無敵の超能力者が異世界から来るそうですよ?   作:フォルテピアノ

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「いざ行かん 超能力と 異世界へ」
今章の超能力標語 モデル:斉木楠雄さん(16)

~前回のあらすじ~
今週のジャ○プ


1章 超能力者と猫科動物
登場!Ψ強問題児軍団


まず僕の目に映ったのは高度4000mの高さから見下ろす絶景だった。

 

「きゃ!」

「わっ!」

「おおっ」

『ぎにゃああああああああ!お、お嬢おおおおお!!』

 

三者三様の悲鳴やら感嘆などが空に響き渡る。というか明らかに人外が混じっているな。具体的に言うと猫科動物が

 

 

さて、僕も同じように空中に投げ出されているが、他の奴らと比べたら幾分か落ち着いている方だと思う。

 

…と言うか、その気になればこのまま空中浮遊でメリーポ○ンズの如く舞降りることも可能だからな。勿論、そんなことはしないが

 

 

今、僕の目の前にはあり得ない光景が広がっていた。

地平線の先にあるのは世界の果てを思わせる断崖絶壁。そして縮尺を見間違うほど巨大な天幕に覆われた未知の都市。

 

 

どうしてこうなった

 

 

やがて僕らは重力に従って真下の湖へと着水した。

途中で通った水膜のようなもののお陰か超能力を使わずとも大した怪我は負わなかった。僕と共に落ちてきた三人も問題なく水面に浮上出来ているあたりを見るに問題ないだろう。

 

『あばばばば…お、おぼ!おぼべぶ!!!』

 

おっと、一緒に落ちてきた猫を忘れる所だったな。

 

 

解説が遅れたが、僕のテレパシーは人間以外にも通用する。なので犬や猫といった動物との意思疎通もある程度可能なのである。

 

例外もあるが……Gとか黒光とかゴキとか

 

 

…話が逸れたな。

猫は犬のように泳げるわけじゃないし仕方あるまい。

僕は水中で溺れかけていた猫に向かって意識を傾けた。

 

『おぼ!おぼぼ…あれ?』

 

そうすると猫は突然浮力を得た様にたちまち水面に向かって浮上していった。

 

少しサイコキネシスを使わせて貰ったぞ。目の前で溺死されても寝覚めが悪いからな。

 

「………大丈夫?」

『じ、じぬがぼおぼた……!』

 

うん、イマイチ呂律が回ってないが大丈夫そうだな。

 

浮上させた猫が一緒に落ちてきた少女――恐らく彼女が飼い主だろう――に抱きかかえられたのを確認し僕も水面に顔を出した。

 

 

僕と猫を抱えた少女以外の二人はさっさと陸地に上がって服を絞っているようだ。

…ついでに、僕たちを落としたであろう相手に向かって罵詈雑言を吐き捨てている。

 

「し、信じられないわ!まさか問答無用で引き摺りこんだ挙句、空に放り出すなんて!」

 

そう叫ぶのは頭に赤いリボンをつけたお嬢様風の少女。

 

ああ、それには同意だ。

手紙を読んだら有無を言わさず即転送。薔薇乙女ですら選択の猶予をくれるのに親切心の欠片もない

 

「右に同じだクソッタレ。場合によっちゃその場でゲームオーバーだぜコレ。石の中に呼び出された方がまだ親切だ」

 

ヤケに懐かしいネタを持ち出すな

 

「…いえ、石の中に呼び出されては動けないでしょう?」

「俺は問題ない」

 

僕も問題ない

 

「…そう、身勝手ね」

 

先程からリボンのお嬢様と会話しているのは金髪にヘッドフォンをつけた不良っぽい男。どうやらMalorを使える魔法使いらしい

 

「いや、つかえねえし」

 

おや、そうなのか。それは失礼した

 

 

***

 

僕も猫を抱えた少女も陸地に上がり、濡れた服をある程度整えた頃だった。

 

「……あら?貴方」

 

水に濡れた髪を整えていたお嬢様がふと、訝しげに僕を見つめてきたのだ。

 

…しまった。あまりにも落ち着きすぎてて変に思われたか?

 

思わず身構えた僕の脳内にお嬢様の『心の声』が聞こえてきた。

 

 

 

(…頭についてる丸いのは一体何なのかしら?)

