金剛「新しい提督が着任して数週間…私たちはある疑念を抱いてマス」
艦娘たち「…!」ゴクリ
金剛「みんなも知っての通り、提督は私たちのphysical contactに嫌な顔1つしないデス。それどころか露出度の高い格好も平気でシマス」
羽黒「さ、誘ってるとしか思えないようなボディタッチも多いです」
睦月「駆逐艦のほとんどは提督の抱っこを経験済みにゃしぃ」
ガヤガヤ
金剛「静かに!」バン
艦娘たち「……」シーン
金剛「そう、疑念というのはみんなも感じている通り、提督はplayboyではないかという事デス」
艦娘たち(はっきり言っちゃった…)
金剛「真偽はともかく、私はハッキリさせたいデス。誰か、協力してくれる人はいませんカ?」
金剛(ここはきっと青葉が…)
青葉「……」ソワソワ
金剛「…青葉?」
青葉「…えっと、青葉は今回は遠慮したいなーなんて。あはは…」
青葉(前科ありますからもうしばらく大人しくしておきたいんです…)
金剛「青葉が手を引くとなると戦力はあまり多くはないですね…」
スッ
金剛「…貴女たちが協力してくれる、ということデスカ。なんとかなりそうデスネ」ニヤリ
霧島「……」
霧島(お姉様が知りたがっている事、パンドラの箱では…?)
※
提督(みんなからの進言で秘書艦は日替わりにすることにした。コミュニケーションに偏りがなくなるし、悪くない策だったな)
提督「えっと、今日の秘書艦は…」
ドアがノックされる。
提督「どうぞ」
朝潮「失礼します、司令官。本日秘書艦の朝潮です」ビシッ
提督「ああ、今日はよろしく」
朝潮「はい!」
カリカリカリカリ
提督「……」ペラッ
提督(朝潮は真面目に黙って仕事をしてくれているな。無邪気な駆逐艦も賑やかで楽しいが、こういう子が秘書艦だと仕事が捗る)
朝潮「……」カリカリ
朝潮(…たまたま私が今日の秘書艦だったから先鋒に選ばれましたが、どう切り出したらいいのでしょう?)チラッ
提督「…ん?」チラッ
朝潮「っ!」フイッ
朝潮(い、意識すればするほど司令官の顔が見られません…!このままでは任務が果たせませんね。何か打開策は…)
朝潮「あ、この書類は…」
提督「お、どうした?」
朝潮「はい。この書類ですが、司令官のチェックのサインが必要なんです」
提督「おお、悪い。うっかりしてた。助かった、ありがとう」
朝潮「いえ、それが私の役目ですので」ビシッ
提督「…これでよしっと」カリカリ
朝潮「…司令官、ここでの生活は慣れましたか?」
提督「ん?まあな。毎日楽しいよ」
朝潮「艦娘に囲まれた生活でも、ですか?」
提督「特に気にならないな」
提督(だって、君たちチラチラ見てくるくらいしかしないからな。童貞かよ)
朝潮「せ、先日私の妹たちが抱っこをせがんでいましたが、嫌じゃありませんでしたか?」
提督「平気平気」
朝潮「特に荒潮がベタベタしていましたが」
提督「意外と甘えん坊みたいだな」
朝潮(や、やっぱり司令官はギラついた視線や執拗な接触に慣れておられる!じゃなきゃ私たちとの共同生活に耐えられるわけがない!)
提督(子供に触られてもねぇ…)
提督「あ、書類のチェックとサインはし終わってるから、処理頼むよ」ペラッ
朝潮「り、了解しました!」
※
提督「食堂に来たけど、流石に時間をズラすべきだったな」
朝潮「席、空いてませんね」キョロキョロ
朝潮(所々空いてはいますが、司令官と隣同士で座れる場所がありませんね)
荒潮「あら、朝潮ちゃんに司令官。お昼ごはん?」
提督「やあ荒潮」
朝潮「荒潮、貴女は昼食は終えたのですか?」
荒潮「ええ。午前はあんまり忙しくなかったから早めに昼食を頂いたわ。あ、もしかして、席探してる?」
朝潮「はい」
荒潮「それなら私たちが座ってた所が空いてるわ。そこに座ればいいんじゃない?」
提督「そうだな、そうしよう」
荒潮「ふふっ。朝潮ちゃん、がんばれ」ボソッ
朝潮「っ!」
提督「ん?」
朝潮「なんでもないですよ。早く食べて午後の執務も頑張りましょう」
提督「朝潮が有能であんまり仕事残ってないんだけどね」
朝潮「有能だなんて、そんな…」テレテレ
提督「…朝潮は可愛いなぁ」ナデナデ
朝潮「か、かわっ!?」カァァ
朝潮(これはもう実質愛の告白では…!?)
