俺が伝説の鬼の名を襲名して良いのだろうか?   作:佐世保の中年ライダー

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語られるあの日  巻の伍

 

 こんな状況をどうして予想出来ようか、今日は雪ノ下さんが小町達を水遊びへと連れて行ってくれていると、きっと楽しい女子会的なノリで遊んでいるだろうと、俺はそう思っていたんだがその思いを卓袱台返しよろしく大どんでん返しってな具合に引っくり返してくれやがりましたよ、雪ノ下さんが。

 

 「どう言うつもりかは分らないが件の雪ノ下家の長女は、此方へ向かって来ている事は間違い無い。」

 

 世の多くの女性のハートを一発で仕留められそうな、男の俺でもドキムネしそうな渋くアダルティなヴォイスで重々しくザンキさんが言うと俺と仁志さんはその言葉に頷く。

 しかしマジでザンキさんの言うとおりだっての、本当にどう言うつもりなんだよ雪ノ下さんと、小一時間程みっちり問い詰めてやりたい気分だわ、雪ノ下さんは当然正座で何なら座布団無しまである。

 

 この春に雪ノ下達と由比ヶ浜と出会ってから雪ノ下さんとも二〜三度あった事があるが、正直言って俺は彼女にあまり良い印象を抱いていなかった。

 何と言うかあの上手に作り上げられた一見すると完璧な笑顔とか、あのルックスと相まってきっと世の大概の男はコロッと行っちゃう事だろう。

 えっ、俺はどうかって、フヒッ甘く見てもらっちゃあ困るぜ。

 あの日カガヤキさんと仁志さんに出会い猛士に入るまで俺は長年ボッチ生活を送っていた。そんな俺だからな、ついつい他人の言動を観察する癖が身に付いてしまっている。

 まぁそんな俺だからこそ、雪ノ下さんが作り上げ身に付けている物が俺には薄気味悪く、そして堪らなく虚しくも感じてしまった。

 特にあの眼だ、どんなに見事に外面を取り繕っていても、あの他者を見る、俺とは違うベクトルで相手を観察し値踏みして結果相手を己の思う方向へと転がそうとしているかの様な、己の愉悦享楽を満たそうとしているんじゃと思わせる薄気味悪さがあるんだよな。

 何故彼女がそんな風になってしまったのか、それは俺には知る由もない事ではあるんだが、もしかするとそれは彼女自身の生い立ちから由来のではなかろうか。

 千葉県内でもそれなりの名家の長女に生まれたが故のプレッシャーとか(あの雪ノ下母の教育の元で育ったのならばあり得るんじゃないか、何とも言えない背筋がゾクりとする様な妙な凄みがあるんだよあの母ちゃんは)と考察する。

 雪ノ下からの情報によると、雪ノ下さんは高校生になる頃には次期雪ノ下家の当主候補として両親と共に社交場の場に駆り出されていたと。  

 そんなまだ世間的にはたかだか高校生の小娘が海千山千の老獪なジジババ達と渡り合わなきゃならなかったんだろう、下手を打って雪ノ下家の将来を潰すわけにも行かんだろうしな。

 それに中には彼女の類稀な容姿に邪な欲望の眼を向けるエロジジィなんぞも居るのかも知れない、そんな欲望の亡者の中に身を投げ込まれた年端も行かない彼女はどうするだろうか。

 

 そんな俺の妄想的推論を勘案して思うに、であればそれに渡り合えるだけの術を身に着けなきゃならないと彼女は考え実行したのではないだろうか。なまじ基本スペックの高い雪ノ下さんだから場数を踏んで行けば、自ずとその術は研かれて行くことだろう。

 

 そして出来上がってしまったのが現在の彼女なんだろう、なので俺は思う。

 あぁこの人はこんな風に自分自身を虚飾に拠って装わなきゃ自身の拠って立つ術を持てないのかもなと。

 まぁ俺の推察が正解かどうかは知らんけど、気持ち的にあんな態度や眼で見られるのは言ってしまえば不愉快極まり無い。

 

 「仁志さん、ザンキさん……俺、兎に角カッパが発生している溜め池へ行って来ます、どっちにしろ駐車場へ降りる途中にあの溜め池はあったんですよね、それに早く着けば小町達がカッパに遭遇してしまう前に何とか出来るかもですし。」

 

 果たして雪ノ下さんが検問突破してから、その情報がたちばなのおやっさんの元に届く迄にどのくらいのタイムラグがあったかは知らんが事は急を要する。

 

 「ああ勿論ヒビキと日高には現地へ向かってもらうが、俺もトドロキ達とイブキにディスクでメッセージを飛ばしたら向かうことにするよ、だからふたりは直ぐに現地へ先行してくれるか。」

 

