戦姫予測シンフォギア 〜未来へのREAL×EYEZ〜   作:絆蛙

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リバイスドライバー届いたんですけどアレやばいですわ。回転ギミックが楽しすぎて壊しそう。リバイスドライバー! と流れないのに寂しさを感じるのは・・・多分あれだな、発光だけで音が鳴らないからなんでしょうね。バイスタンプは意外と大きくて、それでもベルトとか楽しいのでこれは期待出来そうですわ。
そして三日目です。アンケートなんですけど、みんなアークワン好きすぎでは? 安心してください、作者の脳内では二期で出てます(ネタバレ)






第二十話 月を穿つ

 

 

装者が街に出てノイズを対処している間に、リディアンはノイズの襲撃を受けていた。

そのノイズに自衛隊が対応しているが、通常兵器ではノイズに一切効かないどころか干渉自体出来ないため、ただ無駄に弾を消費する事しかできない。偶然倒すことも出来ない訳では無いが、まぐれと言えるほどの確率。

そんな時、彼らの耳には機械から発せられた音声のようなものが聞こえた。

 

コブラ!ライダーシステム!』『エボリューション!』

 

フォースライズ!

 

『Are You Ready?』

 

二つの影が自衛隊たちを突っ切り、ノイズに走っていく姿を捉える。

その姿を見た自衛隊の部隊長らしき者はすぐさま避難の誘導へと切り替える。

 

「変身!」

 

「変身・・・!」

 

ジャパニーズウルフ!

 

Break Down・・・

 

エボルコブラ!フッハッハッハッハッハッハ!』

 

それぞれのベルトの操作を行うと、二つの影は姿を変える。

異形をも倒す力を持ち、人々を守り、時にぶつかり合う正義と悪。表裏一体を象徴する仮面の戦士へと。

ノイズの目の前で変身を完了させた二人---仮面ライダーエボルと仮面ライダー亡は腕を突き出すことでノイズを炭化させる。

ノイズが認識した瞬間、大量のノイズが二人へ襲いかかった。

亡は爪で、エボルは空手徒拳で対処していく。

 

「まさかお前も変身出来たとはなァ・・・」

 

「ええ、報告する暇がありませんでしたから。相手にとっても想定外でしょう」

 

「だったら、さっさと倒しますかねェ」

 

倒したはずなのに、次々と湧いてくるノイズの濁流。

面倒臭そうに腕を回したエボルは足に力を込め、高速移動を行う。

それを見た亡も同じく凄まじい速度で地上を駆け、ノイズの殲滅へと踊り出すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

---突然のノイズの襲来に、混乱するリディアンの生徒たち。ノイズの被害は世界規模で警戒されており、シェルターの作成やら避難訓練など国家は怠らず実施していた。

当然リディアンの生徒たちも避難訓練に参加している。それでも自分たちにノイズの脅威が迫ってくるなど露にも思わなかったのだろう。

 

「落ち着いて、シェルターに避難してください!」

 

そんな中、自衛隊員共に冷静に避難を促す小日向未来の存在は避難する同じリディアンの生徒たちに一定の冷静を与えていた。

もし彼女がいなかったら、混乱が起きていたかもしれない。

 

「落ち着いてね・・・」

 

「ヒナ・・・」

 

避難誘導を自衛隊員に任せつつ、生徒たちを宥める未来に話しかけてくる者が三人居た。

黒鉄色のショートカットが特徴的な『安藤(あんどう)創世(くりよ)』。

長い金髪が特徴的なお嬢様の『寺島(てらしま)詩織(しおり)』。

そして髪の毛をツインテールにした『板場(いたば)弓美(ゆみ)』。

いつも未来や響と一緒にいる同級生の少女たちだ。

 

「あっ、みんな」

 

「どうなってる訳? 学校が襲われるなんてアニメなんじゃないんだから・・・」

 

アニメを比喩として使う彼女だが、彼女の言葉も最もだ。今まで街に出現したり山などの他の場所で出現することはあったが、学園に出ることなんて一度もなかったのだから。

 

「みんなも早く避難を!」

 

「小日向さんもご一緒に・・・」

 

寺島の言葉に未来は首を横に振る。

 

「先に行ってて。私、他に人が居ないか見てくる!」

 

「ヒナ!」

 

よく特徴的な呼び名を付ける安藤が呼び止めるも、未来は止まることなく行ってしまう。

 

「キミたち!」

 

そこへ避難誘導に当たっていた自衛隊員の一人が走ってくる。

 

「早くシェルターに向かってください! 校舎内にもノイズが---」

 

一瞬の出来事だった。

三人に避難を促すように走りながら話そうとしていた自衛隊員を、窓から突っ込んできたノイズが窓を割りながら自衛隊員を貫いていた。

ガラスの破片が飛び散る中、一秒も経たずして炭素の塊となり、崩れていく。

そして---

 

「---いやぁぁああぁぁぁぁああぁぁ!」

 

目の前で人が死ぬという、誰が見てもショックである光景を見た板場の悲鳴が響き渡った---。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学園の中で、生存者がいないか走り回る未来。

流石に元陸上部故か、その体力はまだ衰えていない。

 

「誰かー! 残ってる人はいませんか・・・・きゃ!?」

 

地面が小さく揺れて、未来は悲鳴を上げる。

窓の外を見てみれば、小型ノイズや大型ノイズが大量にいる。リディアンを破壊するノイズに対抗するように二人の仮面ライダーがノイズを倒しているのだが、数が多すぎて対処出来てなかった。

一応自衛隊も引きつけるように攻撃はしているのだが、相手にはされていない。

そもそもの問題となるが、ここまで大規模となると当然、まともに戦えるのが二人だけの時点で数が足らないのである。仮面ライダーは常人からすれば、常時人外とも言えるほどの力を持つが、ノイズを一瞬で消し去る力までは持たない。