提督(娘を持つ父親ってこんな気持ちなんだろうなぁ)
朝潮「し、司令官、嫌ではないのですが、せっかくの間宮さんの料理です。早く食べましょう」
朝潮(焦ってはいけませんよ朝潮。たとえ司令官からの好感を得たとしても、ここでがっついてしませば全ては水の泡…!)
提督「そうだな、食べよう食べよう。いただきます」
朝潮(司令官は私を有能だと言ってくれた。このまま真面目に執務をこなせば、あのケッコンカッコカリも夢ではない)
朝潮「えへへへ」
提督「食べろよー?」
※
朝潮「……」
大潮「司令官といるとアゲアゲですね!」
朝潮「……」
満潮「わ、私は暇だったからみんなについてきただけで、別に…」
朝潮「……」
荒潮「もう少し成長した姿だったら、司令官をもっと楽しませてあげられたのにぃ」
朝潮「……」イラッ
提督「やっぱり人が多いと賑やかだな」
朝潮「賑やかすぎです!」バン
提督「まあまあ」
朝潮「でもこれじゃあ執務が…」
提督「あんまり忙しくないから大丈夫だ」
大潮「では遊びましょう!」グイグイ
朝潮「ああ、どこに連れていくんですか!?」
朝潮(これでは司令官のことが調べられない…いや、逆にチャンスかもしれません)
朝潮「仕方ないですね。私もついていきます」
満潮「で、どこに行くつもりなのよ」
大潮「特に決めていません」
荒潮「テキトーに歩きましょう?」
提督「のんびり散歩か。それもいいな」
荒潮「そういえば、今日は薄着じゃないのね。ちょっと残念だわ」
朝潮(完全にセクハラ発言。ですが、私の予測なら司令官は…)
提督「今日は比較的涼しいからな」
朝潮(やはりスルー)
満潮「司令官、今の荒潮の発言って普通にセクハラなんだけど平気なの?」
大潮「もし慣れてるんでしたら、それはそれで心配です」
提督「セクハラ?」
提督(確かに、俺が女性対して薄着じゃなくて残念とか言ったら完全にセクハラだもんな)
提督「まあ俺は全然平気だな。あ、でもたぶんこんなのは俺だけだから他の男にはやっちゃダメだからな」
4人「っ!?」ドキッ
朝潮(俺以外にはするなって…)
荒潮(なんて素敵な響きなのかしら)
大潮(何の気なしに言ってますね)
満潮(天然でこれって…)
提督「…どうした?なんかみんな固まってるが」
朝潮「なんでもありませんよ」
※
提督「よし、今日の執務はこれで終了。朝潮、ご苦労様」
朝潮「司令官もお疲れ様でした」ビシッ
朝潮(結局これといった収穫はなしでした。私がそういう話に慣れていないというのもありましたが、不甲斐ないですね)
提督「それじゃあとは自由時間だ。好きに過ごしてくれ」
朝潮(…まだ今日は終わっていません。最後に1つだけ訊いてみましょう)
朝潮「そういえば、今日は私の妹たちが迷惑をかけてすいませんでした」ペコ
提督「気にしなくていいよ」
朝潮「ありがとうございます。司令官は女性の扱いに慣れていらっしゃるようですが、女性経験は豊富だったりするんでしょうか?」
提督「け、経験?」
朝潮「す、すいません、変なこと聞いてしまって!」
朝潮(私はなんて質問を!)
提督(経験って、朝潮もそういうことに興味を持つ年頃か)
提督「…内緒かな」ニコッ
朝潮「っ!」
提督(本当は童貞とか言いたくないしな。嘘ついてもボロが出そうだし、ここは誤魔化しておこう)
朝潮(あの意味深な笑み!多いんですね!?隠したいくらい多いんですね!?)
