俺が伝説の鬼の名を襲名して良いのだろうか?   作:佐世保の中年ライダー

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語られるあの日  巻の弐

 

 〜雪ノ下雪乃〜 

 

 一色さんから請われてあの日の事を語る事になったのだけれど、その前日譚を思い出して私は少し、いえかなり憮然とした気持ちになってしまう。

 あの日姉さんからの誘いを(避暑を兼ねての川遊びを提案され)梅雨明けにより本格化してきた夏の暑さに辟易としてきた私は、遺憾ながらその提案に乗る事にした。

 その春に比企谷君と由比ヶ浜さんの二人に出会った私は、二人との交流の中でこれまでの自身の在り方や人との関わり合いと云うものを考え直す良い機会となった、そして私自身二人の事を何時しかとても大切な人だと思える様になれたのだから。

 だからこそ、そのイベントには是非二人にも参加してもらいたいと思うのはごく自然な感情だと思う。

 

 「残念だったね雪乃ちゃん、比企谷君、来られそうにないんだね。」

 

 「ええ、その日はアルバイトの予定が入っているそうよ。」

 

 高校入学を期に両親に願い出て許可してもらった一人暮らし、その借り上げてもらった私の小さな城たるこのマンションに、週末の避暑を兼ねて小旅行を企画した姉さんがその話を持ち込み、そのついでとばかりに『偶には姉妹二人でゆっくり過ごそうよ』などと此方の都合などお構い無しに上がり込んできた姉さんがそんな事を宣う。

 なので私は彼の言葉を姉さんに伝えると、のほほんとした表情で缶ビールのプルタブを開きながら『そっかそっか』と呟くとビールの缶を高く掲げてその中身を一気に呷った。

 

 「姉さん、流石にその行動は行儀が悪いにも程があるのでは無いかしら、と言うか姉さんはまだ十九歳なのだから飲酒が出来る年齢では無いでしょう。」

 

 「もう、嫌だなぁ雪乃ちゃんったらぁ、そんな堅い事言わないのッ、そ・ん・な・ん・じゃ意中の男も(おと)せ無いぞっ!」

 

 私がそれを咎めると姉さんはそんな巫山戯た事を宣う、全くこの姉と来たら何と言う事をほざくのかしら度し難いにも程があるわ。

 しかし、この事によって私は姉さんをこの部屋から追い出す事が出来なくなってしまったわ、いくら何でも身内に飲酒運転などさせる訳にもいかないのだから。

 

 「プハァ〜っ、正にこの一杯の為に生きていると言っても過言じゃないわね、もうたまらない喉越しだよコレ!」

 

 まあそれを理解しての、この抜け目のない姉の確信犯的な行動なのだろうけれど、それをやられる此方としてはやれやれと云う気分になってしまうわね。

 比企谷君に勧められて読んだあの漫画の三部の主人公の心境が今の私には、とても理解出来てしまうわ。

 

 「なっ、何を言っているのかしら姉さんは、べっ、別に私と比企谷君はその様な不埒な関係では無いのだし、墜すも何もあったものでは無いわよッ。」

 

 けれどそんな姉さんの戯れ言に反論をする私の言葉は何故だか、私達に疚しい隠し事や誤魔化しをする時の比企谷君の様に吃ってしまっていたのだけれど、それはきっと気の所為なのよね。

 

 「アハハハハッ、墓穴を掘ったな雪乃ちゃん!お姉ちゃんは一言も比企谷君の名前は出さなかったんだけどなぁ〜っ、それにさ折角おニューの水着も買ったのに雪乃ちゃんなりの大胆アピールのチャンスなのに、ちょっと残念だと内心思ってるんじゃないの雪乃ちゃん!?」

 

 「でもそっか比企谷君は来れないのか、やっぱりね。」

 

 姉さんがポツリと漏らした『やっぱりね』がどういう意味なのかは、この時の私には理由(わけ)が分からなかったのだけれど、この水遊びの企画を立ち上げた段階から既に姉さんは何かしらの企みを持っていた事は後に知る事になる。

 まあこの時は飲み慣れないビールを呑んで中途半端に酔っ払った上での単なる戯言だと判断した(比企谷君についての戯言も含めて)私は其れについて問う事をしなかった。

 

