俺が伝説の鬼の名を襲名して良いのだろうか?   作:佐世保の中年ライダー

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変じる怪異。

 

 バケガニ変異種の背部の甲殻に深々と突き刺さった烈雷改、それは高空からの降下の勢いと弦の鬼たる斬鬼さんの膂力が合わさったが故の会心の一撃と言って過言じゃあない。

 まさに関東支部最強のパワーを誇る轟鬼さんの一番弟子たる面目躍如ってなものだ、全く目が若干垂れ目気味だけどイケメンで人当たりが良くて力持ちとかってさ、一体この人天に何物貰ってるのかなこの人は、べっ別に羨ましくなんか…あるんだからね。

 等とつらつら世の無常を嘆く俺だけど何時までもそんな事ばかりに気を取られてばかりはいられ無い。

 何故なら今バケガニの奴動きが止まってるから、おそらくは斬鬼さんの一撃に依って神経節とかにダメージを受けたとかだろうか、よく解らんけど。

 

 「おおっイカンイカン、何にしても今が好機だよな。」

 

 俺は先にダメージを与えたバケガニの

関節部分に追撃を掛けるべくダッシュする、四歩程のステップからジャンプして傷の残る其処へ烈火剣をふるう。

 

 「セィリャァッ!」

 

 掛け声と共に振るった烈火剣は俺の腕に確かな手応えと甲高い斬撃音を響かせ鋏を切り落とした、それは正に会心の一撃ってのは大袈裟だろうか、イヤ俺がそう思ったんならそれで良いんだよ自己満足みたいな物だから。

 しかしだからと言って決して気を緩めたりはいない、清めの音を叩き込まない限り魔化魍は消えないしな、烈火剣を振るい着地した場所はバケガニの懐にかなり近いので全体的な見通しがし辛い、なので俺はバケガニの姿がある程度見える位置まで離れる。

 離れて見てみるとバケガニの背部に乗っかっている斬鬼さんは奴に突き刺した烈雷改を引き抜き再度刺突をすべく烈雷改を上方へと掲げている所だった。

 

 「斬鬼さん……ヨシ、俺ももう一度行かなきゃな。」

 

 俺はもう一度バケガニの残りの鋏を叩き落とすべく烈火剣を構え直し再突撃を掛けようと四肢に力を込めたその時。

 

 「!?」

 

 「なっ、何だ!?」

 

 突如としてバケガニの巨体が微振動を始めた、その奇妙な事態に俺は駆け出そうとしていた足を一旦止め様子を見る事に、また斬鬼さんもバケガニの背部に立ちながら何事かと戸惑いを見せている。

 やがてその振動は大した時間を置くことも無く徐々に大きくなり始める、ゴゴゴゴゴゴォ!と背景に書き文字が現れてもおかしく無い位に大きく。

 

 「チィッ、考えても仕方無いっス、ここは攻撃あるのみっ!」

 

 バケガニの発する振動に抗いながら斬鬼さんは己に発破を掛ける様に声に出し烈雷改を上方に掲げ直す。

 だが、バケガニの発する振動はやがてその身を痙攣でもさせているかの様にビクンビクンと大きく不規則に撥条させはじめる。

 

 「ううおぉッ、なっ、何なんだ!?」

 

 これには斬鬼さんも流石に体勢を維持出来ない様でバランスを巧く取れずにその身を翻弄される、しかもその痙攣?は次第に強く激しくなって行き遂には斬鬼さんもバケガニの背部に立っていることも適わない程の揺れとなり、堪らず斬鬼さんはその場から飛び降りざるを得なくなってしまった。

 

 「うおっ、とっとぉッ!?」

 

 烈雷改のネックを左手にバケガニの背部から飛び降りた斬鬼さんは少しバランスを崩しながらも俺の居る近くの岩場へと着地し『ふぅ…』と一息吐く。

 

 「だ、大丈夫っすか斬鬼さん!?」

 

