はいふり世界で航空主兵   作:エタノールの神様

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陸上試験です。


縮小模型の試験をラジコンでやると…

出港が予定より大幅に、大幅に遅れることになりました。

 

大規模改装のお知らせです。

 

なんと学校で校長含め行われた無人機の大量喪失に関する幹部反省会で艦長の意見具申が通ったらしく来年行うはずだった大規模改装を今行っているらしい。

 

しかし、教育課程を遅れさせることはできないため、突貫工事で終わらせるそうだ。その工期はなんと3ヶ月。

 

大規模改装の工期としてはかなり短い。もはや教育艦として運用するのに安全性が心配になるくらいの突貫工事である。

 

しかし、教育の空白期間としては結構長い期間であるため、穴埋めのため上陸期間中は座学や地上訓練が行われる。しかし艦艇実習と比べれば自由時間は多い。

 

言ってしまおう。カモメ計画を進めるチャンスだ。

 

よって僕たちカモメ計画の同志たちは金属製の飛行機ができるまでの間、学校の使用していない埠頭でラジコンや有人機を飛ばして研究を進めている。しかしエンジンがくせ者で自動車用ラジコンのエンジンしかない。

 

「冷却を考えればこんなエンジンの方がよくないか?同志大鷲。」

 

「あー星形エンジンか、確かにその方が冷却はよくなるがトップヘビーにならないか?同志瀬久原」

 

「そもそも僕たちはエンジンを作ることはできない。残念だったな、同志瀬久原。」

 

「今回はみんなそれぞれテーマが違うよな。」

 

「そうだな、同志清原と瀬久原が機関の冷却、真田と沢田がスピード、大鷲が積載量と安全性」

 

「同志大鷲色々一人でやりすぎだろ。」

 

「これくらいがいいんだ。」

 

今まで彼らが発見(僕にとっては再確認)したことについて確認する。

 

彼らは有人飛行に至る前段階で揚力、重力、推力、抗力の四つの力やプロペラ後流など云々(以下省略)を理解した。とりあえずラジコンを自分で設計できる程度は知識を得たと思ってもらっていい。

 

「同志大鷲、飛ばすから記録手伝ってくれ。」

 

「わかった、みんな製作を一時中止、真田たちの機体の試験に付き合うぞ」

 

「ええっとガソリンの缶はこれっと、給油給油…」

 

「それ中身グロー燃料。」

 

「大鷲貴様なにやってくれとんじゃ!」

 

「すまんすまん」

 

みんなが埠頭に向かう。

 

なるほど、引き込み足と推力式単排気管か。あとプロペラ枚数四枚か。プロペラ直径を小さくして脚を短くしたかったんだな。

 

それと胴体もかなり絞ったな。

 

「こちら清原、撮影準備よし!」

 

「こちら瀬久原、計測準備よし!」

 

「こちら真田、バッテリー容量よし!」

 

「こちら沢田!動作確認よし!発動機回せ!」

 

「電動スターターにより発動機始動します!」

 

「スロットル、プロペラピッチ確認よし!」

 

「タキシング始め」

 

真田達の機体が埠頭の付け根に入ってくる。海風で機体の進行方向に対して風は正対している。

 

機体が一旦停止する。

 

「トビウオ一号、takeoff!」

 

エンジンが唸りをあげる。

 

うるせええええええええええええ!さすが推力式単排気管!マフラーや消音器を通してないぶん音がスポーツカーと同じくらいうるせええええええええええええ!

 

機体が加速して一気に埠頭の先まで行ってしまう。

 

 

「やべ!滑走距離足りなかったか!」

 

「フラップ、フラップ!」

 

「あっ!忘れてた!フラップダウン!」

 

機体が浮き上がる。滑走距離は実に300メートルを越える。どこまで翼削ったんだよ…結構主翼ちっちゃいけど

 

…やつら今までラジコン飛ばしたことあったっけ?いや確かにある、でも何回だったか?

 

「うわマジかよこの機体!操縦桿スティックの縦方向の反応が鈍い!鈍すぎる!」

 

やっぱりか!

 

※ラジコンのコントローラーですが、転生してきた大鷲隼人は転生前は日本どころかアメリカでも見かけない

 

 

左スティック→エルロンとエレベーター、つまり操縦桿

 

右スティック→ラダーとスロットル

 

という世にも奇妙な物を使用していました。

 

「スピードを上げたら反応がよくなるんじゃないか?同志沢田。」

 

「おっそうだな、同志瀬久原、スピードあげてみるぜ!」

 

「そもそもトビウオ一号はスピードを出す前提で設計してるからな」

 

「電波届くんか?」

 

「届くギリギリまでの範囲で極力スピードを落とさないように飛行させる。」

 

 

 

~飛行機あるある~

 

飛行機の舵は速度が速いほど小さい操作でも舵の効きがよくなる。しかし、同時に舵が重くなる。

 

逆に速度が遅いと大きな操作をしないと舵が効きにくい。だが、舵は軽くなる。

 

よって低速と高速では同じ操作量当たりの舵の効きが違うのだ。

 

よってパイロットはそれを考慮して操作しなければいけないのだが、それを軽減すべく、飛行機にはいろいろな工夫がされてきた。

 

例えば零戦の剛性低下式操縦索。

操縦索をワイヤーを編んだようなものにして、速度が上がると舵の負荷が大きくなるのを利用してそのワイヤーが延び、操縦桿を大きく操作しても大きな舵の動きにならないようにするもの。

 

しかし欠点もあり、高速では操縦桿が重くなり、どんな力持ちでもびくともしなかったのだとか…

 

僕の前世のラジコンにはそれを自動修正…っていうよりは離着陸時と飛行時とで舵の動きのセッティングを変えてくれる?サーボのシステムがあったはずなのだが…

 

自動車か船のラジコンが主流のこの世界ではそんなものあるわけもない。しかもトビウオ一号の問題はそこにはない。

 

尾翼も削っちゃってるのだ。これは致命的すぎる。

 

ラジコンでスケール機を作るときは、だいたい実機より尾翼が大きくなるものだ。理由は簡単。

 

実機と同じ比率だと舵が利きにくくなるから。

 

よってスケール機では水平尾翼の面積が主翼の1/3くらいまで巨大化していることが多い。

 

例外もある。現にトビウオ一号がそうなってしまっているし、前世で会田がメッサーシュミットBf109Eのラジコンを作ったときもそうだった。…ダメだあいつと女神はまだ許せない。

 

「降下してスピード上げてみようぜ!」

 

「そうだな、同志清原!降下始め!」

 

機首を下げて降下を始める。しかし…

 

「なんか速度あがんねえな。」

 

「プロペラがブレーキになってるみたいな…」

 

「エンジンパワー下げて降下角あげてみるか」

 

「ちょっと待てそれをすると…」

 

 

どっぼーーーん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大事な実験機体は海の中へと消えてしまった




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