 俺の言葉に頷きつつザンキさんは的確に指示を出すと、意外や意外と言うべきかまさか自分まで現地にあしを運ぶなどと言うとは思わなかったが、今回の複数ヶ所討伐の総責任者としての責務を果たす為にもザンキさんは雪ノ下さんの今回の行動に対処をしなければならないって事なんだろうな、全く余計な真似をしてくれたっすね雪ノ下さん。

 

 「了解、じゃあ早速出発しますザンキさん、シュッ!」

 

 「うっす。」

 

 ザンキさんに対して仁志さんはいつものポーズで、俺は軽く頷いて早速とばかりに行動に移し、アサギワシを船頭に現地へと出立する。

 四人の無事を願いながら、募りくる不安を押し殺し仁志さんと共にひたすらに疾走る。

 

 

 

 

〜由比ヶ浜結衣〜

 

 陽乃さんに連れられて来られた山の駐車場で車を降りると、あたしの頭の中には『はてな』のマークが思いっきり浮かんでる。

 だってさ、さっき警察の人は立入禁止って言ってたのに陽乃さんがちょっと話をしたら通っていいよってなっちゃって。

 何がどうなってそう言う事になったのかあたしにはマジさっぱりで、それはゆきのんと小町ちゃんも一緒みたいで、小町ちゃんは何だかこのまま陽乃さんに着いていっても良いのかなって迷ってるのかな、ちょっと不安そう。

 

 「小町ちゃん。」

 

 心の中でちょっとだけ気合いを入れてから、あたしは小町ちゃんの隣に並ぶと名前を呼んで、そして小町ちゃんの右手の掌を軽く握った。

 

 「………結衣さん。」

 

 ちょっとイキナリだったかな、小町ちゃんがあたしに顔を合わせてるんだけど、何でって顔してる。

 

 「あははっ、えっとゴメンね小町ちゃん、何か小町ちゃんがすっごく不安そうに見えたからさ。」

 

 さっき陽乃さんに何か言われてからだったよね、小町ちゃんが考え込み始めたのってさきっと何か理由っか心当たりがあるんだよね。

 

 「ふえっ、あちゃ〜そう見えちゃいますか。」

 

 うわっ!ちょっぴり舌を出して、なんだが失敗しちゃったみたいな顔をしてる小町ちゃんってすっごく可愛いよぉ、ヒッキーが小町ちゃん大好きなのものすっごい良く分かる。

 

 「あのさ小町ちゃん、何かあたしには事情とか分かんないし大丈夫だよって簡単に言えないけどさ、何かあったらあたし達に相談してね。」

 

 ヒッキーが居ない今、あたし達が小町ちゃんのお姉ちゃんなんだから頑張らなくっちゃね。

 

 「あたしじゃ大して役に立たないかもだけど、ゆきのんだって居るんだからさ。」

 

 でもあたしってヒッキーやゆきのんに比べると色んな事が足りてないから、きっと小町ちゃんから見て頼り無いだろうな。

 だからゆきのんの事も付け加えたんだけど、ゆきのんだってきっと小町ちゃんの事妹みたいに思っているって、あたしは思うんだ。

 

 「ねっ!ゆきのん。」

 

 小町ちゃんを挟んであたし達の右側を歩くゆきのんに、あたしが呼び掛けるとゆきのんは溜め息を吐いてから、ふと優しく微笑んだ。

 奇麗だな、同じ女子のあたしから見てもゆきのんって本当に奇麗だって思う。もう嫉妬する気持ちもわかないくらい綺麗でそしてすごく可愛いんだよね。

 

 「もう由比ヶ浜さんったら、セリフの最後が締まらないのは比企谷君の影響かしらね。」

 

 ゆきのんは笑いながらそう言ってくれた、すごいなゆきのんは。ちょっと前までのゆきのんなら『端から人を当てにする位ならそんな安請け合いなんなしない事ね』とかって苦言?を言ってたと思うんだよね。

 

 「あはは、けどゆきのんだってそうだよね。」

 

 そう返すとゆきのんは、やっぱり小さく微笑んで「そうなのかもね」と呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 仁志さんと共に現場への向かい全力疾走ノンストップで駆け抜ける、ショートカットの為に道無き斜面を時に跳躍しながら、その道中逸る心を抑え努めて冷静さを失わない様にとは思っている俺なんだが。

 

 「いいかヒビキ、現場にはどれ位の数のカッパが発生しているのかその規模までは把握出来ていないんだから、変身は現場に着いてからだぞ。」

 

 その逸る気持ち故に俺は右手に変身音叉を掴み変身をしようと思っていたんだが、それを諭す様に仁志さんが諌めてくれた。

 直様にでも変身して鬼に身を変えた方が今よりも速く走れるし跳躍も出来る、だったらそうした方が現場へもより早く到達出来ると計算していたんだが。

 

 「クッ、確かにカッパが相手なら紅の力が効率的ですからね、まだ俺の紅はカガヤキさんや仁志さんの現役時代ほどに長時間の維持は出来ないし、すいません仁志さんありがとうございます。」

