戦姫予測シンフォギア 〜未来へのREAL×EYEZ〜 作:絆蛙
一万文字超え・・・だとぉ!?めっちゃ気合い入れて書いたからなぁ・・・。
というか、今更ながら主人公の容姿って書いてましたっけ・・・?覚えてないから軽く乗せます。
〇アルト
黒髪黒目 The 日本人って感じ。あとカッコイイ。でも常に無表情。感情は雰囲気で感じ取れ(無理難題)
本編どうぞ!さあ、地獄を楽しみな!(ゲス顔)
「あっ! アルトくん!」
「・・・ああ。居たのか」
ライブ当日の日、約束の時間より早く来てしまったアルトだが、どうやらそれよりも早く居た響が見つけたようで、駆け寄っていた。
響は女の子らしい格好をしていて、対するアルトは赤いパーカーに黒いジャケット。それから黒ズボンという服装である。
ちなみに、この服を選んだのは未来と響であった。
まぁ、そもそも服にも興味がない彼のことを考えれば、二人が選ばなければ悲惨なことになることは想像に容易いだろう。下手をすれば文字Tシャツという相応しくない格好になる可能性もある。
「うん。アルトくんは未来見た?」
「見てない。時間はまだだが、あいつのことだから遅刻はないと思う」
見当たらないもう一人の幼馴染の姿を響が聞くが、アルト自身も、未来の性格は理解してるのかそう答えていた。
「じゃあ、私が電話してみるね」
「ああ」
そう言ってから、響は携帯で電話を掛けていた。
「未来、今どこ? 私とアルトくん、もう会場に来てるよ?」
「・・・ん?」
「えっ、どうして!?」
突如、響が素っ頓狂な声を上げ、少ししてから電話を終えたのかため息を吐きながら閉まっていた。
「アルトくん。未来は叔母さんが怪我しちゃって家族で向かうことになったんだって。だから来れないみたい---」
そう言いながら、響は隣を見た。
「ってあれぇ!? アルトくん!? あれ、さっきまで居たよね!? 私、呪われてるかも・・・」
気がつけば、アルトの姿は
で、問題のアルトといえば---
「そっちに行くな」
列に並んでいる時、偶然見えたために走ってきたのである。
「にゃぁ・・・」
「・・・何処だここ」
そして、きょろきょろと周囲を見てみると、見たことの無い場所に気がつけば入っていた。
そう、彼は
「あぁ---」
そのまま考えると、アルトはふと思い出す。
『
「・・・バレないうちに戻っておくか」
どうやら警備員は会場が空いてないからか、はたまた警備範囲じゃないのか居ないらしい。なので、アルトはとりあえず来た道でも戻れば良いだろうという考えで、怪我してる猫の足にハンカチを巻きながら戻ろうとしていた。
バレなければ犯罪では無いのである。
「〜〜♪〜〜〜♪〜〜♪」
しかし、そんな彼の耳に、
それはアカペラ。しかし、澄んだよく通る声だった。
「・・・?」
もしかして自分と同じく迷い込んだのか、と思いながらアルトは歌に導かれるようにその道へ行く。
「〜〜♪〜〜〜♪」
その声の正体は、数mはあるくらいの距離にあった資材などの搬入を行う場所だった。
どうやら気がつけば、中に入ってしまったらしいと幼馴染のせいで慣れてしまった暴れる猫をアルトは落ち着かせながら心の中で考える。
「〜♪〜〜♪」
ふとアルトが視線を上にあげると、少しせり上がった段の上に自分より年上で、学生くらいと思われる少女がそこに居た。
ふんわりとボリュームのある赤毛に白いマントのようなものを羽織っていて、マントのせいで服装や体形は見えない。
「〜〜〜♪〜〜♪〜〜〜♪」
「・・・」
アルトの存在に気づくことはなく、その少女は楽しそうに歌っている。
それを聴いていたアルトは、不思議と
「~〜〜♪〜〜〜♪・・・」
少女は最後の詩をのびやかに歌い切った直後---
「うにゃぁぁぁ」
「・・・あっ」
「ッ!? 誰だ!?」
こっそり去ろうとしていたアルトの腕の中で丸まった猫が、欠伸をした。
そのせいで少女に気づかれる。
その少女は驚いた
「・・・」
「・・・」
思わず、無言となる二人。
アルトに至ってはどうしてくれるんだ、と言った雰囲気を纏いながら猫を見つめていた。そして知らないふりをして眠る猫。
