さそうに反応しなくなったアークゼロは、そのまま飛んでいった。
その後ろ姿を見ながらフィーネは苛立ちを募らせながら姿が消えるまで憎々しげにアークゼロを見つめる。
(間違いなく、全力で放った攻撃。奴は軽々と私の攻撃を受け止めてみせた。未だに見えてこないが、奴は一体何者だ?)
フィーネは不意で放ったはずの完全聖遺物の攻撃にすらあっさりと対応して見せたアークゼロを思い出して舌打ちすると、考えることをやめて目的に集中することにした。
邪魔をしないのなら、どうでもいい存在だと思いながら---。
◆◆
「はぁ・・・はぁ・・・!」
一人の少女が、暗く雨の降る中走っていた。
少女の背中には自身の身長を超える男性を背負っており、男性は気を失っているようだ。
少女は落とさないように抱えながら人目のない路地を走って逃げる。
そんな少女の後ろを追うのは、ノイズ。
逃げている少女は雪音クリスであり、背中に背負っている人物は迅。
数時間前にフィーネから逃げ出した二人である。
迅が気を失っているのは、屋敷を覆い尽くすほど以上のノイズと戦ったせいだろう。いくら仮面ライダーの力があれど、体力というものはあるのだから。
「うわっ!?」
しかしそれはクリスも同じだった。ほとんどのノイズは近距離で戦う迅が引き付けて戦っていたが、いくらイチイバルを纏っていたとしても逃げる際に疲労で倒れた迅を抱えてここまで来た。
そのせいかクリスは足が縺れて地面に倒れてしまう。
迅もクリスが倒れた影響で離れた箇所に落ちるが、意識を取り戻す様子がない。
「くそっ・・・!」
体力の限界と、消えかける意識。
倒れたまま体を動かして迅の傍に行くが、背後にはノイズが追いかけてきてるのが見える。
クリスは拳を強く握り締めると、迅を見つめた。
「ここまで付き合わせて、悪かったな。せめてこいつらだけでも道連れにしてやる・・・ッ!」
拳を強く握り締めたことで消える意識を無理矢理保っていると、体だけ起こして一矢報いるために迫ってくるノイズを睨みつけた。
そしてノイズはクリスたちに向かって跳躍し---
クリスの目の前で、ノイズが炭化した。
「は・・・?」
突然の出来事に唖然とするが、何が起こったのかどうであれ、一番警戒しなければならなかったノイズが居なくなり命の危機が去ったからか、緊張の糸が途切れてしまう。
張り詰めていたモノがなくなり、クリスの意識は薄れ---意識が消える前、
◆◆
「まったく・・・面倒を掛けさせる」
オレがアークゼロになってノイズを炭化させるとクリスたちの傍に着地し、見下ろす。
クリスはギアが解除されて赤いドレスの格好になっており、迅はスーツ姿になっている。ギアを纏う前と変身する前の格好に戻っているということだ。
オレは二人の意識が無くなってることを確認すると、変身を解除する。そして上空に手を翳して雨を防ぐと、二人を見下ろしたまま悩んだ。
このまま放置してしまうのもいいが、風邪を引かれても困る。だがオレが保護したところで意味がないし、来た目的すら意味が無くなる。
雨くらいなら今みたいに雨を防げばいいが、何時までも居る訳にも行かない。
となれば、誰かに保護して貰うしかないか・・・。とりあえずオレたちに関する重要な記憶だけは完全に消させてもらおう。
「少しでも不確定要素は消さないとな」
二人の頭に手を翳して、重要な部分と繋がるところだけを消す。
わざわざ繋がる部分も消すのは違和感を持たれたら面倒なことになるのは想像に容易いし怪しまれる可能性もあるからだ。
まあ、アークゼロの姿は世間にバレているからそこは問題ない。
記憶について解決すると、再び空に手を翳して雨を防ぎながら悩む。
とりあえず替えの服は必要だろう、と予め持ってきた鞄を本人の傍に置いておく---といってもスーツを掻っ攫ってきたから迅の方しかないが。
