ソフィアがスキップ、だよなあれ?しながら帰っていく。転ぶから止めなさい!付き添いの人ー!頼むからすぐ支えられる位置にいて!
ちょっと寄り道してから宿に戻って、厨房に顔を出す。厨房の仕事を一部手伝う代わりに、宿の方は材料を一部提供してくれる。
エプロン代わりに、古着屋で買った割烹着もどきを着て、三角巾で口元を覆うように結びながら挨拶した。
「親方、こんばんは。今日はどんな材料が入ってますか?」
「おうジェイド、こんばんは。今日はウナギと鶏だ。お前さんの分に鶏をよけておいた。モツは抜いてあるぞ」
「ありがとうございます」
さて、外の井戸で手を洗ってからの今日のメニューは
・鶏肉団子のスープ、タイ風
・ハチミツ風味の麦粥
後は付け合わせに野菜をどうするかだが、まずは鶏肉団子を作ろう。
最初に時間のかかるスープ。鶏は1羽と思っていたが2羽だったので、遠慮なく1羽ぶちこむ。一緒に4分割した玉ねぎ、皮を剥いたニンニクとショウガ、ポロ葱に水を入れて蓋。煮ている間に団子を作る。
もう1羽の鶏の皮を剥いで、骨を避けようともたもたしていたら親方が切り分けてくれた。他の料理に使う為に刻んであるニンニクとパクチーを2本くらい、卵1個、塩少々をボウルに空け、切り分けてもらった鶏肉を包丁2本で粗めに…叩こうとしたら又しても親方が飛んできてやってくれた。
確かに子供が危なっかしい手付きで包丁握ったらそりゃ親御さんじゃなくても飛んでくるわ。
やや鶏肉の臭みが気になるのでショウガもちょっと追加。
団子の下拵えが終わったところで出汁をチェック。…何か抜けてる気がしないでもないが、こんなもんか?
とりあえず場所借りてるので親方に味見してもらう。
「ジェイド、お前さんどこでこんな作り方を習ったんだ?味は薄いがなかなか旨いぞ!」
「食べ物に関しては本当に死人出してでも妥協しないし、髪1本埃1つない清潔さをとことん突き詰めた調理場、何なら元の料理の原型をなくして更に数段美味しくして原産国の人も泣かせる国から」
「……アブなそうな国だな」
言っててなんだが確かにめちゃめちゃヤバそうな国だな、日本。
「ついでに、毎年死人を何人か出すけどそれでも年明けには必ず食べる食べ物もありますよ。その食べ物使って作るスープ1つで国の中でも数多の派閥が」
「本当にどこの魔境だよ!?」
色々お話しながら僕の両手はスプーンをそれぞれの手に握って、何とか丸く整形した鶏肉団子をスープの中に投下している。
……団子が煮えるまで暇だし、余った鶏皮をパリパリになるまで焼いて塩とレモンを振ったものを。
「お前本当にうちに来てくれ!魔境育ちでもいいから!」
そう言われてもなあ。よし、鶏団子も煮えたし、スープいる人ー?
テーブルに着いたら着いたでお裾分けがえらい事になった。ウナギ?売れなくて親方が頭抱えてたから改善案出す事になったけど…ウナギ=蒲焼き白焼き、けど醤油があるか?あと骨切りと蒸しに焼きがネックなんだよな。
それにつけても醤油がほしい!