 「へっ、あぁ平気っスよ響鬼君、けど一体何なんすかね彼奴いきなり変な動きし始めて訳分かんないっスよ。」

 

 ああ斬鬼さんもバケガニのあの変な挙動を目の前に頭の中は疑問符だらけなんだろうな、まぁ考え付く範囲で推察して見ると背部に受けた斬鬼さんの一撃があまりに痛すぎてのたうち回っているとかじゃねと思うんだが。

 

 「もしかしてあれっスかね、えっと確か…そうだ断末魔ってヤツかもっス。」

 

 ポンと右掌に左手を握り拳にして側部を打ち付けて僅かな時間考え込んで出した斬鬼さんの回答だが、確かに普通の動物とかなら其れも有り得るかも知れんけど。

 

 「いや、それはどうかっすね、何せ相手はちょつと特殊っぽい魔化魍だしそれに清めの音を叩き込んだって訳でも無いっすからねぇ。

 とまぁつまりはぶっちゃけ俺も何かは解りませんって事ですね。」

 

 斬鬼さんの思いつき発言に突っ込みと自身の見解を述べようと思ったが、俺自身正直この事態が飲み込めていない為碌な事を言えない、いやだって痙攣してんのか藻掻いてんのか知らんけど但単にひたすらにキモいとしか感想が出て来ないしな。

 

 「けど、こうして突っ立ってるだけってのも何ですからね、少し手を出してみますかね。」

 

 烈火から剣を解除し音撃棒の状態に戻すと斬鬼さんから少し離れる、二歩、三歩、四歩と離れながら少しずつ烈火に気を込める。

 

 「なる程遠距離攻撃を喰らわすんですね、だったら俺も……ハァーッ。」

 

 斬鬼さんと俺は互いに数メートルの距離を開けのたうつバケガニへ向けて遠距離攻撃の準備を整える、俺は烈火の鬼石に炎の気を込め更に鬼面の口部を開いて準備完了。

 

 「ハァッ、セイッ!!」

 

 烈火弾と鬼火を同時発射する、射出されたその2発の炎の弾丸と放射された火炎は狙い過たず十メートル程先のバケガニに着弾し痙攣していたバケガニを五メートル程弾き飛ばした。

 だがそれはどうやらあまり効果は無かった様でバケガニは弾き飛ばされた先で変わらず身悶えている、何か地味にショックだよな解っちゃいても泣けて来ちゃうよ八幡。

 

 「ヨシ、俺も行くっスよ!鬼幻術雷撃波ぁッ!!」

 

 続いて斬鬼さんがおおきく振りかぶった手刀を足元の岩に叩き付ける、その岩をバックリとかち割りながら放射された雷撃が轟音を轟かせながらバケガニ目掛けて高速疾走。

 技の発動からほんの秒単位でそれは身悶えていたバケガニに轟音と共に着弾、それを受けたバケガニはその場から更に十メートル以上も大きく吹き飛ばされてしまった。 

 流石に今度はバケガニも相当なダメージを受けたのか(も知れない)岩場に落ちた後、その身悶えていたかの様な痙攣が少し弱まった気がする。

 

 「……すっ、凄えぇ、つか斬鬼さんその技って相当どえらい威力っすけどそう何度も撃てるもんなんですか?」

 

 斬鬼さんの雷撃波、さっきは海を分断したし今のは岩場をバックリと斬り裂きながらあんな威力の雷撃を放つんだから相当な気力体力を消耗すんじゃね?との予想の元斬鬼さんに質問する。

 

 「……ふう〜っ、やっぱ分かるっスか響鬼君、そうっスね今よりも鍛えてもっと俺が強くなればもう何発か撃てるかもっスけど今は後一発くらいっすね。」

 

 やはりそうだったか、まぁアレだけの破壊力が有るんだ謂わばあれは格ゲーとかで例えると超必殺技とかスーパーコンボとかに類する技だよな、そう多用出来るもんじゃ無いだろう。