そして一番はどう彼女たちを預けるか、だ。二課に直接渡す訳には行かないし、知らない奴らに持っていかれたらダメだ。特に人気のない場所なのもあって変なやつがいるかもしれない。それに責任は取れないし取りたくもない。
「装者に死なれても困るしなぁ・・・」
はぁ、とため息を吐くとオレはフードを深く被りながら路地から顔を出して---全然人が居なかった。
雨の日だからか、外出してる人が全然居ない。だけど視線の先にピンクの傘を持った学生が見えた。
彼女で良いか、と適当に決めたオレは、外からはみ出ないギリギリにクリスと迅を座らせる。
『キャロル。ちょっといいか?』
『・・・なんだ?』
白いリボンを付けた少女が来る前に、キャロルに貰った連絡手段を使って連絡する。
なんだか不機嫌そうな声だ。これが終わったらシャトーに行くか。
『女性の服ってどうすればいい?』
『・・・・・・は?』
困惑と殺意が籠ってそうな声音にオレは少し真剣だった。
いくらオレでも、女性の服はまったく分からない。でも濡れたままだと風邪を引かれて戦いに影響が出ると面倒だ。所詮装者はギアがなければただの少女だからな。
アズやセレナでは頼んでも一瞬で持ってくることは出来ないだろうから相談してみたのだが---
『・・・・・・』
『キャロル?』
『知らん』
容赦なく切られてしまった。
・・・相談相手を間違えたのかもしれない。こういうのは、どっちかというとガリィが得意そうだし。
「仕方がない。彼女に任せるか」
歩いてきてる学生が近くに来たのが見えると、即座に屋根に跳んで着地する。
そして鈴を落とすと、チャリンといった音が鳴る。
突然聞こえた音に傘を持った学生が反応し、クリスたちに近寄ったのを見ると、オレは役目を終えたと言わんばかりにテレポートジェムを叩きつけた---
そしてシャトーに戻ると、キャロルに怒られた。
・・・埋め合わせをしなければならない。
◆◆
何処かの家と思われる室内で、クリスは目が覚めた。
知らない天井なのを確認したからか、クリスは目を開いて即座に体を起き上がらせる。
しかし頭が痛いのか、片手で抑えていた。
「あ、クリス。起きたんだ・・・良かった」
「・・・迅? ここは?」
近くにいた存在に気づくと、自身がよく知る人物だったので安堵の息を吐いたクリスは迅に何処か聞く。
「分からない。でも僕たちを助けてくれた子が言うには、お好み焼き屋の二階らしい」
「・・・そうか。路地に逃げたあとの記憶が無いのは意識を失ったからか・・・ノイズを倒した後にアタシも気絶したみたいだ」
あ、その子は一般人だよと付け足すように状況を説明してくれる迅の言葉を聞くと、頭痛が収まった後にクリスは倒れる前の記憶を思い出したかのように呟く。
そんな時、何処かの学校の制服を着て白いリボンを付けてる黒髪の少女と中年の女性がやってきた。
「お友達の具合はどう?」
「えっと・・・さっき目を覚ました---ました。ありがとうございます」
中年の女性に聞かれた迅はいつも通り喋りそうになって慌てて敬語を使うと、中年の女性は気にしてないと言わんばかりに笑った。
「気にしないでいいんだよ。あ、二人のお洋服、洗濯しておいたから」
「て、手伝う---います。ごめん。クリスのこと任せていいかな?」
「あ・・・はい。大丈夫です」
クリスが会話に入っていない間に進み、迅は中年の女性の手伝いに行った。
残されたのは黒髪の少女とクリスだが、自分に気遣って手伝いに行ったのだとクリスは気づいた。
「じゃあ、体を拭くから」
「あ、あぁ・・・ありがとう」
融合症例ならともかく一般人ともなるとクリスは何もしない。
そのため、黒髪の少女に従うように背中を向けて体を拭かれる。
クリスの背中などには痣などがあるのだが、黒髪の少女は何も言わなかった。