消し去る術があるとすれば、それは()()を出した時が一番当てはまるだろう。

仮面ライダーは常識を逸する力があるが、学園の被害、人々の安全、自衛隊員の無事。様々な要因が重なると全力を出そうにも出せないのだ。仮に出すことが出来るのであれば、()()()()問題なく殲滅出来るだろう。---そこに()()()()()()()()が前提となるが。

 

「酷い・・・。このままだと学校が・・・響の帰る場所も・・・!」

 

自身に力がないことから、未来は目の前の惨状を見ても何も出来ないことに歯痒くなる。

---もし私に力があるなら、守りたいのに。

そのような思いを抱いてしまうが、そんな未来は今自分に出来ることをしようと場を離れようとした---

 

 

 

 

 

 

その時だった。

近くで戦闘があったのか、爆発が起こる。砲弾が近くへ着弾し、爆発の衝撃が未来を襲う。

 

「きゃぁぁぁぁ!」

 

予想せず来た爆発の衝撃に未来の華奢な身体が吹き飛ばされ、そのまま校舎の壁へと叩きつけられてしまう。

一般人である彼女では避けることや打ち消すことなんてことは出来ず、未来は頭を強く打ったのか、気を失う。

そんな彼女の声に気がついたのか、ノイズが獲物を見つけたと言わんばかりに窓から飛び込んできた。

ノイズにやられて終わったのか、それとも避難出来たのか、近くで砲弾が着弾して爆発する音はもう聞こえない。

そう、どちらにしても未来に不幸が降りかかった。

ノイズは倒れている未来を見つけると、にじり寄ってくる。

当然、彼女がすぐに意識を取り戻すなんて奇跡は起きることなく、ノイズは未来に触れ---

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()

そして倒れる未来の体を通り過ぎた()()()()()()()()()()()()がノイズを吹き飛ばし、泥沼からは鋭利な槍のものが形成される。

槍のようなものはノイズを貫き、炭化させられた。

残るノイズが何かに反応すると、倒れている少女ではなく彼女の後ろの存在へ突撃する。

()()()()()()はずのノイズが()()()ように攻撃に向かったのだ。

そのノイズの攻撃に、黒い色のパーカーを着てフードを被る男性は視線を横に向けながらノイズをただ横に振るうだけで吹き飛ばす。

()()()()()()()()吹き飛ばしたのだ。視線は横のまま、戦闘が行われている窓の方へ向けられている。

 

「アークさま。なんか倒れてるけど・・・」

 

「・・・ん?」

 

まだノイズが生きているのに、全く恐怖を感じることもなく普通に日常会話をしているような空気感の中、傍に居た女性が未来の存在に気づいた。

黒いパーカーを着こなし、フードを被っている男性、アークと呼ばれたシンはそれに気づくと傍に寄り、脈を測った。

 

「意識がないだけだな。強く頭を打ったんだろう」

 

「置いてく?」

 

「・・・いや、手遅れならともかく放っておくのは不味い。見た感じここの学生だし、居なくなると面倒なことになりそうだしな。誰かに渡そう」

 

妙に軽く話す二人。そんな時、シンに対してだけノイズが再び突撃してくる。

全く警戒もしてなく、気づいてる様子も無いはずの姿。しかしノイズの攻撃は一切当たることも、掠ることもなく避けられた。

 

「それにしてもフィーネのやつ、何処に行った?」

 

「もしかしたら地下に向かってるかも」

 

「月を穿つためにカ・ディンギルの起動か・・・。まぁそれはどうでもいいが」

 

心底どうでも良さそうに呟くと、倒れていた未来を座らせたシンはフードを深く被ったままノイズを見た。

ノイズは変形し、紐状となって懲りずに突撃する。

そのノイズをシンが鬱陶しそうにアタッシュカリバーを泥沼から大量に生み出すことで炭化させる。

 

「・・・人が来るな。アズ、隠しといた方がいい」

 

「はーい」

 

何かに気づいたようにシンがアズに言うと、彼女は顔を隠すように帽子を取り出して深く被った。

そしてさらっと炭素の塊を動かし、ノイズが居たという証拠を消すシンだった。

 

「まだ人が・・・!? 貴方たち、早く避難を・・・!」

 

急ぐように走ってきたのは、二課のエージェントの忍者である緒川慎次だった。

緒川は避難せず突っ立っているシンとアズに避難するよう促す。

 

「すみません。倒れてる彼女を見つけたので。彼女のことを任せます」

 

シンはすぐさま未来を抱えると、緒川に渡した。

緒川はシンが言った彼女が未来だったということに驚くが、気絶してるだけと分かると安堵の息を吐く。

 

「じゃあシェルターに行くので・・・。シェルターは向こうですよね?」

 

「はい。一番近いのはそちらです。彼女のことは、ありがとうございました」

 

「いえ」

 

ノイズがまだ居るのに、妙に落ち着いてるシンの姿に緒川は僅かに違和感を持つ。

しかし冷静にシェルターの方へ歩いていく姿から、何かと似たような経験があるのだろうと見送り、未来を抱えながらエレベーターがある方向へ走っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・さて、マギアっぽいノイズはどこへ行ったのやら」

 

「実験にラーニングさせてたからかなり強くなってるもんね。街に行ったなら大変なことになっちゃうわ」

 

既に割れている窓から外に出たシンとアズは、ノイズが溢れる外へ探し物を求めて歩いていった。

---実は人類の敵と遭遇していたなど、緒川たちは知る由もない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

「ここは・・・」

 

「目が覚めましたか?」

 

「緒川さん・・・」

 

エレベーターに乗り、降り始めたタイミングで未来が目を覚ます。

緒川が居ることに気づくと、助けられたのだと理解したようで、頭を下げた。

 

「ありがとうございます。ご迷惑をおかけしたみたいで・・・」

 

「いえ、僕も避難者中の方に未来さんを預かっただけですから」

 