 

 だが仁志さんは俺に冷静に現実認識をさせる為に、まだ未熟な俺の紅発動から維持限界までの時間を勘案したうえで俺を諌めてくれたって理由だ。

 先達の教えってのは本当にありがたい物ではあるし、またその教えがベテラン故の豊富な経験により培われたモノで、そこから今の俺の精神状態を的確に読み取りそれを鑑みた上での注言だからな。

 

 「なあヒビキ、お前は自分の事を未熟だとか修行が足りないとか思っているんじゃないか。」

 

 「ははっ、参ったなやっぱり分かりますかね。」

 

 流石仁志さんだな、ザンキさんと共に関東支部所属の俺達鬼の精神的支柱と称されるだけはある、俺達後進の事を確りと見守っていてくれているんだなと、深い安心感を与えてくれる。

 

 「本当の事を言うとなヒビキ、お前は本来ならもう半年は早く鬼として独り立ちしても構わないレベルにあったんだよ。」

 

 「えっ!?」

 

 修業時代には思いもしなかった仁志さんから告げられた事実に俺は走りながらも、仁志さんに視線が固定され思わず交互に前進する二本の脚までもがその場に固定されそうになってしまうが、理性によってその事態は回避する。

 そして走りながら仁志さんは言葉を続け、俺はその仁志さんの言葉を一言も聞き逃さぬ様にと心する。

 

 「お前は洞察力や観察力に優れてるししかも責任感も強いしな。俺から見てもお前は修行時代のカガヤキと同じ位に筋が良かったよ、それに何よりもお前は教わった事を何度も何度も反復し確りと身に着けたうえで、自身で更に修正を加え独自にそれを発展させていたよな。」

 

 「弦や管の練習だってお前は懸命に取り組んでいたし筋も良かったって、トドロキもザンキさんもイブキやアワユキだって褒めていたぞ。」

 

 「まあだから何て言うか、俺たちから見てお前は成長を急ぎ過ぎている様に感じていたんだよ、しかも当時はまだ中学生だったしな。」

 

 仁志さんから聞く猛士のみんなからの俺に対する評価がとても面映ゆく感じる、俺はこんな暖かな人達に見守られていたんだな、そしてそんな人達がそう考えたってのは流石にまだ中学生の小僧をを現場に出す訳には行かないとか、俺のもっと精神面での成長とかを見定めようと考えたのかも知れん。

 

 「なあヒビキ、カガヤキから課されたお前の独り立ちの為の修業の最終課題が何だったかまだ覚えているよな。」

 

 「はい、流石にまだ一月ちょっと前の事っすから。」

 

 紅への変身を果たす事、それが俺に科せられた鬼への修業の最終課題だった。俺の返事に走りながら仁志さんは頷く。

 

 「お前も体験したとおり紅になるには心身をこれでもかって程に鍛えて鍛え抜いて初めて至れるよな。」

 

 「うす、カガヤキさんにも仁志さんにもすっげえ鍛えてもらいましたけど、結局俺の紅は二十分ちょっとしか維持出来ないレベルでしかないッスけどね。」

 

 「そうか、けどなヒビキ俺やカガヤキはお前の年齢の頃にはまだ紅どころか鬼にすらなかったんだよ、だからそう考えるとお前はもう同年齢の頃の俺やカガヤキの一歩先のレベルに到達出来ているって言っても過言じゃないだろう。」

 

 「まあ結局俺達が何を思っていたかと言うとだな、カガヤキや俺はもう少しだけお前を手元において俺達が伝えられる物を出来るだけ沢山持たせてやりたいって思った理由(わけ)だ、それは捉え様によっては俺達大人のエゴたど思われてしまうかも知れないけどな。」

 

 力強くも優しい目と笑顔を俺に向けてくれる仁志さんに、俺は心の奥底から湧き出る熱い思いが溢れて来るのを実感する。たとえそれが仁志さんの言う様な大人のエゴだったとしても、そんな暖かな人達に見守られていたって事が悪いと俺には微塵も思えないし思わない。

 

 「仁志さん、ありがとうございます、俺信じますよ小町達は絶対大丈夫だって、そしてカガヤキさんと仁志さんに鍛えてもらった力を。」

 

 俺がそう応えると仁志さんは、フッと笑みを見せると其処から何時ものポーズではなく右の手でグッとサムズアップを決めた、ソレを見て俺も若干キャラじゃ無いなと思いながらもサムズアップを返した。

 

 そして俺達は現場へとただ只管に疾走り続ける。

 

 

 

 

 

 

 〜雪ノ下雪乃〜

 

 姉さんに連れられて、こんな処まで足を運んだけれど何だかその姉さんの様子が少し可怪しいのよね、その表情はちょっと悪戯な楽しげなものなのだけれど、少し左右にキョロキョロと首を廻している。