「何も聞かないんだな」
「うん、話したくないことなら聞かないよ」
「・・・」
黒髪の少女の言葉に、クリスは黙り込む。
暫くすると拭き終わり、返してもらった赤いドレスの服をクリスは着て先程まで着ていた体操着を黒髪の少女に返す。
迅は黒髪の少女に任せることにしたのか、襖の先にいて待っている。
「・・・・・・あのさ。地球の裏側でパパとママを殺されたアタシはずっと一人で生きてきたんだ」
無言が室内を占める中、クリスは立ったまま少し迷う様子を見せ、ポツポツと自分自身のことを自ら語り始めた。
「ずっと友達はいなかった。そこにいる迅は、唯一信頼出来るあたしの仲間だ。でも迅が来るまでアタシは一人だった。たった一人、ソイツ以外にも理解してくれると思った人もアタシを道具のように扱うばかりだった・・・。大人はどいつもこいつもクズ揃いだ。痛いといっても聞いてくれなかった。やめてと言ってもやめてくれなかった。アタシの話なんて、これっぽちも聞いてくれなかったッ!」
自身のことを語っていく内に過去の記憶を思い出したのか、クリスは誰にでもなく怒りをぶちまける。
しかし後ろにいる黒髪の少女は怒りをぶちまけたクリスを気にした様子はなく、立ち上がって近づいていく。
「ねぇ、えっと---」
「クリス。雪音クリスだ」
命の恩人でもあり、負い目もあるからかクリスは名前名乗ってないことに気づくと、黒髪の少女に名乗る。
「私は小日向未来。もしもクリスが良いなら、私はクリスと友達になりたい」
「・・・何故だ?」
クリスが右手に暖かな感触を感じて視線を移すと、黒髪の少女---未来が両手で包み込んできた。
突然友達になりたいと言ってきた未来にクリスは疑問が口から出てしまうが、未来の表情は真剣だった。
「私ね、昔大切な人が居たんだ」
「・・・今は、居ないのか?」
突然語り始めた未来に神妙な顔つきでクリスが聞く。
すると未来は悲しそうな、寂しそうな表情で頷く。
「その人は、ずっと私ともう一人の子を守るために傷ついてたの。私は何もすることが出来なかった。力になりたかったのに、何かをする勇気がなかったんだと思う。その人はね、いつもボロボロだったの。怪我はしてるし酷い時には重傷と言えるくらいだった。味方してくれた人は・・・指で数えれる程度だった。むしろ、大人も同い年の子もみんなが彼を傷つけてたんだ。そこはクリスと似てるのかも」
「それは・・・」
「そして結局、その人はある日を境に消えた。今も何処にいるか分からないし生きてるのかも分からない。少なくとも、最後に見た時の姿は傷だらけで酷かった---ずっと後悔してる。なんで力になってあげられなかったんだろうって」
「・・・」
「だからもう何も出来なかった、ということを二度と繰り返したくない。私はクリスの友達になりたい。友達になって、過去を塗り替えられるほどたくさん楽しい思い出を作りたいんだ。少し話しただけだけど、分かるよ。あの迅って人と話す時もそうだったけど、クリスは優しいってこと」
目を逸らさずに真剣に言ってくる未来の姿にクリスは迷いと戸惑いが生まれ---手を振り払うことでしか何も出来なかった。
「・・・アタシはおまえたちに酷いことをしたんだぞ」
「えっ?」
その意味が理解出来ていないのか、首を傾げる未来。
次の瞬間、ノイズの出現を報せる警報が辺りにけたたましく鳴り響く。初めて聞く警報にクリスは戸惑い、迅や中年の女性---店主も一緒に四人は外に出た。
「この音は!?」
「一体なんの騒ぎだよ?」
「何って、ノイズが現れたんだよ! 警戒警報、知らないの?」
我先にとシェルターへ向かう人々や泣き叫ぶ子供。
今までフィーネと居たクリスと迅に知る由もない。同時に、自分たちがやってきた事の罪の深さがどれほど大きいのかを再確認する事となった。