少ししてから、少女がため息とともにアルトと同じ場所にまで降りた。
「あんた、警備の人でもないだろ。ここは関係者以外立ち入り禁止だぞ」
「・・・すみません」
無表情のまま、アルトは頭を下げて謝る。
「あたしだったから良かったものの・・・その猫でも追ってきたのか?」
少女の言葉に、アルトは頷く。
「内緒にしておいてやるから、もう入ってきちゃダメだぞ」
「・・・そっちは? 関係者以外立ち入り禁止だと、言ったのに居るのは---」
「プッ・・・アハハハハ!」
アルトの言葉の途中に、唐突に少女が笑い声をあげる。
「・・・何がおかしい?」
それにきょとんとするアルトだった。
「いやぁ~・・・なんて言うか、あたしらもかな~り有名人になったと思ってたけど、まだまだなんだなぁって。というか、あんたはあたしらのライブを見に来たんじゃないのかい?」
「・・・ライブ? ということは---」
その言葉に、アルトは理解したのか目の前の少女をじぃっと見つめた。それに対して、少女はニイッと笑う。
「そう、あたしの名前は
「へえー」
「って、それだけ!?」
得意げに言ったのに、アルトの反応が棒読みで興味が無さそうだったからか思わず奏はずっこけた。ファンには見せれない光景であった---
「へえ〜あんた、その年で中々苦労してるんだね・・・特に人助けをする幼馴染に」
「・・・別に」
結局、暇つぶしに話すことになった二人は出口辺りで座って話すこととなった。
ファンにとっては嬉しいことなのだが、残念なことにアルトは全く覚えてなかったほど興味を持ってなかった人間である。
話した内容については、名前を伏せて幼馴染たちのことを話したらしい。まぁ、それ以外に他と関わらない彼には話せる話題がないというのもあるが。
「あんたは、何故歌う?」
理解できない、といった雰囲気を纏ったアルトが聞く。
「奏でいいよ。それで、あたしが何故歌うかって? ・・・まぁ、簡単に言えばさ、あたしにはどうしてもしたいことがあって、そのための手段で死に物狂いで歌ってた。それが気付いたらこんなでっけぇ場所で歌うことになってたってわけ」
何処か遠い目をして言う奏に、アルトは何も言えなくなった。
「・・・アハハ! 悪いね、空気悪くしちゃって」
「いや、いい。俺には
空気を変える様に朗らかに笑う奏に、アルトは無表情で答える。
「そっか。あんた感情ないって言ってたね・・・」
「・・・ああ。だけど、さっきのあんたは今言ってたこととは違った」
奏の言葉に、頷きながらアルトはそう呟く。
「え?」
「さっきのあんたからは
アルトの言葉に、奏は心底関心したような、驚いたような表情をする。
しかし、すぐに微笑んだ。
「へぇ〜これは驚いた・・・凄いね、感情がないって言ってた割にはあたしのことに気づいてる。確かに、最初はただ死に物狂いで歌ってたけど、いつの間にか誰かに歌を聴いてもらうのが楽しくなってきてるよ。今じゃ翼――相方とずっと歌っていたいって思ってるから。目的のための手段だったはずなのに、今じゃ歌うことの方があたしの生きる目的になってるかもしれねぇ」
「・・・そうか。それがあんたの
そう言いながら、アルトは猫を抱えながら立ち上がった。
「ッ!?」
「そろそろ、準備があるんじゃないのか」
二度目の驚愕の表情を見せる奏に視線を向けず、アルトは猫を見つめて言っていた。
「あっ!? やべっ! ホントだっ!?」
アルトの言葉に気づいたのか、時計を確認した奏も立ち上がった。
「ここまで案内してくれて、感謝する」
「いや、いいよ。あたしも楽しい話や面白い話も聞かせてもらったし」
「そうか。じゃあ、俺は戻る。幼馴染があんたのライブ、楽しみにしてるんだ。頑張ってほしい」
「ハハハ、言われなくともみんなのために頑張るよ。それにしても、感情ない割には他人を気遣ったりして・・・あんた優しいんだな」
無表情のまま言うアルトに、奏は微笑みながら言った。
「・・・優しくはない」
それを、アルトはいつものように否定するが、そんなアルトの姿を奏は微笑んだままだった。