 当然なのだろうけれど私の脳裏には、そんな姉さんの挙動に一つの可能性が浮かんだ、なので私の性分としては其れを問い質さずに置く事なで出来ようも無いと言う物よね。

 

 「姉さんちょっといいかしら。」

 

 あまり綺麗に整備されているとは言えない山道の斜面を私達より数メートル先行して歩く姉さんが、私の呼び掛けに振り向き「うん、何かな雪乃ちゃん」などと緊張感の欠片も見えない笑顔で応えてきた。

 

 「はぁ、もしかしてなのだけど私達をこんな処に連れて来ておいて、此処から先の目的地が何処なのかを姉さん自身解っていないのじゃないかしら。」

 

 「なははっ、やだなぁ雪乃ちゃんってば、もうすぐその内見えてくるから楽しみにしてなよ。」

 

 やはり私の指摘は間違ってはいなかったようね、手をひらひらと振りながら苦し紛れに姉さんは適当な言い訳の様な戯言で誤魔化そうとしている。

 その様な無計画で先行きの見えない現状に私は少し苛つきを覚え尚も姉さんに文句の一言でも言ってやろうと口を開き掛けたその時。

 

 「あっ、見て見てゆきのん小町ちゃん、こんな山の斜面に結構大きなプールが見えるよ。」

 

 私と姉さんとの間とに発する剣呑な雰囲気を感じ取ったのだと思われる由比ヶ浜さんが、その気を逸らす様に大きな声で呼び掛けそちらへと手を指し示していた。

 

 「あっほえ〜っ、本当ですねぇでもあんなに大きいのに誰も泳いでる人が居ないって何だか勿体無い気がしますね。」

 

 小町さんも其れを由比ヶ浜さん同様感じ取ったのでしょうね、由比ヶ浜さんの話に乗って話題をそちらに持って行く。

 由比ヶ浜さんにもだけれど、比企谷君からお預かりしている大切な妹である小町さんにまで気を使わせてしまうなんて、我ながら不甲斐無いわね。

 

 「はぁ、由比ヶ浜さん小町さん、あれは人が泳ぐためのプールでは無いのよ、あれはおそらくこの周辺の農家の方が共同で利用している農業用の溜め池ね。」

 

 けれど心の中ではそんな二人の気遣いに感謝しつつも、私は何時もの様に溜め息を吐きつつ現場の状況から導き出した私見を述べた。

 

 「ほぇ、そうなんですね、流石は雪乃さん物知りですね。小町はそんな雪乃さんに感心する事マックス突破です。」

 

 私が言うと小町さんが感心する事頻りとばかりにそんな事を言い、由比ヶ浜さんが同意する様にうんうんと頷いている。

 

 「もう小町さんったら最大を突破するなんて、用法を間違っているわよ注意なさい。」

 

 苦笑を漏らしながらの私の指摘に小町さんも何だか少しだけバツが悪そうな、けれども悪戯な表情で頭を掻いて誤魔化して居るのだけれど、彼女の動きに合わせて揺れる一房の頭髪が兄の比企谷君のそれと重なって見えてとても微笑ましく思えてしまったわ。

 

 「ねえ、折角だからさあのプールってか溜め池?ちょっと見に行って見ない、あんなの街中じゃ滅多に見られないしさ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「そんな感じでさ、ガハマちゃんの提案に乗って溜め池をみんなで見に行くことになったんだよね、何せ行ってみたはいい物の肝心のヒビキ君達が何処に居るのかも正確な場所までは特定出来なかったしね。」

 

 一色に非難の目を向けられ、恰もそれを若気の至りとばかりに茶目っ気たっぷりな大人ぶった誤魔化しを気取りながら雪ノ下さんは尚も話の続きを語るのだが。

 

 「俺からするとマジ最悪の選択肢を選んでくれたなってしか言い様が無いんだよなぁ、それって。」

 

 「あはは、ゴメンねヒッキー。」

 

 「いやな、別に由比ヶ浜を責めてるって訳じゃ無いんだよ、まぁ大体大元の原因になった人は今此処に居る訳だしな。」

 

 苦笑いしながら謝る由比ヶ浜を制して、俺はあの件の大元たる雪ノ下さんへと眼を向ける。

 目一杯のジト目を作り上げ、る迄も無く元から俺の眼はある種ジト目っぽいからな。

 

 「もうやだなぁ、ちょっとちょっとヒビキ君ってばそんなに熱い眼差しで見つめられると、お姉さん照れちゃうじゃんもう、イヤンイヤンうふふっ。」

 

 そしてこの人と来た日には此処に至ってもまだ、こうやって腰やお尻をクネクネさせてリッパなたわわをプルンプルンさせて人を誂う様な事を宣うんだからな、どんだけ図太い神経してんだ俺もその図太さを分けてもら……いたくは無いかやっぱり。

