戦姫予測シンフォギア 〜未来へのREAL×EYEZ〜 作:絆蛙
おまたせしましたー。構想考えてるとか言っておいて結局考えずに投稿になりました! わーい! これもアマプラで配信されたジョジョが悪いんだ・・・ジョジョ書きたい(真顔)
とまあ、それは置いておいて私が投稿していない間によく参考にしてる作品がXDUとコラボしていたり、リバイス面白すぎて草だったりトリガーようやく面白くなってきたけど内容難しいなーだったりしましたけど、ようやく二期です。二期は一気に駆け抜けたいですね・・・。そして多分中盤にアークワン出ます(ネタバレ)というか二期に絶対出します(揺るがぬ意志)
今回は何気に初めての仮面『ライダー』要素がありますよー。
では本編どうぞー。ちなみに三週間前くらいに受かっております()
第一話 ソノ胸に宿った違和感
先史文明期の巫女、フィーネが荷電粒子砲カ・ディンギルによって月の破壊を目論んだ事件、『ルナアタック事変』から三ヶ月後---。
降りしきる豪雨、夜空を照らす雷鳴。
暗闇に満ちた世界を駆ける1つの列車があった。
その列車は軍事用装甲列車であり、現在は『ソロモンの杖』を米国連邦聖遺物研究機関と共同で研究が行われる事が決定し、 特別輸送列車にて岩国の米軍基地に搬送される予定である。
本来その列車は安保理や条約によって縛られる日本国内での使用例は少ないが、日本政府が自衛隊とは別に保有する数少ない武器を搭載した列車だ。
日本国内の数少ない使用例の大半は重要物資等の輸送。
重火器を保有し、大抵の攻撃であればびくともしない装甲を持つこの列車にはうってつけの任務だろう。
ただしそれが通用するのは人間相手であり、いくら弾丸の雨が襲いかかっても、ノイズ相手には意味はなく、列車は襲撃されている。
だがそれに対抗するためにか、乗っているのは護衛者を守るために米国の精鋭部隊に所属する部隊とノイズに対抗するために二課からシンフォギア装者として立花響、雪音クリスが乗っていた。
そしてもう一人、仮面ライダーに変身することが出来る迅が乗っている。友里あおいも乗っているが、彼女は本部の報告を伝えるためだ。
そんな彼女たちが護衛するのが、『ジョン・ウェイン・ウェルキンゲトリクス』通称ドクターウェル。
米国の連邦聖遺物研究機関から出向してきた生化学を得意とする研究者で、その学歴はかなりの物。櫻井理論解析に携わっている研究者でもあり、天才というべき存在だ。
「まったく・・・なんでオレがやらなきゃいけない?」
そして彼、アークゼロはそんな列車とキャロルから貰った情報に目を通しながら今回は情報をジャミングしてないのもあり、襲ってくるノイズを倒す訳には行けないことから無視して避けながら列車を見つめている。
彼がやることはせいぜい列車を見失わないようにしつつ自身の存在を気付かれないようにすることだが、こんな暗闇の中でただでさえ黒いボディを持つアークゼロなど装者に見つけることは不可能だ。
まあそもそもの問題として、実はこの犯行はドクターウェルの仕業で、ソロモンの杖を衣服の下に隠し持ってこの襲撃を自作しているということを彼は知っていたりする。抱えているアタッシュケースに何も入っていないことも。
『仕方がないだろう。オレは動けないんだからな』
「だと言っても、バイクくらい支給して欲しいところなんだが」
『持っていると思うか?』
「免許持ってなさそうだしな。自分で生成するとするか」
そう言った彼は何者かと会話をしつつ、ベルトから自らバイクを作り出した。それだけでは意味が分からないが、彼は武器やらアイテム、あらゆるものを生成することが可能なのである。
アークゼロはバイクに跨がうと、エンジンをかけて早速かなりの遠い距離から列車を追う。
正直なところ、アークゼロが出せる速度ならば別にバイクに乗る必要はないが、一応列車を超えることなく近づきすぎることもないようにするためにバイクに乗っているので、選択は間違っていない。
「それで、米軍が扱うルートや正規ルート以外の密輸ルートで聖遺物や欠片、医療物資などの大量の物資を搬入しているんだったか」