事情を説明しつつ緒川は通信機器を取り出して本部へと連絡を取ろうとしていた。

 

「その方は・・・?」

 

「シェルターに向かいましたよ。ですが、フードを被っていたので顔は見えませんでした。分かるのは・・・男性だということと、女性を連れていたことしか」

 

「そうですか・・・。お礼を言えないのが残念ですけど、無事で居ますように・・・」

 

願うように呟く未来の姿を横目で見つつ、連絡が繋がったと分かると緒川は司令である風鳴弦十郎と会話をする、

 

『はい、リディアンの破壊は依然拡大中です。ですが、未来さんたちのお陰で被害は最小限に抑えられています。これから未来さんを、シェルターに案内します』

 

外では二人の仮面ライダーが活動してるのもあって、自衛隊の被害も少ないだろう。

なにより、生徒の犠牲という最悪の展開は避けられたと思われる。

 

『分かった。気をつけろよ』

 

『それよりも司令。カ・ディンギルの正体が判明しました。物証はありませんが、カ・ディンギルとはおそらく---ッ!?』

 

弦十郎へ報告しようとしていた緒川だったが、エレベーターに衝撃が走り、窓にヒビが入ることに気づくと息を飲む。

 

『きゃぁぁあぁぁああ!』

 

「ぐっ!?」

 

未来の悲鳴と共に通信機器が破壊され、エレベーターの天井を破壊して侵入してきた何者かに緒川はエレベーターの入口に押し付けられ、首を絞められる。

 

「こうも早く悟られるとは、何がきっかけだ?」

 

それを行った犯人は、フィーネだった。

黄金色の鎧---ネフシュタンをその身に纏い、完全聖遺物の力を持ってして天井を破壊したのだろう。

 

「っ・・・塔なんて目立つものを、誰にも知られる事なく建造するには、地下へと伸ばすしかありません・・・。そんな事が行われているとすれば・・・特異災害対策機動部二課本部・・・そのエレベーターシャフトこそ、カ・ディンギル・・・・そして、それを可能とするのは---」

 

「漏洩した情報を逆手に、上手くいなせたと思っていたのだが・・・」

 

上では、人々ですら気づく。

しかし下ならば? 誰にも悟られることなく、誰にも気づかれることなく建造することが可能となる。

そしてエレベーターが最下層に着いた時の音ともに緒川の背後の扉が開き、緒川は拘束を解く。

その瞬間、身軽な動きで距離を取って飛び上がると同時に脇のホルスターから拳銃を抜き出して発砲。その数、三発。

それら全てがフィーネに直撃するが、突き刺さった弾丸がまるで削り取られたかのように落ちていき、一方のフィーネの体には傷一つついていなかった。

 

「ネフシュタン・・・!?」

 

返答の代わりか、フィーネはネフシュタンの肩にある刃の鞭を操る。

ネフシュタンの鞭は緒川を一瞬で拘束し、空中で持ち上げた。

 

「ぐぁぁあぁあ!?」

 

「緒川さん!」

 

空中で身動きが取れないように締め上げられ、絶叫する緒川。

 

「ぐぅ・・・あぁ・・・・未来・・・さん・・・逃げ・・・て・・・」

 

今自分が危ない状況であるのに、他人を逃げるように促す緒川。

しかし未来はそのまま棒立ち---せずに、フィーネに体当たりをかました。

だが、あまり効果がないのかほんの僅かに体が揺れただけで、ぶつかってきた未来にフィーネは肩越しに視線を向けた。

 

「ひっ・・・」

 

向けられた目線に思わず未来は後退る。

フィーネは緒川の拘束を外すと未来と向き合い、彼女の顎に手を当てる。

 

「麗しいな。お前たちを利用してきた者たちを守ろうというのか?」

 

「利用・・・?」

 

「何故二課本部がリディアンの地下にあるのか。聖遺物に関する歌や音楽のデータを、お前たち被験者から集めていたのだ。その点、風鳴翼という偶像は、生徒を集めるのによく役立ったよ」

 

意味が分からないという未来に対し、フィーネは語ると嘲笑って振り返ってから離れていく。

 

「---嘘を吐いても、本当のことを言えなくても、どれだけ悩んで背追い込もうとも、誰かの命を守るために自分の命を危険に晒している人たちが居ます! 私はその人たちを・・・そんな人たちを信じてる!」

 

フィーネの後ろ姿を見ていた未来から発せられた啖呵。

女性で、なんの力も持たない一般人である彼女がちっぽけな勇気振りかざして反論していた。

 

「---ッ!」

 

それが癪に障ったのか、フィーネは未来の頬に一発平手打ちをすると、すかさずその胸倉を掴んでもう一度引っ叩いた。

未来はそのまま崩れ落ちる。

 

「まるで興が冷める・・・!」

 

忌々し気に呟いたフィーネは、そのままデュランダルが保管されている場所へ向かう。

どこで手に入れたのか二課の通信機を取り出し、認証パネルにかざそうとした寸前でどこからか飛んできた弾丸によって通信機が破壊される。

 

「デュランダルの元にはいかせません・・・!」

 

振り返れば、そこには拳銃を構える緒川の姿があった。

 

「この命に代えてもです!」

 

銃を投げ捨てて格闘戦を挑もうとする緒川。

しかしフィーネはまるで冷めた目で緒川を見据え、ネフシュタンの鞭の刃を振るおうとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「---待ちな、()()

 

どこからとも無く聞こえてきた声。

すぐに突如として天井が粉砕され、瓦礫と共に何かが落ちてきた。その際に大量の土煙が発生し、そこから現れたのは---

 

 

 

 

 

「---私をまだ、その名で呼ぶか」

 

「女に手を挙げるのは気が引けるが、二人に手を出せば、お前をぶっ倒す!」

 