 いやもう本当この人は、真面目に相手をするだけ損かも知れんな、何か精神力やSAN値をはじめ色んなモノがガリガリとかき氷機で削られる氷の様に削がれて行くわ。マジ大概だし大害だよこ人は。

 

 「そう言うのもうお腹いっぱいで戻しそうだし食傷気味だし食中りしそうなんでもう本当マジで結構ですので、他の所でやったください何なら一昨日来やがれってんだって気分ですのでゴメンナサイ。」

 

 ちょっともうウンザリ気分で俺は雪ノ下さんに対し、たまに一色が使う長文早口ごめんなさいをパクってあしらうと、その当の雪ノ下よりも早くそれに食らいく人物が。

 

 「ちょっと先輩こんな場面で私の十八番を取らないで下さいよ、はっもしかして先輩こんな場面で咄嗟に思わず私の十八番が頭に浮かぶほど私の影響をうけちゃってるって訳なんですね、そうですかそうですか先輩ってば私の魅力にもう身も心もメロメロなんですねぇ。

 先輩のその気持ちはとても嬉しいですし私のお父さんもヒビキ君なら安心していろはを任せられるって言ってましたし、お母さんも初めての会った時はちょっと目付きに不安があったけどお話してみたら礼儀正しい素敵な男の子ねって言ってましたし一色家としては何の後顧の憂いもありませんから何時でもお付き合いOKバッチコイですけど、出来れば二人っきりの時にロマンチックな雰囲気の中で告白されたいって思っていますので、そう言う雰囲気の場所で改めて告白して下さい、ごめんなさい。」

 

 それは長文早口ごめんなさいの元祖で家元(かどうかは知らんが)たる一色いろは、今日はほとんど聞き役に回っていた一色が此処ぞとばかりにソレを炸裂させた。

 そして、その一色ロジックの途中辺りから俺は自身の左半身側が妙に冷たく、いや凍えるかの様な寒気を感じ始めた。それは言うまでも無いと思うが敢えて言うならば俺の左隣に並んで座る二名の女子生徒から発せられている。

 お陰で今の俺の状況は、まるで走行風を受けている正面側ばかりが冷えている空冷エンジンか或いはV型エンジンの様な有り様だ、どうでもいい事だが空冷エンジンの冷却フィンって手入れは面倒だが見た目は美しいですね、ってやっぱり関係無いわな。

 

 「いや、何言ってるのか途中から意味不明だっての、つかお前が話を聞きたいって言うから俺達が話してるんだろうが。」

 

 俺が言うと一色は、軽く握った拳をコツんと側頭部に当て片目を閉じてちょっと舌を出して、所謂テヘペロをあざとく決めて「えへっそうでしたね」とか言いやがる一色いろははやはりあざとい、後あざといしホントいい性格してるわ。

 

 

 

 

 

 

 〜雪ノ下陽乃〜

 

 「ふえ〜っ、まだちょっと離れてるけど此処から見ても結構大きいんだね〜、ゆきのん小町ちゃん。」

 

 ガハマちゃんの提案に乗って大きなプールの様な溜め池を見に行く事になったんだけど、まあ比企谷君や猛士の人達がこの近くに居るだろうって事は分かってるけど、肝心の正確な位置が分かんないだよね。

 本当はさ、こんなところで寄り道しないで両親や猛士が世間に対して隠匿している『魔化魍』とか『鬼』とかの事を知るこの絶好のチャンスを活かしたいんだけどね。

 でもだからって闇雲に探したって見つけられるかどうか、まあ大丈夫大丈夫(だいじょぶだいじょぶ)『案ずるより産むがやすし』成るように成るよねきっと、私って日頃の行いが良いからね(大嘘)

 

 「ちょっとガハマちゃんそんなに急がないの、溜め池は逃げたりしないから。」

 

 場の空気感を変えようとしているんだろうキラキラとした笑顔ではしゃぐガハマちゃんに私はもっともらしく注意を促す、まあたまにはお姉さんらしい言動もしなきゃね。

 と言うかその空気感を作り出してしまった原因は、まあ私なんだろうけれどね。そこマッチポンプとか言わないの。

 まあそれはちょっと太陽系の彼方にでも置いといて、此処に来て少し前までとは違い様子に変化が見える小町ちゃん、ほほう何やら思い当たる事(まあ十中八九比企谷君や猛士の事に思い当たったのかな)があるのかな。

 

 「おや小町ちゃんどうかしたのかな、何かこの先に思い当たる事でもあるのかな。」

 

 私がそう意地悪な問いを掛けると小町ちゃんは、その瞬間ピクッと常とは違う挙動を見せ「いえ何でも無いですよ」と私へと半顔を見せながら返事をしたんだけど、その挙動自体が何でも無くはないんだよね。

