提督「貞操の概念が逆転した世界」   作:dassy

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他鎮守府と演習です!

女提督「あー緊張する…」

 

女提督鎮守府の吹雪(以下女吹雪)「初めての合同演習ですからね、仕方ないですよ」

 

女叢雲「まったく、だらしないわね」

 

女提督「…そういう叢雲ちゃんもすごくソワソワしてるように見えるけど?」

 

女叢雲「な、なんで私が…!」

 

女提督(頭の艤装がピョコピョコ動いてるの気付いてないんだろうなぁ)

 

女吹雪「まあ仕方ないですよ。叢雲ちゃんは男性の司令官に会うのは初めてなんですから」

 

女叢雲「吹雪だって初めてでしょ!」

 

女吹雪「私は大本営に居たときに会ったことがあるんですよ」フフン

 

女叢雲「チラッと見ただけじゃない」

 

女提督「まあまあ、目的地にも見えてきたし、喧嘩はその辺でやめなよ」

 

 

 

 

提督「初めまして」

 

女提督「初めまして。この度は合同演習を受けてくださりありがとうございます」

 

提督「いえいえ、こちらこそ」

 

女提督「まだできたての弱小鎮守府が、そちらのような大きな鎮守府と演習できるとは思ってもみなかったですよ」

 

提督「はは、大きいと言っても私自身は前任から引き継いだ新人ですから」

 

女吹雪「司令官、普通に男の人と喋ってる…」

 

女叢雲「…ちょっと見直したわ」

 

女提督(久しぶりの男!しかも結構いい男だし、これを機に仲良くなりたい…!)

 

コンコンコン

 

五月雨「失礼します」ガチャ

 

提督「どうした?」

 

五月雨「演習相手の残りの艦娘の皆さんが到着しました。神通さん、陽炎さん、不知火さん、黒潮さんです」

 

女提督「海路でこっちに向かっていた私の艦娘ですね」

 

提督「五月雨、食堂に案内してくれ。我々も食堂に行きましょう」

 

女提督「はい」

 

五月雨「了解しました」ビシッ

 

テクテク

 

女叢雲「…ねぇ」コソコソ

 

女提督「なに?」コソコソ

 

女叢雲「なんでそんなに普通に喋れるの?」コソコソ

 

女吹雪「私緊張して一言も喋れませんでした」コソコソ

 

女提督「ああ、そのことね。学校では普通に男子がいたし、会話くらいなら普通にできるよ」コソコソ

 

女吹雪「…今初めて艦娘に生まれて後悔しました」コソコソ

 

女提督「もっと他に後悔するタイミングあったでしょうに。大破したときとか」コソコソ

 

提督(賑やかな人たちだなぁ…)

 

 

 

 

提督「では、演習に出る艦娘を発表する。旗艦那珂、随伴艦に朝潮、大潮、満潮、荒潮、霞。編成からわかるように、水雷戦隊同士の演習だ」

 

朝潮「了解しました!この朝潮、精一杯戦って参ります!」ビシッ

 

那珂「朝潮ちゃん、気合い入りすぎだよ。ほら肩の力抜いて、スマイルスマイル」ニコッ

 

満潮「でも、正直こっちとあっちじゃ練度の差がありすぎて演習にならないんじゃない?」

 

霞「もちろんちゃんと考えて編成したのよね?」

 

提督「いや全然」

 

霞「はぁ!?」

 

提督「今回の演習の目的は向こうの艦娘に経験を積ませることと俺のコネ作りだ」

 

大潮「じゃあ作戦は…」

 

提督「ない。こちらは深海棲艦の精鋭水雷戦隊という設定だ。各自の判断で攻撃して構わない」

 

大潮「どーん!と撃っていいんですね」

 

提督「そういうことだ」

 

満潮「…呆れた」

 

荒潮「あらあら」

 

霞「モチベーション下がるわね」

 

朝潮「ダメですよ。しっかり集中して演習をこなしましょう」

 

那珂「向こうの子たちにも失礼だしね。どんな仕事でも全力で取り組むのがアイドルの鉄則だよ!」

 

霞「アイドルじゃないんだけど!」

 

提督「まあ霞たちの言うとおりだ。そこで、少しでも集中できるようにMVPには特典を用意することにした」

 

満潮「へぇ、何かしらね」

 

大潮「アゲアゲなものがいいですね!」

 

