戦姫予測シンフォギア 〜未来へのREAL×EYEZ〜 作:絆蛙
はい、四日目です。マジで貯めてないのにこんな企画するとかバカなんじゃないか?
アンケ取ったらバカになるか、これからもやれ、になりそう。それはしぬ。
流石にハイペース過ぎるか? でもこのまま突っ切って一期終わらせますよ。任せてください、地獄の名に相応しい(作者が)地獄(の)パワーを見せてやります。
リディアンの地下。そこにある一室に、未来たちはいた。
あの後、フィーネによって二課の施設の機能を全て殺され、重傷を負った弦十郎を抱え移動。
そのままリディアンの電力施設のすぐ傍にある部屋にて、藤尭の情報処理能力によって、どうにか監視カメラなどの映像を見る事が出来ていた。
さらにそこには、未来や響の友人たちもいる。どうやら逃げ遅れてここに急いで避難したらしい。
当然、映像を見ることが出来たということはクリスが堕ちるところも、彼女たちが戦っているところも、全て見ていた。
(さよならを言えずに別れて、それっきりだったのよ。それなのに、どうして・・・・?)
映像で堕ちていってしまったクリスの生き様を見て、未来はただ言葉を失っていた。何処か、無力感に支配されるように力強く拳を握りながら。
(お前の夢・・・そこにあったのか? そうまでしてお前がまだ夢の途中というのなら、俺たちはどこまで無力なんだ・・・!?)
そして弦十郎は、ただただ悔しがる事しか出来なかった。自身の無力さに。
◆◆◆
「そんな・・・せっかく仲良くなれたのに・・・。こんなの・・・嫌だよ・・・嘘だよ・・・」
「クリス・・・!」
泣き崩れる響と、悔しそうに拳を握りしめ、行き場のない感情を発散するように地面を殴る迅。
「もっとたくさん話したかった・・・。ケンカすることも、今より仲良くなることも出来ないんだよ・・・! クリスちゃん、夢があるって・・・。でも私、クリスちゃんの夢聞けてないままだよ・・・」
目の前の現実が直視出来ない響はその場に手を着いて己の無力さに打ちひしがれる。
その姿に、奏と翼は何と声を掛けるべきか分からなかった。迅の方に至っては、亡が気にかけているものの、目の前の相手と戦うだけで精一杯なのか声を出すことすら敵わない。
「自分を殺して月の直撃を防いだか・・・ハッ、無駄なことを。見た夢も叶えられないとは、とんだグズだな」
しかしフィーネは冷徹な言葉を投げかけるに留まらず、彼女の行為を嘲笑った。
「笑ったのか・・・? お前は彼女の行動が無駄だとせせら笑うのか!?」
「アイツは大切なものを守るために命を燃やしながらも守り抜いた・・・! それがどれだけ凄いことなのかあたしには分かる・・・! それをあんたは否定するのか!?」
翼と奏は二年前のライブを思い出し、奏は自身が命を燃やしてでも守るつもりだったからかフィーネに誰よりも怒りを抱いていた。
「・・・それガ」
「「「---ッ!?」」」
突如として聞こえた、
それはこの場の誰もの視線も集めた。フィーネの言葉に反応するように顔を上げていた迅、戦っているドードーノイズ改、亡、エボルですら、視線を声が聞こえた方向へ向けていた。
「夢ト命ヲ握リシメタ奴ガ言ウ事カァアァァアアアアァァアアア!?」
まるで獣のような咆哮が、その場に轟く。
そしてその変化を見たフィーネの口元が、歪んだ。
「アレは・・・デュランダルの時と同じか?」
『仮面ライダー・・・殺す・・・!』
「チッ、本当に苦労させられる約束だなァ!?」
響の元へ向かおうとしていたエボルを、ドードーノイズ改が防ぐ。
舌打ちを一つしたエボルがスチームブレードで斬り掛かるが、相手は両手に持つヴァルクサーベルと呼ばれる剣で互角に渡り合う。だが二刀流の相手に対して、一本の剣のみでエボルが押していた。
