非常に嬉しくてめっちゃニヤニヤしちゃいます。
※『』内部は伝声管から聞こえてくる声です
「こちら無人機コントロールルーム、捕鯨船団は硫黄島東36kmを安定して航行、操業中。無人機6番機のカメラ越しに確認。また無人機9番機からの通信が硫黄島南南東40kmで途絶えました。撃墜されたようです。」
「だとするとその辺りにシーシェパードか、その他武装集団がいるわけか…反捕鯨団体ならそれらしくしてくれよぉ」
「シーシェパードはかなり大きい組織ですから…。反捕鯨団体としてもテロ組織としても。」
「どらくらいって聞かれたらまあ学生艦隊の水雷戦隊くらいは殲滅できるって答えられるくらいには大きい組織だしな、囮作戦を使えるくらいには武器もあるらしいし…もしかしてこれ囮?」
「囮作戦を使ってまで捕鯨船を攻撃して油垂らしてそれは鯨のためになるんだろうか」
「なりませんよ、艦長。」
艦橋メンバーは気楽だな…こっちはどんどん無人機飛ばしてどんどん無人機下ろしてで忙しいのに!
『ふんぎいいいいいいいいいいいい』
「さっき水測室に繋がる伝声管から悲鳴が聞こえたんだが…」
『こちら水測室。航行予定表にない潜水艦のエンジン音を300度方向より探知。ですがうるさすぎて距離がわかりません。』
「音紋はとったか?」
『とりましたよ。未知の音でしかも爆音でしたので。でもスクリューの音は伊201型に似てましたね。あっ!』
「どうした?」
『だんだん音が大きくなってます。ドップラー効果が働いているのか音がだんだん高くなってますね。これで距離を測定しますのでしばらくお待ちください。』
「おぅ、いそげよ」
『ムキイイイイイイイイイイイイイイイイ』
「今度は電探室からか、どうした。」
『奴め…電探から消えやがった…』
「どいつだ?」
『おそらく9番機落とした奴。』
「じゃあその辺に無人機集中させるか。それから浜風に300度方向へ転舵し、対潜戦闘を行うように通達、ただしアクティブソナーをモールス信号代わりにして脅せ。攻撃はそれからだ。」
「なんと打たせましょう?」
「速ヤカニ機関ヲ停止、浮上シ、全員甲板ニ出テワレワレニ投降セヨ。サモナクバ撃沈スル。ワレ海上安全整備局代理横須賀女子海洋学校航洋艦浜風。とな。」
「了解しました。」
「それから攻撃の条件は警告文二回目で聞かなかった場合、魚雷発射管の開口音、注水音、装填音、などの魚雷の発射準備と思わしき音を聴致した場合、浮上してもなかなか甲板に出てこない場合、その他警告に従わない場合。もちろん先に攻撃されたら容赦なく沈めていい。できるだけオーバーキルで頼むけど今後の戦闘に支障のないようにすること。そう伝えて」
「細かいですねえ。」
「いいから送れ」
「はい。」
うちの艦長容赦ねえな…
「艦長から無人機コントロールルームおよび格納庫へ、無人20番機から無人36番機までの17機の一斉発艦を用意、1230には発艦させる。また全機に磁気対潜索敵装備を装着。そのあと無人11番機から無人19番機の9機と、無人37番機から無人42番機の6機に二式爆雷を装備させ出撃待機させろ。後者15機はシーシェパードの武装船が発見され次第出撃だ。」
うちの艦長はなんでこう人使いが荒いんだか。
状況を整理しよう。
我々は硫黄島東で操業中の捕鯨船団をシーシェパードから護衛すべく硫黄島北を捕鯨船団に合流すべく南下中である。しかし硫黄島南南東にて索敵をしていた無人機が撃墜され、また我々に向けて突進中の潜水艦を右300度(つまり左60度)から探知、浜風が警告(ただし生きて返す気ゼロ)に向かった。
そして僕たちは現在17機の無人機を一斉発艦させるべく格納庫にて奮闘中である。タイムリミットはあと10分!磁気探信儀の装着作業もあるよ!これ六小隊24人で間に合うか?間に合わないよね!これだから艦長は!
こんな突貫作業だからいつもは指示飛ばしてる指宿委員長もそんなことやってられず…
~格納庫~
「こちら第三小隊!指宿委員長!15番機の磁気探信儀持ってきてください!」
「はいよー」
重たい磁気探信儀の乗った台車を押して無人15番機のある格納庫前部まで110メートルを全力疾走!
「こちら第六小隊!17番機バッテリー交換お願いします!」
「はいはーい」
台車から磁気探信儀を下ろしたかと思ったら今度はバッテリーのある艦後部倉庫へ200メートルちょいを台車を押して全力疾走!そしてバッテリーを積み込んで走り出すはずが…
「こちら第一小隊、無人12番機第三モーター焼ききれてます!」
「ちょっと待ってろ!」
はい、ジャッキとかその他もろもろと第三発動機ギミックまるごと追加積載が入りました!
しかーし!指宿委員長の「トラック用タイヤ8個引きずって100メートル走」15秒の成績は伊達ではない!台車に乗っていて摩擦が少ない分今の方が速い!
「こちら第二小隊、11、13、14、16番機前部エレベーターにのせます!」
「おう!」
ほどなくして前部エレベーターが動き出す!1230まであと5分!
「こちら第四小隊、15、17番機を中央エレベーターまで移動させます!」
「いそげよ!」
格納庫通路を無人15、17番機が押されていく!
「12番機第三発動機ギミック取り外し完了!」
「おし!新しいの取り付けるぞ!」
1230まであと4分!間に合うか!
「電装接続完了!」
「動作確認はじめ!」
あと2分!
「よしナット全部締めろ!」
あと1分30秒!
「全部締まりました!」
「今動かせるのは後部エレベーターだ!いそげ!」
あと50秒!
エレベーターに乗った!
「こちら整備科、無人機コントロールルーム聞こえますか?無人12番機のコントロール接続お願いします。現在後部エレベーターで甲板へ上昇中。」
『こちら無人機コントロールルーム、了解、接続します。』
あと25秒!
『すみません。時間がないのでエレベーターから発艦します!端に待避してください!』
「マジかよ!同志艦長なにやってんだよ!」
「いいから下がれ同志大鷲!」
きゅいいいいいいいいいん
無人機12番機が飛び上がっていく。
「同志真田、僕は今ソビエトを作った人たちの気持ちがわかる気がするんだ。」
「奇遇だな同志大鷲。俺もそんなことを思ってたところだ。」
「ペチャクチャしゃべんな!今度は残りの無人機に爆雷引っ付けるぞ!」
「ウッセエ乳揉むぞこの男装委員長!」
「同志真田!それは機雷にぶちあたって」
僕が警告するちょっと前。同志真田の股間へと向かう指宿委員長の右脚の残像が見えた。
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