「そういうことにしておくさ。それじゃ、最後にあんたの名前教えてくれないかい?」
「・・・アルト」
そう言いながら、アルトは携帯を取り出し、『先に入ってるよ!』というメールを見ながら向かおうとする。
「アルト!」
そんなアルトの姿を見て、奏が名前を呼んだため、アルトは振り向いた。
「・・・なんだ?」
「アルトもいつか、みんなと同じように感情を理解出来て、顔に出るようになるといいな!」
「・・・・・・」
それだけ言い、手を振って戻っていく奏の姿をアルトは何を考えてるのかは分からないが、無言で手を挙げ、踵を返したのだった---
「アルトくん、遅い! 何してたの? 心配だったんだからね?」
無事に響と合流したアルトは、早速頬を膨らませた響と対峙していた。
「・・・悪い」
「って、あれ? その猫・・・」
「しまった・・・」
そして、時間が時間であったため、直接向かったせいか服の中に入れて猫を持ってきたままのアルトである。
とりあえずもう始まるせいで真っ暗になるために、アルトは諦めて猫が息出来るように再び位置調整していた。
「あ、暗くなった! 仕方がないから静かにしてくれること祈って、ライブに集中しよ?」
「ああ・・・それにしても、人気なんだな」
アルトがそう言いながら周囲を見ると人、人、人で、何処を見ても人だ。この状況で暗い中動けば、猫を外に出す前に大変なことになるだろう。
ハチマキみたいなのを巻いて、法被を着ながらもペンライトを全力で振ってるガチ勢が居るが、アルトは興味がなかったので視線をツヴァイウィングに移した。
そして、ライブが始まる。
ツヴァイウィングの二人は落ちるようにやってきた。その際に見えたリボンはまるで翼。
二つ揃うことによって、羽ばたける両翼。
それだけで、アルトは奏が片翼と言っていた言葉に何処か納得した。
「いぇーい!」
響がサイリウムを振って盛り上がってるのがアルトの視界に映るが、気にせずに見つめる。
曲がサビに入る---既に大盛況と言えるくらいに、会場の盛り上がりは凄くて、アルトでさえも目が離せなくなっていた。
さらに、曲がサビに入ると同座に天井が開き、夕焼けがいい味を出している。
客も、それに合わせるようにヒートアップし---
一曲目が終わる。
「すごい! ドキドキする・・・これがライブなんだね!」
「これが、今のあんたの
「えっ!? なんて!?」
「なんでもない」
客の盛り上がりのせいか、アルトの普通の声音だったためにか聞こえなくて響が聞き返す。
それを、アルトはなんでもないと知らせるように首を振った。
「まだまだ行くぞぉーっ!」
奏の声と同時に、会場からとてつもない歓声が沸き起こり---
「えっ、なに!? 演出!?」
「違う。・・・『嫌な予感』がする」
突然の爆発に周りは慌てたり、困惑したり、悲鳴を上げて逃げようとする。
しかし、アルトは隣にいる響から目を離さないようにしつつ、いつも通りに無表情で冷静に見つめていた。
「ノイズだぁぁぁぁぁ!」
誰が叫んだのか、そんな声が聞こえた。
ノイズ、この世界における絶望の象徴。認定特定災害とも呼ばれており、突然現れては人々の平和を脅かす、まさに『
その特徴はカラフルな色とマスコットのような見た目。しかし、見かけによらず恐ろしい存在だ。何が恐ろしいかと言うと、人間のみ襲い、触れた人間をノイズごと炭素の塊に変換し炭化させるという力がある点だ。
何よりも恐ろしいのはノイズの特性である『
位相差障壁とは、ノイズの存在を人間の世界とは異なる世界に跨らせることで、通常の物理法則下のエネルギーによる干渉をコントロールする能力である。
ノイズ自身の「現世に存在する比率」を自在にコントロールすることで、物理的干渉を可能な状態にして相手に接触できる状態、相手からの物理的干渉を減衰・無効化できる状態を使い分ける。
要するに、ノイズは物理法則から切り離された状態で活動できるのである。
これにより、人間の行使する物理法則に則った一般兵器では、ノイズに対してゼロから微々たる効果しか及ぼすことができない。
