こえ無き声を届けたい   作:hirag

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5話

帽子…良し!カバンも良し!時計も…

 

壊れた懐中時計を懐にしまう。

 

この時計を手にして以降、不思議なことにパニック障害を起こすことは一度もなかった

 

父さんが何度もこの時計を直そうと提案してきたけど僕は断った。

 

これは僕にとっては両親の形見…針もあの日…あの時間を忘れないようにしたかった

 

部屋を出て、扉にかけているホワイトボードに“お出かけ中”と書く

 

これで良し!これで父さんと母さんが心配しないと思う

 

つぐみ「庄司くーん!準備できたー?」

 

下の階からつぐみさんが呼んでいる

 

懐を触り、しっかり時計が入っていることを確認して下の階に降りる

 

蘭「あ、降りてきた」

ひまり「準備はできた?」

 

コクリ

 

巴「よし。じゃあ、早速行くか!」

 

_________________

 

~電車内~

 

夏休みのシーズンだから電車内はそこそこ席が埋まっていた

 

つぐみ「中々、席空かないね」

モカ「どこも夏休みだからね~」

 

蘭「お店の方は大丈夫なの?」

巴「言われてみればそうだな…」

 

『大丈夫ですよ。助っ人呼んでいるので』

 

「「「「助っ人?」」」」

 

 

―羽沢珈琲店―

 

イヴ「イラッシャイマセ~」

紗夜「い、いらっしゃいませ」

 

リサ「あれ?紗夜。何やってるの?」

紗夜「庄司さんに頼まれたので…」

 

友希那「外せない用事ってこれだったの?」

紗夜「すみません…」

 

リサ「まぁまぁ、別にいいじゃん!」

友希那「そうね。何かおすすめはあるかしら?」

 

紗夜「新商品の冷やし羊羹はいかがですか?」

リサ「何それ美味しそう。じゃあアタシはそれを一つ」

 

友希那「私も同じものを…」

紗夜「かしこまりました」

 

_________________

 

~遊園地~

 

ひまり「ついた~!」

巴「さて、楽しむぞー!」

 

つぐみ「まずは何から行く?」

蘭「混んでいないところから行こう」

 

モカ「さんせ~い。しょーくんもそれでいい?」

 

コクリ

 

パーク内の地図を見た感じだとジェットコースターが一番近い

 

絶叫系…なんだか面白そうだ

 

『あれに乗りませんか?』

 

巴「あれか…」

モカ「いいね~」

 

蘭「あたしはここで待ってるから…」

 

ジェットコースターを指さした時から少し青ざめている

 

モカ「あれ~もしかして蘭ビビってる?」

蘭「はぁ~!!ぜ、全然ビビってないし」

 

モカ「じゃあ、乗れるよね~」

蘭「の、乗れるし…」

 

ひまり「じゃあ、早く行こう!」

つぐみ「うん」

 

コクリ

 

―15分後―

 

「次、6人どうぞ」

 

巴「ようやくだな」

つぐみ「蘭ちゃん。大丈夫?」

 

蘭「だ、大丈夫だから…」

 

そう言いつつ美竹さんの足が震えていた…

 

「荷物はこの中に入れてください。貴重品はこっちに」

 

箱の中にカバンと懐中時計を貴重品ボックスに入れる

 

時計を預けてからなんだか少し不安になってきた…

 

ひまり「そう言えば、ペア分けしてなかったけど…」

巴「適当でいいんじゃね?」

 

僕の座席は一番先頭、隣には――

 

 

 

 

つぐみ「一番前だね。あはは…」

 

後ろには美竹さんと宇田川さん。青葉さんと上原さんのペア

 

「では、いってらっしゃい!」

 

係員の言葉を合図にジェットコースターは動き出した。

 

段々、上に向かって行く。不安になり咄嗟に羽沢さんの手を握った

 

つぐみ「ちょ、ちょっと庄司く…きゃあぁぁー」

 

_________________

 

 

モカ「面白かった~」

巴「大丈夫か?蘭」

 

蘭「全然、大丈夫じゃない…」

ひまり「つぐ。顔が赤いけど大丈夫?」

 

つぐみ「う、うん…大丈夫…」

巴「あれ?庄司も顔が赤いぞ」

 

結局、最後までつぐみさんと手を繋いでいた

 

でも、不思議だ。時計を手放してからあった不安を感じられなかった

 

それより、違う感情が…この気持ちは――

 

蘭「大丈夫?まさかまた⁉」

 

僕は首を横に振った

 

ひまり「よーし!次行ってみよう!」

モカ「次はあれかな?」

 

青葉さんがコーヒーカップを指さした。

 

あれって確か、回るやつだったような…組み合わせによっては地獄を見そう…

 

 

―数時間後―

 

 

あの後、宇田川さんとコーヒーカップに乗り、高速で回されて吐きそうになったり

 

お化け屋敷を入ろうとしたときは、青葉さん以外全然乗り気じゃなかった

 

特に美竹さん…

 

結局、全員で入ることになり終始美竹さんが僕の腕をガッチリホールドして歩きにくかった

 

宇田川さんは最初の方は大丈夫そうだったけど、最後は上原さんと一緒に先に走っていた

 

うん。去年の夜の学校に忍び込んだ時がどんなに大変だったのか、身をもって知った

 

 

もしも主人公(庄司)が学校に通うなら?

  • 羽丘
  • 花咲川
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