 小町ちゃんが右肩に掛けたトートバッグをぎゅっ握りしめ、何かそれを私から隠そうとしているみたいだけど私の目は一瞬捉えたんだよね。

 そのトートバッグが小さく震える様に蠢いてるのをね、その中に一体何が有るのか分からないけど此れからの状況次第でそれは、もしかすると何か重要な要素となるのかも知れないわね。

 

 

 

 「へえ〜、近くで見るとあんまり水の色とかキレイじゃ無いね。」

 

 「そうですかね、でも其処まで汚いって感じでも無いですよ、案外水源も近くにあるのかもです。」

 

 「まあ多分だけど、立地的に考えて利○川から引き込んでいるんでしょうし、水質はそんなに悪くはないのでしょうね。」

 

 到着した件の農業用の溜め池の前の立入を禁じる為のワイヤーメッシュのフェンスの前で、雪乃ちゃん達は思い思いにその感想や推察を述べ合っている、うん平和だね、何て思っていたのもその辺りまでだった。

 

 「ねえ何かあの辺ちょっと変じゃない、何か空気みたいなのがポコポコしてるよ。」

 

 ガハマちゃんが溜め池の一角に指を差し私達は自然その彼女が指差す方向へと眼を向ける。

 確かにガハマちゃんが言う通りに水面に空気がボコボコと泡立ってバシャバシャと不規則な波紋を溜め池全体に広げている。

 

 「何かしらね、水を引き込むときに小魚が紛れ込んで此処で成長でもしたのかしら。」

 

 そんな推測を雪乃ちゃんが口にするけど、小魚が成長出来る程の餌になるものがプールの様な溜め池にあるとは思えないんだけどね、其処は突っ込まないでおいた。

 私自身その光景に好奇心が刺激されて目がソレに釘付けになってたのもあるんだけど。

 

 「でもさ、魚が跳ねた位であんなに空気がポコポコってなるものなのかな、や、ってか何か段々大きくなって来てないアレ。」

 

 溜め池のソレを見ながら、雪乃ちゃんの推察への疑問を訂していたガハマちゃんだったけど彼女が言う様に段々と水面上に浮き立つソレは異様な程に大きくなっていた。

 

 「皆さん此処は不味いです、早く此処から離れましょうッ!」

 

 その異変に逸早く危機感を掻き立てられた小町ちゃんがその場からの離脱を私達に促す、その顔にはひどく焦燥を掻きたてられ危機感を募らせた様に青褪めている。

 

 「速くッ、雪乃さんも結衣さんも此処から離れて下さい、何してるんですか陽乃さんも速くッ速く急いでッ!」

 

 雪乃ちゃんとガハマちゃんの手を引きながら小町ちゃんがフェンスの側からの離脱をはじめ私にも離脱を促すんだけど、この時私はこれから始まるであろう非日常にワクワクと好奇心を掻き立てられて動く事なんて考えられなかった。

 

 「あぁっ、一体何が現れるってのッ、早く私の前に姿を見せて!?」

 

 尚も激しく揺れ飛び跳ねる水面を見つめる私はこの時絶対に正常では無かったと小町ちゃん達には見えていたんだろうな、実際私の心はこの時歓喜に打ち震える興奮状態にあったしね。

 

 「陽乃さんっ!速く其処から離れてッ!速く!」

 

 やがて水面に膨れ上がる無数の気泡は、遂には人の背丈をも超える程に大きく膨れては破裂しを繰り返しながら、そして。

 

 まるで水面下で爆弾でも破裂したかの様に巨大な波が爆裂し、全方位に大きく水を跳ね上げて私はそよ波飛沫にその身を濡らされてしまったけれど、そんな事は一向に気にはならなかった。

 

 「あぁ……あぁ……」

 

 「なっ、何アレっ!?」

 

 爆裂し空高く跳ね上がった溜め池の水が間欠泉の様に吹き上がり、その頂端の空中に緑色をしたナニカが躍り出るように出現し私の中の歓喜はいよいよ絶頂に達しようとしていたけど、ガハマちゃんや雪乃ちゃんには未知へ対する恐怖心の方が勝っていたんだろうね。

 その緑色のナニカは一体、また一体と次々に水面を爆裂させながら空へと飛び上がって来る、事ここに至って私も流石にこの状況はかなり拙いのかもな、何て思いはじめ遅ればせながらジリジリと溜め池の側から離れ始める。

 

 そして緑色のナニカは次々と空中から地上へと私達の近場へと着地して来ると、その眼中に私達の姿を捉え奇妙で異様な姿と鳴き声を発しながら近づいてくる。

 その姿はアニメや漫画、怪奇映画で見た日本でもメジャーな妖怪と言える『河童』を思わせる禍々しさの中に妙なコミカルさを感じさせる姿だったけれど、そんなモノを間近で見てしまったその時の私達にはとてもコミカルには感じられなかった。

 何故なら私は後退りながら足元が覚束なかったのか、不覚にも足を縺れさせ転んでしまったから。

 