『ああ、数日の滞在にしてはあまりにも膨大な荷物だ。何よりも、隠してまで搬入する意図が分からん。きな臭いウェルとやらがどうなろうが良いが、装者に負傷されでもしたら計画に支障が出るかもしれん』
「まぁ・・・確かにセレナは目立つし、オートスコアラーでも無理か。それにオレなら見られても怪しまれはするだろうがソロモンの杖を狙ってると思われるだけで済む。記憶だって改変すれば問題なくなるし、そういうわけだな?」
『そういうことだ。・・・貴様を信頼してなければ任せん』
「ん? ・・・
『なんでもない。とにかく、装者のことは任せたぞ』
「あぁ。といっても、オレの出番はなさそうなんだが」
人間では捉えるのが不可能なほど離れている距離で列車を追うアークゼロの視線の先には、シンフォギアを纏った装者が対応しており、空を飛ぶ仮面ライダー迅の姿がある。
しかし飛べるのは迅だけなのもあり、多くいる小型ノイズの殲滅は時間がかかりそうだ。
その間にも何やら装者の二人がコンビネーションがあれば、だったり未完成のとっておきがあるやらフィーネ戦で発動させたエクスドライブがあればモタつかないみたいなことがアークゼロには聞こえていたが、装者は閃光を出す高機動な戦闘機型のノイズに苦戦しているようだ。
残念ながらアークゼロはバイクで追っていても簡単に目で追えるし一発で消し飛ばせるため、特に脅威に感じない。
『何も無ければそれでいい』
「そうか。っと、ちょっと待て。結論を予測した---なるほど、トンネルという閉鎖空間で、相手の機動力を封じた上で、なおかつ遮蔽物の向こうからの重い一撃、か。しかも電車の連結部を壊して利用。考えたな・・・キャロル、どうやら大丈夫のようだ。そっちに帰る」
トンネルに列車が入っていく姿がアークゼロから見えたが、彼は納得したように呟くと変身解除と共にバイクを消し、トンネルに入ることなく見つめた。
キャロルからは了承の念話が届いたが、最後まで見守るつもりなのか帰還はまだしないようだ。
そして---
『フライングディストピア!』
「さて、帰るか」
どうやら迅の拳と響による一撃がノイズを殲滅したようだが、シンは手を翳してバリアを貼ると、電車とノイズをまとめて消し飛ばしたであろう衝撃による爆発を防ぎながらテレポートジェムを地面に叩きつける。
すると、彼は傷一つ負うことなくシャトーに帰還した---。
◆◆◆
風鳴翼と天羽奏によるユニット、ツヴァイウィングとマリア・カデンツァヴナ・イヴの今夜限定の合同ライブをやるらしく、世界各国の首都を中心に生配信もされる大イベントがある。
「〜♪」
そんな中、今回の主役の一人であるマリアはステージのセットが行われている様子を鼻歌を歌いながら眺めていた。
「いつになく落ち着いているようだな」
鼻歌を歌うマリアに話しかけながら背後に立って同じく眺める一人の男性が居た。
「そんなことないわよ、
「それもそうだな」
マリアに滅と呼ばれた男性は、これからやるべきことを反芻するように目を伏せ、隠してある刀に触れる。
「聖戦の時は、近い」
滅がそういったのと同じタイミングで、マリアの携帯に連絡が一つ入った。
『こちらの準備は完了。サクリストSが到着次第、始められる手筈です』
「ぐずぐずしてる時間はないわけね?」
聞こえてきたのは、一人の女性の声。
マリアは立ち上がり、答えた。
「OK、マム。世界最後のステージの幕をあげましょう」
『任せましたよ』
それを最後にマリアはマムと呼ばれた女性との通話を切る。
「どうやらあの男は上手くやれたようだな」
「ええ、私たちも行きましょう」
「ああ、そうしよう」
マリアの言葉に滅は頷き、歩みを進めた。
◆◆◆
夕焼けの色に照らされる街。その影のある場所に一つの車両があった。
その中に居るのは、一人の初老の女性と白衣を着た男性、見た目的に高校生くらいの二人の男女である。
片方は黒いパーカーを着てフードで顔を隠しており、まあ言わずともシンである。
ということは、もう一人は当然ながらアズとなるのだが、彼女も顔を隠していた。
「流石は世界の歌姫『マリア・カデンツァヴナ・イヴ』。大盛り上がりですな」
「しかし、彼女の歌を持ってしてもアレを起動させられないのは事実です」
褒め称える男に、女は塩辛く対応する。
「やれやれ・・・。しかし、貴女も意地汚い。彼女にとって忌々しいあの聖遺物を起動させるなんて事を・・・」
