地球在住の協力者も楽じゃない   作:グリグリ

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花粉症により、もしかしたら今後は5月半ばまで半ばログアウトしているかもしれません。
くしゃみと滝のような鼻水による頭痛に微熱風邪嗄れ声の花粉症あるあるフルボッココンボでノックアウトされない体になりたい。


出会い頭(初代)

≪地球支部、こちら移送隊。現在ベムラーを監獄へ移送中≫

≪こちら地球支部、了解。気をつけてください≫

通信では移送中と聞いたが、地球はコースから微妙に外れているような気がする。

部屋に展開した銀河間地図から、ソル星系ルートと事前通知されているルートを比較。

指摘するほど大回りではないが、さてこれはどう言ったものか。

≪しまった!ベムラーが逃げた!≫

……そういえば移送中は施設内にいる時より脱走する率高いんだよな。そのまま逃げればいいんだから。追跡する方は大変だし、時間が経つと見つけにくさが格段に上がる。

左手は通信機の操作、右手は鉛筆と記録紙。

≪こちら地球支部、情報局、ベムラーが逃げたとの通信あり。現場に銀十字軍の派遣を要請します≫

≪こちら情報局、了か、あっ!ウルトラマンが行きました!≫

≪えっ≫

……この通信、聞かれた訳じゃないよね?てかあの人の所属は銀十字じゃなかったよな……?うん、銀十字じゃない!昨日確かめた!

 

で、気を揉んでいた翌日の夜。ハヤタ隊員が制服の繕いを依頼しに来た。草の汁に煤、航空燃料の臭い。

「夕べは張り込みで草むらに寝たんですか?」

「違います。…私はこの若者を死なせてしまった」

ああ、なるほど。同化してるのか。こうして見ると、擬態とはまた違う感じだ。

「地球の方が意識がしっかりあった状態で、同意したかしてないかって辺りでちょーっとゴタゴタするかもしれません。査問部の揚げ足取りは細かいですが、結果によっては星間戦争もあるとあっては納得の厳しさです。

警察と科特隊の話と無線を聞けば、双方共にベムラーを追っていて視野狭窄していたようですから、情状酌量の余地はあります。いつ死にかけた彼に接触を?」

「昨夜だ」

科特隊のビートル墜落は昨日、ドンパチあったのは今日の昼間だ。それまで体力回復に努めていたのか。……ゾフィーに言っておくか。

「その際に周囲に人目はありましたか?」

「あったが、私が同化しなかったら死んでいた!一刻を争う事態もがっ」

激昂したウルトラマンが色々言いそうだったから、おやつ用のたい焼きをちょっと口に捩じ込んだ。…同化したハヤタさんには悪いけど、僕査問部じゃないし。

「では染み抜きしますね。お待たせする間にお茶もどうぞ」

 

染み抜き終えたついでに手を借りて昨夜の記憶を見させてもらったが…

「こんな怪しさ200%の宇宙人と肉体に同居しようと思ったハヤタさんは意外と豪胆な方なんですね」

「来ながら考えてた話が恥ずかしい事にあの時は全部頭から飛んでたし、ハヤタは今にも死にそうだし…」

両手で顔を覆って俯いているハヤタさん。

「緊張するとぜーんぶ頭から飛ぶのは覚えがありますよ。焦るし、余計頭は回らないし。警備隊本部に提出する書類には何とか纏めてみます。他に何か気になる事はありますか?」

「私は全部だ。ハヤタ、君は何かあるかい?」

『うーん、そもそも何故長川さんが宇宙人である君と平然と会話しているか、かな』

「知り合いですよ」

やんわりと、それ以上は教えない事を匂わせてその日は終わった。

 

 

報告書

昨日、テラ系第3惑星(以後、地球と呼称)近辺の衛星軌道付近を、監獄へ向け護送中の怪獣ベムラーとウルトラ戦士の一団が通過中、ベムラーが逃走。

現場からのベムラー逃走の報を受け、地球支部から情報局へ救援通信と銀十字軍の派遣要請。入れ違いにウルトラマンが無許可飛行し地球へ急行。

日本の竜ヶ森湖へ、ベムラーが墜落。

同時刻、付近を飛行中の現地警備隊、名称「科学特別捜査隊」に所属する隊員、「ハヤタ隊員」とウルトラマンが衝突。

しかしながら当時の現場は混乱しており、両名はベムラーに集中していた為に視野狭窄に陥っていた。

衝突の衝撃で航空機は大破、ハヤタ隊員は重傷を負った。

現場で緊急性を鑑み、ウルトラマンがハヤタ隊員と同化し、蘇生に努めた。

翌日昼、湖に潜伏中のベムラーを科学特別捜査隊と協力してこれを撃破。

ウルトラマンは、同化したハヤタ隊員の体調が回復するまで現地に留まり、地球防衛に従事する。

地球現地時間、○時○分送信

 

「もしもし、こちら科学特別捜査隊のお電話でよろしいでしょうか?いつもお世話になっております、長川です。ハヤタ隊員はおられますか?この間繕いの依頼にご来店頂いたので、その後の様子をお聞きしたくて。……はい、お願いします」

『お電話代わりました、ハヤタです』

「ハヤタさん、この間繕いにご来店頂いてありがとうございました。その後はどうですか?」

『え?ああ、とても調子はいいですよ』

「そう聞いて安心しました。またいつでもご来店ください。お待ちしております。では失礼します」

『ご丁寧にありがとうございます。またよろしくお願いします。失礼します』

…顔を見て話すより、声しか情報がない電話の方が疲れる気がする。受話器を置くと、ため息が出た。

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