提督「実はまだ決めてないんだ。何か案はあるか?」

 

朝潮「案ですか…うーん」

 

荒潮「それじゃあ、司令官のキスが欲しいわぁ」

 

提督「えっ」

 

那珂「あ、荒潮ちゃん、いくらなんでもそれは…」

 

朝潮「司令官に失礼ですよ!」

 

提督(どうしようか。俺にはハードルが高すぎる…いや、俺は艦娘の入浴中に突撃した男だ。キスくらい…)ウーン

 

提督「それでやる気を出してくれるなら検討しよう」

 

荒潮「あらあら、冗談半分だったのに」

 

満潮「そ、そんなので私たちがやる気を出すと思ってるの?」ソワソワ

 

霞「う、自惚れるのも大概にしなさいよ」ソワソワ

 

大潮(あの満潮と霞がすごく落ち着きがなくなってる…人のこと言えないけど)ソワソワ

 

提督「じゃあ満潮と霞には別のご褒美を考えておこう。間宮さんのアイスなんてどうだ?」

 

満潮・霞「別に嫌とは言ってないわよ!」

 

提督「お、おう…」

 

那珂「あ、そろそろ時間だね」

 

朝潮「出撃の準備をしましょう」

 

提督「よし、それじゃあ全員開始位置に向かってくれ」

 

那珂「了解」

 

 

 

 

女提督「……」

 

提督「……」

 

女提督(き、きまずい…)

 

女提督「…そちらの艦娘はいい動きをしますね。よく訓練されているのがわかります」

 

提督「ありがとうございます」

 

女提督「いったいどんな指導を?」

 

提督「俺は何も。彼女たち自身が努力した結果ですよ。まあ、私にいい所を見せたかったというのもあるそうですがね、ははは」

 

女提督(女に囲まれて生活してた所にこんないい男が着任すれば、そりゃみんな張り切るよ!)

 

女提督「なるほど。今回の演習でも張り切っているのは貴方が見ているからですかね?」

 

提督「…そうかもしれません」

 

提督(キスで釣ってるとは言えんよな)

 

女提督「貴方はその、か、格好いいから、艦娘たちが張り切るのもわかる気がします」

 

提督「いえいえそんな…」

 

女提督「ご謙遜を…あ、そろそろ演習も終わりそうですね」

 

提督「それでは出迎えに行きましょうか」

 

女提督「ええ」

 

女提督(ふふふ…これでグッと距離が縮まったわね)

 

提督(あんまり喋れなかったな)

 

 

 

 

女神通「すいません提督、負けてしまいました」

 

女陽炎「こっちは全員大破。向こうは那珂さんと朝潮が大破で大潮が中破だったわ」

 

女吹雪「完敗ですね。悔しいです」

 

女提督「そうね。課題が多く残る演習だったと思う」

 

女神通「帰ったら早速訓練ですね」

 

女陽炎「うへー」

 

女黒潮「これからしんどくなりそうやな…」

 

女提督「あはは、ほどほどにね」

 

女不知火「ところで、司令官は演習の間、あちらの司令官と何を話していたのですか?」

 

女叢雲「そういえば、出迎えしてくれた時に一緒にいたわね」

 

女提督「んー…色々だよ」ニヤニヤ

 

女陽炎「司令官、ニヤニヤして気持ち悪い」

 

女神通「不知火さんがそのようなことを気にするなんて珍しいですね」

 

女黒潮「確かに。向こうの司令官のこと、気に入ったん?」

 

女不知火「ち、違います。ただ、不知火でもそういうことには興味があるので」

 

女吹雪「へぇ…」ニヤニヤ

 

女叢雲「意外ね」ニヤニヤ

 

女不知火「なんですか、その目は。不知火に落ち度でも?」

 

女吹雪・叢雲「ないない」

 

女神通「…あら?こちらに向かってきているのは向こうの提督では?」

 

女提督「ホントだ。も、もしかして食事のお誘いとか…」

 

女叢雲「もしそうだったら私たちもついていくから」

 

女提督「えぇ…」

 

提督「演習お疲れさまでした」タッタッタ

 

女提督「はい、お疲れさまでした。どうかされましたか?」

 

提督「いえ、反省会をしている雰囲気でしたのでお声がけを。今夜ご一緒にどうですか?」

 

女提督「こ、今夜ですか!?」

 

女提督(ホントにお誘い来ちゃった!)