そして横から迫ってきた亡がドードーノイズ改の腰を掴んでエボルから引き離す。
「貴方は立花響を! あの状態の彼女は、フィーネを相手している装者たちでは厳しい!」
「・・・クソっ! 亡、僕も手伝う! あんたは彼女のことを止めてやってくれ!」
亡を邪魔だと言わんばかりにドードーノイズ改は叩きまくるが、亡は離さない。それを見ていた迅は悩むのをやめ、動きを止めるように相手の両腕を掴んでいた。
「いいのか? クリスとやらは大切な仲間なんだろう?」
「クリスはきっと無事だ! それにあんなことは望まない・・・!」
「そうかい・・・。こっちは守らなきゃ行けない約束ってのがあるんでねェ。そっちは素直に任せるとしよう・・・!」
エボルらしくない誰かを気遣う言葉のように聞こえるが、正確には戦えるのか、と聞いていた。言葉の裏に気づいているのか、迅が返すとエボルは思考しながら任せることにする。
(オレと互角に渡り合う相手。最初の頃は押されるだけの立場だったのに今はオレと互角くらいに戦えてやがる。アークとやらの力の影響か? どちらにせよ、響のやつをとっとと止めるとしよう。あの状態は前の世界でよく見たものと同じだからなァ)
目の前で起きた響の変化。翼と奏は驚くが、フィーネは口元を歪ませていた。
「おい立花・・・!?」
「一体何が・・・!?」
「融合したガングニールの欠片が暴走しているのだ。制御出来ない力に、やがて意識が塗り固められていく・・・」
何も知らない様子の二人に、フィーネがどういった状況なのかをわざわざ教える。
「まさか、響で実験をしていたのか!?」
「フッ、見てみたいと思わんか? ガングニールの翻弄されて、人としての機能が損なわれていく様を・・・」
「そんなことで立花を!?」
「お前・・・! あたしらの可愛い後輩になんてことしやがる!」
怒りを我慢出来ないと言わんばかりに歯軋りし、強く槍を持った奏がフィーネに攻撃を仕掛けるが、フィーネは鞭で受け止める。
「そこへ居て良いのか?」
「立花!? 奏・・・!」
「ッ!?」
フィーネの言葉に奏は訝しげな視線を向けるが、翼の声に反応して振り向くと暴走している響が飛びかかって来ているのが見えた。
「ウウウウウゥウゥゥゥ!!」
「響の相手は任せてもらいますよってなァ・・・!」
唸り声を上げて両拳を奏ごとフィーネに叩きつけようとしていた響だが、そこにエボルが響を蹴り飛ばして奏から引き離す。
「マスター!?」
「こういう相手は慣れてるんでね。お前たちはカ・ディンギルの次の装填を防げ。アレは一発で終わるようなもんじゃあない---だろう?」
「ほう、気づいていたのか? その通りだ。如何にカ・ディンギルが最強最大の兵器だったとしても、ただの一発で終わってしまうのであれば兵器としては欠陥品。必要である限り何発でも撃ち放てる。その為にエネルギー炉心に不滅の刃『デュランダル』を取り付けてある。それは尽きる事の無い無限の心臓なのだ・・・」
エボルの言葉に感心したような声を漏らすフィーネ。
クリスにデュランダルを奪わせようとした理由も、そのための布石だったのだろう。
「だが、お前を倒せば、カ・ディンギルを動かすものはいなくなる・・・!」
「だったら、あたしらがフィーネを倒せばいいって訳だ・・・!」
翼が刃を向けると、隣に降り立った奏が槍を向ける。
剣と槍。翼と奏---ツヴァイウィングの二人が、フィーネと戦うことになったのは何の因縁か、それとも運命だったのか---。
「やれるものならやってみるといい」
「翼、行くぞ!」
「ええ!」
奏が自身の片翼である翼に呼び掛け、フィーネとの戦いに挑む。
一方でエボルは暴走する響を引き連れ、奏や翼の邪魔をさせないように離れた場所で対峙していた。
