戦姫予測シンフォギア 〜未来へのREAL×EYEZ〜   作:絆蛙

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第三話 カレはどんなパーソナリティ?

 

私は彼が()()()()()と思っている。

も、もちろんかっこいいというのは見た目の話じゃなくて・・・み、見た目もかっこいいけど、行動というか、なんというか・・・。

と、とにかく彼というのは、二年前くらいに大怪我は間違いなくするはずだった私を助けてくれた人で、学校で偶然出会ってから一緒に過ごすようになった男の子だ。

名前は『アルト』くん。優しくて、無表情で分かりにくいけど私を助けてくれたり、未来を守ったり手伝ったりしてくれる男の子。

私が趣味としてる人助けも、なんだかんだ最後まで付き合ってくれて私が大変そうな作業は引き受けてくれてる。

だからきっと、私たちを助けてくれるヒーローみたいな感じ・・・なのかな? 多分、()()()()()()()()()()()からなのかもしれないけど・・・。うーん・・・言葉では難しいね・・・。

 

でも、そんなアルトくんには、両親が居ない。私や未来にはちゃんとした両親もいる。でも、彼には居なくて、それでも彼は気にした様子もなかった。

寂しくないのか聞いても、アルトくんは首を傾げることしかしない。

それにアルトくんは私が見た限りでは、私と未来以外に一緒に居るような友達も、周りに誰かいることもなかった。

私はいつもお世話になってるし、少しでも一緒に居てあげたいって密かに思ってる。アルトくんに言ったら絶対「要らないお節介。必要ない」とか言うと思うからね。

 

だけど、彼には本当に世話になりっぱなし。いくら私が趣味が人助けとはいえ、私では無理なこともたくさんあるから。

例えば重たいものを持つ時とか、私も女の子だから重たいのは持つのが難しい。そんな時、アルトくんは手伝ってくれる。

そして勉強面でもアルトくんは教えるのが上手くて、私や未来に教えてくれるのだ---

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アルトくんっ」

 

「・・・なんだ」

 

これは初めて会った時から一年くらい経った時のお話。

未来が用事があるために早く帰り、私は居残りしていた時にようやく終わったと思って帰ろうと廊下を歩いてると、偶然空いていた窓から一人教室に残っている姿が見えて、話しかけた。

 

「一緒に帰ろ?」

 

「分かった」

 

「やった♪」

 

素っ気ない返事だけれど、会った時からこうだったために私は気にしない。

そして、アルトくんがランドセルを背負ったのを見て一緒に歩き出した。

 

「アルトくんはどうして残ってたの?」

 

私は好奇心によって、聞いてみることにした。

 

「特に理由はない。ただ---」

 

「ただ?」

 

言葉を区切ったアルトくんに、首を傾げる。

 

「・・・楽しそうだな、と思ってから、楽しいとは何か、考えてた」

 

「む、難しいこと考えてたんだ・・・」

 

私はそれしか返せなかった。

でも、確かにまだ帰宅時間じゃないからか外で遊んでる人たちは多い。

 

「・・・でも、どうだっていい」

 

「え?」

 

「俺には必要がない」

 

「そっか・・・」

 

どう言えばいいのか分からない。だって、私や未来には()()()()()。だから、考えなくとも『感覚的に』楽しいとか分かる。でも、アルトくんには感情がない・・・らしい。そこは噂通りなのかもしれない。でも、そうだったとしても--

 

「アルトくんはアルトくんだよ」

 

「・・・俺は俺?」

 

「私と未来の大切なお友達で幼馴染。それだけは変わらないと私は思うよ?」

 

「そうか」

 

私の言葉に、彼はぶっきらぼうに答える。

 

「それに優しいし!」

 

「それは関係ないし優しくない」

 

「えー」

 

優しいのに、と心の中で呟いた。だって、それじゃないと私のお手伝いとか普通しないもん。いくら言っても認めないと思うけど・・・。

 

「・・・そっちは何故?」

 

「私? 私はちょっと居残りで・・・あはは」

 

「そうか」

 

「むぅ、もうちょっとないの〜?」

 

聞かれて答えたのに短く返されたため、頬を膨らませてみる。

 

「・・・バカ?」

 

「ひどい!?」

 

すると、予想外の言葉で流石に(しょ)げた。

 

「・・・間違えた。お疲れ」

 

「間違えた!? 何処に間違える要素があったの!?」

 

