今回で最終回になります。
それではどうぞ。
「ん~、何頼もうかなっ」
「…あうあう。フライドポテトもいいけど……パフェも捨てがたいのですよ……」
ファミリーレストラン……略してファミレスに着いた6人。
メニュー表を見ながら悩むリサと悠里。
「いらっしゃいませ~! ご注文はいかがなさいますか?」
「アタシはオレンジジュースでいいかな」
「私はホットコーヒーにするわ」
「おっけー。燐子はどうする?」
リサと友希那は決まったようなので、燐子は何にするか訊く。
「わたしも……今井さんと同じで……」
「あこは特盛超お得ポテトにしよっ! 紗夜さん、あこと半分こにしませんかっ?」
「えっ……、なんで私と……」
「だって、あこ一人じゃお腹いっぱいになっちゃうし、美味しいものは一緒に食べたほうがいいじゃないですかっ!」
「まぁ、宇田川さんがそこまで言うなら……食べないでもないわ」
彼女はそう言ってるが、本当はポテト食べたかったんじゃないかなと悠里は紗夜の表情を見て思った。
「……じゃあ、オレンジジュース2つと、ホットコーヒー
「かしこまりました。パフェの大きさはいかがいたしましょうか?」
「……ビックバンで」
「っ! か、かしこまりました~!」
悠里が全員分の注文をした後、パフェを頼んだであろう悠里が店員にパフェの大きさを聞かれ、そう答えると店員は慌てて厨房に向かった。
「店長ー!! 大変です!! アップルシナモンパフェの注文が入りました!!」
「あん? 何を慌ててんだ……アップルシナモンパフェの注文ぐらいで。確かに注文はあまりされねぇが……」
「いや、確かにそうなんですが……
「何ィ!? それは本当か!?」
「ええ!! 確かに聞きました」
「…うちの一部の
「確か……遠くから見たら女の子にも見えなくもないんですが男の子でした。ミントグリーン色のショートヘアーが印象的の子です!」
「…ふむ。ミントグリーン色の髪か……」
「あと、ショルダーキーボードのケースを持っていました。藍色の月みたいな形?のキーホルダーを付けてましたが……」
「っ!! バカ野郎!! その注文してくれたお客さんは、『
「えっ!? 『幻の歌姫』って、あの!?」
「…あぁ。間違いねぇ。俺の知り合いにハンバーグを焼き続けて20年のヤツがいるんだが……1年前に『幻の歌姫』は友達の2人で、そいつの店に来たそうだ」
「そうなんですか! それで一体、何を注文したんですか?」
「……パイナップルハンバーグのビックサイズを頼んだそうだ。しかもその日の注文次第でメニューから消そうとしたそうだ。だが次の日以降、注文されっぱなしだと言ってたな」
「そ、そんな事が……」
「それだけじゃねぇ。しばらくした後にあいつに聞いたんだが、『幻の歌姫』と一緒に来ていた友達も凄い人だって言ってたぞ。確か最近のJKで構成された……」
「ガールズバンドですか?」
「そう。それだ! それのアイドルバンドのボーカルの……」
「もしかして
「そう! その子だって知った時は、あいつも驚いてたなぁ……だって、1年前だぞ?」
「店長にその話を聞くまで、知りませんでしたよ……」
「おう、お前ら!! 今日は特に気合いを入れて作るぞ!!! 妥協は一切許さねえからな!!」
「「「「「おおおおおおおおーーーーー!!!!!」」」」」
厨房の方から凄まじい会話と気合が聞こえてきた。
「…ところで、今日は僕とリサちゃんが居ない間に何があったの? 疲れた顔してたけど」
「いやいや!? 悠里、さっきの会話って本当なの!?」
「…1年前に彩ちゃんと出かけた時にね。あそこのハンバーグ店、高校生にも値段がリーズナブルな価格なんだよ。種類も豊富だし」
「「「「……」」」」
なんだったら今度みんなで行く?と言って上手く話を逸らした悠里。
それを聞いた、あこ以外の4人は羨ましいのか、頬を膨らませていた……
「それがね……色々あって大変だったんだよー……」
あこが今日あった事を悠里とリサに話し出した。
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「あっはっは~!! そんな事があったの!? その場にいたかったわ~」
「……リ、リサちゃん、そんなに笑っちゃダメだよ」
「今井さん、そんなに笑わなくても……悠里さんもですけど……」
あこから話されたリサと悠里は大笑い。
悠里に至っては、笑いを耐えてるのか口元が緩んでいる。それをつっこむ紗夜。
「そうだよっ。あこ達大変だったんだからねっ」
「もうっ、みんなアタシと悠里がいないとダメなんだからー!」
「そうだよっ、リサ姉とゆうりんがいないと誰もツッコんでくれなくて、寂しかったんだからぁ~!」
「…オツカレイアー、なのです……」
「そうかそうか、可愛いやつめ~☆」
そう言うあこに、今回は急に抜けちゃってごめんねと言う悠里とリサ。
「普段、今井さんと悠里さんに助けられている事がよく分かったわ……」
「紗夜がそんなこと言ってくれるなんて……相当大変だったんだね……」
「そうよ。宇田川さんとの意思疎通もできなかったし……」