 「あぁっ………あっ……」

 

 ユラユラと奇妙な動作で私達へと向かい来るそのナニカ、これが魔化魍なんだろうな。恐れ慄きながらお尻を付いた状態で後退る私だったけど何故かその名称が頭の中に浮かんでいた、それってもしかすると思考が恐怖心を紛らわす為に浮かんだ気持ちのすり替え行為だったのかも。

 

 そんな状態だったから私は、その時の雪乃ちゃん達がどんな状況だったのかに思いも寄せられなかったんだけど多分私と似たりよったりの状況だったんじゃないかな。

 

 「クマちゃん、オオカミくん、タカくんお願いっ!」

 

 でもそんな状況下で一人、このピンチを跳ね返す為に行動を起こした娘がいた、それは比企谷君の妹の小町ちゃんだった。

 今まさに魔化魍が無様に地を這う私にその凶悪な手を振り下ろそうとしたその時。

 

 奇妙な電子合成音の様な異音を放ちながら何か小さな物体が魔化魍の振行動を阻害してくれた。

 

 「えっ!?何……」

 

 その小さな物体は綺麗な赤と白を基調とした鳥の形をした機械的な物体で、その小さな機体は魔化魍の周囲を高速で動き回り魔化魍が私に近付く事を妨害してくれている様だ。

 そのお陰で私は少しだけ周りを見渡す心的余裕が生まれ、雪乃ちゃん達に気を回す事が出来直ぐにそちらへと顔を向けると。

 

 「頑張ってっクマちゃん、オオカミくん、タカくんっ!絶対にお兄ちゃんが来てくれるから、だからお兄ちゃんが来るまで頑張って!」

 

 小町ちゃんがその小さな身体で雪乃ちゃんとガハマちゃんをその背に庇い、迫る二体の魔化魍を睨みつけている。

 そしてやはりその二体の魔化魍の前には、小さな動物を象った機体が合成音声を発しながら魔化魍を牽制していた。

 

 「小町さん、何なのこの化け物とこの小さな機械の動物は……。」

 

 「っ……説明は後です雪乃さんも結衣さんも、この子達が頑張ってくれている間に少しでも此処から離れましょう。」

 

 「けれど……」

 

 ああ、なるほどね、これってきっと比企谷君が小町ちゃんに持たせた魔化魍に対する対抗手段的なアイテムなんだね。

 私はそう思い至り、ならばと魔化魍を牽制してくれている鳥型のソレにこの場を任せて急ぎ立ち上がり、雪乃ちゃん達と合流する為に駆け出した。

 

 「ありがとうキミ、悪いけど此処はお願いね。」

 

 私の呼び掛けに鳥型の機体は返事をするかの様に機械音声の嘶きを轟かせ、魔化魍へと積極的に牽制を掛けてくれた。

 

 「大丈夫です、この子達結構凄いですし、それにもうすぐお兄ちゃんが来てくれます絶対っ!」

 

 「えっ、駄目だよ小町ちゃん!そんな事になったらヒッキーが危ないよっ!?」

 

 小町ちゃんが雪乃ちゃん達を鼓舞する様に比企谷君の名を出すと、ガハマちゃんは此処には居ない比企谷君の事を按じ其れは駄目だと言う。

 正直私はこの時少し驚いた、だって私はガハマちゃんをかなり見下していたから、何時も人との軋轢を嫌いヘラヘラとして愛想笑いを浮かべている、そんな娘だと思っていたからね。

 でも違っていた、ガハマちゃんは自らが於かれた危機的状況にも拘わらず、その場に居ない他者を思いやらる精神を持っていたんだ、なるほどね雪乃ちゃんが心から信頼を置くだけはあるんだね。

 

 「そうよ小町さん、比企谷君をこんな危険に巻き込んでは駄目よ。」

 

 そして雪乃ちゃんもまた、私はこの二人の言葉を聞き己のしでかした事に対し微かな後悔の念に苛まれてしまった。

 

 「大丈夫です、私のお兄ちゃんはこんな化け物よりもずっと強いんですから!」

 

 魔化魍の存在の脅威も知らず、幼い好奇心から大切は筈の妹やその友人達を巻き込み危機に晒してしまった事を。

 

 「っ、でも……っきゃっ!?」

 

 けれど尚も躊躇いながら食い下がらうとするガハマちゃんだったけども、三人固まった押しくら饅頭の様な状態のせいで、足を縺れさせその場に3人揃って転んでしまった。

 

 「雪乃ちゃん、ガハマちゃん、小町ちゃん!!」

 

 二体の小さな動物型の機体は懸命に三人を護るように魔化魍を牽制してくれてはいるけど、でこの状況じゃあ其れも何時まで持つか分かった物じゃ無いし、私を逃してくれた鳥型にも其れは言える事だった。

 だからか、私は青褪め暗い思いに支配されそうな心と絶望感に苛まれながらみんなの名を呼んだ。

 