「さぁ」

 

「アルトくんが言ったんだからね!?」

 

投げやりの言葉に益々むっとしてきた。

 

「それよりも、分からないところでもあったのか」

 

「えっと、そういう訳じゃないんだけどね」

 

「?」

 

話を変えるよう聞いてきたアルトくんに、バツが悪そうにそう答える。

 

「ええと・・・」

 

「なんだ」

 

煮え切らない私の言葉に、促すように言葉を続けてきた。

 

「・・・宿題が・・・」

 

「そうなのか。だが、前のはやったはず。手伝った記憶がある」

 

「い、いやぁ、うっかりしちゃって・・・」

 

「・・・?」

 

「無くしちゃった」

 

目を逸らして言った私に、はあ、とアルトくんはため息を付いた。

 

「気をつけるべき」

 

「うう、返す言葉もございません・・・」

 

そう言いながら靴を履き替え、外に出て一緒に帰り道を歩く。

少しの間、その場を沈黙が支配する。そもそも、アルトくんはそこまで喋るタイプじゃない。基本的には私から振ったりするから。

それでも、黙っていても嫌な感じはしない・・・けど、どうせなら何か話したいために考える。

 

「あ・・・」

 

「・・・?」

 

ふと、声に出した私に反応してかアルトくんは私の目線の先を追う。

私が見たのは---

 

 

「うぅ・・・おかあさん、おにいちゃん・・・どこぉ・・・?」

 

泣いている少女だ。多分幼稚園ぐらいの年齢。

迷子、なのかな?

 

「・・・」

 

「ね、ねえアルトくん・・・」

 

申し訳なさそうに、私がアルトくんの方を見ると彼は頷いてくれた。

 

「ありがとうね!」

 

「別に」

 

そう言って、少女の元へ私たちは走っていく。

 

「ね、どうしたの?」

 

泣いている少女の前に着いた私は、目線を合わせて聞いてみた。

 

「ふぇ・・・おねえちゃん、だれ・・・?」

 

「私は立花響。こっちのお兄ちゃんはアルトくん」

 

「よろしく」

 

自己紹介し、傍に居るアルトくんも紹介する。

 

「ひぅ・・・!」

 

「・・・」

 

すると、少女が泣き出しそうになっていた。

多分、アルトくんが無表情だったからかな・・・?

 

「えっと、それでどうしたのかな?」

 

笑顔で話しかけてみる。

 

「お、おかあさんとおにいちゃんとはぐれちゃって・・・」

 

おどおどしつつ答えてくれたものの、不安なのか再び泣きそうになっている。

それに思わず私は慌てる。

 

「泣くな」

 

「ちょ、ちょっとアルトく---」

 

しかし、そんな女の子の様子を見てるのに、いつもの態度で話すアルトくんを注意しようとすると---

 

「泣いてもいいことは無い。手伝う、だから泣くな」

 

そう言って、何処からか取り出したのか飴を取り出した彼は、目線を合わせて差し出していた。

 

「これ、やる。だから探そう」

 

「いい、の・・・?」

 

泣き出しそうになっていた女の子は、アルトくんに聞いて、彼は頷く。

いつの間にか女の子からは泣きそうだった様子は消えていた。

 

「いい。だから立つ」

 

「う、うん・・・!」

 

飴玉を受け取り、女の子はアルトくんの手を取って、アルトくんは優しく立ち上がらせていた。

 

「あ・・・ふふっ」

 

「・・・?」

 

「おねえちゃん?」

 

「ううん、なんでもないよ。それより、お姉ちゃんも手伝うね」

 

思わず、そんなアルトくんの姿に笑ってしまった。

やっぱりアルトくんは優しいな、と。

 

「じゃあ、行こっか」

 

そう言って、私は立ち上がって女の子と手を繋ぐ。

 

「そうだな」

 

「・・・・・」

 

アルトくんが返事をしたために、探しに行こうとすると少女が止まったままじーっとアルトくんを見つめていた。

 

「・・・なんだ?」

 

「おにいちゃん、手つないでくれないの・・・?」

 

女の子は、アルトくんの裾を掴んでそう言う。それは何処か、不安そうに。

 

「・・・・・・」

 

「アルトくん」

 

「・・・分かった」

 

どうするか悩んでた様子を見て、私が名前を呼ぶと観念したかのように女の子と手を繋いで、女の子は嬉しそうに笑っていた。

 