朝潮「そ、そうでしたか!それでは失礼します!」ビシッ
朝潮はそう言うとそそくさと執務室から出ていってしまった。
朝潮(うわああああ!司令官が今まで沢山の女性と付き合ったことがあるなんて!覚悟はしてましたけどショックですううう!)ダダダ
金剛「…ん?あれは朝潮デスネ。あんなに急いでどうしたんデショウ?」
榛名「例の件で重要な情報を掴んだのでは?」
金剛「Oh、それなら早速話を聞くデース!」
榛名「朝潮さん!待ってください!…え、ちょ、待って…は、速い…」
金剛「Turbineでも載せてるんデスカ!?」
※
提督「なんか昨日の朝潮は変だったな」
鈴谷「提督、ちーっす」ガチャ
提督「ノックくらいしなさい」
鈴谷「あはは、ごめんごめん。本日秘書艦の鈴谷、只今執務室に到着致しましたってね」ビシッ
提督「よろしく、鈴谷」
鈴谷(朝潮ちゃんは提督の女性遍歴を調べてくれた。なら私は、お願いをしたときに提督がどこまで許してくれるかを調べるよ…!)
鈴谷「……」ジー
提督「…どうした?」
鈴谷「な、なんでもない!」
鈴谷(やっぱいきなりは無理!)カァァ
提督「お、おう。それじゃこの資源管理の書類をまとめてくれ」
鈴谷「う、うん、オッケー」
鈴谷(落ち着け、まずは提督との距離を縮めてから。よし、やるぞ!)
その後数十分、滞りなく執務は続けられた。
鈴谷「…飽きた」
提督「えー…」
鈴谷「提督も疲れたでしょ?ほら、肩揉んであげるよ」スッ
提督「おいおい」
鈴谷(提督ならこれくらいは拒まないはず…)ギュッ
提督「ん…はぁ…」
鈴谷「なんだぁ、提督も疲れてんじゃん。結構肩凝ってるよ」
提督「意外と疲れ溜まってるのかもな」
鈴谷「やっぱり休まなきゃダメだよ」
提督「そうだな…んっ」
鈴谷「…っ」
鈴谷(そんな色っぽい声出さないでぇ…!)ドキドキ
提督「…っ…おぉ…」
鈴谷「て、提督、声いやらしいよ」
提督「すまん、つい」
鈴谷(…提督のこんな声をもっと沢山聞いてる女がいるんだよね)ギュゥゥ
提督「鈴谷、痛い」
※
鈴谷「午前の執務おーわり!提督、お昼ごはん食べに行こ?」
提督「おう、行こう」
鈴谷(当初の作戦を決行するよ!)
鈴谷「お、今日のお昼はカレーがあるじゃーん」
提督「嬉しそうだな。カレー好きなのか?」
鈴谷「ま、まあね。間宮さんたちが作る料理は何でも美味しいもん」
間宮「ありがとうございます。カレーは甘口と辛口がありますけど、どちらになさいますか?」
提督「…甘口で頼む」
鈴谷「鈴谷は辛口で!」
間宮「はい、わかりました」
受け取り口にお盆に乗ったカレーが2人前置かれた。
鈴谷「提督、こっち空いてるよ。ほら、ここ座って」
提督「…隣同士でいいのか?」
鈴谷「私はそっちのが嬉しいな。提督は私の隣は嫌?」
鈴谷(嫌って言われたら多分泣く…)チラッ
提督「まさか。さあ、食べよう」
鈴谷「あ、うん」キュン
鈴谷(…え!?今くらいのでキュンってなった!?私ってこんなにチョロかったっけ…?)
提督「おお、このカレー美味しいな」モグモグ
鈴谷「…で、でしょー?私もカレーは特に好きなんだよ。んーおいしー!」モグモグ
提督「鈴谷は辛口を頼んだようだけど、辛いのが好きなのか?」
鈴谷「うん。提督は苦手?」
提督「あまり得意じゃないな」
鈴谷(チャンスが来た…!)
鈴谷「ちょっと辛くてもここのカレーはそこら辺のカレーとは旨味が違うよ。一口だけ食べてみて」スッ
鈴谷(さあ提督、間接キスはどう?)