「さぁて・・・こっちも始めるとするか!」
「グガァァアアァアアァァァァアアアアァァァアアアアァァアアアアアァアア!」
響が絶叫を挙げて、エボルへと襲いかかった---。
◆◆◆
「どうしちゃったの響・・・!? 元に戻って!」
エボルに襲いかかる響の姿を見て、未来が声を挙げる。
映像の向こうにいる響には届かないが、その響はエボルに容易く吹き飛ばされた。しかしそれでも立ち上がり、ただ本能のままにエボルへと襲い掛かり、また吹き飛ばされる。
暴走している響を相手に、エボルは何処か考えながら余裕そうに相手をしていた。
「もう終わりだよ・・・私たち・・・。学園もメチャメチャになって、響もおかしくなって・・・」
そこで板場がそのような声を漏らす。
突如として非日常に放り込まれたのだから、弱気になるのも仕方がないといえよう。
画面の向こうではエボルに地面に叩きつけられてすぐに立ち上がる響の姿があり、エボルの一方的な戦いになっていた。
「終わりじゃない。響だって私たちを守るために---」
「あれが私たちを守る姿なの!?」
未来の反論の言葉を、真っ向から否定するように瞳に涙を貯めながら、怒鳴る。
それと同時に、画面では響がついにエボルを地面に押し倒して跨っていた。そこでエボルを何度も何度も殴るが、エボルは何もしようとせずに見つめるだけだ。
その様子を安藤も寺島も恐ろし気に見ていた。それでも、未来は言う。
「私は響を信じてる」
暴れ狂う響の姿から、目を逸らすことなく真っ直ぐに見つめて。
「・・・私だって響を信じたいよ・・・この状況はなんとかなるって信じたい・・・でも・・・でも・・・!」
それでも板場は、泣き崩れる。信じたくとも、目の前の光景がそうさせてくれない。何より絶望感を増しているのは他の映像も影響しているのかもしれない。
『殺す・・・全て始末する・・・!』
『ぐっ!?』
『僕たちの動きを読んでる!? 強い・・・!』
「亡くん、迅くん・・・!」
弦十郎たちの視線の先には、ノイズではない別の何か。エボルが名付けたのを借りるのであれば、アークノイズに苦戦する亡と迅の姿もある。
「板場さん・・・」
「もうやだよ・・・誰かなんとかしてよ・・・! 怖いよ・・・死にたくないよぉ・・・! 助けてよぉ・・・響ぃぃい・・・・!」
寺島が心配そうに名を呼ぶが、板場は目の前の現実に耐えらないというように頭を抱えて泣き喚き、蹲る。
『おい響ィ---お前の力は・・・このためのじゃないだろうッ!?』
エボルの怒鳴り声共に、手から放たれた赤いエネルギーのようなものが響を打ち上げ、響は地面に落下した。
◆◆◆
「オリャアアアア!」
奏がフィーネに槍を持って攻撃を仕掛け、鞭で防がれる。
しかし奏はそのまま身を屈めると、横薙ぎして鞭を弾いた。そこに翼が剣での連続攻撃を行うが、フィーネは後ろに下がることで避ける。
そこで奏は即座に槍を携えながら前に突き出すことで突っ込み、もう片方の鞭でフィーネが防ぐ。
「無意味なことを・・・」
「どうかな・・・!」
ずっと前の奏だったならば、確かに翼よりも適合係数が低くて全く敵わなかったかもしれない。
だが翼と同等レベルに引き上げられた奏は凄まじく、高速に振るわれる槍にフィーネの鞭が徐々に追いつかなくなっていた。
「なんだと!?」
「伊達に死にかけてないんだよ、あたしはな!!」
長年翼よりも低い適合係数で足を引っ張ることなく共に戦ってきた奏。そんな彼女が翼と同等の適合係数を持ったとすれば? LiNKERという負荷が大きい物もなく、時間制限も関係なくに戦えるのであれば? そんな彼女は当然、焦る必要もなく冷静に戦える。
さらにノイズ相手では取りきれない戦闘データが存在し、今ここで彼女の戦闘センスがより彼女の力を飛躍させる---!