ただし、存在比率が増す瞬間にタイミングを合わせたり、効率を考えず間断なく攻撃を仕掛ける長時間の飽和攻撃によって殲滅は可能。
しかし、どちらも効率的・有効な対策とは言えず、特に後者に関しては周囲にノイズよりも深刻な被害をもたらす結果となった事例も報告されている。
つまりは、要約すれば、ただの人間では対処が出来ない相手なのだ。
だが、本来は人が一生のうちノイズに遭遇する確率は、東京都民が一生涯に通り魔事件に巻き込まれる確率を下回るとされている。
当然、それについて知らない者はこの世界には余程な限り居ないだろう。
それは彼も例外ではなく、興味はなかったが知識としては身につけられていた。
「逃げるぞ」
「あ、アルトくん!?」
その間にも逃げ惑う人々にノイズが突撃して炭化させるが、アルトは無表情で響を逃がすように手を引っ張る。
恐怖でか、はたまた状況を整理出来てないからかアルトに引っ張られるままだが、当然の如く
殴り合うものさえも出てきたり、人が倒れても踏みつけてお構い無し。それは
それに、なによりも今この空間には間違いなく『
「・・・っ」
それを見たアルトは、何とも言えなくなるが、ほんの少しの迷いのうちに、止まって響を見つめた。
「アルトくん・・・?」
「お前は逃げろ」
「えっ・・・? アルトくんも一緒に---」
「お前には
無表情で、どう思ってるかなどの雰囲気でさえ何も感じ取れない。そして---
「な、何言ってるの!? ノイズだよ!? それに、アルトくんは私たちの---ひゃっ!?」
「ま、まっ---!」
その瞬間には、アルトは
そもそも、何も感じることなく、その先は地獄だというのにも関わらず走る---
『---
『---
歌が聞こえる。それは、
「ま、待って・・・助け---」
「こっちだ」
そして響と離れたアルトは、倒れた人を助け起こしたり他の人を
そんな彼は、
「ッ・・・!」
当然、助け起こしてる間にも鳥型のノイズは槍状に、人型のノイズは紐状になって獲物を見つけたかのように突撃し---
『
「・・・触れたらアウト、か」
回避されたノイズは地面にぶっ刺さり、土煙を起こす。その間にアルトは助ける。全員は助けられないと分かっていようが、彼は動いていた。何体も突撃してくるノイズに対しては、ひたすら『
ふと、アルトが視線を奏が居たところに移すと、彼女たちは戦っていた。鎧のようなものを身に纏い、槍と剣を携えて。
しかも、ノイズをしっかりと倒している。だからだろうか、気づかなかったのは---
「アルトくん! 後ろぉ!!」
「・・・!」
予想外、それはアルトにとって予想外の声。聞き慣れてる声に反応して横に飛ぶ。同時にノイズが壁を破壊し、その際にかなりの速度で飛んできた岩に頭をぶつける。
「だ、大丈夫!?」
「何故、来た・・・」
頭から血を流したアルトは抑えながらも見た。
そこには、涙目になっている響。当然だ、何人も死んだ姿を目にしたはずなのだから。
「だって、アルトくんは私と未来にとって
「・・・バカが。早く行くぞ。お前も今回ばかりは暴れるな」
「にゃぁ」
呆れて何も言えないアルトは、既に助けられる人が居ないからか響の手を引っ張って逃げる。
未だに本能的にか震えてる猫を支えて。
「アルトくん! 血が---」
「・・・無理はするなと言っただろ」
「えっ!?」
響の言葉を無視したアルトは、奏の方を見ながらそう呟いた。
「・・・!」
「わっ!?」
そして、『嫌な予感』を感じ取り、アルトは猫を響に強引に抱えさせ、容赦なく前方に投げ飛ばした。
その瞬間に、ノイズが通り過ぎて目の前にある壁と鉄の柵のようなものを破壊し---
とてつもない速度で飛んできた鉄の柵が、アルトの右足と左肩にぶっ刺さった。恐らく、外れた際に尖った折れ方をしたのだろう。さらにコンクリートの石礫を掠ったのか横腹からも血を流して、いくらか直撃していた。
「がっ・・・」
どれだけ感情がないと言われようが、彼だって人間。
力が入らず、痛みによって倒れる。
「えっ・・・? ある、と・・・くん・・・?」
響は倒れたまま、目の前で倒れ、地面を血で濡らしている幼馴染の姿に思考が止まり---
「きゃっ!?」
