「ーーーです、よろしく」
「坂本君、君が自己紹介最後の一人ですよ」
「了解」
「んあ」ムクッ
どうやら寝てしまっていたようだ。起きるともう自己紹介は進んでおり残りは坂本だけとなっていた。
坂本は席を立ち教壇に上がる。そこにはふざけたような雰囲気は見当たらない。
「Fクラス代表の坂本雄二だ。俺のことは代表でも坂本でも好きなように呼んでくれ」
さて、と一呼吸置き
「みんなに一つ聞きたい」
クラス全員の視線が坂本に集まる。
すると坂本は教室の各所に目を向けながら話し始める。
かび臭い教室
古く汚れた座布団
薄汚れた卓袱台
「Aクラスは冷暖房完備の上、座席はリクライニングシートらしいがーーー」
また一呼吸置き静かに問いかける
「---不満はないか?」
「「「大ありじゃぁっ!!!」」」
Fクラス全員が声を上げる
「だろう?俺だってこの現状は大いに不満だ。そこでだ。これは代表としての提案だがーーー」
坂本は野生味あふれる笑みを浮かべ
「---FクラスはAクラスに『試験召喚戦争』を仕掛けようと思う」
Aクラスへの宣戦布告。おそらくクラスの大半は絶対に無理だと考えているだろう。他クラスがこれを聞いてもそう思うだろう。そう確信するほどAクラスとFクラスの戦力差は激しい。
Aクラスは一教科の平均が200点を余裕で越えてくるのに対し、Fクラスは50点や60点、下手すればそれに届かない可能性すらあるのだ。Aクラス1人倒すのにFクラスは4,5人ほど必要だろう。
そう考えているとクラスから「これ以上設備を落とされたくない」「勝てるわけない」など否定的な意見が多く挙がる。
「そんなことはない。必ず勝てる。いや、俺が勝たせて見せる」
だが坂本はそんな否定的な意見を真正面から否定する。まぁあの坂本があんな目をして言うんだ。それなりに根拠があるのだろう。
「根拠ならある。このクラスには試験召喚戦争で勝つことのできる要素がそろっている。それを今から説明してやる」
そう言って坂本は壇上からクラスを見下ろす。
「康太、姫路のスカートを覗いてないで前に来い」
「・・・・・・・・・!!(ブンブン)」
「は、はわっ」
呼ばれた男は顔と手を左右にふり否定のポーズをとっている。あいつも1年の頃から変わってないな・・・
「土屋康太、こいつがあの有名な、『
「・・・・・・・・・!!(ブンブン)」
こいつは土屋康太。吉井や坂本を含めた4バカの内の1人で盗聴や盗撮、隠密を得意とするムッツリスケベだ。
「姫路のことは説明するまでもないだろう。みんなだってその力はよく知ってるはずだ」
「えっ?わ、私ですかっ?」
「ああ。うちの主戦力だ。期待している」
まあ学年トップクラス、なんなら次席並みの成績だからな。戦争では大きな戦力になるだろう。
「木下秀吉だっている」
「ん?なんじゃ、わしもか?」
この老人語を使う一見女子にしか見えないやつは木下秀吉。これでも一応男子だ。
さっき言った4バカの最後の一人であり演劇部のホープ。こいつは勉強面ではない部分で有名だ。
まず演技が上手すぎる。人の声を何回か聴いただけで完璧に真似するからな。演技中の集中力も半端ない。正直そっちの道で食っていけるとすら思ってる。
あと、Aクラスでもトップクラスの成績を誇る優等生であり、俺の数少ない異性の友人である木下優子の双子の弟としても有名だ。
「それに島田美波、こいつは数学の成績はBクラス並みだ」
島田美波。高校入学時にドイツから日本に来た帰国子女だ。そのため日本語を読むのが苦手で数学がいい代わりに文系が絶望的だ。ただ、個人的には一年足らずで不自由なく日本語で日常会話ができるようになるのは驚異的だと思ってる。
あと、吉井を殴ることを趣味と語っているが俺が見るにおそらくこいつは吉井に好意を寄せていると思う。いわゆるツンデレってやつか?