 

提督「もしかして、今日中にお帰りになる予定でしたか?」

 

女提督「い、いえそんな!是非お願いします!」ズイッ

 

提督「は、はい。それでは夜の8時頃に迎えを寄越しますので、それまでに補給と夕食をどうぞ。それでは」

 

女提督「ありがとうございます!」

 

 

 

 

女提督「……」

 

女神通「あの、提督?」

 

女陽炎「大丈夫?」

 

女提督「…大丈夫、うん。親睦会かと思ったら普通に演習の反省会だったとか、全然気にしてないから」

 

女陽炎「…気にしてるのね」

 

女提督「だってあの言い方はそういうのだと思うでしょ!」

 

女叢雲「はいはい」

 

女提督「…あ、忘れ物した」

 

女吹雪「さっきの部屋ですか?」

 

女提督「うん。眼鏡を置きっぱなしにしちゃった」

 

女叢雲「もう、何してるのよ」

 

女黒潮「誰かついてってあげたら?ウチは疲れたから嫌やけど」

 

女叢雲「私もパス」

 

女吹雪「早くお風呂入って寝たいです」

 

女提督「あんたたちねぇ…」

 

女不知火「では不知火が同行しましょう」

 

女提督「ありがとね。それじゃ行こう」

 

テクテク

 

女提督「この部屋だったよね?」

 

女不知火「はい」

 

女提督「さっさと回収してお風呂に行きましょう」

 

女不知火「そうですね…ん?中から声がします」

 

女提督「向こうの提督さんかな。ちょっと覗いてみようか」

 

女不知火「司令、悪趣味ですよ」

 

女提督「まあまあ」

 

ガチャ

 

提督「確かに検討するとは言ったが…」

 

霞「何よ、私相手じゃ嫌ってこと?」

 

提督「そういうわけではないが、霞はいいのか?」

 

霞「い、いいのよ。今は誰も見てないし…」

 

女提督「…なんか怪しい雰囲気だね」コソコソ

 

女不知火「そうですね」コソコソ

 

霞「まさか今さら嘘だったって言うわけ?」

 

提督「いや…」

 

霞「じゃあ早くキスしてよ」カァァ

 

女提督「!?」

 

女不知火「っ!!?」

 

提督「…わかった。ただし、口はなしだぞ」

 

霞「う、うん…」

 

提督「ほら、目瞑って」

 

霞「……」ギュ

 

提督「……」チュ

 

女提督(うわぁ、ホントにチューしてるよ。ほっぺただけど。なんかショックだなぁ)

 

女不知火「……」

 

女提督「…不知火?」

 

女不知火「ふ、不潔です!」ガタッ

 

女提督「あ、ちょ」

 

提督「ん?」

 

霞「へ?」

 

女不知火「あ、貴方たちは何をやっているのですか!?」カァァ

 

女提督「不知火、ちょっと落ち着いて」アセアセ

 

提督「どうしてここに?」

 

女提督「ちょっと忘れ物を…」

 

女不知火「そんなことはどうでもいいでしょう!それより先程の行為はどういうことですか!?」

 

霞「え、えっと…」

 

女不知火「不知火には霞が少佐(提督)にキスを強要したように見えましたが!?」

 

霞「そ、それは…」

 

霞(違うって言い切れない…)

 

提督「待ってくれ。俺はキスの強要なんてされてない」

 

女提督(普段は俺って言うんだ…ってそうじゃない。不知火を落ち着かせないと)

 

女提督「不知火、一旦落ち着きなさい」ガシッ

 

女不知火「…そ、そうですね。失礼しました」

 

女提督「…さて、私も詳しく聞きたいですね。場合によっては通報案件ですし」

 

提督「どこから説明したものか…」

 

霞「…演習で活躍したらご褒美っていう約束をしてたのよ」

 

提督「で、それが何故かキスということになっただけなんです」

 

女不知火「そのご褒美とやらの提案は艦娘と少佐のどちらが?」

 

提督「俺だ」

 

女不知火「キスも貴方が提案を?」

 

霞「それは…」

 

提督「それも俺だ」

 

霞(え?司令官、何を)

 

提督(荒潮の提案だって知られたらまたややこしいことになるからな)

 

女不知火「だ、男性の貴方からですか…」

 

女提督(…私も頼んだらキスくらいしてくれるんじゃないかなこれ)

 

提督「別に悪いことではないはずだ」

 