「そうでもしなければ、世界を救えません」
男の言葉に車椅子に座る女が冷酷に答えたとき、モニターに一つのメッセージが届いた。
曰く、『
「ようやくのご到着、ずいぶんと待ちくたびれましたよ」
女はその顔に笑みを浮かべ、男はくつくつと小さく笑い声を上げた。
フードを被る男性と仮面で表情が見えない女性はそれを見ると、車両からこっそりと出ていく。
ある程度距離が離れ、聞こえないところまで離れたシンはアズに問いかけた。
「・・・目的は知っていたが、アークゼロであることを明かせばどういう手段を取るのかは明かしてくれたのか?」
「無理ね。まずアークさまの力が下手すると利用されるわ」
「それはダメだな」
シンは疑問を傍にいるアズにぶつけたが、彼女の言葉に即座に言えないことを悟る。
そう、彼は一応スパイみたいな立ち位置で『協力者』としているのだが、あいにくどんな手段を取るのかは話されていないので知らない。
目的くらいは話されてはいるが、流石に作戦にそこまで参加する予定のない者には全てを教えることは出来ないのだろう。
まあ彼もアークゼロに変身出来ることは隠しているし、そもそも知るものはいない。
せいぜい正体を知るものはキャロルなど彼と深い関わりを持つ者だけだ。
それは二課ですら知らないのだから。
「それにしてもアレって・・・まさか」
「えぇ。
「・・・はぁ」
気づいたように声を上げるシンに、アズは答えた。
それを知った瞬間、シンは嫌な予感でも感じ取ったように嫌な表情をしたのだが、アズは気にせずにシンに腕を絡ませながらライブ会場へと向かっていく。
シンはそのまま抵抗することなく、連れていかれるのであった。
◆◆◆
はぁ・・・と一人の少女が困ったようにため息を吐いていた。
彼女の名はセレナ・カデンツァヴナ・イヴ。またの名をシア。
と言っても、彼女自身は自分で名乗った『シア』はともかく、フルネームは知らないので『セレナ』という名しか知らないのだが。
そんな彼女は色々と悩まされていた。
まず、断片的に思い出す記憶。雑音の影響で上手く聞き取ることも出来ず、また映像は疎らで理解不能。そんな彼女を気遣ってか、一切目的も教えてくれず、協力も手伝いすらさせてくれないシンとアズたち。
そしてもうひとつ---
「シアちゃん、これでいい? ジュースなんだけど・・・」
「は、はい」
彼女の傍にいる、小日向未来という存在だ。
別にセレナは未来が嫌いな訳ではなく、未来も何も悪いことはしていない。
ただの個人の感情によるもので、誰も悪くなかったりする。
しかし、彼女の立場になって考えて欲しい。
彼女は先日の件で、小日向未来の友人関係である立花響、風鳴翼、天羽奏、雪音クリス等などがシンフォギア装者であることを知ってしまった。
仮面ライダーの方は特に関わりがないのでともかく、彼女自身は装者四人と関係を結んでしまっているのである。
このままセレナがシンやキャロルについて行くならいずれ敵対する。
そんな彼女たちにセレナはどんな顔をして会えばいいのか。
しかも一方的に知ってる分、騙すようになっているため、笑顔で自身を友と呼ぶ彼女たちと会うのは罪悪感も大きい。
仮にこのまま正体を隠しても話したとしても、友人関係である装者たちとセレナは争うことになるのは変わりはないだろう。セレナがシンやキャロルのために戦うのであれば。
だが、いずれ戦うことになったとしてもセレナは喜んでしまったのだ。
反発し合う感情に板挟みとなりながらも、セレナは連れてこられた。『Queens of Music』という奇しくもシンたちが向かっている会場を個室化された席---つまり特等席から盛り上がるところを眺めていた。
「いや〜それにしてもこんなギリギリでヒナの友達と出会えるなんてね」
「本当に良かったですね、せっかく風鳴さんから招待されたのにみんなで来れなければ申し訳ありませんから」
「こんなにギリギリだとアニメみたいよね」
「あはは・・・すみません」
「ううん、気にしなくていいよ。みんな、あの事件でどこも大変なのは知ってるから」
あの事件とは、ルナタック事変だろう。
特等席として用意された席に座るのは5人。
