「さて明久、宣戦布告はしてきたな?」
坂本がフェンスの前にある段差に腰を下ろす。
「一応今日の午後に開戦予定と告げてきたけど。」
俺らもそれにならい各々腰を下ろす。
「それじゃ、先にお昼ご飯ってことね?」
「そうなるな。明久、今日の昼ぐらいはまともなの食べろよ?」
・・・ん?
「おい吉井、お前まだあれ続けてるのか?」
「え?いや、あはは・・・」
「えっ?吉井君ってお昼食べない人なんですか?」
俺の質問に苦笑いしている吉井を姫路が驚いたように見る
「いや、一応食べてるよ」
「・・・あれは食べていると言えるのか?」
坂本が横槍を入れる
「何が言いたいのさ」
「いや、お前の主食ってーーー水と塩だろ?」
「失礼な!きちんと砂糖だって食べてるよ!」
「あの、吉井君・・・それは食べてるとは言いませんよ・・・」
「舐める、が表現としては正解じゃろうな」
ほんとこいつの身体どうなってんだ?よく死なないな・・・
「ま、飯代まで遊びに使い込む明久が悪いよな」
「し、仕送りが少ないんだよ!!」
「いや、俺も一人暮らししてるが前聞いた感じだと俺とそんなに変わらんぞ」
「う、うぐ・・・」
「そういえば比企谷も一人暮らししてるんだったな。今度久しぶりに遊び行くか」
「い、いいね!僕も行きたい!」
「ええ・・・お前ら来ると騒がしくなるんだよな・・・まあ今度な。今は退院直後だから掃除やら整理やらしたいし。・・・というか吉井はまともな食事目当てってのもあるんだろうけどな」
「あはは・・・」
「・・・あの、よかったら私が明日お弁当を作ってきましょうか?」
「ゑ?」
おお・・・すげえアホ面。・・・というか手作り弁当だと?
「本当にいいの?僕、水と塩と砂糖以外のものを食べるなんて久しぶりだよ!」
「よかったじゃないか明久。手作り弁当だぞ?」ニヤニヤ
「うん!」
「坂本のからかいも効いてねえ・・・」ボソッ
「・・・ふーん。瑞希って随分優しいんだね。吉井だけに作ってくるなんて」
おお・・・警戒してますねぇ・・・言葉に棘があるし
「あ、いえ!その、皆さんにも・・・」
「俺達にも?いいのか?」
「はい!迷惑でなければ!」
うーむ・・・気持ちは嬉しいが女子の手作り弁当なんて他の奴も食べるとはいえ俺にはハードル高いな・・・吉井や坂本もいるし足りなかった時のためにパンでも買っておこう。それと礼としてデザートを買うか作るかでもして持ってくるか。
「あー、ならデザート的なのを俺が持ってこよう」
「あ、ありがとうございます!でも大変なら私が作ってきますよ?」
「いやそのくらいは大丈夫だ。吉井には礼もしたいしな。それに養われても施しを受けるつもりはない」
「最後のは相変わらず意味わからんが助かるな」
「うむ、たのしみじゃ」
「・・・・・・(コクコク)」
「お手並み拝見ね」
「ちゃんとしたご飯に加えてデザートも食べれるなんて!姫路さん、比企谷君ありがとう!」
「い、いえっ」
「吉井には振り分け試験の礼もしたいしな。気にするな」
買う方が楽でいいが久しぶりに作ってみるのもありだな
「さて、結構話が逸れたな試召戦争に戻ろう」
そうじゃん。もともとその話がメインだった。すっかり忘れてたわ
「雄二。一つ気になってたんじゃがどうしてDクラスなんじゃ?段階を踏むならEクラスからじゃろ?」
「そういえば確かにそうですね」
「まあな、当然考えがあってのことだ」
「どんな考えですか?」
「いろいろと理由はあるんだが、とりあえずEクラスを攻めない理由は簡単だ。戦うまでもない相手だからな」
「え?でも、僕らよりはクラスが上だよ?」
「・・・なるほどな」
「お、比企谷はさすがにわかるか」
「え、比企谷君分かったの?」
「まあな。というかこの問題は簡単だろ。振り分け試験の時はあっちが上だったかもしれんが姫路と俺が問題ない以上正面からやりあっても負けることはないってことだろ」
確かに試験の結果を比べるとEクラスは平均点が1教科につき10~20点ほど上だと思う。だがそこを考慮しても俺と姫路の力が大きすぎる。うまく立ち回れば俺ら2人だけでも勝ててしまうかもしれない