思わず、と言った感じで響は目を閉じてしまう。だけどいつまで経っても痛みは来なくて---
「ぅ・・・ぁあ・・・」
無理矢理体を動かしたアルトが、響の手を強く握っていた。
「アルトくん・・・!? だ、ダメ、離して! それ以上は・・・!」
落ちるはずだったのに、痛みを感じなかった響は気になって目を開き、驚愕した。
なぜなら倒れた際にか、はたまた直撃したせいなのか両腕にまで血が出ているアルトが手を握っているのである。その影響で血を伝ってきたため、響はアルトに離すように言っていた。
「っ・・・太陽は、陽だまりのところに・・・」
「な、何を言ってるの!? 今は---」
だが、運命というのは残酷だ。
不運とも言うべきなのか、響を離すまいと力強く握っていたアルトの足場でさえ、壊れる。
その瞬間、せめてダメージを下げるためか視界が半分赤く染っているアルトは響を抱き抱え、ステージ側へと落ちた。
「ッ・・・がは・・・」
本来ならば、そこまで高くないために打撲程度で済むだろう。だけども、アルトは自分を下敷きにしたのだ。
それも、既に傷だらけなのにも関わらずに。
そうなれば、彼のダメージ量は計り知れない。
「ッ!? アルトくん、しっかりして! アルトくん!!」
それに気がついた響は慌てて退き、声を掛ける。
「まだ、間に合う・・・」
響に言葉を返さずに、アルトは何かを呟く。
無表情ではあるが、彼の纏う雰囲気は何処か焦っている。それは、自身の限界か、それとも流石にこれ以上は響を庇えないことなのか分からないが、焦っている。
それでも立ち上がり、足を引き摺りながら響の手を引っ張っていた。
「ノイズは、
「アルトくん、ノイズがもうっ・・・!」
アルトは片目を閉じてる影響か、足元がおぼつかなく、さらには視野も狭まっている。
そこに追い打ちをかけるように響が指を指した方を見ると複数のノイズがいる。
もはや、今のアルトに回避する術はない。だからこそ---
「行け・・・俺が、
アルトは、自分を犠牲にする。それは・・・彼は知らないが、未来が危惧していた結果と同じ。
「だ、ダメ! 一緒じゃなきゃ!」
「そんなこと・・・言ってる場合、じゃない・・・だろ・・・」
「でも---」
そんな言葉を言い合ってる間にも、ノイズは迫ってきていた。
よもや、今逃げても互いに簡単に炭化させられるだけ。つまり、ゲームオーバー・・・チェックメイトだった。
「・・・流石に、無理か」
アルトはせめて、最後まで引きつけようと前に出ようとした---
「おらぁぁああ!」
「・・・! お、まえ・・・」
絶対絶命のピンチ。そんなアルトを助けたのは、ライブ前に偶然出会った天羽奏だった。槍でノイズを切り裂いたのである。
「なっ!? なんで・・・いや、今は駆け出せ!」
「今、行くしか・・・ない・・・ぞ」
「あ、アルトくんっ!」
ノイズを片付けた後、奏は振り向いた際に、驚愕したような表情をするが、すぐに前を向いた。
そして、響がアルトの名前を呼んで代わりに引っ張っていく。
血の流し過ぎた影響なのか、今にも息が絶えていて、体力が無くなりかけてるアルトは響に引っ張られながらも奏の方を見つめ続けた。
飛んできたノイズを奏は槍をくるくると回すことで炭化させる。
しかし、芋虫型のノイズが体液のようなものを吐き出し、追い打ちを掛けていた。
このままでは耐えれないと判断したのか、奏は雄叫びを上げながら槍の回転速度を上げた。
しかし、奏の纏う鎧がボロボロと崩れ始め――
もう少しで出口、と行ったところまで到達した時。激しい爆発音と砂煙が巻き起こる。
その際に止まったことが行けなかったのだろう。
響の
「えっ・・・」
「なっ・・・」
そして、響は倒れる。
力が抜けたせいか、響の中から猫が離れていった---
◆◆
既に、分かっていた。もう自分が限界だということは。
今日はあくまでライブをするだけ、それだけだったから
だから、翼とは違う時限式のあたしはいつもより早く制限時間を迎えてしまっていた。
それでも、全力を出せないだけでノイズを倒すことは出来る。
そう考えて槍を振るってノイズを切り裂いていた。