小日向未来とその友人である安藤創世、板場弓美、寺島詩織。
そしてセレナの5人。
これだけの人数がいてもまだ余裕があるのだから、セレナはなんとも言えない表情をするしかない。
「早く始まらないかなぁ。楽しみすぎてあまり寝れなかったから昼寝して来ちゃったんだよね〜」
「分かる分かる・・・私も眠りが浅かったのよね。だから昼寝してきたわ」
「み、皆さん同じなんですね。・・・私もしちゃいました」
「「えっ!?」」
「わ、私だって皆さんと同じことするんですよっ」
「いやー・・・詩織はしないイメージが強くて」
驚く板場と安藤に、ムクれる寺島。
彼女たちも響や未来の友人であることからか、その場は温かい。
騙していることに申し訳なく思いつつもそんな環境に居たいと願うセレナは、その場から逃げ出すことなど出来ずにただただライブ会場を眺めることしか出来なかった。
「うーん、そろそろメインイベント始まりそうだけど、ビッキーから連絡は来ないの?」
時間を見て気づいた安藤が未来に聞くと、彼女はスマホを取り出して連絡が来てないか確認するが、連絡は入ってこない。
装者としての仕事の影響で遅れているのだろうと信じる未来は頷いた。
「まだ来てないね。このままだと間に合わないかも」
「流石アニメみたいな世界で生きてる子ね」
「見逃してしまうのはお辛いでしょうね・・・」
あの時、フィーネとの決戦の場に離れた位置から見ていたセレナは、彼女たちが装者たちの存在について知っているということはわかっていた。
だが、誰もが心配することなく信頼するその姿に、セレナは何処か眩しく感じ---同時に未来の携帯を見て電話をしていないことに気づいたセレナは慌てて立ち上がる。
「ご、ごめんなさい。ちょっとお手洗いに行ってきます」
「あ、うん。場所は分かる? 分からないなら私が一緒に・・・」
「いえ、大丈夫です」
未来の心配をありがたく思いながらその気持ちだけ受け取ってセレナはその場を離れる。
確かに普通の人間と電話する分には離れなくとも問題ないのだが、いくら今まで誤魔化したり隠しているとはいえセレナが電話する相手は『人類の敵』となっているアークゼロ、つまりシンである。
もし何らかの拍子で迷惑をかけたり、正体がバレてしまえば全てが台無しになる。
なったとしても彼なら何とかしかねないが、いくら可能なら装者たちと戦いたくないと願っていても、彼らの目的を壊す訳にはいかなかったのだ。
だからこそ人気のないところで話す必要があったが---ライブがそろそろ始まるのもあって客足が一気に外から中に動き、なかなか人が居ない場所がない。人気のユニットとアーティストがコラボするのもあるのだろう。
このまま客足が止まるのを待っていたらライブが始まるため、何処か良い場所がないか見渡すと、ふと見つけた。
『スタッフ専用』と書かれた通路を。
こっそりとセレナは覗いてみるが、ライブが始まりそうなのもあってスタッフが総動員で準備に取り掛かっているのだろう。全く人気は無く、きっと問題ないだろう。
そこでセレナは周囲を見て、此方を誰も見てないことを確認すると少しの迷いの後に中に入る決断をした。
「本当は入っちゃダメなんでしょうけど・・・少しだけ。ごめんなさい」
小さく謝り、その道に入って駆けていく。
---ただ、彼女は知らない。その先に行くことによって、一つの、自身に深く関わりがある出会いがあることを---。
◆◆◆
「・・・ふぅ」
これから自身がやることを思い返すと、緊張しているのを自覚した。
いや、そもそも今から私がやることは誰だって緊張するはずのことだ。
世界を敵に回す---言葉に言葉にすれば呆気ないが、実際はとてつもない事である。
全てが敵になるのだ、その恐怖は考えれば考える程に恐ろしさを増していく。せいぜい、孤独じゃないだけマシと言えよう。
その点、アークゼロという存在の凄さも今の私にはよく分かっていた。
周りは敵だらけ。味方はいるかどうかは分からないが、ノイズ以上の脅威とすら言われており、これからの計画にとって私たちが一番現れて欲しくない相手でもある。
なんでも、アークゼロは人類の敵とされているのに今でも活動しているというのだ。
きっとその正体はとても心身共に強くて、長年生きているのだろう。その強さは、羨ましくも思う。