---特異災害対策機動部二課の司令、風鳴弦十郎だった。

かなりの硬い筈の鋼鉄の壁をぶち抜いてここまでやってきたのだろう。

 

「司令・・・」

 

人間業と思えない移動法に、緒川はともかく未来は茫然としていた。

むしろ一般人なら茫然としない方がおかしいのかもしれない。

 

「お前の正体や行動にはとっくに行き着いていた。あとは燻り出すため、あえてお前の策に乗り、シンフォギア装者を全員動かしてみせたのさ」

 

「陽動に陽動をぶつけたか。食えない男だ。だが、この私を止められるとでも---」

 

「応とも! 一汗掻いた後で、話を聞かせてもらおうか!」

 

なんの迷いもなく、戸惑いもなく答えて見せる弦十郎。

すかさず地面を蹴り、前に出る弦十郎。その進行を阻止すべく刃の鞭を振るうも弦十郎は速度を殺さずに避けることで当たらず、二撃目は跳躍し天井の出っ張りを掴むことで回避する。

そしてそのまま体を持ち上げて天井に足を付けたと思ったら一気に落下。

そしてそのまま拳を振り下ろしてくる弦十郎にフィーネはギリギリの所で避けるも僅かに掠ったのか鎧にひびが入った。

地面に至っては、砕けている。

 

「なに・・・!?」

 

思わず驚いて距離を取るフィーネ。

鎧はすぐさま修復するが、フィーネは未だ険しい顔で弦十郎を睨む。

 

「肉を削いでくれる!」

 

そしてすかさず刃の鞭を弦十郎に叩きつけようとするも、いとも容易く掴み取られて引っ張られる。

さらに鎧によって重量が増している筈のフィーネを軽々を引っ張り出し、そのままどてっぱらに渾身の一撃を叩き込んだ。

 

「が・・・ぐあ・・・。完全聖遺物を退ける・・・!? どういう事だ・・・!?」

 

弦十郎の背後に落下するフィーネは呻き声をあげる。

フィーネの言葉も最もで、シンフォギアも纏わず、変身もせず、ただの生身の人間でこれなのだ。

仮に変身でもしていれば、この時点でやられているかもしれない。

 

「しらいでか! 飯食って映画見て寝る! 男の鍛錬はソイツだけで充分よ!」

 

「なれど人の身である限りは・・・!」

 

立ち上がったフィーネはすぐさまソロモンの杖を取り出し、ノイズを召喚するために向ける。

 

「させるか!」

 

目的を理解した弦十郎はすかさず床を踏み砕き、飛び散った破片を蹴り飛ばすことでソロモンの杖を弾き飛ばされた。

弾き飛ばされたソロモンの杖は天井へと突き刺さる。

 

「ノイズさえ出てこないのなら---ッ!」

 

すぐさま飛び上がった弦十郎は、拳を握りしめた。

力強く握られた拳が振り下ろされようとする。このまま行けば、フィーネは間違いなく拳が直撃するだろう。

しかし---

 

 

 

 

 

「---弦十郎くん!」

 

「---ッ!?」

 

一瞬だけだが、フィーネの顔が了子のものとなる。それを見た瞬間、弦十郎の動きが完全に止まった。

そして動きが止まった弦十郎は当然隙だらけになってしまい、真っ直ぐ硬化した刃の鞭が、弦十郎の腹を貫いた。

 

「司令・・・!」

 

緒川が思わずと言った感じで声を漏らす中、腹を貫かれた弦十郎はそのまま血を吐いてはまき散らし、地面に倒れる。

 

「いやぁぁぁああぁああああ!!!」

 

未来の叫びが響き渡り、弦十郎の体を中心に血溜まりが広がった。

 

「抗うも、覆せないのが運命(さだめ)なのだ・・・!」

 

フィーネは傍に倒れる弦十郎のポケットから通信機を奪い取り、ソロモンの杖を鞭で回収する。

手に持ったソロモンの杖の鋭利な箇所を弦十郎へ向けるが、何もしない。

 

「殺しはしない。お前たちにそのような救済など施すものか」

 

そう言ってフィーネは振り向くと歩いていき、デュランダルが保管されているアビスへと続く道を開ける。

そしてそのまま、扉の向こうに消えてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

司令部にて装者たちと仮面ライダーの戦いを固唾を飲んで見守る職員たち。

その最中で扉が開いたかと思いきや、ぐったりとした状態で緒川と未来に運ばれる弦十郎がいた。

 

「司令!?」

 

「応急処置をお願いします!」

 

緒川の指示で、すぐに友里が応急処置を行う。

 

「本部内に侵入者です。狙いはデュランダル。敵の正体は---櫻井了子」

 

応急処置をして席を離れてる友里に代わり、緒川がその席に座って端末を操作しながら事のあらましを簡潔に述べる。

 

「な・・・!?」

 

「そんな・・・」

 

本部内に動揺が広がるが、その間も緒川はコンソールを操作して響たちに回線を繋げた。

 

「響さんたちに回線を繋げました」

 

「響? 学校が、リディアンがノイズに襲われてるの! あっ・・・」

 

緒川の言葉を聞いた未来がすぐに呼びかけるが、周囲の照明が落ちて通信が消えてしまう。

 

「なんだ!?」

 

「本部内からのハッキングです!」

 

「こちらかの操作を受け付けません!」

 

あっという間に二課の職員たちが扱う機器が使用不能となっていく。

 

「こんな事・・・了子さんしか・・・」

 

藤尭が信じたくなかったモノに気付かされたようにそう呟く中で、他の職員たちも確信したかのような表情となる。

 

「響・・・・」

 

未来はただ茫然と、その様子を見ている事しか出来なかった---。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

日が沈み、月が完全に昇った頃、響たちはリディアンに到着した。

 

「これは・・・」

 

リディアンの惨状を見て、全員が茫然とする。

それもそうだろう。学園の校舎は崩れ去り、グラウンドは荒れ、破壊された戦車が置き去りにされており、気配は一人もいない。

 