 そして今、一色さんにせがまれて私達は彼女にあの日に至るエピソードを語っている。

 

 「まあ言ってしまうと、結果として誠に遺憾ながらうちの姉の企みにまんまと乗せられてしまったのだけれど。」

 

 ふんふんと頷き由比ヶ浜さんが私の言葉に同意を示してくれた。

 

 

 

 

 

 〜由比ヶ浜結衣〜

 

 ゆきのんと一緒に新しく水着をしんちょう……えっと新調したのは夏休みに入って直ぐだった。

 

 「そっか、ヒッキーは来れ無いんだね、じゃあ小町ちゃんも入れて女子四人での女子会だね。」

 

 それから何日もしないうちに、ゆきのんから連絡が来て川遊びにって誘われたんだけど、ヒッキーはバイトで来れないんだって、うう……残念だな。

 

 「うん、じゃあ週末にね、おやすみゆきのん。」

 

 ゆきのんとの通話を切って、あたしは小さくため息を吐いた。

 折角ゆきのんとヒッキーと一緒に週末は楽しく過ごせるかなって期待していたのに……でもバイトがあるんじゃしょうが無いよね。

 

 「あらあら、結衣ってば溜め息なんか吐いちゃって、折角のおニューの水着をヒッキー君に魅せられないのがそんなに残念だったのかなぁ、うふふっ!?」

 

 「なっ……もうッママったら、何変なこと言っちゃってんのっ!?

 別にあたしは、まあちょっとは残念かなって思うけど、でもゆきのんと一緒だから其処までは思ってないんだからね。」

 

 そんなあたしをママがニヤニヤしながら誂ってきた、感の良いママにはあたしの気持ちなんかとっくに知られちゃってるし。

 それにママも何かヒッキーの事すっごく好きだし、しょっちゅうヒッキーの事を家に呼びなさいとか言ってくるし、何だかなって感じたよ。

 

 「でもそんなに残念がる事も無いんじゃないかな、何てったって夏休みは始まったばかりなんだしチャンスはこれからよ、それに結衣はママに似てバッチリ美ボディをしているし、いくらヒッキー君が堅くっても立派な思春期男子なんだからきっとイチコロよ。

 斯く言うママだってそうやってパパを墜したんだから、うふふっ。

 あっでも結衣もヒッキー君もまだ高校生なんだからあんまり行き過ぎちゃ駄目よ、許していいのはキスまでよ!」

 

 ママはあたしに何時ものすっごくぽわっとしたえがおでウインクをして見せてから『口吻を交わした日はママの顔さえも見れなかった♪』何て鼻歌交じりに謳いながらキッチンの方へ向かっていく、あたしはきっと今すっごく顔が真っ赤になってると思う、だって何だか身体がものすごく火照ってるのが自分でも解るもん。

 

 「もうッママってばいい加減にしてよ、そんな生々しい話娘にしないでよもうッ、ううぅっ……」

 

 うう、ママが変な事言うから次にヒッキーに会った時すっごく意識しそうだなってこの時は思ってたんだけど、でも実際はそんな気持ちも吹っ飛んじゃう様なってか考えてる余裕も無い目に遭ったんだよね。

 

 「まあ言ってしまうと、結果として誠に遺憾ながらうちの姉の企みにまんまと乗せられてしまったのだけれど。」

 

 ゆきのんがしみじみとそんな風にため息が混ざった様な感じの声でそう言うけど、あたしも大いに同意するよ。 

 陽乃さんってばあの日ヒッキー達が魔化魍を清める為に出掛ける事を知ってたみたいだし。

 

 

 

 

 

 

 部室の一角に女子三人が一塊となり思い出話に花を咲かせている、由比ヶ浜がメインパーソナリティー的立ち位置となり大まかな流れを一色に語り、雪ノ下が不足部分を補完すると云うある意味最適なポジショニングだと言える。

 

 「それで陽乃さんに連れてかれたのが利根川の結構山の方だったんだよね。」

 

 「へえそうなんですね〜、ははあーん、もしかして其処で魔化魍と闘っている先輩とばったり出会ったってオチだったりしますか?」

 