その光景をみて、クリスはギリッと歯を軋ませ、人々とは真逆の方へ走り始めた。
「クリス!?」
「クリスは任せて! その人のこと、お願い!」
「えっ!?」
クリスの後を追うように迅も走り出し、未来は昨日の出来事を一瞬だけ思い出すが、すぐに店主のおばちゃんを頼まれたため連れていく。
そして迅が人を避けながら追いかけてる中、クリスが先に商店街を抜けて道路に出る。
「アタシのせいで、関係の無いヤツらまで・・・! アタシがしたかったのはこんなことじゃないのに・・・。いつだってアタシがやることは・・・いつもいつも・・・!!」
息を整える事を忘れて膝をつき、残酷なまでに青い空を見上げて泣いて蹲る。
しかしそんな時間を与えないと言うように、ノイズが現れた。
「アタシはここだ。だから関係の無いヤツらの所まで行くんじゃねぇ!」
立ち上がり、振り向いたクリスに対し、ノイズが紐状となって突撃してくる。
クリスはそれを避けていきながら、イチイバルのペンダントを握り、起動句である聖詠を---
「Killiter---しまった!?」
歌い終わる前に咳き込んでしまう。
雨の日に戦ったのと全力疾走で来たのが原因だろう。体力と酸素が足りずに声が出なかった。
そのせいもあり、我に返ると上空にいるノイズが槍状となって迫ってくる。
---死ぬ。
クリスの脳裏にはその二つの文字が浮かび上がり---
「フンッ!!」
何者かの声が轟いた次の瞬間、アスファルトの地面が迫り上がる。
それが大きな盾となってクリスを護り、アスファルトが砕け散ることで散弾と化す。
倒すことは敵わなくとも、怯ませることには成功していた。
そのクリスを守ったのは、二課の司令である風鳴弦十郎である。
彼はノイズを見据えて構えると、右側から飛んでくるノイズに対してさっきやったのと同じように地面を踏み砕き、アスファルトを盾として使う。
ノイズがそれに拒まれてる間にクリスを抱え、弦十郎はひとっ飛びで屋上まで飛んでみせた。
「大丈夫か?」
何故二課の司令が自分を守ったのか、そもそもどうやって生身でアスファルトを砕いたのか、生身で人を抱えて屋上まで飛べるのか、ノイズの実体化するタイミングに合わせてコンクリートの壁を作るというコンマ単位の誤差も許さない方法で防ぐこの男は何者かと色々と聞きたいことはあったクリスだが、生身の人間にこれ以上守られる訳には行かないと今度こそ聖詠を紡ぐ。
『
イチイバルをその身に纏ったクリスはアームドギアであるクロスボウから矢を発射し、空中にいるノイズを撃ち抜く。
自分たちを追ってきた相手を倒すと、クリスは一度弦十郎を見る。
「こいつらはアタシが相手してやるッ!」
それだけ言い残すと、ガトリング砲に切り替えたクリスは屋上から飛び上がり、弾丸を乱射する。
『BILLION MAIDEN』
「ついてこい、クズどもッ!」
真下にいるノイズをガトリングで殲滅すると、クリスは地上を走る。
その時、空から羽を飛ばして上空のノイズを殲滅している姿をクリスは捉えた。
「ごめん! 遅れた!」
「行くぞ!」
変身した迅が合流すると、二人はノイズとの戦いを始める。
地上から向かってくるノイズを迅が近接で吹き飛ばし、クリスが処理しきれないノイズを撃ち抜く。
クリスに対して空中にいるノイズが突撃してくるが、クリスが避けた先にもノイズ。
迅が翼を広げてクリスを回収し、クリスは地面に突き刺さるノイズに矢を発射して炭化させた。
そして次のノイズへ向かおうとすると---
川の近くなのもあり、地面が石だからか足音が聞こえる。
人の靴が鳴らす音にクリスと迅は驚いて視線を向けた。逃げてない人がまだいるのかと。
「ようやく会うことが出来ました」
「・・・えっ? 亡!? どうして・・・!?」
