意外となんとかなるもんですね。
なんだか、評価欄に色が付いてる幻覚が……
「良いかい
声に出して読んでみたものの、
思うんだけど……希望を捨てきれないボクもいる。
ここからは看板しか見えないけど、ボクの視界を遮っているこの塀の向こうにあってほしい。ハーフボイルドな探偵が格好つけてきざなセリフを吐いて、それに関西的なツッコミを入れるスリッパを持った女性と、二人を興味深げに見つめる魔少年。そんな光景。
「事務所ってヒーローのかなぁ?ひだりたんていってヒーロー聞いたことないし……新人のヒーローなのかな?」
「いや、違うよ出久クン。探偵っていうのが職業なんだよ。だからこれは『左』さんっていう『探偵』の事務所ってことさ」
「なるほどー!……で、探偵ってどういうことするの?」
「どういうこと、かぁ。ちょっと難しいけど、そうだなぁ……困った人がいて、その困ったことを解決するのに頼られるのが探偵……?」
正直、探偵が何かって明確には知らないんだよねぇ。ドラマとかではよく迷宮入り事件をスパッと推理!みたいな感じに描かれてるけどさ、実際にはそんな事しないっていうのはなんとな~く知ってる。悲しい事にね。
あぁ、でも大切なことがあった。少なくとも
「「そして、何よりも『街を泣かせないこと』。
そう、それを言わなければ仮面ライダーを、いや、風都の探偵を名乗れないよね。
やー、お兄さんも話が分かる人だね!……あれ
「ったく、外から話し声が聞こえたから依頼人かと思って来てみりゃ……まあ、お嬢ちゃんは話が分かりそうだな。寄ってくか?」
「・・・・・・」
「ふ、
「あー、お嬢ちゃんは人見知りだったみたいだな……なぁおい坊主、大丈夫かこの子。固まって動いてねえぞ」
「 」
「二合さん?!二合さんったら!ちょっと、大丈夫?!」
……目の前に
え?なんで?や、まあ、『左探偵事務所』の前だし不思議じゃない……か。
なんか風都探偵からヒロアカ世界に寄った感じのデザインしてるなー。帽子似合ってるぅうう。ぁ、ネクタイ緑なんだ。ジャケット羽織ってないなー、まあ暖かいからねえ。ベストで十分だよね。あれ、今目が合った気がした!なんか目が乾いた感じでシパシパするけど今を脳に刻まねば。ああ、ごめんね出久クン。後にしてくれるかな。ボクは大丈夫だから。あんまり揺すったりしないでもらえると助かるなぁ。やっぱり背が高いなぁ。前世的にも高いとは思ってたけど今小学生だから余計にだねぇ。あら帽子で見えなかったけど髪が一房だけ緑?っぽい。ヒロアカ的なキャラ付けかな。他にも特徴いっぱいあると思うけどなぁ。あ、今凄い見られてない?大丈夫かな、髪に何か付いてたりしたかな。いるなら最初に言って欲しかった。やだなぁ、髪型とか服とかちゃんとしておきたかったなぁ。何か喋りかけてきてくれてる様な感じがする。なんで聞き取りにくいんだろ。今日って初めからやり直しできたりするかな?出来たらいいなぁ……
「……っと!おい倒れたぞこの嬢ちゃん!坊主、なんかこの子持病とかあったりすんのか?!」
「い、いえ、そんなこと聞いてないです……けどぼくは全部知ってる訳じゃないし……」
「なんで坊主が落ち込んでんだっつの!ああもう!とにかく事務所ん中に運ぶ!坊主もついてきてくれるか?」
「も、勿論です!これでも『相棒』になりましたので!ついさっきですけど」
「……ふっ。分かった、ともかく運ぶぞ」
「は、はいっ」
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「――あれ、ボク、は……」
「あ、起きた!大丈夫?痛いとことかある?」
「えっと……?」
だんだん意識が覚醒してくる。
そうだ、出久クンと一緒に散歩に出掛けて、左探偵事務所を見つけて。
それで、本来はいないはずの、左翔太郎(推定)に出会ったんだ。
なんで
①:実は全く関係ないモブであって他人の空似?いや、細部は違えども彼は左翔太郎だと思う。思いたい。
②:ボクが転生したから?多分違う。生まれてから10年も経ってないし、今は特に行動してない。
③:ここがそれっぽいパラレルワールドであって、実は他のWのキャラもいる。
ボク的には③が良いなぁ。ただの願望だけどさ。
とはいえ、なんとなくの思い付きだけど外に出て来て良かった、かな。
「二合さん、ほんとに大丈夫?まだ寝てた方が良いんじゃ」
「あ、ううん。大丈夫だよ、ごめんね……ところでさ、ボクって倒れたんだよね、さっきの人の前で」
「そうだよ、だから左さんと一緒にこの事務所に運んだんだ」
ぐあああああ……やっぱりかぁ。『初対面で突然倒れた意味不明な奴』とか思われてたらどうしよう立ち直れないかも
「お、起きたみてえだな。もう大丈夫なのか?無理せずに横になっとけよ。一応こっちの坊主に聞いて親御さんに連絡しといたからゆっくり休んできな」
「は、はぃ。だいじょぶ、です……」
くっ、倒れるまではいかないけど、なんかちゃんと話せないぃ……ていうか顔見れない
「そうだ、互いにちゃんと自己紹介してなったな。
「え、と。
「はい!ぼくは
「ああ、よろしくな。一応、俺は探偵ってのをやってるんだ、ついこの間独り立ちしたんだけどな。これが名刺だ、困った時には頼ってくれて良いぜ」
「ありがとう、ございます。その時は、頼らせてもらいますね」
おおー名刺だぁー。劇中のと変わらずオレンジ(?)色と白のやつだ。『鳴海』の文字が『左』になってる。
ん?あれ、なんだろう、違和感が……あ。
「えっと、
「ん、おおう、つい渡しちまったけど、読めるんだな!どうだ、良いデザインだろ?」
「ええ、カッコいいです。でも、
「まあな、珍しいよな、この字つかうなら『ワタル』とかだろーにな」
「あ、あーそうです、よねぇ……」
危なかった。一番最初に気付いた違和感が
このまま話してつい、「フィリップ君って今は何を調べてるんですか?」とか「所長はどこに行ってるんですか?」とか言ってたら確実に怪しまれるよね。
あんまりボロを出す前におうちに帰った方が良いかもしれないね。場所は分かったし、『困った時は頼ってくれ』って言ってくれたし、出久クンとの変身のアドバイスとかもしかしたらもらえるかも?
「あのー、もう体調も大丈夫ですし、あんまりご迷惑掛けたくありませんので、ボクらおうちに帰ろうかなって……」
「そうか?まぁまだ明るいとはいえ夕方だしな。送って……おい、マジか。あんまり出ないってお前が言ったんだろ」
「え、えっと……?」
あれ、渉太郎さんが何か呟いてる?出久クンは何か知って……うん、なさそうだね。
「二合、頼可ちゃん。だね」
「え、はい……渉太郎さん?」
なんだろう。渉太郎さんの雰囲気が変わったって言うか。あれ?この口調
「初めまして、ぼくはフィリップ。
君に聞きたい事が一つ……何故、渉太郎の名前に疑問を持ったのか、だ」
窓から差す光が渉太郎さんの紫に染まった髪の一房を鮮やかに照らしていた。
……はい。すみませんでした。
ジョーカーメモリを使えない彼の『個性』って何だろうって迷走した結果です。
ふざけんな!って方はどうぞ殴りに来てください。
面白いじゃんって方は僕と握手!