提督「…あー、ん」パクッ
鈴谷(躊躇なし…!)
提督「…辛い」
鈴谷「あはは」
提督「俺は甘口がいい」
鈴谷「……ゴクリ」
鈴谷(て、提督が使ったスプーン…いいのかな!?)
提督「どうした鈴谷、食べないのか?」
鈴谷「た、食べるよ!あー、ん」パクッ
鈴谷(いつもの倍は美味しく感じるんですけど…!提督も気にしてないみたいだし、役得だね)
※
提督「鈴谷、今日の演習の予定は?」
鈴谷「今は機動部隊の演習で、その後に水雷戦隊の対潜演習だよ。夜戦演習の申請が来てるけど…」
提督「許可する。川内に編成案を提出するように連絡を」
鈴谷「了解」
提督「資源の収支計算はできているか?」
鈴谷「できてるよ。はい」バサッ
提督「ありがとう。俺は大本営への報告書を作るから、鈴谷は遠征艦隊からの報告書を纏めておいてくれ」
鈴谷「了解」
鈴谷(い、忙しい…これじゃ提督とのスキンシップができないよ…)ガックリ
提督「……」ジー
提督(鈴谷、疲れてるのかな?今日は何故か忙しいからな)
鈴谷の頑張りもあり、どうにか夕方までに仕事を片付けることができた。
鈴谷「あーもー疲れたあ!」
提督「お疲れ様」
鈴谷「提督ってば、いつもこんなに仕事してたの?」
提督「今日はたまたま仕事が多かっただけだ。いつもは今日ほど多くはないんだけど」
鈴谷「うえぇ」
提督「ははは。そうだ、頑張ってくれたご褒美をあげようか」
鈴谷「え?」ドキッ
鈴谷(ご褒美!?も、もしかして…)
提督「有名店のカステラがあるんだ。みんなには内緒で2人で食べよう」ゴソゴソ
提督(艦娘も甘いものが好きだろうから、喜んでくれるだろ)
鈴谷「あ、ご褒美ってそういう…」ガックリ
提督「…もしかして、鈴谷は甘いもの苦手だったか?」
鈴谷「いや、ご褒美っててっきりエッチなことしてもらえるのかと…」
提督「…はい?」
鈴谷「……」
提督「……」
鈴谷「…あれ?い、今の声に出てた?」
提督「ばっちりと」
鈴谷「あああああ!なし!なしなしなし!今のなしだから!聞かなかったことにして!!」
鈴谷(仕事多かったせいで、頭が疲れて思ったまま言っちゃったああ!ああ、嫌われた…絶対嫌われた…!)
提督「…鈴谷、ちょっとこっち来て」
鈴谷「う…はい」トボトボ
提督「はい」ギュッ
鈴谷「…へ?」
鈴谷(え?私今何されてる?ハグ?抱き締められてる。え、何で?ていうか、超いい匂いする。ヤバい。腕も胸板も筋肉付いてるけど柔らかくて気持ちいい。え?なんでギューされてんの?え?)カァァ
提督「…まあその、なんだ、これで許してくれ。流石にエッチなことはできないからな。さあ、カステラを食べよう」パッ
鈴谷「……」
提督「ここのカステラはかなり美味いって評判なんだぞ…って鈴谷?え、ちょ、気絶してる?嘘みたいにウブだな!?おーい!」
※
加賀「恋人は過去に何人もいた。誰彼構わず体を許すわけでない。それが提督だということですね」
金剛「Yes」
加賀「…疑問なのだけれど、それを知ってどうするの?」
金剛「What?」
加賀「私たちが狙うのはケッコンカッコカリであってただの同衾ではないでしょう?」
加賀(体だけの関係がいいというなら止めはしませんが)
金剛「…But、提督へのappealがしやすいことがわかったのは大きいデス。特にここにいる提督loveな艦娘にとってはgood newsネ」
由良「つまり、多少強引でもセクハラで通報されるリスクは低いということですね」
金剛「That's right!さあ、みんなでケッコンカッコカリを目指しまショウ!」
艦娘「「おー!」」
霧島「……」
霧島(パンドラの箱の希望を無事に見つけられた、というところでしょうか。司令、これから大変そうですね…)