「これでどうだぁぁぁああああ!!」
「ぐうっ・・・!?」
槍で鞭ごとフィーネを大きく退けさせ、隙だらけとなったフィーネに奏は槍から竜巻を発生させて放つ。
しかしフィーネは即座に反応してみせ、鞭で陣を作り出すことでバリアを貼る。
『ASGARD』
「言っただろう? 無駄だとな・・・!」
「いいや、届いたさ」
驚くことなく、まるで防がれることを予想していたと言わんばかりの奏。
その様子に違和感を持ち---フィーネは気づいた。
---もう一人は何処へ行った? と。
「まさか!?」
「遅いッ!」
気がついたフィーネが振り返るが、翼は既に剣を振るい終えていた。
そこから放たれるのは、何度もノイズを打ち倒してきた翼の技---
『蒼ノ一閃』
白縹色の斬撃がフィーネの鎧と顔を貫き、削る。
翼の技は見事直撃したようで背中を反らしていたフィーネだが---何事もなかったかのように元に戻り、傷や鎧は消え去っていた。
「人の在り方すら捨て去ったか・・・!」
「私と一つになったネフシュタンの再生能力だ。面白かろう?」
「あれだけじゃ倒せないって訳ね・・・」
ようやく有効打として与えれたと思っていたダメージがあっさり回復したことに、奏が顔を顰める。
そんな時、近くのカ・ディンギルが変化を起こした。
先程消えていたエネルギーが光として現れ、チャージを再開したのだ。
「なんだ!?」
「まさか、もうチャージが始まったのか・・・!?」
「その通り。さあどうする? 急がなければカ・ディンギルは再び発射されるぞ?」
挑発するフィーネだが、翼は覚悟を決めた防人の目をしていた。
その瞳を翼が奏に向けると、奏は驚愕するが少しの迷いと共に頷く。
そして同時刻では、赤いエネルギーが響を打ち上げていた---。
◆◆◆
「お前の力は何のためにある?」
仮面ライダーエボルではなく、『エボルト』が有する力を使ってもなお立ち上がる響を見て、エボルは問う。
「その拳は、何のために今まで拳を振るってきた!」
響が雄叫びを挙げながら飛びかかり、拳を突き出す。
エボルはその拳をガッチリと掴むと、容赦なく横腹を蹴りつけた。
「ガァッ!?」
エボルが拳を離すと、響はダメージの大きさにか横腹を抑える。
「守りたいものがあったんじゃないのか!? 誰かを悲しませるためのものなのか? 破壊するための力だったのか!? お前の手は誰かと繋ぎ合うために、束ねて重ねる力だったはずだろう! それとも、お前が誰かを助けたいと願う想いは全部偽りだったのか!」
「ウガァァァァァァァ!!」
何処か怒りではなく悲しみを含む叫び声を出す響は真正面からエボルへと突っ込んでいく。
エボルは拳を握りしめ、響が突き出すのと同時にその拳を脳天に目掛けて---
「お前はまた、
「ガァ!?」
エボルが出した名前。
それを聞いた瞬間、突き出していたはずの響の拳がエボルの胸に
さらに響は瞳から涙を流し始め、突如として響を覆っていた黒が消えていく。
そして黒が完全に引くと、響は膝を折った状態で涙を溢れさせる。
その姿はシンフォギアではなく制服姿に戻っていた。
「あ・・・あぁ・・・。ご、ごめん・・・なさい・・・。こ、この力は、みんなを・・・アル、トくんを・・・っ。守りたいと・・・思って、たのに・・・! そ、惣一・・・おじさんを・・・傷つけて・・・!」
「おいおい・・・まだお前程度の拳じゃ、俺には届かないんだがなァ。俺を止めたかったから
年相応の、小さな子供のように怯えながら泣く姿にエボルは呆れたように両手を広げて首を横に振るうと、響の頭に手を乗せた。