 のだろうが、肝心の聴衆たる一色の方がもう要らんチャチャを入れてくるし、全くコイツは自分から話を聞きたいと振っておきながら、本当はまともに聞く気が無いのだろうかと思わずにはいられん、何かオチとか言ってるし。

 

 「はぁ……一色さん、その様にあまり人の話の途中で早合点をするのはどうかと思うのだけれど、異論反論をするにも一旦相手が言い終わる迄待つのが礼儀と云うものでは無いかしら。」

 

 うんうんと、雪ノ下の一色に対するお小言に由比ヶ浜が小さく縦に首を振る。

 これまでの彼女達の話の流れとはちと違うってか関係無いが、テレビの討論番組とか国会中継などで発言を行っている人のそれに、言葉をぶつけ発言の邪魔をする的なアレ見てて不快に感じるし見苦しく感じるんだよな。

 反対意見があるのなら、その人の発言をちゃんと最後まで聞いてから発言しましょう、でなければその人の真意が確りと視聴者に伝わらないからな。

 けどまぁ中には途中まで聴いててアレな言論とかこれは無いわぁっのもありはするし、そう言ったのを遮るのも致し方なしって部分も確かにあるってかマジこの件にはあまり関係無いな。

 

 「まぁ、一色が言った事の全部が間違えって訳でも無いんだがな、その時俺は雪ノ下達が居た場所から更に上流の方で魔化魍の対処に当たっていたからな、つかまさか俺も雪ノ下さんがみんなを利根川に連れていく何て思ってもいなかったし。」

 

 しかし、それこそがあの時の俺達の最大の失点だ。

 俺達猛士が警察と連携を取る様になってから、殊に大型の魔化魍や群れをなして出現しそうな魔化魍が顕れそうな予測が立った時はたに、その周辺一体を場合に依っては数日間封鎖して貰っているんだが。

 あの日も魔化魍対策科に依頼し俺達が拠点を構えた奥利根湖周辺を封鎖してもらっていたんだが、その封鎖を突破してあの女性(ひと)は現場へとその姿を見せやがった。

 

 などと回想していると、普段は静かなこの特別棟の昼下りに似つかわしく無く、何だか妙に廊下の方が騒がしいんだが、はて。

 

 『しかし、用があるのなら事前に連絡を入れて欲しい物だよ、全く君と来たら……。』

 

 『たはははっ、ごめんゴメン、今度の飲みは私が奢るから勘弁してよ静ちゃん。』

 

 それはそれは、何だか物凄く聞き覚えのある様な気がする、多分に厄介な二人の女性の声帯から発せられる音声の様で、その音声はパタパタとした足音を同時に鈍く響かせながら、どうやらこの部室へと着実に近づいて来ている……。

 

 「……ねえ、もしかしなくても、この声って……」

 

 「はぁ……」

 

 由比ヶ浜と雪ノ下もそれに気が付き何とも微妙な心境を露わにした表情を浮かべている。

 そして、その喧騒の原因はこの部室の手前まで押し迫るとノックも何も無しに勢い良く扉をスライドさせると。

 

 「やあ食事時にすまないが、邪魔をするよ奉仕部の諸君。」

 

 大きな声で、そう挨拶をくれたのは我等が奉仕部の顧問で俺と由比ヶ浜の所属するクラスの担任である所の平塚先生と……。

 

 「にゃっはろー雪乃ちゃんにガハマちゃんとヒビキ君……と何だ、一色ちゃんも一緒だったんだ。」

 

 そして件の、丁度俺達が話していた噂の問題児である所の雪ノ下の姉の姉ノ下さん、まぁ話し声で誰だかは分かっていたんだけどな。

 

 「平塚先生、入室の際はノックをと何時も言っていますよね、それと姉さんも来るのなら事前連絡くらい出来無いのかしらね。」

 

 男勝りに豪快にノックも無しに扉を開けた事を雪ノ下に咎められ、平塚先生は頭を掻きつつ宣う。

 

 「ハッハッハっ、いやぁスマンね君達、何せいきなり陽乃が来校してきてね、しかも比企谷に用があるから案内してくれと言ってきたものでね。

 しかし陽乃は一色とも面識があったのか、知らなかったよ。」

 