「おらぁぁあああ!」
ふと、少しでも数を減らすために次のノイズに行こうとしていた時、まだ残っていて、なおかつ逃げれてない男女が見えたあたしはすぐに助けに入った。
例え全力を出せなくとも、二人だけでも救うために。
必死だった。だから、助けた相手が誰かなんて気づけなかった。
「・・・! お、まえ・・・」
さっき聞いた事のあるような声が聞こえて、思い出そうとするのを後回しにする。
そのまま後ろの二人を逃がすために言葉を紡ごうと振り向いた。
「なっ!? なんで・・・いや、今は駆け出せ!」
当然、驚いた。当たり前だ。
なぜならその少年は、あたしより幾つか年下で、無表情で愛想がないけども何処か優しさを感じたり、意外に他人を見てたり、初めて会ったのにも関わらずあたしがノイズに抱いていた感情を見抜いたやつ・・・アルトがボロボロだったのだから。
両腕と横腹からは血を流しているが比較的マシで、左肩と右足に至っては鉄の柵のようなモノが刺さったままだ。
なにより、頭からも血を流して左目なんて血で見えなくなっていた。
恐らく、傍の少女を守っていたのだろう。
実はあたしはあの時、ライブ前に話して思ったことがある。こいつにはもっと生きて感情を理解できるようになって欲しいと。
だって、あたしたちよりも年下なのに感情も理解出来ないなんて悲しすぎるだろ。
いつか、感情が理解出来るようになって欲しい・・・だからアルトを殺させる訳には行かなかった。
そのためにも、あたしは人を助けるために、時間稼ぎを目的でノイズの攻撃を受け止め続ける。
でも---
既に時限式の限界を超えてたあたしのギアは破損していく。
さらに、戦闘の余波で飛び散った破片の一部がアルトが守ってきたであろう少女の胸に突き刺さり、赤い花が咲いた。
「なっ・・・」
「あっ!? おい、しっかりしろ!」
自分の身に纏う鎧が見る影も形もないこと自覚していたが、周囲のノイズを薙ぎ払ったあたしは急いで少女に駆け寄る。
「・・・っ」
もう限界が近いはずなのにアルトは、無表情だが何処か必死そうな様子で血溜まりの中に倒れる少女にハンカチを押し当てていた。
「おい、死ぬな! 頼むから、目を開けてくれ!」
だから、あたしも諦められなくて必死に声を掛ける。
「
そして---
うっすらとだが、目を開けてくれたことに安堵するのと同時に、あたしはアルトと女の子を見て、覚悟を決めた。
シンフォギアに備えられた最大最強の攻撃手段。それが『絶唱』。
増幅したエネルギーを一気に放出することで得られる攻撃力はまさに最強の一撃。
しかし、それは代償なしには放てない。高めたエネルギーはバックファイアとして装者にも襲い掛かる諸刃の剣だ。
既にボロボロな自分が使えば、耐えれずに死ぬことは分かっていた。それでも、この二人の命は
「アルト。この子を頼めるか?」
「・・・あん、たは?」
今にも、キツそうなアルトに申し訳なく思いながらも、自分は彼女を連れて行けないためにお願いする。
「あたしは---
「・・・そう、か・・・」
それだけ言うと、この場でも、今の状態でも表情の変わらないアルトにあたしは苦笑いした。
だけど、理解してくれたのか彼は少女を抱えて出口へと向かっていく。
距離からして、きっと大丈夫だろう。
それでも、ここで戦わなければノイズは二人を殺してしまう。
だからあたしは自身の槍を手にして、前を見据えた。
「・・・もし、届くなら最後まであたしの歌、あんたも聴いてくれよな。アルト」
今のあたしなら、何でも出来そうな気がした。
あぁ、でも・・・叶うならば、翼ともっと歌いたかったな。アルトは、感情を理解して、みんなと同じようになれるのだろうか、あの少女は最後まで無事なのか、弦十郎のダンナや了子さんたち、みんなは無事なのか、そんなことは浮かぶし死ぬのはあたしも怖い。
何よりも、あたしがいなくなった後の翼が心配だ。翼はいつも真面目で、固い。だから、そのうちぽっきり折れてしまいそうだから。
でも、もうこれしかないんだ。だからせめて、最後はあたしの歌を、この場の全員に届かせるだけ!