「まァ。戻ってこれただけ、間違えずに済んで良かったって話だ。一度間違えて罪を背負えば、それは一生付き纏う」
どの口が言っているのやらと言わんばかりにエボルは自身の心の中で自嘲するが、表には出さなかった。
そして---
「響ぃぃぃぃいいぃぃいいいいい!!」
「立花ぁぁぁああぁぁあああああ!!」
翼と奏の叫び声が、エボルと響たちがいるところまで響き渡り、二人が反応するようにカ・ディンギルの方向を見た---。
◆◆◆
「---奏と居るとき、いつも安心する。一緒に歌う時は楽しくなったり、色んな感情が渦巻く。今だから話せるよ。あのライブの日、もう一緒に居るなんて出来なくなると思ったから、凄く怖かった・・・」
「違うだろ?」
「えっ?」
まるで最期だからこそ本音を話すような姿の翼に、奏は苦笑いを浮かべながら否定する。翼はそれを疑問で返した。
「あたしらは死なない。今日この戦いを終えて、また明日を生きる。あたしらの歌を届けるために。世界の舞台で歌って、世界中に笑顔を届けるためにさ」
「・・・そうだね。フィーネを倒して、カ・ディンギルを止める! この
睨むようにしてフィーネを見つめ、剣を向ける翼。奏も槍を構えることでいつでも戦えるようにしていた。
「どこまでも『
「折れて死んでも、明日に人として歌うために。風鳴翼が歌を歌うのは、戦場ばかりではないと知れ!」
フィーネの言葉に、そう言い放つ翼。
「人の世界が
「いいや、受け入れられる! ただの『
蛇のように唸った刃の鞭が、翼に襲い掛かる。
即座に翼の前に出た奏がそれを弾くと、翼が飛び上がる。即座に脚部のブレードを展開。
地上にいる奏ではなく、身動きの取れない翼にフィーネがすかさず刃の鞭を叩きつけようとする。
しかしその刃の鞭による攻撃を、翼は脚部のブレードで迎撃。
弾いたところで剣を巨大化させて『蒼ノ一閃』による一閃を放つ。
その一撃をフィーネが刃の鞭の切っ先で迎撃し、相殺する。
空中の翼に気を取られていたフィーネは奏が向かってきていることに反応が遅れ、奏は叩きつけるようにフィーネを吹き飛ばした。
「ぐあぁぁああぁああ!?」
吹き飛ばされたフィーネはカ・ディンギルの外壁に激突し、落下する。
そこで奏が翼の名を叫んだ。
「翼ッ!」
「---去りなさい! 無想に猛る炎!」
地上へ一度着地していた翼は飛び上がりながら刀を空中へ投げ、凄まじく巨大な大剣へと変形させる。
さらにその柄頭を蹴りながらフィーネに向かって突撃していた。
『天ノ逆鱗』
天ノ逆鱗が、フィーネに向かって突き進む。
それに対してフィーネは舌打ちしながら顔を上げる。即座に鞭を操ることでASGARDを三重に展開し、そのASGARDに翼の天ノ逆鱗が叩きつけられた。
凄まじい衝撃が迸り、周囲一帯に暴風が吹き荒れる。
だが翼の天ノ逆鱗はASGARDを貫く事はない。それも翼は分かっていたのか、剣を一気に直立させる。
そのまま直立した巨大な剣は重力に従うようにカ・ディンギルに向かって倒れていき、巨大化した剣の上に乗る翼は二本の刀を携えて飛ぶ。
そしてその双剣から赤い炎を迸らせ、翼はカ・ディンギルに向かってさらに飛んだ。
『炎鳥極翔斬』
「初めから狙いはカ・ディンギルか!?」
フィーネは狙いに気づくと、翼を撃ち落とすために鞭を伸ばす。
そのままカ・ディンギルに向かって飛んでいく翼だが、追いかけてくる鞭から必死に逃げようとするも、鞭が翼を捉えて逃さない。
そして左右からクロスするように向かってくる鞭に、直撃してしまう。
