こえ無き声を届けたい   作:hirag

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16話

翌朝

 

ふわぁ~よく寝た…

 

時間を確認すると、7時…雨は…まだ降っている。

 

気のせいかな?昨日より雨が強くなっているような···

 

そうだ!今日のお昼ぐらいにお義父さんが迎えに来るんだった

 

着替えないと…

 

 

蘭「おはよう…よく眠れた?」

 

コクリ

 

少々迷いながらも何とかリビングにたどり着いた。

 

蘭「さて、庄司も起きてきたし朝食にしようか」

 

コクリ

 

ドゴーン!!

 

近くに雷が落ちたみたい。つぐみさん大丈夫かな?

 

つぐみさんの心配をしていると――

 

パチンッ

 

蘭「あっ!」

 

急に部屋の中が真っ暗になった。

 

ブレーカーが落ちたみたい。どうにかしないと…

 

ブレーカーは確か洗面台にあったような

 

暗闇の中歩き出すと何かにぶつかった

 

蘭「うわぁ!」

 

――!

 

蘭「お、驚かさないでよ!」

 

なぜか美竹さんは涙目になっている。

 

僕がその場を後にしようとすると――

 

蘭「ちょ、ちょっと!置いて行くつもり!」

 

美竹さんが腕を掴んできた。えっと…もしかして美竹さん。暗いの苦手?

 

~数分後~

 

何とか美竹さんと一緒にブレーカーを戻すことが出来た

 

蘭「……」

庄司「……」

 

気まずい…

 

蘭「ねぇ…さっきの事なんだけど…その…」

 

美竹さんがもじもじしている

 

蘭「忘れて…」

 

首を傾げると――

 

蘭「だから!さっきの事は忘れてっ!」

 

コクリ!

 

 

~数分後~

 

 

食後再び美竹さんと静かな時間を過ごしていると

 

蘭「ねぇ、アンタは昔の話をしないね」

 

『興味あります?』

 

蘭「‘ない’…って言ったらウソになるね。アンタはあたし達のこと聞いたでしょ?」

 

いつか、誰かに話そうと思っていた···でも、話せなかった

 

僕にとって、嫌な思い出しかないから

 

 

『先に言っておきます。美竹さん、あなたは幸せ者ですよ』

 

_________________

 

まずは僕の生い立ちからですね。

 

父さんはボーカリスト…母さんはピアニスト

 

僕はそんな音楽一家の笹野家で生まれた。

 

二人が仕事の時は、おじいちゃんにいつも会場まで連れてきてくれた

 

母さんのピアノと父さんの声。とても綺麗で優雅だった。僕はそんな二人に憧れた

 

これが僕と音楽の出会い…

 

それから僕は5歳の時から歌い始めた。

 

ピアノは僕には少し難しかった…だから、歌うことだけ専念した

 

小学校になってから、僕の歌は人気だった。

 

でも、人気があるとその分。嫉まれることもあった。

 

俗に言うといじめですね

 

いじめがあるたびに母さんと父さんが励ましてくれた

 

母「悪い事の後には良い事がある」

 

これが母さんの口癖です。

 

いつもこの口癖と共にピアノの聴かせてくれた

 

10歳になると僕も二人と一緒にステージに立った

 

僕の歌でお客さんが喜んでくれてうれしかった。

 

お客さんにも僕の事を評価してくれたり、他にもテレビに出たりした

 

でも、そんな日々は続かなかった。一年前の夜…あの日も今日みたいに雷雨だった

 

僕と母さんの二人で買い物に出かけている最中にある一台の車が走ってきた。

 

そして僕の目の前で母さんが車に轢かれた…

 

犯人は飲酒運転で母さんは即死だった…

 

初めは犯人を憎んだよ。でも、そんな暇なんて僕にはなかった

 

あの地獄の日々…

 

母さんを失ってから父さんの心は荒んでいった

 

そして、その荒みは暴力に変わった。勿論、その標的は僕になった

 

毎日、暴力…暴力…

 

偶には、足を折られたり、腕を折られたり…苦痛が毎日続いていた。

 

それでも、僕は信じていた。いつか…元の父さんに戻ることを

_________________

 

『それから先は美竹さん達に助けられました』

 

蘭「そんな過去が…」

 

『歌うことはもうできないけど。今の生活が充実して満足していますよ』

 

蘭「…」

 

『だから、美竹さんは幸せ者ですよ。親とケンカしても直ぐに仲直りが出来る』

 

そんな家庭が僕にはもうない…

 

蘭「ごめん…聞かなかったら良かったよね…」

 

『別に構いません…誰かに知ってもらった方が僕も気が楽になりますので…』

 

蘭「この事、つぐみは…」

 

僕は首を横に振る…

 

つぐみさんにはまだ話したくない…

 

だって…あの人の音は……

 

 

 

死んだ母さんの音と似ているから…

 

_________________

 

~羽沢珈琲店~

 

庄司くん。蘭ちゃんに迷惑かけてないかな…

 

母「つぐみ、そろそろ庄司くんを迎えに行くよ!」

つぐみ「うん!おとうさん!お酒もほどほどね!」

 

父「わがってるよ~」

 

おとうさんは、昨日やってきた人お客さんとすごく揉めていた。

 

そのストレスで今はお酒を飲んでいる

 

おとうさんがこんな状態だから、今日はお店を休みにすることになちゃった

 

 

~美竹家~

 

母「待たせてごめんね」

つぐみ「ごめんね蘭ちゃん」

 

蘭「ううん。庄司にはご飯を作ってもらったから」

つぐみ「どうだった?」

 

蘭「美味しかったよ。つぐみも負けてられないね」

つぐみ「うん!」

 

庄司くんはどんどん料理の腕を上げている。私も負けてられない…

 

『美竹さん、お世話になりました』

 

蘭「また、明日みんなと行くから」

 

『お待ちしております』

 

つぐみ「じゃあ、またね。蘭ちゃん」

 

 

~羽沢珈琲店~

 

家に帰ってみるとお父さんがまだお酒を飲んでいる

 

つぐみ「もう!お父さん。お酒もほどほどにしてって言ったのに!」

父「今日ぐらい~いいだろぉ~」

 

母「全く…ごめんね。庄司くん…庄司くん⁉」

 

お母さんが慌てる声が聞こえ振り返ってみると…庄司くんが目を見開いて驚いている

 

つぐみ「庄司くん?どうしたの?」

 

酷く震えている…

 

父「庄司?どうかしたのか~」

 

お父さんが庄司くんに手を伸ばす。すると――

 

庄司「――ッ!!」

 

つぐみ「庄司くん!!」

 

庄司くんがおとうさんの腕を振り払って一目散に二階に駆けあがっていった

 

_________________

 

お店に入った途端、あの嫌なにおいが…

 

 

あぁ…!!なんで!なんで…あいつがこんなところに!

 

僕の目の前には、あの悪魔が居た!

 

どうして此処が!?

 

つぐみ「庄司くん?どうしたの?」

 

つぐみさん!早く逃げないと!

 

父「庄司?どうかしたのか~」

 

く、来るな!ぼくに…近づくな!!

 

僕は一目散に自分の部屋に隠れた…

 




さて、物語も中盤に入ってきました。

それでは、終盤に向けてアンケートを募集します。

内容は、誰と恋仲になるかです。
票が多い順に作って行くのでよろしくお願いします

もしも主人公(庄司)が学校に通うなら?

  • 羽丘
  • 花咲川
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