「じゃあ探そう!」

 

「うん!」

 

「・・・ああ」

 

帰り道とは全然違う方に行ってしまうけれど、女の子にどこら辺で迷子になったか聞きつつ、私とアルトくんは女の子の身内を探す。

その間にも、女の子のお母さんとお兄ちゃんについて、聞いてみた。

すると、嬉しそうにぶらぶらと手を揺らして女の子は喋ってくれる。それに相槌を打って答えるアルトくんを見て、もし子供が居たらこんな感じなのかな---と考えたところで、顔が熱くなってきた。

 

「---ちゃん。おねえちゃん?」

 

「へ? な、なにかな!?」

 

女の子に名前を呼ばれ、現実へと引き戻される。

な、何考えてるんだろう私!? いくらアルトくん以外の異性と関わらないからってアルトくんを見て、そんなこと考えちゃうなんて・・・

 

「うう、これもアルトくんが悪い・・・」

 

「待て、何故だ」

 

なんで心の声が聞こえてるの!?

 

「おねえちゃん、声に出てる・・・」

 

「ええ!?」

 

どうやら声に出てたらしい。

ご、ごめんね、アルトくん。と心の中で謝る。

 

「何か考え事でもしてたのか」

 

「おねえちゃん、私できることあるなら手伝うよ!」

 

「だ、大丈夫だよ。気にしないで」

 

ダメだダメだ! この子のお母さんとお兄ちゃんを探さないとなのに私が心配かけちゃった。しっかりしなきゃ!

・・・私がそうしてる間にも、アルトくんが普通にしっかりと探してくれてたみたいだけど。

 

「えっと、それで何だったかな?」

 

「うん。でね、おにいちゃんが---」

 

気を取り直して、女の子の話を聞く。

そして---

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「---見つけた。あの二人で、合ってるか」

 

「ほんと!? どこ? ぜんぜんみえないよ?」

 

今にも日が沈み、夜になりそうな時間帯になっている。流石にそろそろ警察に届けるべきか、と考えてると、アルトくんが発した言葉に女の子が手を離してぴょんぴょんとジャンプして探そうとしていた。

 

「右斜め前方。服の色、特徴的に合ってる」

 

そう言いつつ、女の子が見えるようにか、アルトくんが抱き上げていた。

言われた通りに私も見てみると、信号を挟んで何処か不安そうに慌てているような様子の男の人と、女の人が居た。

 

「見えたか」

 

「うん! おかあさんとおにいちゃんだ!」

 

すると、合っていたようで嬉しそうにはしゃいでいた。

 

「良かった。でも、向こうはまだ気づいてないみたい。信号が変わったら行こうか」

 

「うん!」

 

「ああ」

 

それに安心しつつ、一応女の子と手を繋ぐ。

そして信号が変わると、道路を渡り---

 

 

 

 

 

 

 

「もう、大丈夫だ」

 

「おかあさーん! おにいちゃーん!」

 

無事に渡った後、アルトくんの言葉を聞いた女の子は走って男の人と女の人に飛びついていた。女の子の声に反応したのか、お母さんらしき人は抱きしめ、お兄さんらしい人は私たちに気づいたようで、会釈してくれた。

 

「良かったね」

 

「・・・帰るぞ」

 

それを見たのか、もう用はないと言わんばかりにアルトくんは来た道を戻ろうとしていた。

 

「あっ、もう・・・」

 

冷たく冷淡と取れるような態度、それでも優しい彼に私は苦笑いし、隣に並ぶ。

 

「アルトおにいちゃん! ヒビキおねえちゃん! ありがとー!」

 

「今度は迷子にならないようにね〜!」

 

私は振り向いて、大きく手を振る女の子と感謝を示すようにお辞儀をする女の子のお母さんとお兄さんを見ながら、会釈しつつ手を振り返した。

ふと、気になって視線を横に逸らせば、アルトくんは会釈しながらも目線だけは女の子をしっかりと捉えていた。

それにくすっ、と私は笑う。

 

「アルトくんっ」

 

「・・・なんだ?」

 

「ふふん、なんでもなーいっ」

 

「・・・・・・?」

 

きょとん、とする彼の手を掴んで、私は帰り道を歩く---

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「---き」

 

声が聞こえる。

 

「--き-ろ---」

 

声が聞こえ、揺すられるような感覚に陥る。でも、このまま寝たいという睡眠欲もあって---

 