当然、直撃してしまった翼は落ちていき---
「くっ・・・!? やはり、私一人では---ッ!」
「---弱気なこと言ってる場合じゃないだろ?」
翼は自身の体が落ちていく感覚に諦めかけて目を閉じると、耳元から翼を支えるような力と声が聞こえて翼は目を開く。
そこに居たのは---
「奏!?」
そう、奏だった。
彼女はフィーネの攻撃を阻止するには届かないと判断し、翼の天ノ逆鱗を利用して一気に跳躍することで翼がいる空中まで飛んでみせた。
「心配するなって。あたしが翼を支えるよ。たとえ一人では飛べなかったとしても、あたしと翼、両翼揃ったツヴァイウイングなら---」
「・・・うん。両翼揃ったツヴァイウィングなら!」
「「どんなものでも、超えてみせるッ!」」
もう翼が一度剣を抜いたかと思うと、炎を纏いながらカ・ディンギルにある足場を二人が踏み、同時に飛び上がって翼と奏は飛ぶ。
本来、翼が扱う炎鳥極翔斬は誰かに付与させる力などない。
しかし今この場には翼の炎と奏の竜巻が融合し、速度をより上げていた。
「させるかぁぁああ!」
なおも妨害しようと鞭が翼と奏の二人を捉えて襲い掛かってくる。このまま行けば、二人はさっきの翼の二の舞だろう。
しかし---
「響ぃぃぃぃいいぃぃいいいいい!!」
「立花ぁぁぁああぁぁあああああ!!」
自身の力を継ぐものを、そして自身の相棒であり、親友の力を受け継ぐ少女の名を、奏と翼は咆える。
すると竜巻と炎が凄まじく吹き荒れ、二人の体を蒼炎を纏う鳥のような姿に炎が形成する。
しかしそれだけでは無い。フィーネの鞭に寄る攻撃を、
---その現象は、まるで彼女たちだからこそ起きた現象。
融合した二つの力は、まるで彼女たちを・・・ツヴァイウィングを象徴するもののようだった---
「ああ・・・!?」
「翼さん・・・奏さん・・・!?」
「自ら破壊したってわけか・・・」
「お二人とも、まさかカ・ディンギルを破壊するために!? うっ・・・!」
フィーネが目を見開き、爆発を目撃した響とエボル、亡が反応するが余所見してしまったのもあって、亡が吹き飛ばされる。
追撃させないように迅が近接を挑むが、まるで当たらない。
『既にラーニングは済んでいる・・・!』
「くそっ!」
此方の攻撃は当たらず、相手の攻撃だけは当たる。それでも必死に攻撃していると、稀に当たる時もあった。
そんな戦闘をしている傍で、二人が突撃していったカ・ディンギルが爆発を起こした---
「私の想いは・・・またも・・・!!」
もはや修復不可能なまでに破壊されたカ・ディンギルを見上げて、フィーネは呆然と呟く。
「そん、な・・・。翼・・・さん・・・奏・・・さん・・・」
響は、翼と奏が消えたカ・ディンギルを見上げながら膝を着く。
一人絶望するように。
『・・・聖遺物反応途絶。目標、仮面ライダーのみの撲滅に再設定』
今まで狙いすらしなかったドードーノイズ改は状況を知らせるように何かを呟き、再度亡と迅にターゲットを絞っていた。
まるで装者は後で消すつもりだったかのように。
◆◆◆
「・・・天羽々斬・・・ガングニール・・・反応、途絶・・・」
場所は代わり、藤尭が絞り出すようにそう告げる。
その現実に、友里は思わず涙を流して目を逸らしてしまい、弦十郎は、拳から血が滲みそうな程に握りしめる。
「身命を賭して、カ・ディンギルを破壊したか・・・。奏、翼・・・お前の、お前たちの歌・・・世界に届いたぞ・・・。世界を守り切ったぞ・・・!!」
堪えるように弦十郎がズボンを力強く握り締める。