女提督「確かに」

 

女不知火「司令官!?」

 

女提督「不知火、これ以上私たちから言うことはないでしょ。納得できないかもしれないけど」

 

提督「理解してくれて助かります」

 

女不知火「…わかりました」

 

女提督「よし。それじゃあ私たちは休ませてもらいますね。ああ、それと…」

 

提督「なんでしょう?」

 

女提督「あまり言うのもアレですけど、気軽にキスをしていると軽い男に見られてしまいます。気を付けた方がいいですよ」

 

提督「…ご忠告ありがとうございます。ですがご心配なく。誰にでもするわけではないですので」

 

霞「えっ」ドキッ

 

女提督「そうですか。それでは失礼します」

 

ガチャ バタン

 

女不知火「…あの、司令官」

 

女提督「不知火、気持ちはわかる」

 

女不知火「え?」

 

女提督「羨ましい…私もあの人の艦娘になりたかった…」

 

女不知火「…何を言ってるんですか」

 

女提督「それにしても、あんなに取り乱した不知火を見られるなんてね」

 

女不知火「からかわないでください」

 

一方…

 

霞「司令官、ごめんなさい」

 

提督「何が?」

 

霞「私がキスしてくれなんて言うから…」

 

提督「艦娘を守るのが俺の仕事だからな」

 

霞「でもそのせいで司令官が女好きみたいに言われたわ。私、司令官に変なレッテルを…」

 

提督「気にするなって。それに俺は鎮守府の全員とケッコンカッコカリをしようとしてる男だぞ。女好きもあながち間違いじゃないよ」

 

霞「…もう、それ自分で言う?」クスッ

 

提督「ははは」

 

 

 

 

朝潮「さて、呼び出された理由はわかりますね?」

 

霞「…さっぱりよ」

 

荒潮「あら、わかってるくせに」

 

大潮「ズバリ、司令官からのご褒美の件です!」

 

霞「…やっぱりそれなのね」

 

満潮「わかってたんじゃない」

 

朝潮「さあ、どうだったのか話してもらいますよ」

 

霞「どうだったって言われても、その時色々あってあんまり覚えてないわ」

 

霞(ホントはばっちり覚えてるけど)

 

朝潮「…その顔、嘘をついてますね」

 

霞「な、なんでよ?」

 

荒潮「あんまりお姉ちゃんたちを舐めない方がいいわよ?」

 

霞「うっ…」

 

大潮「まあ独り占めしたい気持ちはわかりますけどね」

 

満潮「キスなんて霞にしかしてないだろうし…多分、おそらく、きっと」

 

霞「私だけって言い切れないのね」

 

大潮「あの司令官ですし」

 

朝潮「あの司令官ですからね」

 

満潮「で、結局どうだったのよ?」

 

霞「…こ、ここにして貰ったわ」ツン

 

大潮「ほっぺたですか」

 

霞「流石に口にはしなかったわ」

 

朝潮「か、感触は?」ドキドキ

 

霞「感触は、柔らかくも硬くもなくて、ちょっと乾いてて、あ、暖かかったわ」カァァ

 

荒潮「…羨ましい」ボソッ

 

満潮「つ、次こそは私が…!」

 

大潮「でも、あんまり広まってライバルが増えるのは嫌ですね」

 

霞「じゃあ私たちが演習するときにだけまた司令官に頼めばいいんじゃない?朝雲、山雲、霰、あと峯雲も入れて」

 

那珂「あれ?朝潮ちゃんたち、何話してるの?」

 

朝潮「あ、那珂さん。今この前のご褒美の感想を霞から聞き出していたところなんです」

 

那珂「ああ、アレね。で、どうだったの?」

 

霞「…よ、よかったわ」カァァ

 

那珂「霞ちゃんすごく嬉しそうだね!那珂ちゃんはアイドルだし、スキャンダルはNGだからなー」

 

朝潮「あ、那珂さん。実は司令官のご褒美を私たち朝潮型で独占しようという話もしてたんです」

 

大潮「なので、他の子にはこの事を言わないでほしいです!」

 

那珂「えっ…えーっと…」

 

満潮「…まさか」

 

那珂「もう川内ちゃんと神通ちゃんに話しちゃった」テヘペロ

 

朝潮型「「えー!?」」

 

この日から、演習の度に色んな艦娘からご褒美を要求されるようになったのであった。

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