 

 

oh…

 

周りを見ると不良も猫を抱えた少女も僕の頭――正確には僕の頭についてるレバーのような物体――を凝視していた。

 

 

この小説を見ている人達で僕の原作を知らない方には何がなんだかわからないかもしれない。

一応簡単に説明しておくと、僕の頭には左右にレバーのような物がついてるのだ。位置的にはバイキンマ○あたりをイメージしてくれればわかるだろう。

僕はこれを諸事情により取り付けているのだが、如何せんそのままだと周囲から浮きまくりなのである。

そこで元の世界では超能力『マインドコントロール』で周囲に違和感がないように細工していたのだ。

 

だがそれも『僕のいた世界』の話。こうして三人から好奇の目で見られていることから察するに僕のマインドコントロールは異世界まで働いていないようだった。

 

 

これはマズイ

 

 

このままだと連鎖的に僕の超能力を知られかねない。

 

ここでマインドコントロールを即時使用して違和感のないようにするのも可能だが、この能力は非常に使用条件が厳しい為にそうホイホイと使えるわけでない。さて、どうするか…

 

 

 

…だが、この空気をどう打破しようかと僕が対策を考えるより先に、お嬢様の隣にいた不良が僕に近づいてきた。

 

そして、僕の頭を指差して一言

 

 

「お前、面白いもんつけてんな。ヘッドフォンか何かか?」

 

 

…………うん。どうやら杞憂に終わりそうだ

 

*******

 

あの後、僕が「頭についているのは未来型のヘッドフォンだ」という話をでっち上げた所、お嬢様以外の二人(と一匹)には納得して頂けたようだった。

と言っても、お嬢様はそもそもヘッドフォン自体を知らないらしい事がテレパシーで判明したので問題はないだろう。

 

全員が異世界からここに召喚されたのなら僕みたいな奇異な姿をした奴でも「ソウイウセカイカラキマシタ〜」で納得して貰えるから安心である。

 

 

 

さて、当の助け舟を出してくれた不良はもう僕の頭には興味を無くしたらしく、僕たちを見回しながら口を開いた。

 

「一応確認しとくけど、お前たちにも変な手紙が?」

「そうだけど、まずは"オマエ"って呼び方を訂正して。

……私は久遠飛鳥よ。以後は気をつけて。それで、そこの猫を抱えている貴女は?」

 

不良の言葉にムッとしたお嬢様―久遠さん―は猫を抱えてしゃがんでいた少女に目を向けた。

 

「……春日部耀。以下同文」

 

シンプルイズベスト

 

「そう。よろしく春日部さん。それで、そこの個性的な頭をした貴方は?」

 

やめてくださいお嬢様

 

**

 

「…そう。貴方もよろしく、楠雄君」

 

僕も春日部さんに習って簡潔に自己紹介をしておく。ここで洒落の一つや二つを入れれる程僕の会話スキルは出来ていない。

 

「最後に、野蛮で凶暴そうなそこの貴方は?」

 

「高圧的な自己紹介をありがとよ。見たまんま野蛮で凶暴な逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子揃った駄目人間なので、用法と容量を守った上で適切な態度で接してくれお嬢様」

 

うわ、いってぇ

 

自己紹介に個性を入れるとしても個性溢れすぎだろう

ほら、なんか微妙な空気になってるじゃないか

 

 

だがそこはお嬢様。高圧的な態度を一切崩さず十六夜を睨みつけた。

 

「…そう、取扱説明書をくれたら考えてあげるわ、十六夜君」

「ハハ、今度作っとくから覚悟しとけよ、お嬢様」

 

十六夜に負けじと返す久遠さん。そしてそれを迎撃する十六夜。

…どうやら、この二人は相当馬が合わないらしい。

 

 

やれやれ、先が思いやられるな…

 

 

僕は二人を見つめながら頭が痛くなるのを感じずにはいられなかった。

 

そして、そんな火花を散らす二人を他所に、春日部さんはひたすら猫と戯れていたのだった。

 

 

 

『お嬢〜〜〜』

 

 

あとどうでもいいけどこの猫。凄くおっさんだ

 




心を読めるということは便利であるし扱いづらいものであるということを痛感しました・・・
因みに楠雄は原作通り描写が無いところで普通に喋っています。
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