『先生!召喚許可を!』
『俺が相手する!下がれ!』
『戦死者は補修!!!!!』
『て、鉄人!?嫌だ!補修室は嫌だ!あんな拷問には耐えられない!!誰か助けッ イヤァァァ・・・』
聞こえてくる生徒たちの喧騒。てか最後の奴は悲鳴だな。鉄人の補修とか行きたくなさすぎるわ。現在俺が所属しているクラスであるFクラスはDクラスと試召戦争を行っている。
打倒Aクラスへの初戦であり、負けてはならない大事な一戦。
そんな大事な戦争中、俺はーーー
カシュッ
「あ~やっぱマッ缶うめぇ・・・」
ーーーダラダラしていた
さっきも言った通り大事な一戦。代表の護衛なのだからやることが現状ないとしても警戒しておくのが普通だろう。だがそこは俺クオリティだ
「比企谷、仕事がなくて暇なのはわかるが形だけでも警戒しておけ」
あ、形だけでいいんですね
「それより坂本。今戦況はどんな感じなんだ?」
「今は秀吉たちが前線から撤退して明久の部隊が敵を食い止めてる」
「ということは木下たちが補給試験をある程度終わらせるまでは吉井達は粘らないといけないということか・・・」
大丈夫なのだろうか?吉井は確かにやるときはやるやつだ。だが詳しい成績は知らないがあいつは観察処分者だからな・・・
「その顔を見るに不安なんだろうがまあ大丈夫だ。あいつは観察処分者だからな。Dクラス相手に戦死して戦線崩壊させることはないだろ」
「観察処分者だから大丈夫・・・?」
観察処分者は成績不振の問題児の称号なはずだが・・・
「体型が全く違い、その上人間と比べて何倍も力がある召喚獣を操作するのはかなり難しい。だがあいつは観察処分者だ。教師の雑用係であるあいつは教材や荷物を運んだりとおそらくこの学園で最も召喚獣の操作になれている」
なるほど。普通の人は突撃などの単純操作しかできず避ける等の操作ができない難しいから点数勝負になるが、吉井は召喚獣の操作になれているから相手の突撃を躱したりすることで相手に一方的に攻撃できたり、戦死しにくいということか
ーーー点数は低いからパワーもスピードも低いけどな・・・
「それに島田だってつけている。敵前逃亡しないための伝令だって横田に言ってある。なによりーーー」
坂本もいつもはいろいろ言っているがなんだかんだ吉井を信用してるんだな。こいつらは否定するだろうがこういうのを本物いうn---
「ーーー戦死したとしても今朝言った通りいてもいなくても変わらん雑魚だ。問題はない」
「おい」
上げて落としていくスタイルかよ。上がり幅に比べたら落とし幅が大きい気がするんだが・・・?なに?前から思ってたけど友達ってみんなこんな感じなの?友人って言える奴ほとんどいないからわからないけど八幡怖くなってきちゃった
「雄二よ。戻ったのじゃ」
「ああ、秀吉か。よし、さっそくで悪いが秀吉の部隊で消耗した奴らは補充試験を受けてきてくれ」
「了解したのじゃ」
そうこうしているうちに木下の部隊が戻ってきたようだ
「よし、俺も点数整理して戦力確認、割り振りに入るか。比企谷、お前もそろそろ試召戦争のルールくらいは確認しておけ。ほれ、一年の時にもらったプリントだ」
「了解」
そう。この試召戦争は戦争ではあるが勝てれば何でもいいというわけでもなくルールが存在する。まああくまで試召戦争の目的は成績を可視化して勉強のモチベーションを上げることだからな。
俺は坂本からもらったプリントに目を通し始める
文月学園のクラス設備の奪取・奪還および召喚戦争のルール
一、原則としてクラス対抗戦とする。各科目担当教師の立会いにより試験召喚システムが起動し、召喚が可能となる。なお、総合科目勝負は学年主任のもとでのみ可能。
二、召喚獣は各人一体のみ所有。この召喚獣は、該当科目において最も近い時期に受けたテストの点数に比例した力を持つ。総合科目については各科目最新の点数の和がこれにあたる。
三、召喚獣が消耗するとその割合に応じて点数も減算され、戦死に至ると0点となり、その戦争を行っている間は補修室で補修を受講する義務を負う。
四、召喚獣はとどめを刺されて戦死しない限りは、テストを受けなおし点数を補充することで何度でも回復可能である。
五、相手が召喚獣を呼び出したにもかかわらず召喚を行わなかった場合は戦闘放棄とみなし、戦死者同様に戦争が終わるまで補修室にて補修を受ける。
六、召喚可能範囲は担当教師の周囲半径10メートル(個人差あり)
七、戦闘は召喚獣同士で行うこと。召喚者自身の先頭参加は反則行為として処罰の対象となる。
八、戦争の勝敗は、クラス代表の敗北をもってのみ決定される。この勝敗に対し、教師が認めた勝負である限り、経緯や手段は不問とする。あくまでもテストの点数を用いた『戦争』であるという点を常に意識すること。
など。ちょくちょく改定されるらしいが大まかにはこんな感じだ。
戦闘放棄による戦死扱いや召喚可能範囲など結構大事なことが多いので覚えておかなくてはいけない。
「よし、世界史の田中を呼んでくれ。あとは明久の部隊にこのことをーーー」
「坂本!」
気づけば戦況も少しずつ変化しているようで吉井の部隊にいた須川が教室に戻ってきていた
「ん、どうした須川」
「Dクラスが数学の木内を呼び出したらしくてな。前線が少し厳しくなりそうなんだが吉井の案で先生たちに偽情報を流そうということになったから一応報告だ」
なるほど。相手陣営に偽情報を流すのは難しいが先生たちならやりようがある。吉井も考えたな。
「なるほどな」ニヤッ
あ、坂本が悪い顔してる。坂本はああいう顔でも野性味あふれてていいと思うが俺の場合は何でキモくなっちゃうんだろうな。やっぱイケメンはずるい
「須川、偽情報の内容はーーー」コソコソ
「ぶふっwwwいいんだが大丈夫か?」
「ああ、Dクラスはおそらくこの科目の回転を速めるはずだしこの内容なら100%釣れるだろ」
「了解した。いってくる」
内容の部分は聞こえなかったがあの顔からしてろくな内容じゃない気がするんだが・・・
ーーーーーーーーーー
ピンポンパンポーン『連絡いたします』
この声は須川か。例の偽情報か。なるほど直接職員室まで行くと先生を呼びに来たDクラスと鉢合わせてしまう可能性があるが放送での呼び出しならそれもない。考えたな
『船越先生、船越先生』
数学担当船越女史(45歳独身)か。なるほど、現在既に数学のフィールドで戦っているから採点担当と立会い担当に分担されて戦線を拡大されるのを防ぐのか
『吉井明久君が体育館裏で待っています』
・・・・・・・・・・ん?
『生徒と教師の垣根を超えた、男と女の大事な話があるそうです』
・・・・・・吉井、終わったな・・・
船越女史といえば独神をこじらせついには生徒に単位を盾に交際を申し込むという超危険人物・・・確実に体育館裏まで向かうだろうし吉井が行くまでその場から離れないとも思うがこれは・・・
あの坂本のにやけ顔・・・須川に指示したのはこれだったか・・・
『須川ぁぁあああああっっ!!!』
・・・吉井、強く生きろ
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