ノイズの相手をしていた迅はあまりにもの衝撃に、動きが止まってノイズの攻撃を受ける。
ノイズの攻撃に怯みながら反撃するが、視線は亡から外れない。
「今はノイズを殲滅するのが最優先・・・」
すると亡は迅に集中するように視線を送り、迅と同じく右手側にレバーが付いている黒と白銀、黄色のベルトを腰に巻き付けた。
そして哺乳類の絶滅種『ニホンオオカミ』が描かれているホワイトシルバーの
『フォースライザー』
『ジャパニーズウルフ!』
ゼツメライズキーを起動させると左から右に動かし、右手にゼツメライズキーを落とす。
そのまま起動させたゼツメライズキーを展開することなく、ベルトの右側の枠に装填した。
自身の名である『亡』の文字を描くような形だ。
そして警告音のようなものがベルトから発せられる。
「変身」
亡が右手側のレバーを引くと、ゼツメライズキーが強引に開かれることで展開される。
『フォースライズ!』
『ジャパニーズウルフ!』
露出した接続ポートに強制接続されると、亡の体を吹雪のようなエフェクトが包み込み次第に晴れてゆくと、黒のスーツが着用されておりアーマーカラーはホワイトシルバー色の迅に似た仮面ライダー。
迅が翼であるなら、亡は爪。ウルフを思わせる長い爪が特徴的だった。
『Break Down・・・』
変身を完了させると亡は物凄い速度で地面を駆け、バラバラの位置にいるにも関わらずノイズを一気に爪で切り裂いた。
その姿と速さに迅とクリスが驚く。
「迅と同じ仮面ライダー・・・!?」
「速い・・・! それに何処でそれを!?」
「貰い物です。先に殲滅しましょう」
「・・・分かった。色々言いたいことはあるけど、話は後だ。クリスもいい?」
「あ、ああ」
色々と驚くことはあったが、突然飛んできたノイズを見て数が増えたからかクリス、迅、亡の三人は構えた。
商店街の方から飛んできたノイズは明らかに自分たちを狙っている---つまりフィーネの仕業だと理解したクリスと迅は考えるよりも先に殲滅することを選ぶ。
亡も亡で話したいことはあるが、数が増えたノイズに初陣なのもあって集中する。
そして三人によるノイズとの戦いが始まった---
〇小日向未来
やっぱり彼女に深い傷を残してるジャマイカ・・・彼は百合の間に挟まったくせになんてことをするんだ。
〇風鳴弦十郎
我らが代表するOTONA。
シンくんも似たようなことはしてるけど、やはりこの男は化け物かもしれない。
〇亡
ようやく変身したが、弦十郎や二課の者たちは変身出来ることをまだ知らない。
〇フォースライザー、正式名称は滅亡迅雷フォースライザー
何度したか分からない説明だが、本作ではシンくんが本来の滅亡迅雷フォースライザーを人間用に徹夜したり頑張ったりして、なんとか人間でも負荷が最小限になるように作成した。
そのため、本作では人間である迅、亡が持つ滅亡迅雷フォースライザーはゼロワン本編よりも負荷がないというオリジナル要素。
セレナァァアアアアアァアァ!!(大人セレナだとアルトくんの歳上になっちゃうので少女版)生存させるか
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生存させろ
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(しなくて)いいです
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アークの意志のままに・・・
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アークワンはよ
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(いっそヒロインにしても)ええんやで