「未来ー! みんなー!」

 

響が呼びかけるも、返事は返って来ない。

響はただその場で膝を着くしか出来なかった。

 

「リディアンが・・・」

 

「あれは・・・了子さん!?」

 

翼が茫然と呟く中、奏が真っ先に見上げた先の校舎の端に一人の女性が立っているのに気付く。

 

「フィーネ!?」

 

「フィーネ・・・お前の仕業か!?」

 

高笑いする了子の姿に、二人だけが全く反応が違うことに気づくと翼が声を上げる。

 

「そうなのか・・・その笑いが答えなのか!? 櫻井女史!」

 

「あれはフィーネの仮の姿だ! 本当の姿を僕たちは知ってる・・・!」

 

迅の言葉と共に、了子が眼鏡を外し、髪を解くと青白い光に包まれる。

そこから現れたのは黄金の鎧、ネフシュタンを身に纏う金髪の女性だった。

了子---否、フィーネはその場に佇む。

 

「・・・嘘ですよね。そんなの嘘ですよね? だって了子さん、私を守ってくれました!」

 

信じられないというように尋ねる響。しかし、そんな響に対して返ってくる言葉は非情な言葉だった。

 

「あれは希少な完全状態の聖遺物であるデュランダルを守っただけのこと」

 

「嘘ですよ。了子さんがフィーネだって言うのなら、じゃあ、本当の了子さんは?」

 

「櫻井了子の肉体は、先だって食い尽くされた・・・いえ、意識は12年前に死んだと言っていい。超先史文明期の巫女『フィーネ』は、遺伝子に己が意識を刻印し、自身の血を引く者がアウフヴァッヘン波形に接触した際、その身にフィーネとしての記憶、能力が再起動する仕組みを施していたのだ。そして十二年前、風鳴翼が偶然引き起こした天羽々斬の覚醒は、同時に実験に立ち会った櫻井了子の内に眠る意識を目覚めさせた。その目覚めし意識こそが、『フィーネ(わたし)』」

 

信じられず否定をし続ける響に、自ら正体を話すフィーネ。

それは、現代科学では不可能な技法だった。一番近いのはクローンか、投影か---どちらにせよ、科学では有り得ない全く別の技術。

 

「あんたが了子さんを塗り潰したわけか・・・!」

 

「まるで過去から蘇る亡霊・・・!」

 

「フフフ・・・フィーネとして覚醒したのは私一人ではない。歴史に記される偉人、英雄。世界中に散らばた私たちはパラダイムシフトと呼ばれる技術の大きな転換期にいつも立ち会ってきた・・・」

 

顔を険しくする奏と翼だが、フィーネは笑みを絶やさない。余裕があるようにただ何も知らないこの場の者に説明するだけ。

 

「シンフォギアシステム・・・!」

 

「そのような玩具、為政者からコストを捻出するための福受品に過ぎぬ」

 

「アタシや迅を拾ったり、アメリカの連中とつるんでいたのも、そいつが理由かよ!?」

 

「そう! 全てはカ・ディンギルの為!」

 

はっきりと利用してきたことを何の悪びれもなく肯定したフィーネが、両腕を広げる。

その瞬間、突如として地面が大きく揺れて地面なら何かが突き破ってくる。それは、巨大な塔。

二課のエレベーターシャフトから見えていた壁画のような飾りが施されており、その巨大さは、まさしく名の意味の通り、天を仰ぐほど程。

 

「これこそが、地より屹立し天にも届く一撃を放つ・・・荷電粒子砲カ・ディンギル!」

 

聳え立つは、星もを穿つ巨大な塔---いや、巨大兵器と言った方がより正確だろう。

 

「これがカ・ディンギル!? これでバラバラになった世界が一つになるって言うのか!? こんなの、絶対におかしい・・・!」

 

「可笑しくはない。今宵の月で穿つことで一つになるということだ」

 

明らかに世界を一つにするものではない兵器のようなもの。

迅の言葉を否定し、月を穿つというスケールの大きいことを言ってのけるフィーネに装者たちが驚く。

 

「月を・・・!?」

 

「穿つと言ったのか・・・!?」

 

「なんでさ!?」

 

「何のために月を!?」

 

装者たちから疑問をぶつけられる中、フィーネの顔が今まで見たこともない見せたことも無い切実な顔に変わった。

 

「・・・私はただ、あの御方と並びたかった・・・。その為に、あの御方へと届く塔を、シリアルの野に建てようとした・・・。だがあのお方は、人の身が同じ高みに至る事を許しはしなかった。あの御方の怒りを買い、雷帝に塔が砕かれたばかりか、人類は交わす言葉まで砕かれる・・・果てしなき罰、バラルの呪詛を掛けられてしまったのだ」

 

まるで恋焦がられる一人の少女のように、切実に語るフィーネ。

それこそが今を生きる人たちが知らぬ真実であり、カ・ディンギル---別名『バベルの塔』の真実なのかもしれない。

 

「月が何故古来より『不和』の象徴と伝えられてきたか・・・それは、月こそがバラルの呪詛の源だからだ! 人類の相互理解を妨げるこの呪いを、月を破壊する事で解いてくれる! そして再び、世界を一つに束ねる・・・!」

 

そう月に向かって手を伸ばし、伸ばした手をフィーネは握り締める。

それと同時に、カ・ディンギルにも変化が訪れる。

突如として光出したかと思えば、やがて稼働するかのような音が鳴り響き、その砲塔の中ではエネルギーが充填されていく。

このままチャージされ、放たれてしまえば月は破壊されるのだろう。

そんな時だった---

 

 

 

 

 

 

 

 

「つまり、貴女を止めれば解決するということですか」

 

「分かりやすくて簡単じゃねぇか。はっきりと条件が分かった方がやりやすい」

 

二人の影が装者たちと迅に合流する。

 