果たしてそれは悲しみか怒りか、それとも悔しさか、それは本人にしか分からないだろう。
「・・・分かんないよ」
そんな中で、板場が呟く。
「分かんないよ! どうして皆戦うの!? 痛い思いして、怖い思いして、死ぬために戦ってるの!?」
まるで理解出来ないと涙を流しながら喚き散らす。
「分からないの?」
そんな板場に、未来も涙を流しながら言う。
そのまま未来は板場に歩み寄り、その肩を掴んで引き寄せる。
そして真っ直ぐに板場を見据えて、もう一度言う。
「分からないの?」
アニメという非現実的なものを見ていて、それが大好きな彼女なら分かる筈なのだ。
ただ死ぬためにでは無く、誰かの為に戦っていることを。
やがて、板場の泣き声がその部屋に響いた。
◆◆◆
「---何処までも忌々しい!」
まるで怒りを発散するかのように、フィーネが地面に鞭を叩きつける。
「月の破壊はバラルの呪詛を解くと同時に重力崩壊を引き起こす。惑星規模の天変地異に人類は恐怖し、狼狽え、そして聖遺物を振るう私の元に基準する筈であった・・・!! 痛みだけが、人の心を繋ぐ
そう喚き散らすフィーネ。そんな彼女に対してこの場に何も言う者は居ない---
「そんなことして、何が面白いのやら。人の心ってやつを繋ぐのは、痛みなんてモノよりも繋ぐモノがあるだろうに」
なんてことはない。
エボルは一切闘志が消えることなく、一人真っ直ぐにフィーネに向かって歩みを進めていた。
だが彼から感じる空気は、怒りや悲しみなんかではなく、本当に
まるでくだらなすぎて何も面白くないと言わんばかりに。
「なんだと・・・? 私は数千年もかけて、バラルの呪詛を解き放つ為に、一人抗ってきたのだ・・・! かつて唯一創造主と語り合える統一言語を取り戻し、いつ日か胸の内の想いを届けるために・・・! それなのに、お前たちは・・・!! 恋心を知らぬお前には分からないだろう!?」
「あぁ。これでも長年感情を理解出来なかったんでねェ。だが、オレは誰よりも愛と平和を願う一人の戦士を知っている。お前の目的に比べれば、ソイツらの目的の方が立派だし数千年よりも価値はあるということだ」
「貴様・・・私を愚弄するかッ!?」
隠すことなく怒りの表情を顕にするフィーネに対し、エボルは余裕の態度で答える。
「来いよ。お前の相手はオレがしてやろう」
「良いだろう・・・お前は私が消し去ってやる!」
挑発するように指をクイッと曲げるエボルにフィーネが挑発に乗り、立ち向かう。
今この場で戦う者は、エボル対フィーネ。そして亡、迅対アークノイズだ。
「クリスちゃん・・・・翼さん・・・奏さん・・・」
だが一人だけ、絶望したまま膝を着いてる少女が居た---。
〇天羽奏
実はクソつよ。
融合係数が翼と同レベルまで上がったせいで、戦闘経験的にも対人戦闘なら、もしかしたら現状最強かもしれない。流石に融合症例の響よりかは融合係数が低いが。
〇風鳴翼
何気に精神状態が良いせいで、一期はただの有能だったのでは?
〇立花響
アルトくんの名を出したら(居なくなったことを思い出させたら)暴走止まるとかマジ? やっぱり深い傷じゃないか・・・。
百仮面ライダー合は罪深い。どの作品でも罪深いゾ。
でも別の意味で原作より精神が脆くなってるため、二度知り合いを失うとなると耐えられない。
〇エボルト
有能だけど、強過ぎて困る。ビルド見直したら改めて化け物だな、って思ったけど見直してから今回の話読んだらどの口が言ってんだよ、お前。
それになんでこいつは最後にラスボスみたいになってんだ・・・?