前回の続きになります。
それではどうぞ。
「予約していた湊です」
「はい、湊さんですね。お部屋はCスタジオです」
スタジオに着いた4人。
受付にいたスタッフに予約した事を伝え、友希那達が使う部屋は、Cスタジオだと言われる。
するとスタッフは、あ。そうだと……思い出したとばかりに……
「今、機材のレンタル半額キャンペーンをやっているんですよ。何か借りてみませんか?」
これ、レンタルできる機材のリストですと、付け足しながら、友希那達に見せてきた。
「へぇ……いろいろあるのね。マイクにギターにエフェクターに……」
「あっ、ドラムのシンバルもいっぱい種類あるー!」
「電子ピアノに……シンセサイザーもあるんですね……」
「ギターもベースも、相当な数が用意されているのね。ずっとこのスタジオに通っていたのに知らなかったわ」
リストを見て、友希那、あこ、燐子が言う。
紗夜もずっとこのスタジオに通ってはいたが、こんなに借りれる機材がある事を初めて知った。
「うちはライブハウス併設のスタジオだから、品揃えはいいんです。楽器は定番のものから変わり種まで揃っているので、お試しにはぴったりですよ」
流石に悠里くんが使ってる楽器は、次元が違うから取り扱ってないんですけどねーと苦笑いしながら、スタッフは付け足す。
それを聞いた友希那達は納得する。
悠里が使ってる楽器は、幼い頃から使っているショルダーキーボード。
一見するとただのショルダーキーボードなのだが、実はそれ1つで、色んな楽器の役割を果たす特別な機能を持つ。
キーボードはもちろん、ベース、ギター、しかもドラムまで……本人曰く、まだこれはほんの一部に過ぎないらしい……
紗夜と燐子も触らせてもらった事があるのだが、すごく扱いが難しかったのは覚えてる。
なんでも本人曰く、『僕はいつも弦がないギターだと思って弾いてるよ』との事……
でもその場合は、ピックがないと落ち着かないけどねと言ってたのは紗夜と燐子の記憶に今でも鮮明に残ってる。
「リストはお渡ししますね。もし借りたいものがあったら、スタジオの中にある電話から呼び出してください」
「わかりました」
リストを受け取って、友希那達は指定されたスタジオに向かうのであった。
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「さぁ、始めましょうか」
「「「はい!」」」
「……何から始めようかしら」
「「「えっ!?」」」
スタジオに入り、いざ練習を始めようとした時、友希那が何から始めようかと言った。
それを聞いて驚く紗夜と燐子、あこの3人。
「練習内容、決まっていないんですか?」
「いえ、やりたいことは決まっているのだけど、段取りはあまり考えてなかったわ……少し待って、考えるから」
そう答え、考える友希那。
「……そうね、新曲のコード進行を決めてきたから、まずはメロディを決めたいわね」
「では、それをベースに考えてみましょう」
「「はいっ!」」
とりあえずメロディを決める練習に入る事にした……
そして練習開始から10分後……
「……」
「~♪」
「~♪」
「……(友希那さんはマイクの設定ずっといじってるし、紗夜さんは自由に音出してる……りんりんは同じフレーズだけひたすら繰り返してるし……)」
3人が今現在してる事を見たあこ。
一緒に演奏したいのに、なんかいつもと違う感じがするのだ……
「あ、あの!」
「なに?」
「せっかく集まってるんだし、一緒にメロディ考えながら演奏しませんかっ!? なんか……みんなバラバラで個人練習みたいですっ」
「……確かにあこの言う通りね。全員で練習しましょうか。紗夜、どうやってメロディを決めていくのがいいかしら」
「そうですね…………すぐに浮かびませんね」
「そう……あなたたち、何かいい案ないかしら?」
全員で練習する事にしたはいいが、メロディを決めるにはどうすればいいかで悩んでいた。
何かいい案はないかと友希那は他の3人に訊く。
「はい! じゃあ、あこ、提案があります! さっき受付の人が言ってた機材、借りてみませんかっ?」
「機材? 何を借りたいの?」
受付の人が言ってた機材を借りてみないかとあこが提案した。
それを聞いた紗夜が何を借りたいのと訊く。
「あこ、ドラムのハイハット変えてみたいです! 次の新曲は、シンバルの音を長く響かせてみたいんですよっ」
「わたしは……シンセサイザー……使って……みたいです……電子音……入れてみると……新しい音になるし……いいメロディも……思い浮かぶかも……」
「湊さん、どう思いますか?」
「悪くないわね。新曲に合わせて、新しい音を模索してもいいかもしれないわ」
「借りるのであれば、私は新しいエフェクターを試してみたいですね」
今よりもっと音を歪ませるとどうなるか、確かめてみたいと紗夜は付け足す。
それを聞いた友希那はなるほどねと納得した。
「紗夜、あこ、燐子。このリストの中から好きな機材を選んで」
受付の人に渡された機材のリストを渡し、3人は借りる機材を選んだ。
それぞれ借りる機材が決まったそうなので……
「それじゃ、燐子、受付に電話お願いできる? 電話はドアの隣に備え付けてあるわよ」
「わ、わたしですか!? は、はい……」
まさかの指名に燐子は驚きながらも電話の前に移動するが……
「(電話するの……緊張するな……ドキドキしてきちゃった……)」
電話をするのが緊張してしまうのだ。
どのくらい緊張するかというと、自分から悠里にお誘いの電話をする時ぐらいである。
とりあえず深呼吸をする……
「りんりん、何してるの?」
「あ、あこちゃん……わたし、電話するの……苦手だから……深呼吸して、落ち着こうと……思って……」
「そっか! がんばって、りんりん!」
「うん……!」
あこに応援してもらい、落ち着いたところで受話器を取り……
「あっ……も、もしもし……きききき機材の……レンタルを……は……はい、そうです……お願いします……」
「「……」」
燐子の様子を見て、一瞬大丈夫かと思った友希那と紗夜。
「りんりん、うまく話せた?」
「うん……話せたよ、あこちゃん……すぐ……持ってきてくれるって……」
「じゃあ届くのを待っていましょうか」
何はともあれ、4人はとりあえず機材が届くまで待つ事に……
そして5分後……
「お待たせしました~、ご注文の
「「「「えっ!?」」」」
届いたのは何故か、注文していないウクレレとパーカッションだった。
それを見て驚く4人。
「わ、わたし……ドラムのハイハットと……シンセサイザーと……ギターエフェクターを……頼んだつもり……だったんですが……」
「あれ? 違いますか? ウクレレとパーカッションって聞こえた気がしたんですが」
どうやらスタッフはそう聞こえたらしい。
「この楽器だと……ハワイアンのメロディができるわね……」
「……やります? ハワイアン……」
楽器を見て紗夜が苦笑い気味に言い、あこがやりますか?と付け足す。
「……やらないわ」
「……」
ちょっとだけ考えたのか、やらないわと言う友希那。
そして燐子は恥ずかしさのあまり、黙りこくってしまった……
読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。