 格ゲーキャラと違って、体力ゲージ赤に成ったからって超必殺技幾らでも連発出来る訳ゃ無いし。

 

 「斬鬼さん、今日は何があっても雷撃波はもう撃たないで下さいよ、後は出来るだけ音弦を叩き込む事に力を集中して下さい。」

 

 あのバケガニの硬い甲殻を斬り裂いて音弦を叩き込むにはやっぱり斬鬼さんのドえらい膂力が物を言うだろうし、仮に俺が受け持つならさっき斬鬼さんが与えた背部の傷に爆裂火炎鼓で以て喰らわすって方法位かな現状出来そうなのは。

 

 「っ!了解っス、響鬼君。」

 

 力強く右拳を上げて頷き斬鬼さんは俺の提言を受け入れてくれた、更に俺達二人頷き合うとバケガニに視線を戻し慎重にゆっくりとそのバケガニの挙動を確認しながら近付いて行く。

 俺は両手に音撃棒烈火阿と吽を携え、斬鬼さんは音撃真弦烈雷改のネックを両手で刀の柄の様に掴み軽く腰を落として(俺は剣術とか詳しく無いんだがこういう構えって確か逆袈裟ってのかな、下から上へ掬い上げる様に斬るやつ)ジリジリと歩を進める、抜き足差し足忍び足って感じ……やべぇなんか今頭の中にピ○クパンサーのテーマが一瞬流れたわ、こんな時に気を抜くなよな俺。

 

 「ところで響鬼君、俺今ふと思ったんスけど俺達何でこんなに慎重になっているんスかね、バケガニのヤツさっき迄と比べてかなり弱ったっぽい感じだから一気に攻めても良い様な気がするんスよね俺。」

 

 はい、内心俺もちょっと慎重にすぎんじゃねと思わなくは無いんですけど、この間のツチグモの変異種の事もありましたから何か思い掛け無い事態とか起こりそうで、まぁ杞憂なら良いんすけど世の中一寸先は闇っても言いますからね。

 

 「まぁアレっすよ石橋を叩いて渡るってんですか、転ばぬ先の杖とかでもいいんすけど、用心に越したことは無いって事にしときましょうハイ。」

 

 「!?……………はぁ。」

 

 暫し無言その後溜息とも呆れとも或は俺の言の意味するところを理解していただけなかった故のはぁなのか、もしかして斬鬼さん今頭の中にクエスチョンマークが浮んでいるんだろうかと、そう思えてしまって若干切ない俺ガイル。

 まぁ鬼面の下の素の顔が分からないので何とも言えんけど、斬鬼さんお互い気を引き締めて行きましょう。

 

 「さっきよりかは弱まってるっスけどアイツまだピクピクしてるっスね、正直ちょっとキモいっス何か俺暫く蟹は食えそうに無いっスよ。」

 

 それでも俺と共に慎重に歩を進める斬鬼さんはバケガニの様子に嫌悪感の成分を多少滲ませた声音でその様に仰る、その言葉に俺達と共に俺達を真似て慎重にバケガニに近付いて行くディスク達も同意とばかりに頷く、てか何気に君達も付き合い良過ぎじゃね?

 

 「それに付いては同感っすかね、もうちょい様子を見て行けそうなら一気に清めの音を叩き込みましょう斬鬼さん。」

 

 これに無言で斬鬼さんは頷きバケガニへと向かい歩く、その時だった痙攣するバケガニに異変が起こったのは。

 一度だけ大きくビクリとバケガニの体躯が撥ね上がり痙攣が止まる、そして訪れる不気味な沈黙。

 コレには流石に俺達もヤツに向かって近付いて行くのは躊躇してしまう、てか先行き不明瞭なこの事態迂闊に近付かないのが賢明だろう。

 

 「斬鬼さん何かヤバいかもっすよ、コレはちょっと様子を観た方が良いかも知れないっすね。」

 