「亡!? 無事だったか・・・!」

 

「亡さん! それにマスターも!」

 

迅と奏が呼びかけ、この場の全員が二人の無事に安堵の息を吐く。しかし奏と翼、響は亡の腰に巻きついているベルトに驚いた。

なぜなら、迅が持つベルトのフォースライザーと同じだったのだから。

そう、合流したのは装者や迅がリディアンに来るまでノイズと戦い、殲滅した後に此方に向かってきた石動惣一と亡。

話のあらましを聞いていたのか、状況を理解しているようだ。

 

「櫻井了子---いえ、フィーネ。貴女のやりたいことは分かりました。ですが、私たちは貴女の行動を認める訳には行きません。何より---貴女の同僚として止めます」

 

「ふん、永遠を生きる私が余人に歩みを止められる事などありえない」

 

「だったら言ってやろうかァ・・・。これはオレが知る偽りの英雄(本物のヒーロー)の言葉だが、どんな奴が相手でもヒーローってのは逃げるわけには行かないんでね。お前が月を穿つというのなら、その計画は仮面ライダーとシンフォギア装者が止めてやる」

 

彼の過去を知る者が居るなら、どの口が言うんだとしか思えない発言。

しかし惣一の言葉に呼応するように、響たちも覚悟を決めて響は胸元に触れ、奏や翼、クリスはペンダントを握りしめた。

迅と亡はそれぞれのプログライズキーとゼツメライズキーを装填し、右手側のレバーを引く。

 

『Are You Ready?』

 

この場の全員へと向けられたのは、覚悟はいいか? というこれから訪れる戦いへの問いかけ。

それに言葉ではなく、答えるようにそれぞれが力を使うための言葉で答える。

 

Balwisyall nescell gungnir tron(喪失までのカウントダウン)---』

 

Croitzal ronzell gungnir zizz(人と死しても、戦士と生きる)---』

 

Imyuteus amenohabakiri tron(羽撃きは鋭く、風切る如く)---』

 

Killiter Ichaival tron(銃爪にかけた指で夢をなぞる)---』

 

シンフォギア装者は聖詠を唱えることで、シンフォギアを。

そして---

 

「「「変身ッ!」」」

 

コブラ!コブラ!エボルコブラ!

 

『フッハッハッハッハッハッハ!』

 

フライングファルコン!

 

ジャパニーズウルフ!

 

Break Down・・・

 

三人はそれぞれ全く別の仮面ライダーの姿へと変身シークエンスを完了させることで言葉の通りに変身した。

装者や仮面ライダーを含めると、総勢七人。状況的には、七対一になるのだが---

 

「フィーネ、僕は必ず止める・・・!」

 

「アークゼロ。奴は厄介なものを生み出してくれたものだ。だが、貴様ら仮面ライダーの相手は私ではない」

 

「貴女ではない・・・?」

 

その言葉に疑問を抱くが、フィーネが答える前に証明される。

 

「■■■■■■■■---ッ!!」

 

「チィ!?」

 

突如として迫ってきた、()()()()()

エボルを狙ったもので、彼の培われてきた勘が寸前で避けることに成功する。

 

「なんだ!?」

 

「あれは、ノイズ・・・!? しかしアレは以前装者の方々が戦った個体・・・?」

 

驚く迅と亡だが、亡は一度見た事があるからか記憶にある存在を呼び起こす。

 

「いや、あたしは以前とは別の個体だと思う・・・」

 

「私たちの動きを学んで、互角に渡り合った敵。あの時はアークゼロに始末されたノイズだが・・・しかし、何故?」

 

それは奏と翼によって否定されるが、彼女たちが持つ疑問も正しい。

あの時はアークゼロが自身の不始末という形で始末したが、今回ばかりは彼の姿は見当たらない。

何よりも、アレから何日、何ヶ月も経っているのだからもっと早く出すことも可能であるはずなのに今までこのような個体が出てくることはなかったのだから。

 

「私が何も対策をしていないとでも? もう一人、仮面ライダーが存在していたのは驚いたが、イレギュラーにはイレギュラーをぶつけるだけだ。アークゼロから何も言わずに勝手に持ち出したものだがな」

 

『■■■イ■ー■■末■る---』

 

「ノイズが、声を・・・?」

 

「もはやノイズではないナニカ、だろう。アークゼロ・・・アークノイズとでも言うべき存在かァ?」

 

完全に意識を持つ存在と化しているノイズ。何処か機械的な声を発していた。

本来、ノイズとは意志を持たぬ存在である。だからこそ、恐怖を感じることもないし平気で人類を襲う。

そんなノイズだがノイズではないナニカに、エボルがアークゼロが深く関わっていることからそう名付けた。

 

『■■■■■■---ッ!』

 

再び声にならない叫び声のようなものを発すると、上腕部からグレネードを装者たちと引き離すように仮面ライダーに()()放った。

散開するように離れるが、お陰で装者と引き離されてしまう。

 

「この姿---もしや、絶滅した鳥類の、()()()()ですか!?」

 

避けたのち、亡が正体に気づいたように声を上げる。

そう、ノイズ---否、このアークノイズは頭部がクチバシ内部から人間の骨格部分らしき箇所が露出しており、さながらノイズを髑髏にしたとしたらそんな感じなのだろう、と思わせるモノをくわえたドードー鳥のような恐ろしげな見た目に変貌している。

本来は普段と変わらないノイズのはずが、人間と同じような姿にまで変質しているのだ。

さらに『改』と書かれた胸部装甲に、背部マガジンとマシンガンが6門装備され、肩部には先程放ったグレネード弾や発煙弾を発射するための装置がある。

そのような装備のほか、頭部には対空砲2門と格闘戦用衝角があり、後頭部からは尖った複数のトサカ状のパーツ、側頭部からは長髪のような装飾が垂れている。

下半身のみが鳥の足を思わせる装甲に覆われており、両手には羽根を模した剣が二本装備されていた。

---そう、彼らは知る由もない。素体がノイズに変わっているだけでこれは別の世界で、『ある仮面ライダー』と『他のライダーたち』が共に戦い、何度も戦って苦戦し敗北したことのある相手。()()()()()()()()と呼ばれる存在。

