無敵の超能力者が異世界から来るそうですよ?   作:フォルテピアノ

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見切り発車ですがよろしくお願いします。


プロローグ
Ψ難の始まり


                  ―超能力―

 

常人には不可能な事を可能にしてしまう、現在の科学では説明出来ない不思議な力の事だ。

 

例えば手を触れずに物体を操る『サイコキネシス』

例えば伏せられたトランプの数字やカードを知ることが出来る『透視』など……まあ、上げ続ければ枚挙にいとまがない。

 

 

こんな力があれば法律もルールも関係ない。全てを思うがままに出来る

 

神になれるこの力。あなたは欲しいと思うだろうか?

 

 

 

 

僕の名前は斉木楠雄。超能力者である。

 

 

 

*****

 

少し話をしよう。

 

僕は生まれた時から特異なこの能力に目覚めていた。

生後14日で言葉を(脳内に直接)発しだし、更に生後一ヶ月で(空中を)歩行しだした事からも察して欲しい。

 

そんな僕だから当然、今までの人生は平凡とは言いづらかった。

超能力はこれだけに止まらず多岐に渡り、はた迷惑な事に能力は年をとるごとに自動で強化されていくという親切設計である。

お陰で小学5年生を迎えた頃の僕は惑星破壊スキルを習得する域にまで達し、能力も徐々に制御が効かない状態にまで陥っていた。

 

そこからなんやかんやあって、16歳となった今では能力を何とか日常生活に支障をきたさないレベルにまで制御出来るようになったのだ。このなんやかんやの部分については機会があったら話そう。

 

 

それでも、だ。

この超能力は僕を長年に渡って苦しめてきた。

 

簡単に例を上げてみよう。

 

例えば相手の心を見透かす『テレパシー』

これを使えばたちどころに相手の真意がわかる便利スキル!!……だと思うだろう?

 

相手の真意を知るということは即ち、知りたくもない心まで知ってしまう事である。信じていた人物が裏切った時の悲しさ、虚しさはあなたでもわかるだろう。

つまり僕にはめちゃめちゃ優しい人達なんかが心に抱えているドス黒い感情なんかを見ることが出来てしまうのである。

これだけならまだ良い。だが、これの発動範囲が広大ならばどうなるのか?

僕の場合だと半径200mが能力の発動範囲内だ。つまりその中の人々の心の闇が否応なく無差別に脳内に流れ混んでくるのである。常人ならまず3日も持たずに発狂コースだ。

そしてとどめにこの能力にはONOFF機能がついてない。救いも無い能力である。

単に僕が発狂していないのは、これが生まれつき年中無休で発動し続けているからだと言える。正直嬉しくない

 

 

……とまあ、他にも僕の抱える超能力は存在するが、どれもこれも欠陥の多いクソ能力ばっかである。これを見てもまだ超能力が欲しいと言えるだろうか?

 

 

 

僕はただ平穏に生きたかった

 

 

この超能力は確かに全能に近い力を与えてくれた。

 

だが、それがなんだと言うのだろう。

 

与えられると言う事は同時に奪われると言う事だ。

この超能力のせいで僕は生まれつき努力することも全力を出す事も叶わなかった。全て超能力で解決してしまうから

 

怒りも、悲しみも沸かない。

ただ喜びも楽しみも存在しない。

 

それが、今までの僕の人生である

 

いや、僕の人生『だった』

 

 

*****

某月某日

 

いつも通り――ただ最近、若干名煩く付きまとってくるクラスメイトを何とか躱して――帰ってきた僕は、部屋に入り今週のジャ○プを読もうとしていた。だが、ベッドに行こうとした矢先に机の上に一通の手紙が置いてあるのを発見したのだ。

 

なんだこれ?

 

よくよく見ると手紙には『斉木楠雄殿へ』と僕の名前が書かれている。大方母が僕宛のだからと机に置いといてくれたのだろうと勝手に結論づけ僕は手紙を手にとった。

 

 

……しかし、手紙と言えば最近知り合った寺生まれの霊能力者を思い出すな。

あいつは同じ能力者の上に幽霊経由から僕の超能力を知ったから仕方ないとしても、もし僕の超能力を知っているなどの類だったら対策をしないといけないとぼんやり考える。

 

 

当たり前だが僕の超能力は常軌を逸してる為、普段は平凡な一般人を装って暮らしている。万が一バレるものなら僕の一生から平穏は消え去るだろう。

だからと言って超能力を制御しながら凡人と偽って暮らすのはかなり骨が折れる。能力の制御とはそれほど難しい物なのだ

 

 

さて、この手紙は一体何なのか。

見たところ差し出し主も書かれてなくて怪しさ満載だが……

 

まあ、いざとなれば寺生まれのTの時と同じようにサイコメトリーで手紙の差し出し主を探れば良いだけなのだが。と、推理小説も真っ青な超能力の行使を考えつつ、僕は手紙の封を切った。

 

 

 

もし、この時僕が手紙を開けずにサイコメトリーを発動させていれば、これから起こる未来を回避出来たのかもしれない。僕は望んでいた平穏な日常を享受し続けられたのかもしれない。

 

 

 

『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。

 

その才能を試すことを望むのならば、己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、我らの"箱庭"に来られたし』

 

 

 

その刹那、僕の身体はこの世界から消し去られた。

 

 

 

 

……とまあこうして、僕の長いΨ難は静かに幕を上げたのである。

 




原作にもあった紹介文なのにどことなくシリアスに・・・
次回は通常のノリになると思います。
誤字脱字等がありましたらご指摘よろしくお願いします。
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