 「まあ、知り合ったのはついこの間の事なんだけどね、一色ちゃんのお父さんがさ千葉県警の魔化魍対策班のお偉いさんなんだよね。」

 

 ものすごく自然にフレンドリーな感じで平塚先生と雪ノ下さんが会話を進める、いくらこの学校の卒業生と教師の間柄と言っても此処まで親しいものかね。

 この部室へ入る前にも今度奢るとか言っていたから、普段から一緒に飲みに行ったりしているんだなこの二人は、つか雪ノ下さんはまだ二十歳になって無かったんじゃ……何か突っ込んだら負けな様な気がするから黙っていよう。

 

 「ほう、そうだったのか、と言う事は一色も魔化魍の存在を知っていると言う事なのだな。」

 

 俺が入学した事により、校長以下数名の教師陣に対し県警から魔化魍の存在が開示され、生活指導に当たっている平塚先生にも当然その情報は知らされている。

 まぁ、場合に拠っちゃ授業途中で抜けて魔化魍の対処に向かわなければならなくなるからな、その辺りを学校にも考慮して貰える様取り計らってもらった訳だ。

 

 「はい、まあそれを知ったのはつい最近の事なんですけど。」

 

 斯様に皆で二三の遣り取りの後、肝心の雪ノ下さんが何用が有って此処へ訪れたのかと言う本題に入る。

 

 「はい、ヒビキ君これ、君のディスクアニマルの整備が終わったからってさ、みどりさんから預かって来たんだよね。

 私ってさ、昨日から泊まり込みでイブキさんとアワユキさんと現場に出てたんだけど今朝早くに片付いたんで、報告にたちばなに寄ったらコレを預かったって訳なんだよね。」

 

 そう言って雪ノ下さんが俺へ向けてジュラルミン製のケースを差し出しすと、一目俺を見やり何だかものっそい悪そうな笑みを浮かべて巫山戯た事を言いやがった。

 

 「いやいや〜っ、やるねぇヒビキ君ってば女の園に男子は君一人だけだなんて、全く何処のハーレムキングさんなのかな、何ならお姉さんもハーレムの一員に加えてくれても良いんだぞ。」

 

 「イイエ、間に合ってますので結構です。」

 

 なので俺は極力感情を殺して機械のように平板な調子でお断りを入れておいた、てか誰がハーレムキングだってんですかねハチマンワカラナイ。

 

 「またまたぁ〜っ、ツレなあなぁ君ってばそんな遠慮なんてしなくても良いんだぞ、お姉さんは何時だってウェルカムだぞ。」

 

 バチコンとウインクを一発と両腕を持ち上げ背後に回し胸部のたわわを強調する雪ノ下さんのソコに、当然ながら万乳引力の法則に従い思わず視線が引き寄せられそうになってしまう、ってか実際若干その引力圏に捕らわれてしまったが、四方からの殺気を孕んだ視線に晒されてしまい俺は我が身可愛さに、そのたわわから必死こいて目を逸らした。

 

 いのち大事にこそが俺の座右の銘だからな、しかし何だかヤラレっ放しってのも面白くないと思った俺は此処で一発迎撃でもしてやろうと機関砲を放ってやった。

 

 「てか雪ノ下さん、別に気が無い俺をそんな風に誂ってないで、ザンキさ、財津原さんにアピールでもしたらどうなんすかね。」

 

 炸裂した機関砲の威力の前に室内からは一瞬、俺が啜る紅茶の音以外のすべての音が消え去ってしまった。

 

 「えっ、えぇぇ〜っ!?嘘ぉ〜っ陽乃さんって財津原さんの事が好きなんですか本当に!?」

 

 しかしそれは本当に一瞬の事で、この部室内には直ぐに音が戻ってきた驚嘆の叫びを上げる由比ヶ浜によってな。

 

 「な、な、な、な、なっ……何を言ってるのかなヒビキ君は、おっ、憶測でそんな発言をするなんてお姉さん感心しないぞっ!」

 