「あと、比企谷もいる」
『比企谷?そんなすごいやつなのか?』
そんな声が聞こえる。マジで知られてないのね。
「お前ら成績上位者の名前くらい確認しとけ・・・比企谷具体的な成績を教えろ」
「・・・得意科目は現国と古典で450を切ったことはない・・・まあ数学は下手したら2桁の時もあるが・・・総合だと最高3800くらいで順位は4~15くらいだな」
『『『はぁぁぁ!!??』』』
「え!?比企谷君、頭いいのは知ってたけどそこまで成績よかったの!?」
え、吉井も知らなかったの?前言ったことあったと思うんだけど・・・
「おい明久、お前は一年の時教えてもらってたろ。成績と顔だけじゃなく記憶力もダメだったか」
あ、やっぱ言ってたのね。よかった。
「ま、そういうことでお前もうちの主戦力だ。期待している」
うーん、できるだけ目立ちたくないし働くのも嫌なんだが・・・あの坂本から逃げるのは無理だし仕方ないか・・・
「当然俺も全力を尽くす」
坂本がそう言うといけそう、やれそうという雰囲気が教室を満たしていく。
まあ坂本は小学生のころ神童と言われていたと聞いた。それに普段の言動や行動からこいつは相当頭がキレるのがわかる。
「それに吉井明久だっている」
・・・・・・シーンーーー
瞬間教室が静まり返る
「ちょっと雄二!どうしてここで僕の名前を呼ぶのさ!僕の名前はオチ扱いかよ!」
『吉井明久?誰だそれ?』
『そんな奴いたか?』
いや、吉井も自己紹介したはずだよな?そっこうで忘れられるなんて存在感俺並みじゃん。まああいつは俺と違ってすぐに問題児として覚えられると思うが。
「そうか、知らないなら教えてやる。こいつの肩書は観察処分者だ」
『それってバカの代名詞じゃなかったか?』
「そうだ、バカの代名詞だ」
観察処分者ーーーそれは成績不良かつ学習意欲に欠ける問題児に与えられる称号である。
その称号を与えられると教師の雑用係として働かなくてはならない。その際力仕事もするため召喚獣に2つ使用が追加される。それは召喚獣が物に触れられるようになるのとフィードバックだ。召喚獣は点数が50点くらいでも常人の数倍の力がある。そのため重いものを運ぶために物に触れられるようになるのだが、疲労や召喚獣へのダメージの何割かが召喚者にフィードバックする。
「まあ気にするな、いてもいなくても同じような雑魚だ」
「雄二、そこは僕をフォローするところだよね?」
「とにかくだ。俺たちの力の証明としてまずDクラスを征服してみようと思う」
あいつの吉井の扱い方も相変わらずだな。てかAクラスじゃなくてDクラスなのか。何か考えがあるのか?
「皆、この境遇は大いに不満だろう?」
『当然だ!!』
「ならば全員
『おおーーっ!!』
「俺たちに必要なのは、卓袱台ではない!!Aクラスのシステムデスクだ!!」
『うおおーーーっ!!!』
あの状態からここまで士気が上がるのか。さすが坂本といったところか。
「明久にはDクラスへの宣戦布告の使者になってもらう無事大役を果たせ!」
うぉ、あいつ割とひどいこと言ってるぞ。
進級初日から宣戦布告なんてなめてると言われても仕方ないからな。進級初日ってことは振り分け試験の結果がそのままクラスの戦力ということになる。つまり点数は下でも勝てると言ってるようなもんだ。普通は進級後真面目に勉強をしてクラスの成績を上げてから戦争を仕掛けるのが普通だからな。
「下位勢力の宣戦布告の使者ってたいていひどい目に遭うよね?」
「大丈夫だ。奴らがお前に危害を加えることはない。騙されたと思って行ってみろ」
「本当に?」
「大丈夫、俺を信じろ。俺は友人を騙すような真似はしない」
「わかったよ。使者は僕がやるよ」
「ああ、頼んだぞ」
吉井・・・お前騙されてるぞ・・・だがそれを言ったら俺に役目が回ってくる可能性がある。ということで吉井、犠牲になってくれ・・・
こうして吉井は宣戦布告をしにDクラスへ向かった。
「だまされたぁ!!!」
吉井がボロボロの姿で飛び込んできた。ああやっぱり・・・なんか少し離れたところから破砕音や怒声が聞こえてきたしな・・・
「やはりそうきたか」
「やはりってなんだよ!やっぱりこうなるのは予想通りだったんじゃないか!!」
「当然だ。こんなことも予想できないで代表が務まるか」
「少しは悪びれろよ!!」
ちょっと吉井が気の毒になってきた・・・
声かけておくか。
「吉井、大丈夫か?」
「あ、比企谷君。まあなんとか・・・」
「吉井、ほんとに大丈夫?」
「平気だよ。心配してくれてありがとう」
「そう、よかったーーー」
お、島田も声をかけてきた。デレだな。
「ウチが殴る余地はまだあるんだ・・・」
「ああっ!もうダメ!死にそう!」
違った。デレなんかじゃなかった。こいつほんとに吉井のこと好きなのか・・・?吉井が優しくて底抜けのバカだからいいが普通は嫌われるレベルだぞ?
「そんなことどうでもいい。それより今からミーティングを行うぞ」
うげ。めんどくさそうここはステルスヒッキーを発動ーーー
「比企谷も来いよ」
ーーーできなかった。まあ一応うちの主戦力の一員らしいし坂本から逃げると後々もっとめんどくさくなりそうだしな・・・
「・・・へいへい」
そうして俺たちは屋上に向かった
八幡の設定だけでも投稿しておく方がいいですかね・・・?
この話で分かる通り八幡の成績原作と結構違いますから原作と少しでも違う八幡は許せない勢の方々からすると設定を投稿してあるほうが読むか読まないかの判断がしやすいかもですね
pixivには設定書いてるんですけど・・・
この作品のあらすじのところにpixivのリンクを貼っておいて、設定を見ておきたい人だけそのリンクからとんでもらうとか?
皆さんどう思いますか?