「そういうことだ。Aクラスが目標である以上Eクラスなんかと戦っても意味はないってことだ」
「ならさっきの比企谷君の言い方からしてDクラスとは正面からぶつかると厳しいの?」
「ああ。確実に勝てるとは言えないな」
「だったら、最初から目標のAクラスに挑もうよ」
まあ吉井だったらそう思うよな
「まあ初陣だし派手に勝ってクラスの士気を上げるのが目的だろ。さっきの坂本の演説で確かに士気は上がったが、中には本当に勝てるのかどうか疑問や不安を持ってるやつだってまだいるはずだ。だがここで上位クラスに快勝すればそれも少なくなる」
士気が上がればその分戦争に対する必死さも上がるし連携なども取りやすくなる
「それに、坂本がどんな作戦を考えてるかはわからんが今の状態のままでAクラスに勝つのはさすがに厳しいだろう。ここからは俺の考えだがAクラスに勝つには正攻法じゃ無理だ。そうなると別の方法を考えなくてはならない。そこで考えられるのが上位クラス、というかBクラスを利用した脅迫だ。例えばBクラスが戦争をした直後に攻め込むと脅したりそれを利用してある程度こっちに有利な勝負を仕掛けたりだな。Bクラスを使う理由はCクラス以下だとさすがに戦力に差があって脅迫にならないからな。これ以上はさすがにまだ考えられてないが俺が言ったようにBクラスを使うにしても、他の方法を使うにしても俺達より上位であるDクラスを倒せばこの戦争の後も有利に動けるってわけだ。」
「比企谷が頭良いのは1年の時から知ってるつもりではいたが予想以上に頭が回るな・・・嬉しい誤算だ」ニヤッ
「比企谷君がここまで頭良かったなんて・・・!」
「予想外じゃのう」
「・・・・・・(コクコク)」
「へぇ・・・」
「す、すごいですっ」
さすがに喋りすぎたわ・・・いや~オタク特有の早口でまくし立てちゃったしキモがられてなくてよかったあああ!!「なに得意げに語っちゃってんの?めっちゃ早口だし。キモッ」とか言われちゃったらさすがの俺もこっから飛び降りてたかもしれない
「ま、比企谷の言った通りだ。さっき明久に言いかけた打倒Aクラスに必要なプロセスってことだな」
「あ、あの!」
「ん?どうした姫路」
「えっと、その。さっき言いかけた、って・・・吉井君と坂本君は、前から試召戦争について話し合ってたんですか?」
「ああ、それか。それはついさっき、姫路のためにって明久に相談されてーーー」
「それはそうと!」
坂本の台詞を遮るように吉井が大きい声を出す。・・・坂本の台詞といい吉井の反応といい・・・姫路のために、ね。ってか吉井の奴顔真っ赤だしいろいろ隠せてないぞ・・・?
「さっきの話、Dクラスに勝てなかったら意味がないよ」
「負けるわけないさ。お前らが協力してくれるなら勝てる。いいか、お前ら。うちのクラスはーーー最強だ」
根拠のない言葉。だが坂本が口にすると不思議とその気になってくる。
「いいわね、面白そうじゃない!」
「そうじゃな。Aクラスの連中を引きずり落としてやるかの」
「・・・・・・(グッ)」
「が、がんばりますっ」
他の奴も同じのようだ
(優子と工藤のことが気になるが・・・ま、やるだけやってみるか)
「よし、じゃあ今から作戦を説明するがその前に・・・比企谷と姫路は補充試験に向かってくれ。少しでも時間があったほうがいいだろ。それと、2人には戦争前に作戦の説明をするから昼休み終了10分前に教室に来てくれ」
「了解。なら、行ってくるわ」
「私も行ってきますっ」
そう言い俺と姫路は屋上を出て階段を降りる。その最中携帯を見ていると優子からメールが届いていた。
優子『今日の昼休み私と愛子とアンタの3人でお昼食べない?』
ほう、あいつらと会うのはお見舞いに来てくれた時以来か
八幡『了解。今から昼まで補充試験を受けることになったから終わり次第連絡する』
と返信し俺は補充試験に向かった。
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