 イヤイヤ鍍金が剥がれてますよ雪ノ下さん、そんなに吃りまくってちゃあ『ハイ、そうですよ』と答えている様なもんですって。

 気が付いていますか雪ノ下さん、雪ノ下と由比ヶ浜と一色が生温かい目で、あたふたとする雪ノ下さん様子を見守っていますよ。

 そして序に、何やら興味津々な目で平塚先生が貴女の事をガン見してるんですけど気が付いていますか。

 

 

 

 

 

 

 

 「出ました、当たりです!」

 

 先に索敵に出していて帰還して来たディスクアニマル第一陣の内の一体をポータブルプレーヤーで再生チェックし、財前さんが少し上擦った声で報告する。

 因みに、この当時の財前さんはまだ変身音弦を(訓練用の物を含む)支給されていなかったのでプレイヤーで再生確認していた。

 

 「それで、何が映っていたんだ斬九郎?」

 

 ザンキさんが確認を取りながら財前さんの背後へ周り込み、共にモニターをチェックする。

 

 「はいコレっす、見てくださいこの特徴からするとやっぱりバケガニの童子と姫っぽいっすよね。」

 

 財前さんがモニターを指し示しながらザンキさんに確認を取ると、ザンキさんもその映像を真剣な面差しで確認し『ああ間違いないな』と口にし、ポータブルプレイヤーのモニター画面が俺達にも見える方へと向けた。

 そのモニターの前にイブキさんトドロキさんカガヤキさん、その後方から俺と仁志さんとが位置取り確認する。

 

 「確かに間違い無い様っす、バケガニの童子と姫っすね。」

 

 「ああ、この派手っぽいのはバケガニのやつだな。」

 

 モニターを確認したトドロキさんと仁志さんも同意し頷く、確かに画面の中に映っている一組の男女は仁志さんが言う様に割りと派手な衣装を纏っている、ってか何気に童子と姫って人間で言うとメッチャ美男美女なんだよな。けっ、爆発しろ文字通りに。

 

 「これが、バケガニの童子と姫なんですね……てかちょっと遠目で今一つ確証は無いんすけど、この表情ってで何だか妙に苛ついている様に思えるんですが。」

 

 モニター越しだが初めて見るバケガニの童子と姫の姿と表情に、俺はそんな印象を受ける。

 まぁ、言っても俺は今回がデビュー三戦目だし、これまでそんなに多くの童子と姫に遭遇した経験は無いんだが。

 

 「ああ、ヒビキの見立ては間違っていないだろう、何しろ数日前から入山規制を行っている関係でこの周辺には魔化魍の餌とな人間が居ないからな。」

 

 魔化魍が育つには種に応じて其々の特徴がある、まぁ大概のは人をはじめとした他の生物を童子と姫が捕獲して魔化魍に与えるんだが。

 その餌が無いとなるとどうなる事やら、最悪まぁ奴ら目線での最悪だがもしかしたらこの辺り一帯の野生動物とかを食べさせているとかってのも考えられるよな。

 

 「だとすると、バケガニ自体も大して育ってないって可能性もありますよね。」

 

 俺が推察を述べると皆が頷き、そして現場へと向かう面子を決めるべく打ち合わせを始める。

 

 「まあ此処はトドロキとカガヤキが当たりサポートには斬九郎に行ってもらおう、斬九郎は確りと先輩達の働きを良く見ておくんだぞ。」

 

 ザンキさんの采配に依り第一陣としてバケガニに当るのはやはり弦の鬼であるトドロキさんは最初から確定していたと見て良いだろう、その相方には俺の師匠のカガヤキさん。   

 カガヤキさんを選んだのはおそらく現場に慣れていない財前さんに現場を知ってもらい且つ不測の事態に陥った場合の財前さんの護衛も兼ねての事だろう。

 

 「ハイっす!」

 

 財前さんの元気な返事を合図に一陣は動き出し、残りの俺達は二陣として控えこれから帰還してくるであろう残りのディスクアニマルのチェック、そして事があった際に出陣出来る様にスタンバる。

 

 「それじゃ行ってきます!」

 

 「ああくれぐれも気を付けてな、行ってらっしゃい、シュッ!」

 

 仁志さんの何時もの挨拶の敬礼を受け、トドロキさん達は現場へと出陣していった。

 




歌詞引用 レベッカ  フレンズ
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