「---起きろ」

 

何度も聞いたことのある男の子の声に、意識が浮上した。

 

「んんぅ・・・?」

 

「やっと、起きたか」

 

瞼を開けると、ぼんやりと目の前の景色が見え出し、私の前には無表情の人型が形成され---

 

「アルト、くん・・・?」

 

「ご飯、出来てる」

 

「んん、ありがとう・・・」

 

脳が目の前の人物を認識すると、口元に少し違和感を感じる。でも、まだ完全に意識が回復したわけじゃないために目を優しく擦る。

どうやら寝てたようで、さっきのは夢だったらしい。これはまた懐かし夢を見た気がする。

 

「・・・ティッシュ」

 

「ありがとー・・・」

 

彼も私が違和感を感じてることが分かってたのか、私にティッシュを差し出してくれて、違和感があった口元を拭いた。

そして、ティッシュが濡れたことからして、それが涎だと分かると---

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()

 

 

「・・・?」

 

「っ〜!!」

 

「なにを---」

 

「で、出ていって! お願いだから!」

 

顔が急激に赤くなるのを感じながら、彼の、アルトくんの背中を押して自分の家ではないと分かってるけれども、部屋から出す。

 

けど、今はそんなことを気にしてる暇はなかった。

だって、見られたから。私も女の子だ。恥ずかしいのは恥ずかしい。特に、私たちはまだ小学生だけど、もうすぐ中学生だ。同年代の男の子の家で安心して涎を垂らしてる所なんて見られたら恥ずかしいに決まっている。いくら私が悪いとはいえ---

そもそも、何故未来が来てくれなかったのだろう。多分、アルトくんが起こしてくるとか言ったからだろうけど、いくら友達で幼馴染とはいえ、男の子が乙女を起こしにくるのは・・・って、アルトくんの場合全く気にしないもんね・・・じゃなきゃ、この歳で男の子の家には泊まれないよね。

アルトくんも女の子としては扱ってくれてはいるのだろうけど・・・。なんかこう、ちょっと不満だ。

 

「・・・何故出された?」

 

そんなことを考えてたせいか、外でそんな反応をしてることには気づかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆

 

 

 

 

---まぁ、そもそも感情がないと言われてる彼に理解なんてできるはずがないんだが。

出来てたら彼は多分ぼっちじゃないのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分の家なのに部屋から追い出された憐れなアルトは、とりあえず待つことにした。

すると、一分くらいで響が出てきて、申し訳なさそうにアルトに近づく。

 

「ご、ごめんね? 出て行かせちゃって」

 

「いや・・・何か、すまなかった」

 

アルトは本能的にか、自分が悪いことをしたのかもしれないと思ったらしく謝る。

 

「う、ううんさっきのは私も悪かったから!だからお互い様ってことで」

 

「分かった」

 

響の言葉にアルトが頷くと、「あいつが待ってる」とだけ言い、先にリビングに戻っていく。それに響もついて行った---

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、遅かったね。何かあった?」

 

「・・・なんでも」

 

「う、うん気にしないで!」

 

「? 二人がそう言うなら・・・。それより、ご飯出来てるよ」

 

「未来のご飯、楽しみ!」

 

「ん」

 

とりあえず誤魔化した二人は、席に着く。未来も同じように席に着き---

 

「それじゃあ、いただきます」

 

「いただきます!」

 

「・・・いただきます」

 

手を合わせて、ご飯を食べ始めた---

 

 

 

 

 

 

 

 

「うん、未来の手料理、美味しいなぁ」

 

「・・・美味」

 

「ふふ、ありがとう。あ、ちょっと待って、アルくん。口元にご飯粒が---」

 

「・・・悪い。感謝する」

 

「どういたしまして」

 

 





ということで、今のアルトくんをどう思ってるのか、って感じですね。ぶっちゃけ幼馴染に男の子が居たら、一期の初心な所から寝顔だけでも恥ずかしくなると思います。
最後の未来さんの正妻感が出てた気がするのは多分気のせい。

そしてみんな大丈夫?アーク様はともかく、滅亡迅雷netに接続してるよ?平気?いやまぁ---そういうの、(お巫山戯)好きだけどね

おまけ編

  • やれ
  • やらなくていいよ
  • 投稿スピード変わらないならやって
  • 本編もおまけも全力全開!
  • ひらめキーング!
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