そう思うのと同時に槍を頭上へ掲げ、深呼吸をする。
そしてあたしは覚悟を決めて目を閉じ---
「---Gatrandis babel ziggurat edenal」
今、口にしている歌は
それでも、歌うしか無かった。これならばここに居るノイズは片付けられるから。
「---Emustolronzen fine el baral zizzl」
「いけない奏ぇっ! 歌ってはダメェェェ!!」
相方の、翼の声が聞こえる。それでも、やめるつもりはなかった。
なぜならこのまま戦っても、LiNKERがないあたしは戦えない。翼一人に負担をかけさせて、翼も危なくなる可能性だってある。
ごめんな、翼・・・。
「---Gatrandis babel ziggurat edenal」
これは、命を燃やす・・・最後の歌だ。
「---Emustolronzen fine el---」
そして、あたしは絶唱の最後の詠唱である一節部分を---
◆◆◆
『
それは、警告。
果たして、ノイズに向けられた警告なのか。それとも、奏に向けられた警告なのか、それとも第三者に向けられたものなのか。
『
次に流れた一節は、これは試験ではない。試運転でもないと取れる言葉。つまりは、テストでは無いということ。
「な、なんだ!?」
何処からともなく、ネイティブな英語が聞こえたからか、それとも正体不明の声にか、奏は思わず
「歌・・・ではない? ・・・ッ! 奏ッ!」
何処からか聞こえた正体不明の音声のようなモノのお陰で、奏の絶唱が止まったことに安堵しつつ翼が駆け寄った。
「翼・・・」
「なんで、なんで絶唱を使おうとしたの!? もし使ったら奏は・・・!」
「それは---ごめん・・・でも、今は」
涙目となっている翼を見たからか、奏は申し訳なさそうに謝り、ノイズを見た。
「分かってる。奏は休んでいて。さっきのが何なのか分からないけど、ここは私が---」
そう言った翼が話を後にして剣を手にしながら向かおうとした時だった---
『ハイブリッドライズ!』
何処からもなく、さっきと似たような声が聞こえたのは。
『シャイニング!アサルトホッパー!』
そして、
当然、土煙が出てきて
素体が真っ黒。しかし、所々に
そして、足りない装甲を補うかのように
何よりも、目は赤くて、胸部の中央には同じような
『
最後の音声が流れ、
まるで
それだけじゃない。
「なっ・・・!? 貴方は、一体何者!?」
「あんたは・・・!?」
しかし、突然現れた
だが、
「・・・ゼロワン、
それは、伝説の始まり。
とある世界で、旧時代の歴史を塗り替え、新時代の幕をあけた令和の象徴。
新たな時代に生まれた始まりの一号。最古から受け継がれてきた仮面伝説を受け継ぎ、旧世代と並び立つ新世代の伝説を創りし者。
果たして、伝説は塗り替えられるのか---
〇アルト
そのうち未来予知しそう(小並感)
実はクソボロボロ。本当になんで生きてんだ、こいつ
今の服装は飛電或人。
奏の中にある復讐心には気づいてた。何に無理してるかは知らない。
感情はなくとも心はあるので人間。だから痛覚もある。人の心を無くしたら
〇立花響
原作では観客席ずっと居たけどこの作品ではアルトのお陰で本来なら逃げれてた。
でも、アルトのことが大切なので戻った。
原作通り破片ぶっ刺さる。
でも生きてる。
〇小日向 未来
誘ったけど原作通りの事情で無理だった。
なお、来てたら(作者が自分の精神を犠牲に)もっと酷いことにしてるので何気に最善。
危惧してたことが合ってた。つおい
〇天羽奏
元より生存させるつもりだったし、あのシーンはこの小説書く時から決めてた。
実はタグが生存予定から生存に変わってる。
なんで生存したのか詳しい理由は次回明かされるはず。
〇風鳴翼
アルトと全く関わりないけど原作通り。この頃の防人が作者的には一番可愛くて好き。
▼ゼロワン
令和一番目の仮面ライダー。令和の象徴。新時代の幕をあけた始まりの一号。祝え!
並び立つは、ひらパーのセリフから。
今回出たシャイニングアサルトホッパーは本編と変わらない。
ゼロワン本編で二重の意味で出れなくなったの悲しい。
ずっとこのシーン書くために書いてた。
※バカみたいな色間違えしてたので修正
アズ
-
出そう!
-
出さないでええやろ
-
アーク様最高
-
滅亡迅雷netに接続・・・