それの、進化態だった---。

本来の存在から掛け離れた存在から、ドードーノイズ改とでも言うべきか---。

 

「響たちはフィーネを止めろ。コイツはオレたちを所望しているようだからな」

 

「そっちは任せた!」

 

「分かりました・・・!」

 

迅がドードーマギア---いやドードーノイズ改に突撃し、大きく離した。それを追ってエボルと亡が向かう。

 

「あたしらは了子さん---フィーネを止めるよ!」

 

「言われなくとも!」

 

「あぁ!」

 

奏がすぐさま戦況を理解すると、ドードーノイズ改は仮面ライダーたちに任せて自分たちは自分たちの相手をすることにした。

奏の言葉に頷いた装者は、動き始める。

クリスがクロスボウから四本矢を生み出して放ち、フィーネがそれをカ・ディンギルの近くから降りてくることで回避する。

着地したフィーネに響と奏、翼が同時に攻撃を仕掛けるが、フィーネは刃の鞭を操ることで弾き、弾かれた三人は地面に着地する。そこをフィーネがもう片方の鞭で攻撃するが、三人は後ろへ飛ぶことで避けた。

 

「うああぁぁぁぁぁぁ!」

 

MEGA DETH PARTY

 

放たれる数の暴力。小型のミサイルをクリスがバラ撒くが、フィーネは鞭を横に一閃するだけで全て破壊する。

爆発による黒煙でフィーネから見えない中、クリスが他の者へ視線を向けた。

その視線を受けて、意図を直接聞く事もなく全員が動き出す。

 

「はぁあああ!」

 

奏の槍が誰よりも早くフィーネに向かう。

フィーネはバックステップで避け、そこに響が握りしめた拳で殴りかかった。

フィーネは冷静に見極めると最小限に躱し、連続の蹴りも軽々避ける。

フィーネが反撃に出ようとした所で響が跳躍し、響の後ろから走ってきていた翼が刀を上段からの振り下ろしで斬りかかった。それをすぐにフィーネが硬化させた鞭で受け止める。

鍔迫り合いになるはずが、硬化が解かれた鞭が絡みつくように翼の刀に巻き付き、上空へ刀を弾いた。

武器を奪い取られ、無防備となった翼に振るわれる鞭。

しかし翼はバク転の要領で逆立ちし、横回転することで脚部のブレードを展開することで恐ろしいほどの超回転で足のブレードを連続で叩きつける。

それに対してフィーネは鞭を振り回して回転し、翼の高速回転に対抗する。

だが、これは一対一の戦いではない。響と奏による同時攻撃がフィーネに迫る。気づいたフィーネは腕で受け止め、跳ね除けて距離を離す。

 

「本命はこっちだッ!」

 

そう、三人の行動は時間稼ぎ。本命は別で、クリスの巨大ミサイルだ。

放たれるミサイル。即座に跳躍して躱すフィーネだったが、そのミサイルはどういう訳か、しつこく軌道を変えて追尾する。

 

「ロックオンアクティブッ!」

 

フィーネがミサイルに追い回されている間に、続けざまにもう一つのミサイルをカ・ディンギルに向ける。

 

「スナイプ! デストロイィィィ!」

 

意図に気付いたフィーネは舌打ちしながらすぐさま態勢を立て直す。

そしてクリスの必殺の一撃が放たれ、撃ち放たれたもう一つのミサイルが真っ直ぐカ・ディンギルに飛んでいく。

 

「させるかぁぁぁあああ!」

 

すかさずフィーネが刃の鞭を使ってミサイルを両断する。

両断されたミサイルはあっさりと爆発するも、いつの間にかフィーネを追っていたはずのミサイルは何処にもなかった。

 

「もう一発は・・・!?」

 

何処にも無かったために焦るように周囲を見渡していたフィーネが、ふと気づいたように空に視線を向ける。

そこにはミサイルに乗って、天へと突き進むクリスの姿があった。

 

「クリスちゃん!?」

 

「何のつもりだ!?」

 

「なんであんな所に!? まさか、カ・ディンギルを迎え撃つつもりか!?」

 

三人が突如として行ったクリスの行動に驚くが、奏が気づいたように声を張り上げる。

その予想は的中しているようで、クリスは自らの身を挺してカ・ディンギルの前に立ってその砲撃を迎え撃つつもりだ。

けれども、敵は月を穿つ程の威力を備えた荷電粒子砲。

 

「足掻いた所で所詮は玩具! カ・ディンギルを止める事など・・・!」

 

カ・ディンギルの射線上に月が重なったその時---

 

 

 

『---Gatrandis babel ziggurat edenal』

 

聞こえてきた歌の名は---

 

「この歌・・・」

 

「まさか・・・!?」

 

「絶唱!?」

 

『Emustolronzen fine el baral zizzl---』

 

ミサイルから飛び降りて、月を背にカ・ディンギルの前に立つ。

 

「この歌・・・まさか、クリス!? ダメだ! 歌ったら---あっ!?」

 

ドードーノイズ改と戦っている迅にも聞こえたようで、反応するように空を見上げた。

そこに襲いかかるドードーノイズ改は、迅を岩の壁に叩きつけ、凄まじい音とともに人型の穴が空く。

 

「迅!」

 

助けるように亡が爪で攻撃を仕掛けるが、()()()()()()()()()ドードーノイズ改が避けて蹴り飛ばしていた。

そこで亡が蹴り飛ばされるのと代わるようにエボルは飛び蹴りを放つが、ドードーノイズ改は警戒するように後退する。

彼らが一切装者たちの助けに行けないのは、これが原因だ。

 