だが、そんな弱音なんて吐いていられない。全てはこの日の為に用意されてきた。
歌姫マリアも、フィーネとして演じる自分も、全ては今から始まる全ての為に。失敗は許されない。許されることは、無い。
「・・・そうよ」
思い返すのは、あの惨劇の日。
暴走するネフィリムを止める為に絶唱を奏で、自身にとって全てだった最愛の妹であるセレナが亡くなったあの日。
亡くなった妹よりもネフィリムを心配し、誰もが妹に目を向ける事さえ無く、やっと目を向けたかと思いきや、貴重なサンプルを失ったとだけ語った大人達に怒りを覚えたあの日。
この世に正義だけでは守ることの出来ない物が存在すると知ったあの日---。
ポケットから取り出したのはーーー
此処に来る前にマムから手渡された。
これにはシンフォギアとしての機能はなく、作戦に取り組むことは無いからお守り代わりに持ちなさい、と優しい言葉と共に渡されたペンダント。
「お願いセレナ・・・私に貴女のような勇気を・・・」
祈るようにそっと握ったペンダントから、当然何も帰ってこない。
家族としてのお世辞なしでも心優しい彼女は私がやろうとしていることを許さないだろう。
それでも、進むしかない。永遠に恨まれることになっても、セレナみたいな犠牲者を減らすために---
「マリアさん! そろそろお願いします!」
部屋の外から聞こえてきたスタッフの声に、覚悟を決める。
これから始まるのは歌姫としてのマリアが終わり、フィーネとして演じるマリアの始まり。
歌姫として過ごしてきた日々が名残惜しいが、私は止まれない。
歌姫としての最後のステージ。せめてそれだけは悔いのないように終わらせよう、そう胸に想いながら部屋の扉を開けた。
「・・・?」
ふと聞こえてきた通路を駆ける音。
別に何かを感じたわけでも、何かを見つけた訳でもない。何気なく、ただ物音に気を取られるのと同じように向かい側の通路を見た---
「---え?」
目が合った。
私そっくりの色をした瞳を、いつも整えてあげていたあの髪を、見ているだけで癒されたあの笑みを、聴くだけで落ち着かせてくれる優しい歌声を、愛らしいその姿を見て---
---紛うことない私の妹である、セレナ・カデンツァヴナ・イヴの姿が私の瞳に映った。
私だけは忘れない、見間違えるはずない、何度後悔したことか、何度代われればと願ったことか、何度もう一度会えたらと思ったことか。
セレナを守らないといけないという想いだけで辛い研究施設での生活に耐えて耐えて耐えて---失った。
燃え盛る炎の中、ネフィリムの暴走を止める為に絶唱を奏で、血を吐き、血涙を流し、傷つきながら、
手を伸ばそうとして、向かおうとして、届かなかった・・・。
私の手も、体も、近づくことすら出来ずに、彼女の姿は壊れゆく実験場の瓦礫で
助けることが出来たのに、ほんの少しの勇気を振り絞れば向かうことが出来たのに。
あの子は、最後の最後まで私を信じていたのに、家族である私が行けなかった。
静まり返ったあと、岩をどれだけ退かして探してもなお---残っていたのはセレナが残したと思われる破損したギアのみだった。
『マリア、どうしたのです。そろそろライブの時間ですよ』
突如聞こえたマムの通信。
それにハッとした私は開いた部屋を即座に出て見渡す。しかし、見えたはずの彼女の姿は何処にもなく、私は焦りながら周囲を見渡す。
スタッフらしき人物が不思議そうに見つめてくるが、今は気にしている暇はない。
「マムッ! 居たの・・・! あの子が---セレナが、セレナが確かに居たのッ!!」
『・・・なにを---何を言っているのですか。マリア、そんなはずがありません。それは幻---』
「そんなこと・・・ッ! だって、だって確かに---ッ!」
最後に見た時と
原因は分からない。でも、あの姿は、あの目は、間違いなく私にとって大切な一人の---
「マリア」
ふと肩を握られ、驚きで体をぴくりと震わせた私は即座に振り向くと、滅が見ていることに気づいた。
「・・・お前の妹は、既に死んでいるはずだ。死人が蘇るなんてことは、ない」
「・・・ッ」
そう言われて昂っていた感情が一気に冷静さを取り戻した。
切歌と調、そしてマムと一緒に