 突然に起こったバケガニのこの様子の変化がどう言う事なのか、またこの先どうなるのか予測が付かない、これが嵐の前の静けさってヤツで今みたいに動きを止めて力を蓄えているのか、それともさっき斬鬼さんが言った様に完全に弱っていて今が清める絶好の機会なのか、どう判断すりゃいいんだコレ。

 

 「そうっスね、けど今どう言う状態なんスかねアイツ。」

 

 斬鬼さんも俺の言に同意してくれ俺達二人固唾を呑んで沈黙したバケガニを観察する、もしバケガニに何らかの反応が起こったならば直ぐに行動に移せる様にと気を引き締めてはいるけど。

 この沈黙に俺の精神はジリジリとした焦燥感に駆ら鬼面の下の素の顔に冷たい汗の雫が滴る、さっき迄ピンク○ンサーのテーマとか言ってたのが嘘みたいだ。

 コレはやはり俺がデビュー一年未満の新米で精神的に余裕が無い事の現れなのか、だとすると今日が本格的なデビューを果たしたばかりの斬鬼さんはもしかすると今の俺の比では無い位に緊張しているかもだよな。

 

 「斬鬼さん焦らず軽く気持をリラックスして行きましょう、緊張して身体も精神的にも硬直してしまっちゃ咄嗟の事態に対応出来なくなるかもですからね。」

 

 俺は斬鬼さんに語りながらも其れを己にも言い聞かす、現段階で実践出来てるかは分からないけど軽い呼吸を数度すり替えし気持を切り替える事にする、ヒッヒッフー、ヒッヒッフーって俺は出産を控えた妊婦さんかっての。

 とまぁ気持を切り替える為に少しだけ巫山戯てみたが、何となくだけどそれに依り少しだけ身体が軽く気持ちが楽になった気がする、コレもしかして一種のプラシーボ効果なのだろうか。

 

 何てな事をやっている内に遂に異変は起こり始める、それは何かが割れ砕けるようなビシッとかビシリッとかって感じの効果音が着きそうな音で、それは確かにバケガニの方から響いて来た。

 俺と斬鬼さんはバケガニに視線を向けていたが今の所そのバケガニの外観には変化が見えない。

 今見えているのはさっき斬鬼さんが烈雷改を突き刺したて付けた裂創が見て取れるバケガニの背部の甲殻部なんだが、別にその辺りに変化は観えない。

 

 「今の音確かにバケガニの方から聞こえたっスよね響鬼君!?」

 

 「ハイっ何かが割れた様な感じの音っすよね、斬鬼さんさっきの俺の提言に一つ追加します、此処からは臨戦態勢で臨みましょう。」

 

 確認と情報の共有、俺達は言葉を交わしながらもバケガニから気を逸らさずに互いの音撃武器を構える。

 そして再度響く亀裂音、そしてこの音が一旦止んだ後横たわるバケガニの甲殻に目に見えて解る異変が確認出来た。

 

 「響鬼君、バケガニの身体の彼方此方に罅が入ってますよ!」

 

 「俺の方からも確認出来てますよ、斬鬼さんコレヤバいかもっすね、防御態勢を取っといたほうが……!?」

 

 斬鬼さんに防御を促そうと話していた途中にバケガニの身に更なる変化が現れる、それは無数に拡がるバケガニの体表甲殻の亀裂部分から淡い光が発せられ始めた事から始まり、やがてその光は眩いばかりに輝きを増し続け遂には肉眼では直視出来ない程の光度となり、俺も斬鬼さんもバケガニから少し視線を逸してしまった。

 

 「くっ、コリャ堪んねっス!?」

 

 斬鬼さんはあまりの眩しさに視線を逸しつつもボヤキを入れる、俺もそれに付いては全く以て同感である。

 しかしコレは一体何が始まるのかと頭の中を色んな推察が駆け巡る、だがしかし今は其れよりも。

 

 「斬鬼さん、コイツはヤバいっす一旦後方へ下がってバケガニから距離を取りましょう、ディスク達も早く此処から離れろよ!」

 