 「ダァリャーッ!」

 

 「そっりゃーっ!」

 

 けれど私の絶望は遂に現実の物となる事はなく、私達は命を狩られる危機から逃れる事が叶った。

 裂帛の気合の声を発しヒーローは斜面から飛び降りながら三人を襲う魔化魍に対し蹴りを放ち、その場から引き離した。

 

 「ふう良かったどうやら無事な様だな小町、雪ノ下、由比ヶ浜っ」

 

 「よっ、小町ちゃんしばらくぶりだな、シュッ!」

 

 二人のヒーローは地に降り立つと三人を庇う様にその前に立つと、その身を案じ声を掛ける。

 

 「ふぇっ!?ヒッキー……。」

 

 「比企谷君、何故!?」

 

 「お兄ちゃん!日高さん!」

 

 安堵の表情を浮かべ優しく三人に声を掛ける比企谷君と、大人の余裕と優しさと頼り甲斐とを兼ね揃えた様な壮年の男性。

 

 「みんな此処から離れろ。」

 

 「ああ此処は危ないからな、速く離れるんだ少女達、それから雪ノ下家の陽乃さんだったかな、君とは後で確り話をしなきゃな。」

 

 「……はい。」

 

 二人は私達に此処からの離脱を促しつつも日高さんと言う壮年の男性はキッチリと私に釘を刺した。

 嗚呼、私みっちりとお説教を喰らっちゃうんだろうな、まあ冷静に考えて私がやらかした事を考えればやむ無しだよね。

 

 私達はその言葉に頷きつつ其処から後退る様に慎重にその場から離れて行く、雪乃ちゃんとガハマちゃんはその二人の背を不安そうに見つめながらゆつまくりと。

 

 「行くぞヒビキ!」

 

 「うっす、先代!」

 

 壮年の男性、日高さんが比企谷君にそう呼び掛けると比企谷君はぶっきらぼうに返事を返し、二人は何かを取り出し右手にソレを持つアクションを起こしている様なんだけど背を見せる二人が何をやっているかはよく分からないけれど二人は同じ動作を見せる。

 すると、キーンと澄んだ音の耳に心地良い音叉の様な静かだけどもよく響く音色が私達の耳朶に届く。

 

 「なっ、ヒッキー!!」

 

 やがてその音色と被さる様に炎が二人のその身を包み込む、左側の日高さんって方は紫色の炎に。比企谷君は業火の様な燃え盛る真紅の炎を吹き出して。

 

 「大丈夫です結衣さん。」

 

 炎に包まれた比企谷君を案じ声を上げるガハマちゃんを小町ちゃんが宥める、小町ちゃんの声には二人に対する絶対的な信頼感故の強い力が込められている、そしてその二人の背を見つめる眼光にもそれは現れている。

 

 『何か、嫉妬しちゃうな。』

 

 こんな状況なのに私は心の隅にそんな事を思っちゃった、だってね可愛い妹に絶大な信頼を寄せられている比企谷君に対し、片や私はそんな可愛い妹の雪乃ちゃんに何だか隔意を持たれてるみたいだし。

 

 そこ、自分の行いを鑑みてみろとかの突っ込みは無しだよ。

 

 話を戻して、燃え盛る炎の勢いは尚も衰えず二人を包み、何だか私の目にはその炎が二人の肉体以外の身に着けている衣服などの品物をも燃やし塵に返している様に見えた。

 その後に知る事だけど、其れは私の見間違いでも何でも無かったんだけどね。

 

 「はあーー………っ……」

 

 「はあぁーー………っ……」

 

 「なっ!?」

 

 燃え盛る炎の中二人は裂帛の気合いを込めて雄叫びの様な呼気を吐き出し、見る見る内に私達の目には二人の身が一回りも二回りも大きく盛り上がり、それに被さる様に炎の中の二人の肉体に変化が現れる。

 

 あぁ………見れるんだ。

 

 私の心はその二人の変貌を目の当たりにし再び歓喜に打ち震える始めた、其れは先の魔化魍との遭遇の時よりも遥かに強い歓喜と興奮の昂りを伴い。

 

 「はあーっ……たァりゃあッ!」

 

 「はぁーっ、せりゃァっ!」

 

 二人揃い気合の声を発しながら大きく右手でその身を包む炎を払い現れたのは、青と紫色の体色の異形と燃える炎の様な赤い体色の異形。

 

 「あぁ……これが猛士の鬼……」

 

 ゴツゴツと厳つい身形の二人の異形の姿は正に『鬼』としか形容のしようの無い姿。

 私はその二人の異形を目にし、そして興奮のあまり、この時恥ずかしながらエクスタシーを感じ濡らしていた。

 




あらがじめ変身しておいて、現場へ到着して改めて紅になれば良いんじゃ無いかとの突っ込みはナシでお願いします。
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