『Gatrandis babel ziggurat edenal---』

 

迅に亡、エボルが戦ってる中でもクリスは歌い続け、腰のプロテクターから無数のエネルギーリフレクターを展開し、取り出した二つのハンドガンから、それぞれ一発ずつのエネルギー弾を発射。

放たれたエネルギー弾は、リフレクターに反射されると同時に増幅され、それが無数に引き起こされて行き、ほぼ無限に力が増幅されていく。

そのエネルギー弾が反射する度に光は強さを増していき、やがてその形が蝶の羽を象っていく。

 

「退けぇぇぇえええ!」

 

聞こえてくる歌に穴から出てきた迅がドードーノイズ改に翼を広げながら突撃するが、半身を逸らすことで避けられ、両手に持つ二本の剣で斬り裂かれる。

連撃を受けた迅は地面に落下し、踏みつけられる。

必死に立ち上がろうとするが、相手の力が強いのか立ち上がれない。

 

『ライフルモード! フルボトル!』

 

『スチームアタック!』

 

エボルが即座にスチームブレードとトランスチームガンを合体させてフルボトルを装填。

魚雷型の弾丸の嵐が、反応したドードーノイズ改を襲う。

ドードーノイズ改は剣をクロスさせることで耐えるが、威力が威力なのもあって後退させられた。同時に解放された迅が翼を広げて空へ駆け昇る。

 

『Emustolronzen fine el zizzl---』

 

その最中で、クリスが歌い切ってしまった。

クリスは手に持ったハンドガンを前方のカ・ディンギルに向け、そして手にバスターキャノンを形成する。

カ・ディンギルのエネルギーの方も最大まで溜まり、クリスも溜める。

 

「間に合わない!? やめろぉぉぉおおおぉぉ!!」

 

迅の絶叫が迸り---同時にカ・ディンギルが発射される。

それに対して、絶唱を発動させたクリスが迎え撃つ。

渾身の砲撃は、カ・ディンギルのエネルギーと真正面から衝突した。

二つの強力なエネルギーが衝突し合い、その際の衝突によって起こった眩い光が周囲を照らす。クリスの元へ向かおうとしていた迅は凄まじい威力のぶつかり合いにその場に踏み留まるしか出来なかった。

 

それでもクリスの砲撃は確かに、カ・ディンギルを食い止めていた。

 

「一点収束・・・!? 押し留めているだと!?」

 

月を穿つ一撃を押し留める光景に、フィーネが信じられないというように叫ぶ。

だが、それは長く続くはずもない。

 

 

(ずっとアタシは、パパやママの事が、大好きだった)

 

バスターキャノンにヒビが入っていき、エネルギーもだんだんと尽きていってるのか、少しずつ消えていく。

 

(だから、二人の夢を引き継ぐんだ。パパとママの代わりに、歌で平和を掴んで見せる・・・)

 

それだけには留まらず、ギアでさえビビが入っていく。彼女の口元からは血が流れ、絶唱によるバックファイアが彼女の体を蝕んでいく。

 

(私の歌は、その為に---!)

 

僅かに。彼女のその思いにギアが答えるように、ほんの一瞬だけ押し留めることに成功するが、クリスは光に飲み込まれた---。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・あ」

 

それは、誰が漏らしたか。

カ・ディンギルの一撃を受けた月は---その一部を欠けさせるにとどまった。

 

「し損ねた・・・!? 僅かに逸らされたのか!?」

 

その事実にフィーネが、驚愕に目を見開く。

そして小さな光を巻き散らしながら、落ちてくる少女が一人。

 

「あ・・・ああ・・・」

 

「な・・・っ」

 

「・・・」

 

翼と奏はそう声を漏らす事しか出来ず、響はただ、言葉を失う。

 

「嘘、だろ・・・? クリス・・・クリスぅ------ッ!!」

 

悲痛な叫び声を上げる迅は、堕ちていくクリスを見て力が抜けていったのか徐々に高度が下がり、地面に両膝を着いた。

そして、クリスが---堕ちた。

森の中に、堕ちて---しまった。

 

「---ああああぁぁぁあああああぁぁぁああああっ!!」

 

さらに響の悲鳴が、辺りに響き渡る---。

 

 

 

 

 

 





〇命名、アークノイズ
個体名・ドードーノイズ改。
人型に変質してるからノイズに変えただけのただのマギア。
偶然の産物ではなく、オリジナルの存在な上に本来のスペック持ちアークゼロをある程度ラーニングしてるので前回とは比にならない強さを持つ(エボルのコブラフォームでは完全に押し切れない強さ)
学習能力は以前の個体を遥かに凌ぎ、既に最終進化体。
当然そのことから元ネタはみんな大好き暗殺ちゃん(ゼロワン本編第7話、第8話、第10話、第11話に掛けて活躍したドードーマギア)
チェケラではない。ついでにチェケラは悪くない!

〇アークさま
ついに何も見ずに避けたり生身で倒す手段を見つけたやべーやつ。
なお、とんでもないやつを創り出してくれた。これは人類の敵ですわ間違いない(適当)

〇フィーネ
一応強いんだけどね、こうでもしてドードーノイズ改を出さないとフィーネがリンチされる未来(みらい)しか見えなかった。

〇迅
まぁ、頑張ったよ・・・。手段はあったのに届かなかったのが一番辛いんだよなぁ。

〇雪音クリス
あのカ・ディンギル受け止めるシーンすき

□使用フルボトル
潜水艦、コブラエボルボトル、ライダーエボルボトル。

セレナァァアアアアアァアァ!!(大人セレナだとアルトくんの歳上になっちゃうので少女版)生存させるか

  • 生存させろ
  • (しなくて)いいです
  • アークの意志のままに・・・
  • アークワンはよ
  • (いっそヒロインにしても)ええんやで
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