 光度を増した輝きはまるでその輝きその物が破壊のエネルギーを持っているかの様に、周囲に強烈なプレッシャーを与えているからな此れはもう只事では無いだろう。

 

 「っ!その方が良さそうっスね、了解っス響鬼君!」

 

 俺も斬鬼さんも後退を是とし脚にありったけの力を込めて岩場を踏み締めて、跳び跳ねる様に輝きを増し続けるバケガニから離れる。

 その間にもバケガニから放たれる光の光度は増し続ける、そして遂に其れは臨界点を超えたのだろうか……。

 

 俺達が距離にして百メートル程バケガニから離れた辺りで後方から、間違い無くバケガニから爆発的な轟音が響き渡り爆風の様な圧力が其れだけの距離を置いているにも拘わらず、俺達はその身をその爆発的な圧力に持って行かれそうになってしまった。

 

 「うわッと、危ねえっ!?」

 

 体勢を立て直しつつ俺はバケガニの方を振り返り観る。

 

 「ヤバっ斬鬼さんしゃがんでッ!!」

 

 そこに観えたのは爆裂四散する大小様々に砕け散ったバケガニの甲殻と二本の鋏、それをバケガニが四方へと弾丸の如く飛散させている状況だった。 

 その場から飛び退り岩場の影に身を隠せたお陰で俺達は何とかその弾丸の様な甲殻の大きめの破片による被害を被らずに済んたが、小さ目の物はいくつかそれでも被弾してしまいいくつかの裂傷、擦過傷を負ってしまった。

 

 「痛っ、斬鬼さん大丈夫ですか、怪我はないっすか!?」

 

 気合による傷の治癒を行うよりも先に俺は斬鬼さんに問い掛ける、大丈夫だとは思うけど一応確認はしておいた方がいいだろうと思った次第なんだが。

 

 「痛〜っ、大丈夫っスよ響鬼君、小さな傷はあるっスけどこんなの気合一発で治るっス!」

 

 「そうっすか、俺も似た様な感じっすね、それじゃとっとと治してアイツをどうにかしなきゃっすね……フッ!」

 

 その場から立ち上がりながら気合いを込めて傷を癒やす俺と斬鬼さん、互いの顔を見合わせて一つ頷くと件の騒動の大元であるヤツに目を向ける。

 そこに居たのは、さっき迄は変異種ではあったがその特徴はバケガニと呼んで差し支えの無い見た目だったが、今俺達が目にしているソレは。

 

 「……響鬼君アイツ形が…変わってるっスよ…。」

 

 斬鬼さんが驚愕故か少し震えた声で呟く様に言葉を紡ぐ、がそれも仕方が無いだろうな……今俺達が視ているソレの身体的特徴はさっきより身体が縦に長く伸び、蟹と言うよりは海老の様な体躯と六本あった鋏を自ら取っ払い二本だけ残し(まぁその内の二本は俺と斬鬼さんが叩き斬ったんだがな)全体的にスリムな印象に変化し背に四対八枚の蜻蛉の翅に近い形状の翅を今正に展開しようとしている。

 

 「ま、マジかよ……。」

 

 それは嘗てバケガニが大量に発生する年に稀に顕れると言われていて、その発生の要因は長年不明だとされていたが、現役時代の先代とデビュー間もない轟鬼さんとが発見解明しバケガニの変異種であると確認が取れた魔化魍アミキリ。

 

 「コイツ、アミキリの変異種に変態したのか………。」

 

 本来は二対四枚の翅しか持たない筈のアミキリ、それが今俺達が目にしているソレは四対八枚の翅があるし、よってソレをアミキリの変異種と断定しても構わないだろう。

 未だかつて誰も見たことの無い新種の魔化魍に俺達はこの日またもや遭遇してしまった。

 

 「しかしコイツ…サ○ギマンからイナズ○ンかっての。」

 

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