「……あっ。僕、なんなく察したよ。そりゃ紗夜ちゃんも苦労する訳だ……」
ここで悠里、紗夜が一番苦労した理由を理解する。
「それだけじゃない。気付いているかわからないけれど、Roseliaの雰囲気をより良くしているのは今井さん、あなたよ。今後は必ず練習には参加してください」
「紗夜……うん、今後はちゃんと練習に参加するって約束するよ」
「悠里さんも……ですからね?」
「……うん? 分かった」
紗夜ちゃんやっぱり優しいなぁ……と思いながらも返事をする悠里。
まぁ次からは練習に参加するけども。余程の事じゃない限りだが……
「わたしは……今井さんとゆうりくんがいてくれると……安心して、練習できてるんだなって……思いました……」
「どうしてそう思ったの?」
燐子の言葉にリサはどうしてそう思うのか訊く。
「わたし……今井さんとゆうりくんが……いつも楽しそうに……練習してるの……見るの好きで……たぶん、みんなも同じだと……思うんです……」
だから、2人がいないのが変に感じて……と話す燐子。
それを聞いた悠里は、彼女から見たら楽しそうな表情をしていたのかと思った。
まぁそれはそれで悪い気はしなかった……
「リサと悠里がいないことで、みんなリサと悠里のありがたみが分かったのよ。Roseliaにはリサと悠里がいないと困る」
「友希那……」
「……」
するとリサがちょっとだけ泣いていた。
「あっ、リサ姉、ちょっと泣いてる~!」
「だって嬉しいんだもん! 本当はバイト中、気になってたんだよ。みんなどんな練習してるのかな、って」
「…リサちゃんは寂しがり屋なところもあるからね。よしよし……」
「も、もうー……頭を撫でないでっばっ!?」
慰めるかのようにリサの頭をなでなでする悠里。
「そんなこと思ってたの? こっちは2人がいたらこうはならなかったのに……って思うことばかりだったわ」
「そうだそうだ!」
友希那の言葉に便乗して抗議するあこ。
「今井さんと悠里さんは、自分が思っているより影響力があるんだと自覚してくださいね」
「わたし……今井さんとゆうりくんに……いてほしいです……」
「み、みんな……よーし、すっごくやる気出てきた! 次はちゃんとはじめから参加するからねー!」
「…うん、分かった……」
こう言われてしまっては、次からは最初から練習に参加するかと思ったリサと悠里であった。
「お待たせしました~! 特盛超お得ポテトとオレンジジュース2つ、ホットコーヒー2つです」
「おっ、きたきた~!」
そんな話をしてる内に、店員が頼んでいた品を6人の座ってるテーブル席に運んできた。
「思ったよりポテトの量が多いわね……前も頼んだと思うけど、こんなに多かったかしら」
「揚げたて……美味しそう……」
「…揚げたてだから、量が多く見える説って……本当だったのかな、かな?」
ポテトの量をみて、首を傾げる紗夜。
美味しそうと言う燐子に対して、実は揚げたてだから量が多いのでは?と呟く悠里。
「みんなで食べればいいじゃないですか?」
「うんうん、それがいいよ! 友希那も食べようよ☆」
「……残すのももったいないし、いただくわ」
結局、全員で食べれば問題ないんじゃね?という事になった6人。
「あ、そうだ。友希那、はい、お砂糖。コーヒーに入れるでしょ?」
「…足りなかったら、僕の砂糖も使っていいからね? 今日はブラックで飲みたいから」
「! ありがとう」
リサと悠里の気遣いに、お礼を言う友希那。
「お待たせしました~! アップルシナモンパフェのビックバンサイズです」
「…みぃ、僕の頼んだパフェがきたのですよ」
「「「「「……」」」」」
「気合を入れて作りましたので、お楽しみください!」
「…素材もなかなか凝ってますね。ありがたくいただきます」
ちょうど店員が悠里の頼んだ品であるパフェを持って来たのだが、その大きさに5人は絶句。
乗せてる器がガラスの器ではなく、
「? どったのみんな?」
「ねぇ悠里……まさかそれ、1人で食べるなんて言わないよね……?」
「? 食べるに決まってるじゃん……甘い物は別腹って言うでしょ?」
「いや、ゆうりん。別腹でも、あこでも食べきれないって……」
「ほら、特盛超お得ポテトとあんまり変わらないし……」
「悠里さん、明らかに比べる基準が違いますからね?」
「…その為のホットコーヒー。でもこのパフェの素材だとアイスティーでも良かったかもなぁ……」
「ゆうりくん……色々と間違ってると……わたしは思う……」
「…今日の晩ご飯、何にしようかなぁ……?」
「悠里、晩ご飯の事を考えるのは置いといて、私達の話をちゃんと聞きなさい」
ファミレス内で、1つのテーブル席に巨大なパフェが鎮座する中、4人の少女にお小言を言われる少年の姿がそこにあった。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
ここまで出来たのも、読者の皆様のお陰です。
気が向いてて、もしかしたら、また別の何かを書いてるかもしれません……
それではまたいつかどこかでお会いしましょう。
ありがとうございました。