泣き崩れる調と切歌を、声も無く静かに涙を流すマムを。セレナの死を受け入れられずに、粗末な墓の前でただ涙を流し続けるしか出来ない無力な自分を。
『その通りです、マリア。これから成すことを前に緊張するのは分かりますが、彼女はもう居ないのです。貴女にどれだけの負担を掛けているか理解していますが、あの子の死を無駄にしないためにも私たちは遂行しなければなりません』
・・・そうだ。第一、セレナが生きているなら、彼女はもっと成長していないと
そう思うことする。そうしないと、私は立ち上がれなくなる。
「・・・ごめんなさい。ステージに向かうわ。滅も悪かったわね」
「構わない。お前たちが抱えているものは知っているからな。俺も配置につく」
滅の言葉に頷いた私はスタッフたちになんでもないと言ってから案内に続く。
そこから先に待つのは、歌姫マリアの最後とフィーネとしてのマリアの始まりの道---
◆◆◆
「ば、バレなかったでしょうか・・・」
そして彼女、セレナは冷や汗をかいていた。
誰も居ないと思って走っていたら、思い切り関係者であろうライブの衣装を着ていると思われる女性と目が合ったのだ。
その瞬間に全力疾走で走ったが、追われることはなかった。
動いていなかったため、スタッフじゃない人間が通っていたのに驚いたのだろう、とセレナは考えた。
「と、とにかくシンさんに居場所を伝えないと・・・」
全力疾走したのもあって、乱れる息を深呼吸して落ち着かせる。
特に、目が合った時はどうなるか分からなかったため、緊張もあったのだから落ち着く意味ではちょうどよかった。
良かった、はずなのだが---
「・・・?」
セレナは自身の胸に手を当て、複雑そうな表情になる。
モヤモヤとした、何か。知らない人と目が合っただけなのに、今まで感じることのなかった違和感。
何処か
「もしかして、有名な方らしいですしチラシかどこかで見たんでしょうかね?」
彼女は、記憶にあるものからそう納得させた。
言ってみれば、あのような人が描かれたポスターがあった気がすると頷き、呼吸を正常に戻したセレナは今度こそ周囲を見渡して誰もいないことを確認すると、隠れるように横通路に身を潜めて携帯を取り出した---
---ただ一つ、決して消えることのなかった胸に残る何かを抱えながら。
〇あーくさまとアズちゃん
もう鋭い人はいきなり察してそう。『しない』が大ヒントゾ。
〇滅
滅パパです。Vシネやる予定だけど、今思えば滅亡迅雷メンバーたちは本編後に出してもよかったかもしれない。
衣装は本編後のやつ。
〇マリア・カデンツァヴナ・イヴ
うっわ、つっら
〇セレナ・カデンツァヴナ・イヴ
誕生日おめでとう。でもこれは・・・暗くなりそう・・・?
あと(有名すぎて能力とかバレるから)やりたくなかったけどファウストローブの名前、変えます・・・。性能は変わらないので悪しからず。
変更前→ヌアザの剣
変更後→クラウ・ソラス
番外編(時系列にあったキャロルやオートスコアラー、他のキャラと主人公の日常)
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いる
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いらない
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二期行こう
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アークワンはよ
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うるせぇ、尊くさせろ。暗殺するぞ
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もっとイチャつけ
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息抜きは大事だからね仕方がないね
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で、IF編まだ?